新人議員インタビューということで、今回は、静岡8区選出の源馬謙太郎議員に登場してもらった。源馬議員はカンボジアで4年間、日本政府主導の銃器回収事業などに従事してカンボジア政府から勲章を授与されたり、予備自衛官の経験もある。異色の経歴を持つ新人議員だ。今、話題となっている外国人労働者受け入れ問題や、地元である浜松市、そして超党派で取り組む国会改革についても語ってもらった。


 ──簡単な自己紹介、経歴や政治家を志した理由などをお願いします。


 国民民主党の新人議員の源馬謙太郎です。私は、国政に議席を得る前は、落選して5年間浪人しました。それ以前は、静岡で県議会議員をしていました。県議になったきっかけは、大学を卒業してアメリカの大学院で勉強し、その時に平和構築とか紛争解決という学問を勉強しまして、その後、4年間カンボジアにいて、小型武器を回収して燃やすという、そういう日本政府のプロジェクトをしていました。その時に、たくさんの武器を回収して、実際にカンボジアから武器をなくすことはできました。ただ、それよりも速いスピードでまた武器がどこかで作られる。こういう現状を見て、安定した世の中とか、豊かな社会とか、平和な国をつくるには、やはり仕組みを変えていかなければいけない。仕組みを変えるには、政治を変えなければいけない。そういう決意で政治を志しました。その後、カンボジアから帰国して、松下政経塾に入りました。政治には、なんの縁も所縁(ゆかり)もなかったので、そこで政治を一から学んで、静岡で県議会議員を始めたということです。

カンボジアの内務省と警察に、日本の交番システムの研修を受けてもらった

カンボジアの内務省と警察に、日本の交番システムの研修を受けてもらった

武器回収事業等を評価され、カンボジア政府から勲章を2度授与された

武器回収事業等を評価され、カンボジア政府から勲章を2度授与された(写真は、銃器焼却の式典)


 ──予備自衛官の経験があると伺ったのですが、こちらについて聞かせて下さい。


 1回目の落選の後に、自由になる時間が少し出来ました。他方、自分が取り組みたい課題の一つに外交安全保障がありました。これも松下政経塾で学んだことですが、やはり全て現場を知らなければ駄目なんだ、机上の空論だけいくら言っても駄目だということを教えて頂きました。では防衛の現場とは何だろう、と考え、自衛隊に予備自衛官として入隊させてもらいました。実際に自衛官の人たちは、日々どんな訓練をして、どんなことを思って、日本の安全を守ってくれているのか。こういったことを中に入って実際に知りたいという思いからでした。

予備自衛官時代の宿舎

予備自衛官時代の宿舎

ヘリで米軍基地に向かう

ヘリで米軍基地に向かう


 ──地元の静岡8区について伺います。どのような特徴を持つ選挙区ですか?


 静岡8区は、浜松市の中心部にある選挙区で、私の生まれ育った町です。政令指定都市になっていますが、でもまだ少し田舎な部分も残しています。日本で2番目に広い市ですし、隣に行けばもう長野県です。それでもやはり街中は、政令指定都市の都会です。ですから都会と自然が共存している、とても特徴のある市だと思います。今、浜松は、マリンスポーツにも力を入れてるんですけども、実は浜松市には、日本中から若い移住者たちが、結構来ています。なぜかと言うと、朝サーフィン行って、そして仕事に行くというライフスタイルができるんです。私も今、これをすごく誇りに思っています。日本で有数のいい波があって、しかも至近距離に勤務地もあるという、マリンスポーツのメッカの浜松。これを売り出していきたいなと思っています。


 ──今後、国政や地域で取り組みたい課題について教えて下さい。


 ライフワークとしては、地方分権を挙げたいと思います。やはり日本は、地方が元気にならなければいけないと思います。いくら東京にヒトやモノや、おカネが集まっても、これからの世の中、これではなかなか元気になっていかないと思います。地方をどう元気にするのか? そのためには、今の、東京にすべてが集まってしまう、一極集中の国の仕組みを変えていく。そして、できれば道州制導入など、地方が再び元気になれるようにしていけるように、国政での仕組みを変えていきたいと思っています。


 ──今臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大法案が、一つのテーマとなっています。浜松市でも多いと伺っていますが、外国人労働者問題について、ご自身の経験やお考えをお聞かせ下さい。


 外国人が日本が好きでやって来てくれて、多様な社会を作ってくれることは、私は基本的には、すごくいいことだと思っています。業界によっては、人手が不足しているといますし、外国の方に来ていただくことに反対ではないんです。ただ、じゃあ外国人の方はどのくらいの人数で来て、どの分野で本当に人手が足りないのか。そして家族を連れてきた場合、仕事がなくなったら、お子さんたちはどうするのか。それまで日本で教育を受けていたのをいきなり帰すのか、とかですね。また今、浜松でも大きな課題になってますが、外国人の子供が学校に入ってくると、先生がものすごく大変なんですね。日本語を教えるだけではなくて、家に入ったら靴を脱ぐんだよ、とか。お箸の持ち方まで、先生が教えなければいけない。この多忙化をどうしていくのか。こういったことも、総合的に考えていかなくてはいけないと思うので、しっかりと慎重に、丁寧に議論をしたいと考えております。


 ──国会改革に関わっていると聞いていますが、この取り組みについて教えて下さい。


 国会に初めて来てから、1年ぐらい経ちましたけども、やはりおかしなことがたくさんあるなあ、と思います。例えば、いまだに書類は全部紙であったり、とかですね。また会期の問題もあります。なぜ与野党ともに強行採決や審議拒否、こういうことやってるのかと思っていたら、その背景にはやはり会期の問題がある。いろいろなおかしな事があるな、と感じています。やはり(国会に)長くいると、これが国会なんだろう、国会のやり方なんだと、だんだん慣れてきてしまうと思います。我々のような新人の方が、国民の皆さんに目線が近いと思ます。その気持ちを持っている内に、国会のおかしなところをどんどん発言して、改革し、そして風穴を開けていきたいな、と思っています。


 ──これは超党派の取り組みという理解でよろしいですか?


 「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」という超党派の会議体に、党の実務者の代表として入れて頂きました。他方、党内でもどんな国会改革が必要かという議論も、これからは詰めていかなくてはいけないなと思っています。ただこれは党派関わらず、やはりおかしなことを変えるという気持ちで、しっかり改革に取り組んでいきます。