※このインタビューは2018年9月14日に行われたものです。
プロフィール:
山岡達丸 衆院議員
1979年7月22日生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK記者を経て、2009年衆院議員に初当選。北海道第9区(室蘭市、苫小牧市、登別市、伊達市、北海道胆振総合振興局管内、北海道日高振興局管内)を選挙区として活動している。現在2期目。
──自己紹介をお願いします。
北海道第9区の衆院議員の山岡達丸です。9月6日に起きた北海道胆振東部地震のあと、私の地元の北海道第9区そのものが被災の中心だったこともあり、被災地を歩きながら皆さんの声を聴き、被災の状況を確認しながら国に伝えていく取り組みをさせていただいています。
今この場所は厚真町です。私の後ろに見えるのは避難所です。震災以降電力もない、断水状態も続く中で、多くの人が避難所に詰め寄って不自由な生活を続けているところです。この災害・復旧に携わることは政治の原点であると強く感じます。多くの人のご理解のもと、一日も早い復興・復旧に向けて活動しているところです。
──今回の地震災害を受けての所感をお願いします。
今回起きてしまった震度7の地震は私たちは避けては通れないものなんだろうと思っています。しかし、震災が起こってからこの1週間、さまざまな課題や問題が浮き彫りになってきました。被災地にいる身として非常に強く感じたことは、政府をはじめさまざまな機関から発せられる情報の見通しが常に変わり続けること。電力の回復も始めは「数時間をめど」と私たち被災者は聞かされましたが、その後、「完全復旧には1週間かかる」、そして今、「11月末までかかる」と。発表がどんどん後ろ倒しになって、被災地では、日々落胆の気持ちが続いていきます。いったいいつ頃に私たちの暮らしは元に戻るのか。政治の役割として、正確な情報を発信していくことの重要さを強く感じたところです。
合わせて、被災があったのは厚真町だけではありません。むかわ町、安平町など周辺の町もありますし、あるいは苫小牧・日高などの周辺の町も地震の大きな被害を受けています。この厚真町が震度7ということで、報道ではどうしても大きくピックアップされますが、被災はこの地域全体にわたっていることを皆さまにご理解いただければという思いです。
──現地の方に必要なものは何でしょうか。
電力は時間とともに戻ってきてはいるものの、厚真町はじめ断水が続いています。トイレも行けない本当に厳しい状況の中ですが、水自体は、自衛隊が給水場をつくり、供給する場所を作っています。しかし、各家庭の方が水を運ぶのは人力です。そのため、高齢者や子育て中の方は、水をご自宅に運ぶことが本当に負担の大きな労働になり、これから大きな課題になってくるだろうと思います。
災害直後のフェーズが終わると、地域あるいは全国の皆さまのご厚意、ボランティアのお力を、厚真町も含めこれからお願いすることもあろうかと思います。どうかそうしたことも生活復旧のために皆さまにご理解いただきたいです。
──北海道だけでなく全国で災害が続いています。今回、震災が起きて普段から対応を心掛けるべきと痛感したことはありますか。
やはり、大都市は大都市の災害の対応の仕方があろうかと思います。しかし、私たちのように中規模都市あるいは地方では、電力・水力そして通信の大切さを痛感しました。車のガソリンを満タンにしていた人とそうでない人とでは、その後の、見通しへの不安の差につながりました。車があれば暖もとれるし、あるいは電力もとれる場合もあります。日ごろからこういう地方都市あるいは中規模都市は、車のガソリンも常に満タンにしておく。あるいは災害時にきちんと水を用意しておくことを強く痛感させられた災害でありました。
──野党は速やかな臨時国会の開会と補正予算の審議を求めています。審議では何を求めていきますか。
まず、被災エリアは、ここ厚真町を中心に大きく北海道の胆振地域あるいは日高地域にまで広がっている。この震度7という自然災害は仕方ないとしても、復旧・復興のための十分な予算。この裏打ちがあってこそ地域はしっかりと復旧・復興に取り組める。このことを政治の中でしっかり後押ししていかないといけません。そのために早急な補正予算を求めていきたいです。この中にあって(一部報道にある)10月後半の国会の開会は、被災地の身からすると遅いと言わざるを得ません。最大限、被災地からの声を挙げていかなければいけません。
──北海道全域で停電(ブラックアウト)が起きたことについて、どのように考えていますか。
今回の北海道の震度7という直下型の地震で、電力のダウンを起こして北海道全土が停電しました。どうしてこのようなことになったのか、今後しっかりと検証していかなければいけません。電力網の在り方の問題、そして大きな電力を1つの場所に偏りすぎて発送電している電力体制。リスクが確実に分散される電力体制の在り方を政治の大きな議題として取り上げたいと強く感じているところです。さまざまな委員会質疑を通じて政治の議題として取り上げていきます。