4月1日から年金が実質的にカットされる問題について、原口一博国対委員長と山井和則国対委員長代行に解説してもらいました。


原口議員:国政報告をやっていますと、年金について一番関心が強いですね。今年の4月1日から年金は大幅にカットされます。ちょっと中身を教えてください。

山井議員:2018年の物価は1%上がっているのですね。しかし4月1日から実質0.1%しか年金を引き上げないということで、上がった物価と比べてみれば、4月1日から実質0.9%年金をカット(目減り)したことになるわけです。

原口議員:ひどいですね。なんでこんなことになったかというと、いわゆる2004年の「100年安心」年金制度改正とマクロ経済スライド(現役人口の減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み)。そして、いわゆる年金カット法(2016年12月14日、第192回臨時国会で成立した国民年金法改正)。

山井議員:そうですね。2004年にマクロ経済スライドが含まれた法案の審議で強行採決で乱闘になった。あの時に強行採決された法律と2年前の年金カット法案、この2つが初めて来週4月1日から適用されます。

原口議員:ダブルでこんなに下がるわけですね。しかも、消費税が増税されますから、消費税の増税分まで入れると、なんと実質2%のカット(目減り)となります。高齢者世帯の消費に占める割合は約半分。どれだけ個人消費を冷やすかわかりませんね。(政府は)実質賃金のマイナスも出さない。こういう中で消費増税なんてありえないと思いませんか?

山井議員:そうですね。一番心配しているのは消費税増税の後、大幅に不況になって、下手すると株価が暴落するようなことにもなりかねないのではないかと思います。やはりアベノミクスの最大の問題点は消費が低迷していること。消費が低迷している大きな理由の一つは年金生活者がお金を使ってくれないから。にもかかわらず、4月から0.9%実質年金カットでおまけに消費増税をするとほぼ約2%の実質年金カット(目減り)になります。

原口議員:しかも、若い人が減って、ご高齢の方が増えているからしょうがない、年金を減らさないと財政がもたないからしょうがないでしょ、と(政府は)言うけど、年金にはいっぱい無駄遣いがあって、なんと年金は株に使ってなくなった。2014年までは年金積立金の24%までだった(株式投資比率)が、5割になった。

山井議員:去年の10月から12月までの3カ月間で、15兆円もの株の運用損が出ています。(運用益が出た時期もあるが、リスクが高まった)

原口議員:たった3カ月でね。みなさん、こういう状況を変えるためにも、暮らしの現場から政治を変えさせてください。国民民主党の仲間を増やしてください。そして政権交代までもっていきましょう。よろしくお願い致します。