参院予算委員会で25日、「内外の諸情勢」をテーマに安倍総理出席のもと集中審議が行われた。国民民主党・新緑風会の1番手として浜口誠議員が質疑に立ち、日米通商問題、国内の自動車関係諸税、加計学園問題について安倍総理にただした。

 米国のトランプ政権が今年の3月に鉄鋼・アルミニウムの輸入品に対して追加関税を発動し、5月には自動車や自動車部品に対しても追加関税を発動する検討に入ったことに触れ、「これは、わが国のものづくり産業にとっては極めて大きな問題だ」と浜口議員は懸念を表明。日本の自動車産業が2017年に米国内で9.2万人もの雇用を生み出していることを示し、「こういうことをアメリカのトランプ政権にも丁寧に説明すると同時に、今回の不合理な追加関税についてはやはり日本としては容認できない、撤廃すべきだと強い姿勢で安倍総理をはじめ皆さんが米国政府に対して言っていく必要がある」と安倍総理に迫った。

 7日に開いた日米首脳会談でも安倍総理がトランプ大統領に対して追加関税の撤廃を強く求めたのかを説明するよう迫り、「攻める時は攻める。守る時は守る。しっかりその使い分けをやっていただかないといけない。そうしないと日本の産業は守れない」と米国に強く交渉するよう求めた。

 また、北朝鮮の拉致問題や非核化の問題を引き合いにして、米国が日本に通商問題で譲歩を迫ることがある場合は、北朝鮮問題と通商問題は切り分けて対応するべきだと主張した。
 
 加計学園問題については、25日付の日本経済新聞に掲載された世論調査で、安倍総理と加計学園の加計孝太郎理事長が約3年前に面会をしたと愛媛県の文書に記載されていることをともに否定していることについて「納得できない」と答えている人が70%に上ることを取り上げた。

 さらに、安倍総理が昨年7月24日の衆院予算委員会で「時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦したいという趣旨のお話は聞いたことがある」と加計理事長から話を聞いていることに触れたが、19日の加計理事長の記者会見では、安倍総理に仕事に関する話はしていないとしており、両者の発言が矛盾していることを指摘した。浜口議員は、「このことだけ取っても加計理事長には国会に来て話をしていただく必要がある」と述べ、加計理事長の証人喚問を求めた。