大塚耕平共同代表記者会見
2018年5月24日(木)15時00分~15時22分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/uSa0CcX1nrA


■冒頭発言
○森友・加計問題 安倍首相の適格性欠如・不適切対応について
○財務省への信頼の失墜について
○森友事件に関する「本省相談メモ」について
○「森友学園・加計学園問題に関する調査特別委員会」等の設置を両院議長に申し入れ

■質疑
○森友・加計問題 安倍首相の適格性欠如・不適切対応について
○「森友学園・加計学園問題に関する調査特別委員会」等設置の申し入れについて
○SNSの活用について
○首相たる資格・適格性について
○新潟県知事選挙について
○党勢拡大に向けた取り組みについて


■冒頭発言
○森友・加計問題 安倍首相の適格性欠如・不適切対応について

【共同代表】
 まず、森友事件、加計疑惑、この二つをめぐる総理の対応のひどさには、もう、あいた口が塞がりません。まさしく国民の皆さんを、国民の皆さんの代表たる国会を、そして民主主義を愚弄しているとしか言いようがありませんので、即刻辞任すべきだと思います。
 もう安倍さんは結構です。ほかに総理たり得る人は何人もいらっしゃると思いますので、ここまで明白なうそをつく総理を国のトップとして仰ぐわけにはいかない。そのように感じております。
 また、この森友の資料、自衛隊の日報もそうですが、これを公開するタイミング。海外渡航等の日程と合わせたり、いろいろなことを考えたのでしょうけれども、何かまるで海外に逃避行しているような、そんな印象すら受ける資料公開のタイミングと外遊日程の組み方だと思います。言語道断だと思います。十分な直後の対応のできる日程感で資料を公表し、国会対応をし、それから外遊に行くべきであって、この点についても大いに問題であるということを申し上げておきたいと思います。

○財務省への信頼の失墜について

【共同代表】
 また、財務省は解体の危機が迫っていると思います。今、現役で対応している財務官僚の皆さん、大変実直に、しかも真面目に仕事をしていらっしゃる方が大半だと思いますが、残念ながら組織としては信頼回復は相当困難であると思います。財務省の「財」の字が、何やら「罪」と書く「罪務省」になってしまう。こんな中で、現役の真面目な皆さんにはまことにかわいそうなことではありますが、財務省は解体したほうがいいと言わざるを得ないと思います。
 そして、国民にとっても大事な組織である財務省、そして後輩諸兄にこのような事態を招いて大変な危機に陥らせてしまった佐川元国税庁長官は、財務大臣からの処分を受けるまでもなく、みずから退職金や年金を返還する、そのぐらいの身の処し方をしないと誰も納得しないでしょうね、後輩の皆さんも。これで数千万円といわれる退職金を受け取るのが普通の感覚とはとても思えない。財務大臣に処分を受ける前にみずから身を処すべきだと思います。
 また、かつて企業が破綻したときなどは、受給資格があっても年金が削減されるような方々もいらっしゃったわけですが、一体佐川さんはこの後どういうつもりで、例えば国民全体から見たら高額な年金を受け取るつもりなのか、本当に一回心境を聞いてみたいと思います。

○森友事件に関する「本省相談メモ」について

【共同代表】
 いずれにいたしましても財務省解体の危機と言わざるを得ませんが、きょうは皆さんのお手元に私の名前で「森友事件に関する『本省相談メモ』について」というペーパーを1枚お配りしました。
 後で読んでいただければと思いますので詳しくは申し上げませんが、追及しなければならない点はいっぱいありますが、私が財政金融委員会や予算委員会で特に取り上げていた、この「本省相談メモ」と言われるものがきのう出てきたと言われております。
 これは予算委員会のときにも使ったパネル(森友事件の経緯)なので皆さんおわかりだと思いますが、森友学園から売却等を申し出られていた財務省は、非常に対応が冷たかったというか、それは無理ですよという話をしていたのが、2014年4月28日に籠池さんが「いやいや、私は首相夫人とお友達なんです」と言って写真を提示して、その後、急に対応が変わったわけです。
 対応が変わるまでの間に本省に相談をした「本省相談メモ」というものがあります、というのが(2014年)6月30日の改ざん文書に書いてあったわけです。これがなぜ出てこないかということが問題だったわけでありますが、このたび、この「本省相談メモ」と言われるものが出てきた、ということになっているのです。
 その上で皆さんのお手元のメモを説明しますが、公表された資料は、よく見ると本省理財局作成の資料であり、近畿財務局側の資料ではありませんので、本来の「本省相談メモ」はまだ公開されていないと考えるのが普通だと思います。
 この「本省相談メモ」という表現が出てきた2014年6月30日の改ざん文書は、これは近畿財務局側の資料であり、当該資料の中に「本省相談メモ、法律相談結果等参照」と記されていることから、文脈からいくと当然それは近畿財務局側が作成した「本省相談メモ」等が存在すると考えられます。例えば、時系列で本省に相談した記録が書いてあって、4月28日には「総理夫人と籠池さんが一緒に撮った写真を提示されたことを本省に報告」とか、そういう経緯が書いてあるのが近畿財務局側がつくった「本省相談メモ」ではないかと思います。
 それから、公開された(2014年)5月8日・9日・14日・23日の四つの資料ですが、理財局側にもこれ以外の資料があるのではないか。あるいは、今申し上げましたように近畿財務局側の資料は当然あると思います。
 それから、よく読むと、公開された四つの資料はいずれも森友学園側への対応方針を記述した、いわば結論的な資料なので、その前提となるまさしく相談的な資料、くどいようですが近畿財務局側の資料は含まれていないということです。
 さらに、5月14日までの資料に記された対応方針と5月23日の資料に記された対応方針が、そこでガラッと変わっています。そうすると5月14日から23日の間に何らかの重要な相談、あるいは本省または関係者から指示または要望があったものと推察できます。

○「森友学園・加計学園問題に関する調査特別委員会」等の設置を両院議長に申し入れ

【共同代表】
 今後、これらについては引き続き委員会等でしっかりと追及してまいりたいと思いますが、国政の課題はたくさんあるにもかかわらず、安倍総理のせいで、あるいは与党側の審議拒否によって……証人や参考人を呼ばない、十分な審議時間をとらないというのは、これはもう与党側の審議拒否ですから、与党側の審議拒否によってほかの課題が滞るというのはゆゆしき事態であります。やはり森友問題・加計問題は集中的に別の場所で議論するべきだと思いますので、本日付で泉健太国対委員長の名前で衆議院の大島議長に対して、両問題に関する調査特別委員会を設置するよう申し入れをしております。
 そのような形でこの問題を徹底追及しないと、国民の皆さんの政治全体あるいは財務省に対する信頼が回復することはありませんので、この調査特別委員会を設置して十分な検証を行うことが必須だと思います。

■質疑
○森友・加計問題 安倍首相の適格性欠如・不適切対応について

【NHK・稲田記者】
 安倍総理は即刻辞任すべきだと考えられる代表的な理由、そして財務省の「財」の字は「罪」の字が似合うのではないかと表現される最大の理由。それぞれ伺いたい。

【共同代表】
 総理がここまでさまざま出てきたエビデンスを真っ向から否定する発言をされているのは、十分な総理からの説明がない限りは、やはり虚偽であると思わざるを得ません。
 とりわけ、森友の問題にせよ加計の問題にせよ、昨年来おっしゃっていたことと、ここに来て出てきた資料に記されている事実関係が違うわけですから、1年以上虚偽答弁をしていたと私たちは推察しています。
 したがって、総理が「いや、そうではない」ということを、十分な説明と納得できる根拠を示さない限り、国会と国民の皆さんに堂々と虚偽を述べる総理が、国の総理としてその任に足りるとは到底思えません。
 財務省の「財」の字。これは本当に残念なことですが、多くの国民の皆さんはもう財務省に対する信頼は失墜していると思います。この佐川さんのやったこと、そして佐川さんの指示で、本意ではないけれどもそれに関与した人たち。これは改めてこれから法律をよく読み込みますが、国家公務員法や国家公務員倫理法、そしてそのもとにある倫理規則、これらに抵触する部分が多々あります。もう、こうなると明らかに法律違反をしているわけでありますので、財務省の「財」が「罪」に思えてきてもやむを得ない。それほど深刻な状態だと思います。
 私は17年間ずっと財政金融委員会におりますので、財務省の皆さんとは長い間一緒に仕事をしてきております。大半の皆さんは有能で、かつ国のことをしっかり考えて仕事をしている皆さんではありますが、その個々人の資質とは関係なく組織全体が負ってしまった宿痾(しゅくあ)というのは、これは財務省の「財」を「罪」と書かざるを得ないほど深刻なものだと思っております。

○「森友学園・加計学園問題に関する調査特別委員会」等設置の申し入れについて

【朝日新聞・河合記者】
 森友問題・加計問題は特別委員会で議論すべきだということで、今回、衆参議長に申し入れをされたと思うが、参院側は野党全体にも呼びかけたが今回残念ながら1会派での申し入れとなった。急ぎやらなければいけないことと、野党の足並みをそろえることとの兼ね合いでいくと、急いでやることを優先されたようだが、野党の足並みをそろえて申し入れることについて考えを伺いたい。

【共同代表】
 もちろん足並みがそろえば、それにこしたことはありません。
 同時に、各政党はそれぞれ独立した法人格を持った存在でありますので、我々は我々としての意思表示をした。しかし、この考え方にご賛同いただけるのであれば野党全体で改めて申し入れるということは全くやぶさかではありません。

○SNSの活用について

【「ゲイレポーター」・酒井記者】
 民進党時代に自民党との若者支持率の差について伺った際、ツイッターやユーチューブなどのSNS対策の差が出ていると回答されていたが、例えば若者の利用者数が多いと思われるユーチューブ、今12人しか国民民主党のライブ中継を視聴していない。SNSをどう利用して自民党と対峙していくのか、お考えを伺いたい。

【共同代表】
 そこは重要な課題だと我々は認識しています。対応がちょっと後手に回っているという自覚もあります。
 そして、SNS上では民主・民進、今は何か国民民主党が割とネガティブ情報の対象になっている傾向がありますが、最大のネガティブ対策というのはやはりポジティブな情報がSNS上にしっかり蓄積されていることだと思いますので、情報発信をしっかりやっていかなければいけないと思っています。それはこれからしっかりやりたいと思います。

○首相たる資格・適格性について

【テレビ朝日・村上記者】
 冒頭、他に総理たり得る人が何人もいるので安倍総理をトップとして仰ぐわけにはいかないと代表はおっしゃったが、今後内閣不信任案を出すつもりがあるかどうか。出すとしたらいつごろを想定しているかということが1点目。
 2点目は、ほかに総理たり得る人というのは、具体的に誰を指していらっしゃるか。

【共同代表】
 1点目は、先ほど野党の足並みのご質問がありましたが、まさしく野党の足並みをそろえるべき問題だと思いますので、今この段階で私が不信任案についてこれ以上言及するのは適当ではないと思います。当然、現時点で野党第1党の党首は枝野さんですので、枝野さんの考えもお伺いしながら、野党が連携していくべき問題だと思います。
 ほかに総理たり得る人は、秋の総裁選に意欲を示していらっしゃる石破さんであれ岸田さんであれ、十分それに足る方だと思います。私も、党は違いますが、十数年質疑をしたり、あるいは石破さんとは食事を一緒にしたこともありますし、それから私が政権側で郵政改革担当の副大臣のときには、私のところでつくった郵政改革法案を当時の政調会長の石破さんのところに、自民党本部までお訪ねして説明しに行ったり、いろいろなことがこれまでありましたので、お人柄も含めて私なりによく存じ上げていますので、この2人は十分、年齢的にもご経験的にも有資格者だと思います。
 ほかにももちろんいらっしゃると思いますし、野党側で言えば、当然、枝野さんは有資格者だと思いますし、与野党問わず総理たり得る人はある一定数はいらっしゃると思いますので、もう、安倍さんはいいでしょう。

【時事通信・岸本記者】
 今のお話の中で、国民民主党からは有資格者がいらっしゃるか、いらっしゃらないか。

【共同代表】
 国民民主党、もちろん有資格者はいますよ。玉木さんもそうです。自分が有資格者かどうかというのはなかなか言いづらい問題ですが、当然、中核野党の党首たる玉木さんは有資格者だし、私も有資格者であるような努力をしなければならないと思います。

○新潟県知事選挙について

【時事通信・岸本記者】
 新潟知事選がきょう告示だが、国民民主党としてどう取り組むか、共同代表が現地入りするご予定はあるか伺いたい。

【共同代表】
 新潟については、応援の仕方を今検討中です。代表として入るか入らないかは今検討している最中ですので、まだ決まっていません。

○党勢拡大に向けた取り組みについて

【読売新聞・平田記者】
 今後党勢をどのように伸長させていくかについて伺いたい。各社の世論調査では国民民主党は1%前後の支持率で、なかなか厳しい状況だ。本日は党としての街頭演説も行われるようだが、立憲民主党がいる中で国民民主がどのように「ここにあり」という存在感を示していくのか、戦略を伺いたい。

【共同代表】
 戦略ですから、それは秘密です。(笑い)
 しかし、妙案はそんな手品のような、あるいは魔法のように支持率がすごく上がるうまい方法はないと思っています。何しろ選挙の洗礼を受けていない新しい政党ですから、認知度が極めて低い。したがって、認知度を高めていく努力を地道にやるということが一点です。
 加えて、これはもう結党宣言や我々の綱領等に魂を込めた部分ですが、やはり国民生活の向上、あるいは国民経済の発展、国民の皆さんが本当に何を望んでいらっしゃるかということに関して、きちっと国会で仕事をして、政策をつくって法律を出して、この積み重ねが政党に対する信頼を高めていくと思います。
 1点目は、認知度を高めていくための努力。2点目は、信頼を高めるための努力。この二つを地道にやっていくことに尽きますので、現時点での支持率については一喜一憂していません。もうゼロからのスタートだと思っていましたので、これは当然の試練だと思っています。

【読売新聞・平田記者】
 立憲民主党と、野党第1党・第2党とある中で、どのように差別化をしていくかという点についても伺いたい。

【共同代表】
 特段の差別化を意識した戦略を考えているわけではありません。我々は我々の個性を発揮していくことが、結果として他党の皆さんとの違いを認識していただけることになると思いますので、差別化という観点から何か考えているわけではありません。我々自身がやるべきこと、我々自身が主張すべきことを地道にやっていくという結果論として、今、平田さんが質問されたような成果が出てくるのではないかなと思っています。