泉健太国会対策委員長は31日午前、定例記者会見を国会内で開いた。

 泉国対委員長は同日の衆院本会議で働き方改革関連法案の採決が行われ、厚生労働委員会メンバーである白石洋一議員が反対討論に立つ旨を報告。「われわれは高度プロフェッショナル制度を導入するということは健康管理、労働時間管理が働く側に押し付けられ、経営者の管理責任がより遠くなってしまうという意味で、働かされる側が自由や健康を損ねる危険があると思っているので反対する」と語った。一方で法案への対応に関して「各法案についてそれぞれ審議して賛成・反対を決めている。『野党は反対ばかり』と言われることもあるが、国会では概ね8割の法案は賛成している状況」だと説明し、同日の本会議案件でもオリンピックパラリンピック4法案といわれるドーピング禁止推進法案には賛成するとした。

 30日に1年半振りに開かれた党首討論に関連しては、「制度上トータルで45分という時間制限があり、野党が複数になればより短くなってしまう。仮に野党がひとつだとしても45分であるから、ともすれば予算委員会の対総理質疑よりも時間が短くなってしまう可能性がある」と指摘した。長い時間質問時間を確保できる予算委員会を優先しがちではあるが、党首討論が制度として誕生した意義も踏まえ、国民民主党は積極的な党首討論の開催を政府・与党に求めていく考えを示し、(1)45分という時間を延長し、1時間以上にすること(2)現在は15時の開催だが、国民がリアルタイムで見られる時間、働く方々が帰宅後等に見られる20時の開催(3)定例開催――等を求めていく考えを表明。「時々の課題についてざっくばらんに党首同士が見解を出し合える党首討論にしていくために定例化を呼びかけていきたい」「(党首討論の)意義が失われたとは思わない、むしろこれをしっかりと育てていくことが政治の見えやすさ、分かりやすさにもつながっていく」との見方も示し、国民民主党として党首討論の充実を求めていく意向を語った。

 森友学園の国有地取引に関する財務省決裁文書の改ざんに関して、大阪地検特捜部が佐川氏を不起訴とした報道については、「あくまで地検における捜査という意味での方針。仮に虚偽公文書作成や背任という法的責任を問えないとしても、国会に対しての虚偽答弁や、あるいは改ざんした文書の提出、そもそも行政府で文書を改ざんするという行為は、地検が犯罪であるかを判断するにとどまらず、やはり立法府に対する責任、行政府における責任という意味で重大だということは変わりない」との見解を示した。政治的責任は極めて重いという意味で、財務省内の処分、財務省トップである麻生財務大臣の責任、辞任は間違いないことだと指摘した。

 自民党内で選挙制度改正に関する議論が浮上していることに関しては、「われわれもまったく聞いていないなか、突如、国会会期延長のダシみたいな形で出てきた。まったく受け入れられるものでもないし、そもそも選挙制度について、ひとつの政党が突出してアピールのためだけに方針を出すということは、選挙の公平性・透明性という意味からしても、のめるものではない」として、検討に値しないと指摘した。