プロフィール:
玉木雄一郎 衆議院議員(香川2区選出)
1969年、香川県さぬき市寒川町生まれ。家は兼業農家。東大法学部卒(陸上部所属)、ハーバード大学大学院(ケネディースクール)修了。93年、大蔵省(現財務省)入省。予算、税制、金融のほか、3人の大臣の秘書専門官として、行革、規制改革、地域再生に尽力。外務省出向時にはヨルダン担当として中東和平にも関わる。2005年衆院選に初出馬するも落選し、09年初当選。当選4回。趣味はカラオケ(十八番は「あずさ2号」)、マラソン。
雇用、年金、教育費、医療、そして介護。人生百年時代と言われる中、私たち「働く世代」は、将来について、さまざまな不安を抱えているといわれる。働く世代のための国民民主党の政策について、玉木雄一郎共同代表に聞いた。
──はじめに読者の皆さんに一言お願いします。
こんにちは。国民民主党代表の衆議院議員、玉木雄一郎です。
まずは今回の大災害、豪雨でお亡くなりになられた方々に、心からお悔やみ申し上げたいと思います。あわせて、なお現在も多くの方々が被災され、避難所で暮らしておられる方々もたくさんいらっしゃると思います。
今回の災害の影響は、長期にわたって及ぶと思いますので、私たちは、最後の最後まで、被災された皆さんに寄り添っていきたいと思っています。全党を挙げて、この問題に取り組んでいきます。
──「働く世代」、特に50代以下の世代は、さまざまな不安を抱えていると言われています。この「働き盛り世代」のための政策について教えて下さい。
私も今49歳ですから、本当に50代以下の皆さんの思いとど真ん中で一緒なんですね。非常によく分かるんです。ある程度子どもも大きくなってきて、これから大学に行くというような世代ですし、親の介護も必要になってきます。それからこれまで突っ走ってきた頃に比べれば、自分自身の健康にも注意しなければいけない。一方で、年金はこれからずっと減る一方なのかな、介護保険料は上がる一方なのかな、子供たちの教育負担は増える一方だな、と。二重三重にさまざまな悩みを抱えているのが今の50代以下の世代、ではないでしょうか。
その意味では、私たちは本当に皆さんと同じ目線で、こうした不安に向き合っていきたい。特に社会保障制度の改革。これをわが党は逃げずに正面から取り組んでいきたいと思っています。
例えば年金。たくさんもらっている人はいいですよ。でもやっぱり最低限の暮らしを支える年金あるいは給付が、すべての国民にしっかりと保障されるような仕組みに変えていかなければならないと思っていますので、最低保障年金制度、こういったものもしっかりと組み立てて、国民の皆さんにお示ししていきたいと思っています。
もちろん、財源の問題も大きいですが、何より大切なのは、どんな状態になっても―病気になっても、自身や親の介護が必要になっても、最低限安心して暮らしていけるような、しっかりとしたベースを整える。これを明確な形で示していきたい。社会保障制度の新たな枠組みを、責任をもってお示ししていきたい。
──アベノミクスとは異なる、国民民主党らしい経済政策とは?
経済成長というのは3つの要素でしか実現しないんですよね。一つは、労働投入といって、どういう人たちがどれだけ働くのか。二つ目は、資本の蓄積——例えば設備投資がどういうふうに行われるのか。そして三つ目は、さまざまなイノベーションです。人については、これから人口が減っていきますけれども、ITなど新しい技術を生かしながら、そういった労働力の低下をできるだけ抑えていく。そこには新しい投資もしっかりと入れていくということなのですが、私たちが一番重視したいのは、三つ目のイノベーションですね。
革新的なAIをはじめとした技術がどんどん出てくる中で、これをやっぱり成長のエンジンにしたいし、かつ、介護の問題とか医療の問題とかさまざまな身近な問題の解決にしっかりつなげていく。「イノベーション・ニューディール」と私たちは呼んでいますけれども、そうした技術革新に伴う飛躍的な世の中の変化、これをやはり起こしていきたいと思っています。
──現政権よりも技術革新(イノベーション)に力を入れるということですね?
そうですね。例えばAIの投資なんかは実は、中国や米国に比べたら日本は非常に少なくなっているんですね。ですからここは大胆な投資を促していく。そのための税制とか、様々な応援策もやっていきたいと思う。それともう一つ、AI・IT人材が日本は非常に少なくなってきています。ですから、計画的なIT人材の育成、あるいは計画的な海外への留学の増加といったものも、国家戦略としてしっかり進めていく。AI時代にふさわしい人材育成ということで、教育分野には全力で投資をしていきたいと思っています。
──現在、様々な政党がありますが、国民民主党はどんな特長をもった政党ですか?
私たちはできたばかりの「ベンチャー政党」です。これまでのしがらみにとらわれないで、どんどん新しいことにチャレンジできる。とくにイデオロギーの右だ、左だというのにはとらわれないで、国民の皆さんにとって「役に立つ政策」を出していく。そういう政党・政策集団でありたいと思っています。
ですからこれから本当にどんどん、新しい技術も出てくるし、雇用のあり方や、私たちのライフスタイル自体も大きく変わってきますから、少しそういう未来を先取りして、今からそれに備えていける、現実的な政策を打ち出していけるのが私たち、国民民主党だと思っています。
自民党、立憲民主党、さまざまな政党がありますが、私たちが最も未来を見据えて、そして現実的・具体的に、国民の皆さんに「お役に立てる政党」が私たちなんだと。このプライドと矜持(きょうじ)をもって頑張っていきたいと思います。
──最後に、読者の皆さんへのメッセージを一言お願いします。
私たちは、国民の皆様の生活の向上、本当に安心して暮らしていけるような日本をもう一度作り上げるために、しがらみにとらわれないで、新しいことにどんどん挑戦していける政党です。本当に未来に対してわくわくするような期待を抱ける、希望を持てるような社会を作る。そういう政党が国民民主党なんだ。そういう思いを皆でもって、仲間と頑張っていきたいと思います。期待して下さい。