名字にちなんだ「緑」色のネクタイをつけ、アナウンサー出身らしく落ち着いた語り口で地元秋田県の魅力を語る緑川貴士衆院議員。地元活動から浮かび上がる課題と「新しい答え。」を聞いてみました。


 ──自己紹介をお願いいたします。


秋田県の北部で暮らしております衆院議員の緑川貴士です。1月10日に34歳になりました。全衆院議員の中で2番目に若い議員として、この大変厳しい冬の時代のような政治状況の中で、こうして活動させていただいていることに大変感謝をしながら、秋田の声、地方の声を届けていくために地域目線で活動していきたいと考えております。声なき声を届けて、そこに政治の光をあてることが最大の政治の使命だと思っております。趣味はランニングで、地域を走り回って声を受け止め、長くお役に立てる議員になりたいです。
活動地域は秋田犬の発祥の地と言われる大館市で、秋田市よりも青森県の弘前市に近いところに住んでいます。

【クローズアップ若手議員】人づくりが人口減少への答え(手を挙げる)


 ──地域の声を大切にするということですが、地域の声から浮かび上がる解決しなければいけない課題を教えていただけますか。


 秋田県は全国で一番人口減少率が高い県です。そして高齢化率も実は急速に進んでいることが顕著な地域で、特に県北は大変です。特に中山間地域で人口減少また少子化のところが多く、65歳以上のお年寄りが2人に1人という村もあります。もちろん行政の効率化という観点も大事ですが、一方でいかに住み慣れた場所で暮らし続け、安心して子どもを伸び伸びと産み育てることができるか。持続可能な地域を作るために地域の声が欠かせないと思っています。この人口減少、少子化をいち早くこの地域で解決することが、東北を豊かにし、全国、ひいては日本の暮らしをさらに一歩前に進めると考えています。

【クローズアップ若手議員】人づくりが人口減少への答え(雪道)

雪の中でも声を聞くために走り続ける


 ──課題を解決するための「新しい答え」は見つかりましたか。


 人口配分で決まる議席の中で残念ながら、東北および地方は都心に比べて声が届きにくい場所ではないかと感じています。わたしは声を大にして、国会に誰よりも強く大きく地元の声を届ける必要があると思っています。今の人口減少の中では、やはり「人材」を魅力に感じてもらうことが必要です。都心に人口が流出している現状もありますが、秋田を魅力的に思ってもらう人づくりをまず打ち出していく。例えば、ICTを活用していく時代に入る中、技術革新に対応していくため、いくつになっても働く場と学ぶ場を行き来でき、激しく変わる労働需給に対応できる技能習得、能力開発を地方から発信できるようにしていきたいです。
また、秋田は何よりも自然資源が豊かです。秋田犬もそうですし、また、地熱、風力、太陽光というエネルギー政策の転換が求められる中でも豊かに暮らせる土台が秋田県にはたくさんあります。そして農林水産業も盛んで、自然の中で子供を伸び伸びと育てられる環境があります。全国で学力ナンバー1と言われる小学校の教育もあります。そういうなかで、所得にかかわらず、全ての子どもたちが所得の格差を教育格差につなげないで同じスタートラインで学ぶことができる環境を作っていきます。また、65歳以上の高齢者が増えている状況が顕著な中で、人生100年時代が見えてきています。そういう中、無理のない労働時間そして作業環境の下、労働災害の発生も抑えながら、65歳を過ぎても働くことを希望すれば、どんな人でも自分の望むような働き方で働くことができるようにしなければいけません。知識や技術が熟練した者から後進の育成の場でしっかりと受け継がれる制度作りを地域で進めていくことで、秋田が、東北が、日本が、元気になっていくかと思います。

【クローズアップ若手議員】人づくりが人口減少への答え(走る)

とにかく走り続ける

わたしは、いま農林水産委員会に所属しています。農林水産行政は、生産高や就業人口が減っている中、ないがしろにされがちです。なかなか地域のことを分かってくれない政治になってしまっています。経済合理性とか効率主義を進めている今の中央の考え方を少しでも変えられるように、国会での質疑を通じて現場のニーズを踏まえ、それを国の政策に少しでも反映させていくために訴えていきたいです。

【クローズアップ若手議員】人づくりが人口減少への答え(党大会)

ジャケットもネクタイも腕時計も緑色で議長として臨む(2019年度定期大会にて)