大塚耕平共同代表記者会見
2018年5月10日(木)14時01分~14時27分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/QaYO2988uqQ


■冒頭発言
○定例会見について
○参議院議員総会での発言の曲解報道について
○加計問題・参考人招致 柳瀬元秘書官の答弁について
○李克強首相との会談について

■質疑
○参議院議員総会での発言について
○日本型ベーシックインカム構想について
○総務会の設置について
○加計問題 真相究明に向けた今後の方針について
○新潟県知事選挙の対応について


■冒頭発言
○定例会見について

【共同代表】
 国民民主党として、共同代表最初の定例記者会見ということになります。これから玉木さんとは交代で記者会見をさせていただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

○参議院議員総会での発言の報道について

【共同代表】
 まず冒頭、昨日の私の発言について、産経さん、読売さん、毎日さん、日本農業新聞さんが報道していただいておりますが、皆さんの前でこのような発言をした記憶はありませんので、そのことをまず申し上げておきます。
 その上で、こういう報道をされたことによって枝野さんもご気分を害しておられると申しわけありませんので、けさ電話をして「こういう報道になりましたことは、お詫び申し上げます」ということでお伝えをしました。
 枝野さんも、「過去にも曲解されて自分もいろいろ報道されたことがあるので、気にしていませんから、よろしく」と、そういうお言葉をいただきまして、改めて「こういう報道がなされないように私も注意します」ということでお詫びをしておきました。
 その上で、私たちは結党宣言に、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治、この三つが大事であるということを掲げました。やはり国民政党として幅広い支持をいただけるためにはその三つを大切にしていきたいと。それができずに、また野党がばらばらでは、これは政権に近づけないという趣旨でありますので、そのことを改めて皆さんにお伝えをしておきたいと思います。
 また、この報道で支持者の皆さんも誤解をされたり気分を害されたりしましたら申しわけないことですので、ここは明確に「そうではない」と申し上げさせていただきたいと思います。

○加計問題・参考人招致 柳瀬元秘書官の答弁について

【共同代表】
 きょうは、今も柳瀬さんの参考人招致が参議院で行われております。午前中の衆議院から発言を整理しますと、要するに「(加計学園関係者と官邸で)3回会っている」と。さらには「ゴルフもやったことがある」ということでありますので、深い関係があったことが明らかになったということであります。
 にもかかわらず、一緒にゴルフをやった、総理もご一緒されていたという中にあって、この加計さんからご相談を受けた案件を昨年1月まで総理には一切報告をしていなかったと、こういう文脈でずっと発言をしておられるのですが、これをにわかに信じることは到底できません。2015年にそういう展開があって、2017年まで、自分のいわば直属の上司である総理に一切何も伝えていないということであれば、これは組織人として相当センスが悪いか、何か抜けていると思わざるを得ないわけでありまして、優秀な柳瀬さんがそのような対応をするとは信じがたいわけですので、今度は総理の発言そのものの信憑性がますます疑われてきたということだと思います。国会でいわば事実と違うことを述べるような総理であるとすれば、これはいかなる案件も総理の発言は信頼できないことになりますので、大変由々しき問題だと思います。
 私たちは、今申し上げたように、正直な政治というのがまず第一ですから。これが民主主義の基本ですので、この点をしっかりと対応していただけない総理であれば、やはり一刻も早くおやめいただいたほうがいいと思っております。

○李克強首相との会談について

【共同代表】
 今、李克強中国首相がおいでになっておられます。久方ぶりの中国首相の来日ということで私どもとしても大変歓迎をいたしますし、大いに関心を持っております。私自身もきょう、野党党首との面談ということで、玉木さんと一緒に15時過ぎからお会いすることになっております。中国との間ではさまざまな懸案がありますけれども、目下の懸案は何といっても北朝鮮問題、そして米中の貿易問題。これは日本も関わってまいりますので、こういう点についてどのようなご認識であられるのか、関心を持って李克強首相にお会いをしたいと思っております。
 なお、北朝鮮をめぐっては米朝会談も間もなく開かれる予定でありますが、それに先立って北朝鮮に拘束されていた米国人が解放されたり、極東においてはいい方向で進展しているようにも思えますが、2度目の中朝会談で何が語られたのか、あるいはその一方で中東ではイランとの核合意をアメリカが一方的に破棄するという展開が、どのような因果関係で起きているのかということについて、日本政府はより思慮深い情報収集と対応を図るべきだということを申し上げて、冒頭の発言にさせていただきます。

■質疑
○参議院議員総会での発言について

【NHK・稲田記者】
 冒頭発言の件だが、具体的にどの発言の何についてこういう話をされているのか、何がどう曲解されたとお考えか。

【共同代表】
 これは立憲の皆さんのことを報道のように評したということではないということであります。やはり野党がばらばらで、野党が偏っていては、これは政権を担えない、野党のままであるという、私たち自身も含めた表現ですので、そういうことと理解してください。

【共同通信・小笠原記者】
 関連で。代表は、皆さんの前で発言した記憶はないということだったが、それはどういうことか。今おっしゃった限りでは、野党がばらばらでいてはという発言はされたということは覚えているということか。

【共同代表】
 これは議員総会の場です。議員総会の、記者さんがいなくなった後ですから、「壁耳」で皆さんがたぶん何か聞いておられたと思うのですが、中での発言の趣旨はそういうことだということであります。

【読売新聞・淵上記者】
 そうすると、「どうぞあちらのほうへ」の「あちら」というのは何を指しておっしゃったのか。

【共同代表】
 そういう趣旨にとられるような文脈であったかどうかは記憶にありませんけれども、やはり野党は一体であるべきだという意味で発言をしていますので、そのように理解をしてほしいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 たぶん言葉足らずみたいなことがあった、というご認識ではあるか。

【共同代表】
 議員総会の、中での会合の発言ですから、誤解があるような発言ではいけないなという、そういう反省はしています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 枝野さんにお詫びして誤解が解けたらそれでいいと思うが、そもそものコミュニケーションが、もう少し人間味というか浪花節というか、枝野さんはカラオケ得意だし、私の見るところ今井雅人さんのほうが枝野さんよりよっぽどうまいが、何かそういうのがないと。結局お詫びしたなんていう、野党2党で、何か一言言ったのを翌日お詫びしているような代表同士ではしようがないというのが本質だと思うが。

【共同代表】
 いや、宮嶋さんがおっしゃるような希薄な関係ではありませんから。大変仲よくやっております。ゴールデンウィーク中も一緒にご飯食ベていますし、大丈夫ですから。ご安心ください。
 むしろマスコミの皆さんには、直接見聞きしておられないことについて、あのような誤報がされないように引き続き留意をしていきたいとは思っております。

【フリーランス・堀田記者】
 そのようなことを言ったかどうかはわからないが、これコピーされていろいろと伝わると思う。つまり、昔で言えば橋本龍太郎先生が初当選の時に、お母さんと一緒に来たと、間違った記事を書かれたが、それを完全に訂正しなかったのでずっと言われている。ところが、お母さんと一緒ではない。ですから、これはきちんと訂正を求めたほうがいい。そうでないと、必ずコピーして、要するに「大塚と枝野は仲が悪い」と、そういったことになる。完全に否定しないと。

【共同代表】
 質問ではなくてご進言をいただいたというふうに理解しますが、枝野さんと私は大変親しい関係でここ何年もおつき合いをしておりますので、堀田さんがご懸念いただくようなことにならないように、しっかり対応したいと思います。
 思い起こすと3.11のときは枝野さんは官房長官で、私は厚労副大臣をやっていましたが、初日から数日間、官邸の官房長官としての枝野さんと、私のほうは最初は当然緊急対応が中心でしたが、病院との連絡をとったり、一連の対応が終わった後は、月曜日からの計画停電に向けて、本当に計画停電やって大丈夫なのかどうか。これは予定どおり月曜日、3月14日の早朝からやったら各病院での人工呼吸器が止まるとか、家庭での電気関係の医療設備が止まるかしれないというぎりぎりの中で、枝野さんには13日の深夜から14日の未明にかけて、なかなか官房長官に電話を取り次いでいただけない中を夜中までしっかり対応していただいて、計画停電の時間をたしか6時間ぐらい延ばしたのですね。そのことによって事なきを得たのですが、そういう厳しい局面で一緒に仕事をしてきた仲でありますので、引き続き緊密な関係の中で野党連携が進むように、しっかりとこれから対応していきたいと思っています。

○日本型ベーシックインカム構想について

【「フランス10」・及川記者】
 政策のことで、日本型ベーシックインカムを導入するということだが、具体的にどのようなものなのか。また、参考にされるイギリスの制度がどういうものなのか、解説をお願いしたい。

【共同代表】
 まず、英国の制度を参考にしてと申し上げているのは、我々は既に給付付き税額控除の仕組みを政策の柱として掲げていますので、イギリスのような単純な給付型を中心にした制度ではない、もう少し複雑な制度になるかもしれないという意味であります。
 例えば税額控除のような形で事実上の給付の分が確保されたり、それができない場合には給付そのものを行うケースも出てきますけれども、いずれにしてもあらゆる方が何らかの形でベーシックインカムに相当する純所得を確保できるような仕組みを供給していくということであります。
 イギリス以外にも同様の、全く一緒ではないですし、「ベーシックインカム」と言われていないケースもありますが、幾つかの事例がありますから、詳細についてはもちろんこれからしっかり検討していくということになります。

○総務会の設置について

【読売新聞・淵上記者】
 きのう第1回の総務会が開催された。過去記事を振り返ると、民主党時代、2009年ごろに総務会という組織があり、常任幹事会との間で主導権争いみたいなことが起きているという話が鳩山さんのインタビューに出ていた。今回総務会を改めて設けた意義と、また同じような形で主導権争いではないが、代表の意思と違うような形で総務会のほうの決まりが出てきてしまわないか。また、看板倒れで終わらないかという心配があると思うが、そこら辺はいかがお考えか。

【共同代表】
 看板倒れにならないように、しっかり看板は釘で打ち付けて糊で貼り付けたいと思います。
 これはきのう平野博文総務会長からご説明があったと思いますが、総務会が党としての最終意思決定機関になりますので、そこで決まったことについては、その後、平場であったり、あるいは対外的な発言の場で異なる言動をとるということをいわば抑制していく、みずから制御していくという、そういう組織人としての党所属議員のディシプリンを利かせていくということでありますから、これは今ご質問のようなことにはならないと思います。
 また、総務会は代表も構成員の一人であります。構成員の一人として、総務会長が最終的に決定の決を採られたことについては代表自身もそれを守っていくことになりますし、今までの野党の流れ、特に我々の系譜の流れの中でガバナンスが問題だと言われていた点を、今回この総務会という仕組みを活用しつつ、明確に高めていきたいと思っております。
 新党をつくる過程でも、皆さんにも記者会見で申し上げましたが、この総務会は倫理規則とも連動しておりますので、総務会等で決定された諸事項に反する言動ということについては、これは党としてもしっかり対応していくという枠組みも盛り込まれておりますので、総務会は有効に機能すると思っています。

○加計問題 真相究明に向けた今後の方針について

【テレビ朝日・村上記者】
 柳瀬氏の参考人招致について伺いたい。午前中、柳瀬氏は、加計学園側との面会自体は認めたが、さらなる真相究明のための野党の次の一手としてはどういったことをお考えか。

【共同代表】
 先ほども申し上げましたが、柳瀬さんが面会した後2年近くにわたって総理がこの案件を知らないという不自然さがあります。
 ここでその公文書のあり方がやはり問題になってくるのですが、本来であれば、2015年の後半から2016年、2017年初にかけて、それに関わる公文書がきちっと公開されれば、おそらくその中に、それに付随する、あるいは関連する公文書があるのではないかと推察します。
 しかし、公文書というのは民主主義国家にとって非常に大事な国民の資産だという意識が今の政府与党に欠けているために、仮に首相の名前が加計学園絡みで出てきている公文書があっても、それを隠蔽するということはできない、全て公開しなければならないという、こういう意識が薄いものですから、おそらく、もしその期間内にそれに該当する文書があったら、そう簡単には出てこないというのが残念ながら我が国の現状なのです。
 したがって、今の村上さんの質問にお答えすると、次の一手として大事なポイントの一つは、やはり柳瀬さんが何度か会った、その時点から総理が初めて知ったと言われる2017年初までの間、本当に総理は知らなかったことをどうやって証明するんだというのが非常に大きなポイントになります。
 また関係の役所から「いや、総理が知っていた」というふうに推察をされるような表現の入っている公文書が出てくるか、出てこないか、というのが一つのポイントだと思います。

【テレビ朝日・村上記者】
 今後の追及方法として、野党のヒアリングについては引き続き継続すべきとお考えか。

【共同代表】
 これについては、いろいろ意見があります。
 国会審議の場でしっかり時間が確保されて誠実な答弁が行われるならば、極力国会の質疑の中で行っていくべきだと私は思います。したがって、与党は質問時間を、あるいは委員会の開催時間を十分取って、そのような機会を担保するという努力をぜひしてもらいたいと思います。
 率直に言って、どうでしょうね、2000年代前半から政権交代に至る過程のころに比べると、委員会の開催頻度と開催時間が今すごく短くなっているのです。頻度は少なく、開催時間は短くなっていますから。こういう状況では、あのような野党ヒアリングという仕組みを活用せざるを得なくなってしまっているという面もありますが、繰り返しになりますが、極力委員会等の質疑の場でやるべきだと思います。
 それから野党ヒアリングの場に参加している、出席している現在の担当官僚の皆さんは、るる起きているさまざまな不祥事や今の問題に直接当事者としてその当時関わっていた人たちではないので、やはり官僚として真摯に仕事をしている皆さんとの関係を健全な姿で維持するためには、やはり野党ヒアリングのあり方についても、我々も熟慮をすべき点があると思っています。

【「FACTA」宮嶋記者】
 事務の秘書官が政務の秘書官の傘下で、あるいは(政務担当秘書官が)司令塔というか、柳瀬さんの場合は今井さん(政務担当秘書官)が経産省の二つ上で、その今井さんに報告していなかったというのは霞が関的な考えで言うと真っ赤なうそとしか思えない。この方が「文藝春秋」か何かでジャーナリストにも取材に応じているんだとしたら、まずこの人を国会で呼ぶというのが次の野党の一手ではないか。要するに柳瀬さんの上にバリアはあるわけで、それは明らかに今井さん。江田さんは鋭いと思う、さすがに。その辺はどうお考えになるか。

【共同代表】
 今井さんを呼ぶということも当然次の一手のうちの一つだと思います。
 しかし、宮嶋さんもおっしゃったように、柳瀬さんも今井さんも官僚として非常に優秀な、いい意味でも違う意味でも優秀な方々で、どのような場面になっても答弁をレトリックでうまくかわすということに長けた方々です。きょう柳瀬さんの参考人招致をやって、仮に次に今井さんが出てきて、またそのレトリックで何だか消化不良の答弁だけで終わって、これでもう参考人招致も終わったので禊ぎがすみましたなどということになっては、これは逆に真相解明にプラスになるかどうかわかりません。
 今井さんが次のポイントであることは認めますが、それだけではないと思っています。したがって先ほど村上さんにお答えしたように、やはり動かぬ証拠というのが非常に大事なポイントになってくると思います。
 もちろん今井さんやその他の参考人招致も求めていきます。連休中に明らかになりましたが、迫田さんは大阪地検から事情聴取を受けているということも明らかになっていますので。ただし、そうすると迫田さんに出てきてもらっても、おそらく「自分は事情聴取を受けた身で、捜査中の案件だから、一切お答えできません」ということで、官僚の皆さんのその答弁のTPO、レトリック、言葉によるかわし方というのは、官僚として優秀であればあるほど巧みですので、やはり次のポイントは何かということはよく考えて、国民民主党の中においても、野党との連携においても、少し工夫をしていきたいと思っています。

○新潟県知事選挙の対応について

【新潟日報・小池記者】
 24日告示の新潟県知事選について伺いたい。8日には事実上の野党共闘候補として池田千賀子新潟県議が立候補を表明した。自民・公明両党も擁立作業を進めている状況で、事実上の与野党対決の構図が見込まれる。
 その上で昨日、玉木共同代表が、池田氏の擁立に尽力した無所属の元民進議員の菊田真紀子衆議院議員からの支援要請を受けて、野党が連携して戦えるような知恵を出せないかと思うと、野党共闘に意欲を示した。
 ただ、原発再稼働が争点となった前回の知事選では、民進党が自主投票になった。今回も原発再稼働が争点となりそうだが、再稼働に慎重姿勢を示す池田氏の支援態勢や野党連携のあり方について、大塚共同代表の見解をお聞きしたい。

【共同代表】
 まず争点が、原発がその一つであることは、おっしゃるとおりです。
 しかし、今ここまでの質問でもありましたように、国会でも今の政権の、いわば適格性が問われている事態でありますので、新潟県知事選挙の争点として、与党側の候補が勝つのか野党側の候補が勝つのかという点に関して、原発以外の意味もあると思います。
 その双方を勘案して我々としては姿勢を決めていきますけれども、そもそもこの方はもともと民進系会派の県会議員でいらっしゃいますし、それから連合新潟も推薦の方向だと聞いております。その上、今申し上げたように、今の政権の適格性が問われているこの事態において、野党がまとまって応援をする候補を我々も応援しない理由はありませんので、できるだけ野党一本化でこの池田さんを支援できるようにまとめていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 新潟県知事選だが、本来は大塚さんとか玉木さんが主導権を握らなければいけない。前回においてこんな人を推薦した自由党とか社民党とか共産党は本来発言権はない。本当の話。こんな人を選んだのだから、結果的に。ですから頑張ってください。

【共同代表】
 頑張ります。
 ちなみに私は母方の実家が新潟で、燕三条に今でも実家があって、日銀の最初の支店勤務が新潟でありまして、地縁も結構ありますので、しっかり応援したいと思います。
 どうもありがとうございました。