参院で1日、政府提出の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11)の締結について承認を求めるの件」の本会議質疑があり、国民民主党・新緑風会の藤田幸久議員が質問に立った。

 冒頭、安倍総理の終焉の到来を感じると表明した藤田議員は、歴史家が安倍政権について「国会審議と行政の基本である公文書を隠ぺい・改ざんし、法治主義から人治主義、つまり身びいき主義へと政治手法を改悪し、解釈で憲法を変えるという禁じ手を行使して、民主主義と行政に対する国民の信頼を失った」と評価するのではないかと述べた。

 そして、この政治手法の原点は、自民党が政権に復帰した2012年の総選挙時にあったと指摘。当時の自民党は公約で「聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対」としていたにもかかわらず、総選挙の数カ月後に安倍総理がTPP加盟を決めたことを取り上げ、「これが安倍内閣のうその始まりだ」とその政治姿勢を痛烈に批判した。

 TPP11について藤田議員は、「国民生活に大きな打撃を与える大問題だ」と警鐘を鳴らしたうえで、今回の協定に関して農業や酪農への影響、ISDS条項に固執する理由、JAマネーへのアクセス、種子法廃止によるリスク、ジェネリック医薬品取得対策などについて政府の見解をただした。

 最後に自らを「根っからの自由貿易論者である」と表明しながらも、TPP11がトランプ大統領らが指摘するように「『グローバル企業の一部の経営者だけがもうかり、賃金が下がり、失業が増え、国家主権が侵害され、食の安全が脅かされる』ものであるならば反対せざるを得ない」と訴えた。

TPP11協定承認案藤田幸久議員質問予定稿