大塚共同代表インタビュー

 史上初の米朝首脳会談が12日に開催され、わが国として今後の展開が注目される拉致問題解決への道筋について、元拉致問題担当副大臣でもある大塚耕平共同代表に聞いた。

 ――日本にとって拉致問題解決は北朝鮮の核・ミサイル廃棄と並ぶ最優先の重点課題だが、拉致問題担当副大臣も経験した立場から、今回の米朝首脳会談、日米韓外相会談などをどう見ているか。

 担当副大臣当時、守秘義務を順守してきた立場から申し上げたいのは、全ての情報を開示できないのは当然だ。しかし、日本政府は少なくとも14日の日米韓外相会談は当事者として出席しているので、被害者及びそのご家族のことを心配する国民に対し、拉致問題解決の障害とならないように配慮しつつ、可能な範囲で説明する必要があると思う。

 一方、米朝首脳会談については、日本は当事者ではない。拉致問題への言及を米国トランプ大統領に事前に要請し、トランプ大統領も会談でこれを提起したと言っているので、日本政府としては米国政府にその内容を確認する義務がある。

 ――拉致問題解決に向けた今後の日本政府の対応はどうあるべきだと考えるか。

 北朝鮮は何度も「拉致問題は解決済み」と述べているが、このことを撤回・修正させることが必要だ。今回の米朝首脳会談の中で、拉致問題が未解決であることを認めたのかどうかが重要なポイントだ。「拉致問題は解決済み」という対応を撤回・修正させてこそ、次の具体的な解決策の議論に進むことができる。

 日朝両政府はこれまで、04年、08年、14年に拉致問題の再調査で合意したが、その再調査は毎回反故(ほご)にされ、棚晒し(たなざらし)のままだ。そうした経緯が、米朝首脳会談開催に至るまでの北朝鮮側の「解決済み」発言にもつながっている。この調査についても、どうなったのか、日本政府は事実関係を質していく必要がある。

 こういう積み重ねによって、できる限り早期に具体的な解決に近づけていくべきだ。国民民主党としても、解決に向けて協力と努力をしていく。

 ――日朝間の交渉の持ち方についてはどう考えるか。

 6カ国協議の中で、核ミサイル問題等について、米中韓は北朝鮮とかなり濃密かつ直接話し合いを行っており、ロシアも直接間接に情報を取っている可能性がある。日本政府としても、米韓からの間接情報だけではなく、北朝鮮と直接接触して情報収集できるように努力すべきだ。

 ――ありがとうございました。