プロフィール:

森本真治 参院議員(広島県選挙区選出)
1973年広島市安佐北区生まれ。同志社大学文学部社会学科で社会福祉を専攻。松下政経塾18期生。弁護士秘書を経て広島市議を10年経験し、2013年参院選挙に初当選。茶道裏千家専任講師(茶名:森本宗真)。NPO法人中国フットサルプロモーション(広島F・DO)副理事長。


 ──自己紹介をお願いします。


 参議院議員の森本真治と申します。選挙区は広島です。現在45歳。広島生まれの広島育ちです。
 参議院議員に当選したのは、2013年7月の参院選挙でした。当時は民主党から出馬し、非常に厳しい戦いではあったのですが、当選させていただいた新人議員5人の内のひとりとして、民主党、民進党、そして今は国民民主党の一員として、活動しています。


 ──広島(西日本)豪雨災害について。


 7月に西日本を中心に豪雨災害がありました。その被害は甚大であり、私の地元、広島の安佐北区でも大きな被害が発生いたしました。瓦礫(がれき)の撤去、不明者の捜索も、まだまだ続いている状態です。
 自然に対する人間の無力さをあらためて感じましたが、それでも政治は国民ひとりひとりの安心安全に対して責任を持たなくてはならない。しっかりとした防災減災対策をやっていかなくてはならないという思いを、この1〜2カ月で私は強くしています。
 ところが、国土強靭化(防災まちづくり・くにづくり)が叫ばれる一方、現在、国の約6兆円ある建設予算の内、約4兆円は道路の整備などの開発型。限られた財源の使い方が、いまだに変わっていないのが現状です。
 今回の災害を受けて、私は国のインフラ、防災・減災、特に河川の整備を始めとした治山治水の重要性を今まで以上に実感しています。現在の与党ではなかなか予算の使い道を変えられないというのであれば、われわれ国民民主党がしっかりとそのことを訴えていかなくてはならない。何より、国民の安心安全の観点に立った政治の役割をまっとうしていこうという決意を新たにしています。


広島は豪雨により甚大な被害を受けた

広島は豪雨により甚大な被害を受けた


 ──これまでの議員経験の中で、よかったこと、苦労されたことは何ですか?


 私が政治を志した原点は、さかのぼること学生時代。
 大学で社会福祉を専攻していた私は、当時からたくさんの施設でボランティア活動に従事しており、特に子どもたちの生活、児童福祉については、多くを学んでいました。
 それは、児童養護施設、すなわち、親と一緒に暮らすことのできない子どもたちのための施設で経験したことです。何の責任もない子どもたちが、進学、就職、あるいは結婚などに際して、いわれのない差別を受ける現実を目の当たりにしました。やはり、「この国の政治を変えなくては」と、まざまざと実感したのです。
 このような経緯があり、参院議員になってからの5年間はもちろん、それ以前に10年間務めていた広島市議時代から、社会保障、介護、医療、福祉、子育ても含めて、よりよい環境が整うよう、力を注いできました。
 今の日本の社会を考えたときに、強い人はどんどん裕福になっていく一方で、弱い人たちはどんどん追い詰められている。格差や貧困の問題は、改善どころか、むしろ顕著になっているように思います。
 何よりも、国民の生活をしっかりと守っていく。将来に向かって夢と希望が持てるようになる。そういう日本をつくっていくためには、引き続き私も努力していきたいと思っています。


 ──社会保障が原点とのお話ですが、これまで、あるいは、これからも議員として力を入れて取り組んでいきたいことをあらためて教えてください


 この5年間は、厚生労働委員会に加え、地方自治の重要性をより考えていこうと、総務委員会を中心に活動を展開してきました。
 私も地元が広島ということで、特に地方の人口減少や高齢化に強く問題意識を感じています。地域を元気にする、そこで暮らす人たちを元気にしていくためには、まち全体の活力と市民生活を支える社会保障の重要性は、これまでもたびたび指摘されてきましたが、政治はまだその期待に十分に応えられていない。それが、私の現状の認識です。したがって、地方の活性化につながる取り組みにも、引き続き力を注いでいきたいと考えています。


 ──間もなく臨時国会が始まりますが、次期国会で取り組みたい具体的な法案や政策はありますか?


 私は広島の人間ということもあり、平和の問題について、かねてから思いを巡らせてきました。特に、核兵器の廃絶については、自分のライフワークとしても取り組んできた問題です。
 先ごろ、核兵器禁止条約が国連で採択されたのですが、日本はこの条約に批准していません。唯一の被爆国である日本の国際社会における役割は、一体、何だと思っているのでしょうか?
 私は、今の政府のそんな方針について、十分に賛同ができないのです。平和を願う広島の声を、国会にも、国政にも、世界にも届けたい。この思いも私を動かす大きな力となっています。
 安倍政権になって以降、安全保障政策はあらゆる転換が行われましたし、憲法改正の問題もあります。特に私がこだわっているのは、憲法9条の平和主義です。これについては、これからもしっかりと堅持していかなくてはならないという、強い意識を持っています。
 安倍総理は、次の臨時国会での憲法改正論議についても言及していましたが、私は、引き続き、平和を訴えていきたい。国民民主党の党員としてはもちろんですが、広島の人間として、ひとりの個人としても、平和への思いや願いを、こだわりをもって主張していきたいと考えています。


本会議での討論に立つ機会も多い

本会議での討論に立つ機会も多い


 ──国民民主党が掲げるスローガン、「対決より解決」。ズバリ、森本議員がこれまでに解決したことは?


 国会議員には法律案を発議できる議員立法という行為が認められていますが、その中で、特別養子縁組にまつわる法律を超党派で成立させました。特別養子縁組自体は以前からあった制度なのですが、決して十分とはいえなかった。より家庭的な環境の中で子どもたちを育んでいけるよう、私は党のワーキングチームの事務局長として、深く立法に携わりました。社会福祉や児童福祉をライフワークとしている私にとっては、この5年間で達成できた大きな成果のひとつであると考えております。


 ──最後に、国民の皆さまに向け、今後の決意をお願いします。


 私ども国民民主党は、5月にできたばかりということもあり、国民の皆さまに知っていただくためには、もっともっと努力しなくてはいけないと思っています。一部の人間だけが潤うような現状を打破し、国民一人ひとりが主役の政治を実現する。全国どこの地域に住んでいても安心して暮らしていける社会をつくっていくため、国民民主党が先頭に立って、皆さまの声を主張していきます。
 もう一度政治を国民の手に取り戻すために全力でがんばっていきますので、皆さまのご指導と後押しをわれわれに与えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願い申し上げます。


牛舎の豪雨災害による影響も視察

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