豚コレラ対策本部

 関東地方でも豚コレラの感染が確認されたことを受けて国民民主党は19日、豚コレラ対策本部を党本部で急きょ開いた。農林水産省、環境省、防衛省の担当者から豚コレラの感染状況及び対応、東京農工大学の白井淳資教授から防疫対策についてヒアリングし、立法措置を含めた対応のあり方について協議した。

 出席議員からは、「豚コレラが埼玉にも飛び火したことで局面が大きく変わった。こうした新たな局面にどう対応するのか」「野生イノシシの捕獲よりも飼養豚にワクチンを打つ方が効率的に感染拡大を防げるのに、なぜワクチンを打たないのか」「予防的殺処分を含めた徹底的な消毒が必要ではないか」など防疫対策に関してさまざまな質問が出された。

 ワクチン接種に関して白井教授は、2010年に口蹄疫が発生した際、それまで政府が一度もワクチンを使ったことがなかったが、民主党政権時の農水大臣の決断でワクチンを使用した事例を取り上げた。「あの時、ワクチンを使わなければ口蹄疫が日本全国に広がっていた」と指摘し、その有効性を強調した。

 今後の党の対応に関して協議の結果、「これ以上モグラ叩きのように殺処分を続けていても何の解決にもならない」「ヨーロッパでも行われているようにワクチンを打って早く終息をさせる。豚コレラ清浄国に戻って養豚産業を支え、繁栄させる」などの意見が出され、対策本部として早急に方針を取りまとめるとともに、すでに提出済みの「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案」「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」に加えて、新たな立法措置も検討することを確認した。

 同日の対策本部には、衆院側から浅野哲(茨城)、篠原孝(長野)、小宮山泰子(埼玉)、西岡秀子(長崎)、参院側から徳永エリ(北海道)、舟山康江(山形)、森ゆうこ(新潟)、羽田雄一郎(長野)、大塚耕平(愛知)の各議員をはじめ、豚コレラの感染が確認された県選出の国会議員秘書や社会保障を立て直す国民会議所属の重徳和彦衆院議員がオブザーバーとして出席した。