地元で解決しなければいけない課題


 青森県選出参院議員の田名部匡代です。なっとう(7月10日)生まれなので粘り強いと思っています。地元では所得をはじめとした格差の問題は非常に大きい。収入も全国平均より下で、医療の格差もある。地方の課題をしっかりと取り上げたい。どこに生まれても同じように命が救われるべきだと思っています。同じ仕事をしているのに青森にいるから苦しいなんてことがあってはいけないので、しっかり所得を上げていきたい。また、青森県は第1次産業が基幹産業で、まさに食が命の源。そうした食を守って下さっている方々が大きな不安を抱えていますし、なかなか後継者もいない。そういう中で、青森のことだけではなくて、日本の食糧問題、食の安全保障や自給率をどうするのか。大きな視点で物事をとらえながら、農林水産委員として、しっかりと現場の声を受け止めて届けていきたい。

【田名部匡代副代表インタビュー】食の安全保障 第1次産業を守る

なぜ政治を志したのか


 父親が政治家でしたのでいわゆる2世議員。世襲には反対だったので、政治家になるつもりはなかった。それが急きょ選挙に立候補しないかと声がかかり、父に「無理してやる仕事じゃない、ただお前たちの時代は本当に大変な時代になるよ、人口減少で。誰かが大変な時代を背負っていかなければならない、そして困っている人の声を届ける、助ける仕事をしないといけない」と言われて心が動きました。当時父は自民党を飛び出して野党でしたから、政治は本当に変わると思っているのかと聞いたところ、「変わるか変わらないかじゃなくて、今のままでだめだと思うなら、誰かが変える努力をしないといけない」と言われたことが、出馬を決断した決め手となりました。政治経験はないが、地域の思いを受け止めて届けるという代弁者としての役割は、私にもできるのではないかと。やはり、一方の偏った大きな力を持った人たちの声ではなく、小さな声を届けたいという気持ちで出馬を決意しました。

【田名部匡代副代表インタビュー】食の安全保障 第1次産業を守る

女性議員を増やすための環境づくりについて


 今も地元で「政治なんかやってないで、まずは結婚しなさい」というようなことを言われる。社会全体で共働きが増えているが、働きながら子育てをする環境が整っていない。議員になると、休みもなく、国会開会中は地元と東京の往復というような中で、子育てをしながら働くのは、本当に困難で、多くの理解がなければならない。女性の候補者や現職の議員がいない昔は、国会の中で議論していても、男性議員が「女性は黙っていなさい」というような状況だったと聞いている。今は男性議員の皆さんも女性や子育てに関する政策に熱心に取り組んでいただいている。それらの政策をつくっていくことで社会を動かしていくことが重要。まずは候補者を擁立するところから、結婚していても子育て中でも、政治の場で活躍していける環境と周りの理解を整えていきたい。

【田名部匡代副代表インタビュー】食の安全保障 第1次産業を守る

現場の声を反映する法案づくりを


 所属している農林水産委員会の議論の様子は安倍政権の姿勢を表しています。安倍総理をトップとして、現場の声や私たち地方を代表する議員の議論を大事にせず、規制改革推進会議などの声を法律にするようなことが行われてきました。今国会で安倍総理が「70年ぶりの大改革」と呼ぶ漁業・水産改革が行われます。70年ぶりの大改革をどれだけ議論したのか。この法律も出所は規制改革推進会議だと感じています。私たち議員はしっかり現場を見て、何が必要かという決断をしなければなりません。その現場が全く無視されているのが今の国会の進め方です。党として全国を走り回って、その声を大事にしたい。その上で必要な政策を議論すればいいと思います。わが党の良さは幅広い意見を大事にすることです。それぞれの地域や状況によって価値観も違うし、受け止め方も違う。そういうことを大事にしながら作り上げる法律や政策だからこそ、より良いものになります。その強みを生かして党内で一つ一つの法律の制度をつくっていきたいと思います。

【田名部匡代副代表インタビュー】食の安全保障 第1次産業を守る

メッセージ


 当選してすぐに野党は何ができるのかと考えさせられる出来事がありました。「障害者自立支援法」の採決で初めて本会議で登壇した後、私が反対討論をしたことを聞いて、障害者のお母さんから連絡をいただきました。「娘が毎日国会に通って反対活動をしていました。法案が通って電話がかかってきて、『お母さん法案通っちゃった』と言ったので、娘に『残念だったね、でもよく頑張ったね』と言ったら、娘が『でもね、私の声を代弁してくれた人がいたから私頑張ろうと思った』」と娘がそう言った。それで調べたらあなたでした。ありがとう」と言われました。その時に野党が提案したものの多くは通らないことの方が多いが、弱い立場の人たちと一緒に立ち向かい続ける、あきらめないということは、誰かを救うことになるのだと実感しました。野党でもできることがある。その思いを大事に、私たちは誠実で真剣な姿を常に見せ続ける必要があり、一人でも多くの人たちに一緒に立ち上がって頑張ってもらいたい。そしてもう一度政権交代可能な政治の土台をつくることになっていくと思っています。国民民主党の一人ひとりが政治家になった原点を忘れないで頑張っていきたい。