全日本海員組合第79回定期全国大会であいさつをする玉木雄一郎代表

全日本海員組合第79回定期全国大会であいさつをする玉木雄一郎代表

 玉木雄一郎代表は6日、東京都内で開催された「全日本海員組合第79回定期全国大会」に出席してあいさつを行った。

 玉木代表は、練習船実習生の食糧費相当分に自己負担を求めることが来年度から検討されていることを受けて、「政府は無駄な予算を他にたくさん使っているのになぜこれを削るのか、おかしい。皆様と力を合わせ阻止していきたい」と訴え、会場からの拍手を受けた。また水産関係教育機関における総合高校との統廃合や専攻科廃止が続く状況について、「学びの機会を失えば船員の確保育成ができない。これもしっかりと取り組んでいく」と述べた。

 さらに「私は瀬戸内海で育ったので、内航が産業を支えてきたことを実感している。さまざまな航路廃止や減便が続いているが、しかしいざ南海トラフ地震や震災があった際に物資の輸送などが十分に担えるのか。国家戦略として捉え、航路を維持しなければならない」、「捕鯨を継続するための取り組みを国際社会に訴えていきたい」などと述べ、「皆様の声を吸い上げて、一つでも多く政策に取り込めるよう全力で取り組んでまいることをお誓いする」と力を込めた。

森本真治参議院議員。「全日本海員組合」の政治顧問を務める

森本真治参院議員。全日本海員組合の政治顧問を務める

 国民民主党からは「全日本海員組合」の政治顧問である森本真治参院議員も出席した。

 本大会の活動方針では、(1)船員の確保・育成の推進(2)女性船員増加(3)「海の日」の固定化とすること――などが確認された。

 全日本海員組合は国際(外航)や国内の海運・旅客船事業、水産や港湾の海事産業で働く船員とそれらの分野で働く労働者で組織され、組合員約4万5千人。太平洋戦争において船員の大半が船舶とともに軍事徴用され約6万名もの船員が犠牲になったことをうけ「海員不戦の誓い」を掲げ、政府が民間船員を予備自衛官補とする動きに対して断固反対している。


全日本海員組合第79回定期全国大会

全日本海員組合第79回定期全国大会