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[1] 家計第一の経済政策

国民民主党は、「家計第一」。家計を支援し、消費を活性化させます。人への投資で、一人ひとりの能力が存分に生かせるようにし、家計も企業も豊かにします。

1. 消費税

約束した議員定数削減も果たされていません。高所得者が得をする軽減税率や、一部の人だけが得をするポイント還元を伴う、今回の消費税引き上げには反対します。『家計支援こそ成長力』。社会保障財源の確保は必要ですが、消費拡大による景気回復を十分に果たさなければ、消費税引き上げを行うべきではありません。引き上げの前に、先行して子育て支援拡充を行うため、「子ども国債」を発行します。

2. 所得再分配機能の回復

一般の家庭が少しでも余裕を実感できるようにする一方、富裕層には応分の負担をしてもらい、そのお金を社会に還元します。NISA等の拡大により、家計の金融資産形成を応援します。同時に、高所得者層は金融所得の割合が多いことから、金融所得課税により所得再分配機能を強化します。

「所得控除」から「給付」(給付付き税額控除)へと税体系を大きく変えていきます。給付を社会保険料の支払いと相殺すること等により、実質的な可処分所得を底上げするとともに、無年金者、生活保護世帯を減らします。

「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業などがビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。

3. 家計の負担軽減

  1. ① 子育て支援 (詳細は [5]-1、2、3、7)
  2. ② 家賃の負担軽減

    年収500万円以下で、賃貸住宅で暮らす世帯の家賃について、月10,000円の補助を行います。住環境の改善が実現できれば、子育て支援にもつながります。

  3. ③ 特定支出控除の拡大

    職業の違いによる税制の不公平の是正、確定申告の機会拡大の観点等から、給与所得控除等を見直しつつ、自動車の任意保険料、塾代等の民間教育費等について特定支出控除の対象とすることを検討します。

4. 雇用・賃上げ企業の減税

中小企業の社会保険料事業主負担軽減や雇用促進税制拡大等により、企業活動を支援し、従業員の手取り増につなげます。賃上げを行った企業とそうでない企業との間で、法人税率に差をつけます。中小企業に適切な支援をしつつ、最低賃金は、「全国どこでも時給1,000円以上」を早期に実現し、さらに暮らしを底上げします。

5. 人への投資

児童手当増額、教育無償化、待機児童解消等により、日本の将来を支える人材を育成します。

6. 経済基本法の制定

成果の出ないアベノミクスに代わり、経済・財政・金融・予算に係る新たな枠組みについて法律を制定します。


[2] 地域主権改革・地域活性化政策

1. 一括交付金の復活

地域の自立的な政策展開を可能にする「一括交付金」をまず復活させます。さらに、地域に権限や財源を移譲し、地域の知恵を生かせるようにします。

2. 乗合タクシーの普及支援

低料金でドアツードアの乗合タクシー(デマンドタクシー)、コミュニティバスなどを、国の基準の見直しや予算措置で、強力に支援します。

3. 高速道路料金の低料金・上限定額制

補修費や建設費も考慮に入れながら、償還期間や金利を実態に合わせて見直すこと等により、普通車以下については、新たな料金体系を実現します。近距離料金は現行通りですが、土日祝1,000円、平日2,000円の上限定額制へ移行します。また、簡易な出口を多く設置し、利便性を向上させます。

4. 自動車の負担軽減

自動車重量税の「当分の間税率」廃止、自動車重量税の国分の本則税率の地方税化、「新自動車税」「新軽自動車税」への簡素化により、1.5t未満のマイカーであれば1台当たり4,800円/年の減税を実施します。

5. サポカー限定免許の創設

高齢者の交通事故対策として、ブレーキとアクセルの踏みまちがい等を防ぐ安全装置を装着したサポカー(安全運転サポートカー)に限定した免許を設けます。

6. 「総合的な農業者戸別所得補償制度」の導入

食料自給率を50%に高め、食の安全安心を守ります。そのために、環境・GAP加算などの総合的な農業者戸別所得補償制度(米の場合15,000円/10a)を導入し、地産地消を推進します。また、田畑などへの鳥獣被害対策、都市農業支援に取り組みます。さらに、種子法を復活させます。JAの准組合員規制には反対であり、地域に根差した「農」を支える人づくりを行います。

7. ふるさとへの帰農支援

夫婦の一方が生まれ育ち、親の住んでいた故郷に帰農する場合、年最大250万円を給付する制度(「夫婦ふるさと帰農支援給付金」)を創設します。「農業次世代人材投資事業」を充実・強化し、農業後継者の就農を強化しつつ、過疎地の活性化を図ります。

8. 林業のさらなる活性化・花粉症対策

国民の約3割が罹患しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採・利用・植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。また、国有林・民有林において、公益的機能を維持しつつ、木材の安定供給を図り、木質バイオマスや木製サッシの推進を含めた住宅などへの国産材の活用や、海外への製材輸出を促進し、ドイツのような林産業大国を目指します。

9. 水産業の発展

審議不十分なまま成立した2018年の改正漁業法について、現場の声を聞き、真の水産業発展に資する観点での見直しを求めます。

10. 家畜伝染病の阻止

アフリカ豚コレラなど家畜伝染病の海外からの流入を水際で徹底阻止するため、検疫探知犬の配置の充実、許可のない肉製品等の持ち込み者に対する上陸拒否など、検疫体制を強化します。

11. 中小企業政策

中小企業の継続と発展を支えるため、人材確保策、事業承継を支援します。中小企業に、新規正規雇用の増加に係る社会保険料事業主負担の半分相当を助成し、正規雇用を促進します。事業承継税制の恒久化及び免除措置の創設を行います。また、民法の債権法に係る欠陥条項を是正し、事業向け融資に関する第三者保証を禁止します。

12. 住宅政策

家賃生活者にも、補助制度を創設します(詳細は[1]-3②)。所有者不明土地問題を含め空き家対策の検討を進めます。 「中古住宅高付加価値化法」(仮称)を制定し、中古住宅の流通合理化・市場活性化を図ります。 団地の世代循環、高齢者向け住宅の供給拡大を進めます。住宅バリアフリー化、耐震化や省エネ化を進めます。

13. 地域仮想通貨の支援

低コストで、地域内でお金が回る仕組みがつくられるなど、地域経済活性化に資する「地域仮想通貨」の発行を可能にします。

14. NPOなどに対する支援拡充

「新しい公共」を推進します。就労・起業、空き家等の遊休資産活用等を支援し、地域社会の課題解決と雇用創出を図ります。「難病の子どもの資金支援法」(仮称)を制定し、「○○ちゃんを救え」等の資金を提供した人に対して認定NPO並みの税の減免措置を検討します。

15. 郵政政策

平成24年(2012年)に成立した改正郵政民営化法に基づき、利用者の利便性を高めるとともに、郵政事業のユニバーサルサービス維持・向上に努めます。特に、郵政事業に係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス確保の観点から、さらなる検討を進めます。そして、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の限度額については、利用者の利便性向上の観点から、撤廃を目指します。


[3] 未来先取り政策

1. 第4次産業革命

世界で進行中の第4次産業革命(IoT、ブロックチェーン、ロボット、人工知能、ビッグデータ、自動運転等の多岐にわたる技術革新)については産官学・中小企業と大企業・国内外の企業家など異分野のプレーヤー同士を結び付ける手法(オープン・イノベーション)を積極的に活用し、日本発の「世界で戦える産業」を育成します。同時に国の研究開発のあり方を質・量ともに変革します。科学研究費補助金(科研費)をさらに増やし、ITやIoT分野(特に、ソフトウェア、サイバーセキュリティ等)の予算を重点的に拡充します。また、交通事故の削減、高齢者等の移動支援や渋滞の解消などに資する自動運転の実現に向けて、特定条件下における完全自動運転(レベル4)を可能な限り早期に実現します。

2. ソサエティ5.0の実現

先端技術を、物流や介護など、あらゆる産業や社会生活に取り入れ、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「ソサエティ5.0」を実現します。

3. どこでもWi-Fiの実現

どこでも「ギガ」を気にせずネットを楽しめるよう、全国の駅前や飲食店など人の集まる場所の無料Wi-Fiスポットの設置を支援します。


[4] 社会保障政策

1. 予防医療・リハビリテーション・医療提供体制の充実

健康寿命を延ばすため、予防医療やリハビリテーションを充実させます。また、医療従事者の長時間労働の是正、女性医療従事者の就業継続・再就業支援などにより、医師・看護師を確保します。さらに、医療現場における職種間の連携を強化することにより、質の高い医療を受けられるようにします。

2. 介護サービス・認知症対策の充実

介護サービスの質を確保し、いのちや暮らしの基盤を立て直すため、全ての介護職員の賃金を引き上げます。また、かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携推進、在宅サービスの充実、配食や見守りなどの促進を行い、「地域包括ケアシステム」の構築と定着を進めます。さらに、認知症予防事業や認知症患者の徘徊対策などを推進します。

3. 介護と仕事の両立支援

介護休業の期間を延長したり、介護休暇を時間単位で取得できるようにするなど、介護する家族の立場に立って、介護と仕事が両立できる環境を整えます。

4. 総合合算制度の創設

医療・介護・障害福祉等にかかる自己負担の合計額に上限を設ける「総合合算制度」を創設します。

5. 低所得者の年金の確保

低所得の年金生活者(年金とその他の所得の合計額が国民年金満額相当以下などの場合)に対しては、政府の年金生活者支援給付金より手厚く、最低でも月5,000円を給付します。また、短時間労働でも厚生年金に加入できるよう適用拡大を進めます。


[5] 子育て支援政策・教育政策

1. 保育の受け皿の整備・待機児童解消

待機児童の解消のために、保育園と放課後児童クラブを積極的に増やします。全ての保育士等、学童保育の職員の賃金を引き上げます。病児・病後児保育、障がい児や医療的ケア児の保育など多様な保育を充実させます。

2. 就学前教育・保育の区別なき無償化

0~2歳の幼児教育・保育無償化の所得制限をなくし、完全無償化を目指します。

待機児童については、ベビーシッターの利用料を補助します。

3. 子育て支援の大幅拡充

児童手当について、現行15歳までのところ、18歳まで引き上げます。給付額も一律で月15,000円とします。また、給食費は無償化し、学年費(副教材など)も補助します。

費用助成の拡充など、不妊治療への支援を進めます。

4. 児童虐待防止対策の強化

しつけと称する虐待を防止するため、親が教育等に必要な範囲で子どもを懲戒できるという民法の規定を早急に見直します。政府のプランよりも児童福祉司を各児童相談所につき1人増員します。

5. EdTech(エドテック)の推進

人工知能・IoT・VR・ブロックチェーン等の先端技術を活用して、学習・教育効果の向上、自動化・効率化、価格破壊、市場創出等、従来の教育の仕組みや産業構造に大きな変革を起こします。

*Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語。

6. 通学時の子どもの安全確保

「児童通学安全確保法」を制定し、国が責任を持って体制を整備し、通学路などでの子どもの安全を守ります。

7. 給付型奨学金の拡充

親の収入など家庭の状況にかかわらず、安心して大学や専門学校等に進学できるようにするため、返済のいらない給付型奨学金を拡充します。


[6] 働き方改革

1. 長時間労働の是正

勤務から翌日の勤務まで一定の間隔を空ける「インターバル規制」の義務付け、長時間労働の温床となっている「裁量労働制」の厳格化、労働時間管理の徹底、違法残業など法令違反に対する罰則の強化など、実効性のある規制を定めた「安心労働社会実現法」を制定します。

2. ハラスメント対策

パワハラ・セクハラに対して、労働者を保護するための新たな義務を事業者に課す法律を制定します。また、就活生やフリーランスとして働く人に対するセクハラも含め、セクハラ行為を法律で禁止します。悪質クレームの被害から労働者を守るための「悪質クレーム対策推進法」を制定します。

3. 男性に育児の権利を!

男性を含め一定期間の育児休業の付与を事業主に義務化します。男女ともに育休中の賃金補償を実質100%とする雇用保険法改正を実現します。また、育休を取得する場合の社会保険料免除制度を改善します。父母が互いに育児を支え合うコペアレンティング(夫婦協同育児)と子育てシェア等の推進により、「3歳児神話」からの脱却を目指します。

*3歳までは母親が子育てに専念すべきだという考え方。


[7] 人権政策

1. 様々な差別を解消

ヘイトスピーチ対策法を発展させ、人種、民族、出身などを理由とした差別を禁止する法律を制定します。与党の反対により進まない「LGBT差別解消法案」の成立を目指します。

2. 男女共同参画社会を推進

選択的夫婦別姓を実現します。多様な家族のあり方を受け入れる社会を目指します。そして、女性差別撤廃条約選択議定書を批准し、婚外子差別となっている戸籍法の改正を目指します。国政選挙におけるクオータ制導入を目指します。さらに、性犯罪に関する刑法の改正を進めます。

3. 外国人との共生

外国人の受け入れは、その能力が存分に発揮され、日本国民との協働・共生が地域社会や生活の現場においても推進されることが大前提です。困難な状況となっている地方における人材の確保、多様な言語に対応したワンストップセンターの整備など、地方自治体などに対する支援を強化します。

4. 障がい者・難病患者政策

障がい者・難病患者が住み慣れた地域で安心して自立した生活が送れるよう、「障害者差別解消法」の実効性のある運用を目指します。障がいの有無などにかかわらず、同じ場でともに学び、働く「インクルーシブ教育・雇用」を推進します。さらに、既存の発想にとらわれない新たな社会参加・就労機会の場を確保します。

5. 孤独対策

イギリスでは孤独問題担当大臣が設けられ、フランスでも高齢者の孤立問題を担当する大臣が置かれるなど、孤独への取り組みが始まっています。わが国にも、孤独対策の担当大臣を置き、相談ダイヤル「よりそいホットライン」の大幅拡充や、ソーシャルワーカーによる対面相談、社会とのつながりを持てるようにするための居場所づくりなど、個々の課題解決のためのサポート体制を強化します。また、ソーシャルワーカーの養成を推進することや民生委員・児童委員の経済的負担を軽減することなどにより、地域で相談や支援活動を行う人材を確保します。


[8] 環境・エネルギー政策

1. 分散型エネルギー社会

熱を積極的に活用するまちづくり、省エネルギー、風力・水力・バイオマス・地熱・太陽光など、地域ごとに親和性の高い再生可能エネルギーの導入を推進します。そして、エネルギーの地産地消による分散型エネルギー社会を目指すスマート・コミュニティへの転換を推進します。また、IoT・5G・ブロックチェーン等の最新技術を活用し、分散協調型の電力網を構築するとともに、取引市場を高機能化し、総合的な経済性、地域社会間の連結性、持続可能性を向上させます。

2. 原子力政策

エネルギー政策の基本方針として、「3E+3S」を掲げ、エネルギー政策の新しい答えを提示します。

あらゆる政策資源を投入し、2030年代を目標として、できるだけ早期に原子力エネルギーに依存しない社会(原発ゼロ社会)を実現します。原子力発電所の再稼働にあたっては、厳格な安全基準の徹底は当然のこととして、避難計画の作成と地元の合意を必須とします。

*①エネルギー安全保障を含む安定供給(Energy security)、②コスト・経済性(Economic efficiency)、③環境(Environment)、④安全・安心(Safety)、⑤地域社会(Society)、⑥持続性(Sustainability)

3. 地球温暖化対策

「パリ協定」を推進するため、徹底した省エネルギーと、発電所の効率化、自動車の燃費改善の促進、再生可能エネルギー30%以上の導入等により、2030年までに1990年比30%以上のCO2削減を目指します。

4. マイクロプラスチック対策

マイクロプラスチック問題の深刻化を踏まえ、国際的な取り組みを強化するとともに、生態系への影響を防止するための規制を導入します。

[9] 外交安全保障政策

1. 主権・国土を守る

激変する安全保障環境に対応するため、日米同盟を基軸にして専守防衛に徹し、効率的で効果的な防衛力を維持・整備します。そのために、「平和安全法制整備法廃止法案」、「国際平和支援法廃止法案」、「周辺事態法改正案」、「領域警備法案」を成立させます。後年度負担やFMSの見直しを進めます。

尖閣諸島をはじめ、我が国の領土・領海・領空を守り抜きます。我が国の固有の領土である北方四島と竹島については、粘り強く交渉を続け、解決を目指します。

2. 北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の包括的解決

関係各国と緊密に連携し、北朝鮮の完全な非核化、ミサイル放棄を実現するとともに、拉致問題の解決を図ります。

3. 日米地位協定の改定・辺野古新基地建設の見直し

地位協定の諸外国並みの改定を目指します。米軍、軍人、軍属、その家族に対する国内法の原則順守、日本側の米軍基地の管理権などについて米国と協議します。利便性向上にもつながる横田、岩国空域及び管制権の返還を求めます。沖縄の民意を尊重し、軟弱地盤の問題もある辺野古の埋め立ては中止し、現行の移設計画は見直します。

4. SDGs(持続可能な開発目標)2030アジェンダの推進

「人間の安全保障」の理念に基づき、気候変動対策、クリーンエネルギーの推進、人権の保護、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント、包摂的で公正な社会の構築などに取り組みます。

5. 主体的・戦略的な経済外交

日米通商交渉、RCEP等の自由貿易交渉を行うにあたっては、自由貿易を前提としつつ、自動車や農業分野などを中心に安易に妥協することを許さず、日本の国益を守ることを最優先に位置付け、主体的・戦略的な経済外交を推進します。

通商交渉経過の透明性を確保するため「重大通商交渉情報提供促進法案」の成立を目指します。

[10] 憲法・国のかたち

1. 憲法の議論を進める

現行憲法の基本的理念と立憲主義を維持しつつ、未来志向の憲法を議論します。憲法9条をはじめとする現行憲法の条文について、論理的整合性、法的安定性に欠ける恣意的・便宜的な憲法解釈の変更は許されません。

内閣による衆議院解散権の制約、「知る権利」を含めた新しい人権、地方自治の保障等について、国民とともに議論を深めます。国が自衛権を行使できる限界を曖昧にしたまま、憲法9条に自衛隊を明記すべきではありません。

2. 国民投票法の改正

国民投票運動等の公正な実施を図り、資金力の多寡等による不公正を防止するため、政党等によるスポットCMを禁止するとともに、運動資金の規制強化、インターネット運動の規制(運動主体の表示)、投票日当日の国民投票運動禁止等を行います。国民投票広報協議会による広報活動を充実強化し、憲法改正に関する国民の判断に資する情報提供・環境整備を推進します。また、国政選挙の選挙期間と国民投票の期日等が重ならないようにします。

3. 女性天皇の容認、女性宮家の創設

象徴天皇制のもと、歴史上例がある女性天皇の即位を法制上可能とします。これまで前例のない女系天皇については慎重に議論を進めます。また、女性皇族が皇族以外の男子と結婚される場合に、皇籍を離脱せず女性宮家を創設できるよう皇室典範を改正します。


[11] 震災復興・災害対策

1. 防災・減災対策

災害等への対応を強化するため、各種情報やデータを自治体と早期に共有し、災害対応に活用できるように取り組むとともに、被害が起きてからの対処のみならず、予防的な施策にも積極的に取り組みます。企業や自治体などの事業継続計画の策定支援、帰宅困難者対策などを進めます。

2. 被災地の復興を加速

復興の加速のため、2018年3月に野党共同で提出した「災害弔慰金支給法改正案」、「東日本大震災復興特区法改正案」、「土地等処分円滑化法案」、支援金の要件緩和や増額を行う「被災者生活再建支援法改正案」を成立させます。

東日本大震災等のこれまでの災害復興支援を継続するため、復興庁の後継組織を設けます。被災地のコミュニティ、産業などの復興を支援します。

3. 東京電力福島原発への対応

東京電力福島第一原発の事故処理、廃炉を進めるため、全ての政策手段を投入します。汚染水対策、風評被害対策、除染の徹底、速やかな賠償などを行います。東京電力福島第二原発の早期廃炉を着実に進めます。中間貯蔵施設で保管されている除去土壌等について、30年以内に福島県外で最終処分を完了するための取り組みを確実に進めるとともに、使用済核燃料の最終処分に関して国の責任を明確にします。

4. 国際リニアコライダー(ILC)誘致

被災地東北発、ものづくり大国・日本の再生に向けた次世代の科学技術・産業の「土台」づくりとするためにILCを誘致します。

5. 被災者生活空間の迅速な確保

大震災等発災時には、旅館・ホテルなどの民間施設を借り上げた際の避難期間等を弾力的に運用します。みなし仮設住宅の充分な確保(広域での空き家住宅・賃貸住宅の借り上げ等による住宅確保)をより迅速に実施します。

6. 災害復旧・復興支援税制の創設

被災地支援のボランティア活動を促進するため、自己負担分について税額控除を可能にします。また、近年、大きな災害が多発していることを踏まえ、生活再建を目指す被災者の税負担をできる限り減免するため、「災害損失控除」を創設します。

7. 地域防災力の強化

地域防災や広報を担う消防団員、自主防災組織の処遇改善、防災資機材の整備を推進します。


[12] 政治・行政・国会改革

1. 省庁再編

税と社会保険料の公正な徴収を進めるため、「歳入庁」を創設します。統計不正問題の再発防止のため、統計作成事務を「統計庁」に一元化します。

2. 熟議のための国会改革

与野党が熟議し、多様な意見を反映した法案修正ができるよう、国会の審議のあり方を見直します。「行政監視院」を国会に設置し、行政監視機能を強化します。経済財政の将来推計を行い、統計をチェックする「経済財政等将来推計委員会」を国会に設置します。

3. 議員定数削減と参議院の選挙制度見直し

国民民主党が提出した参議院議員の定数を6減らす法案の成立を目指します。衆参両議院のあり方を踏まえ、合区解消など参議院の選挙制度の抜本的見直しを行うとともに、国会議員の定数削減など身を切る改革を進めます。

4. 政治参加促進

各種選挙に立候補できる年齢を一律5歳引き下げるほか、政策づくり、選挙運動、投票の各場面で参加しやすい環境をつくります。

5. 公文書管理改革

「公文書」の改ざんや破棄、隠ぺいを防ぐため、公文書管理の抜本改革を行うとともに、情報公開を徹底し、国民の知る権利を保障します。