大塚耕平共同代表記者会見
2018年5月31日(木)15時00分~15時32分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ihHA_0kn9_Y


■冒頭発言
○森友文書改ざん問題 佐川前国税庁長官らの不起訴処分について

■質疑
○森友文書改ざん問題について
○野党連携について
○参議院選挙制度改革 自民党案について
○終盤国会対応 森友加計問題・「働き方改革」法案について
○郵便局サービス網維持に向けた改正案への賛成について
○「働き方改革」関連法案への対応について
○新潟県知事選挙について
○IR実施法案への対応について
○「与党、会期延長検討」報道について
○定例会見について


■冒頭発言
○森友文書改ざん問題 佐川前国税庁長官らの不起訴処分について

【共同代表】
 まず、森友事件に関して、佐川さんが不起訴になったという報道に接しましたが、事実であれば極めて遺憾であります。これだけの公文書の改ざん、廃棄、隠蔽、そして国会での虚偽答弁を繰り返してきた人が何らおとがめを受けないということであれば、これは国民の皆さんに顔向けのできない展開だと言わざるを得ません。こういう状況で、一体、子どもたちや若い官僚の皆さんに物事の善悪をどういうふうに教えていけばいいのか。極めて当惑するばかりで、この検察の方針が事実だとすれば驚愕の方針だと言わざるを得ません。
 また、検察がどういう理由で不起訴の方針を固めたのかは一回確認をしてみますが、漏れ伝え聞くところによると、一連の事実関係の大筋を変えるような文書の改ざんではなかったから、というような文脈の話が聞こえてきています。しかし、そもそもこの森友事件は8億円の値引きそのものが架空の埋蔵物を根拠にした値引きではないかということが今問題になっているわけですから、それを前提とした文書そのものの真偽が問われているわけなので、その文書に書かれている事実関係を大筋は変えていないから不起訴なのだという理屈は成り立たないと思います。
 そもそもこの取引自体、値引き自体が問題ではないかということで一般の方からも告訴されているのではないかと記憶しておりますので、そうであればその事案が解決しないうちにこの佐川さんの公文書の改ざんが不起訴相当と判断するには時期尚早であるし、そもそもそのような判断は信じがたいと言わざるを得ません。
 もはやこの政権には道徳を語る資格がないですね。何やら道徳の授業が始まるそうでありますが、一体どういう了見でこの政権が道徳を語るのか、驚きを禁じ得ません。

■質疑
○森友文書改ざん問題について

【読売新聞・平田記者】
 冒頭の発言に関連して。麻生財務大臣の責任はいかにお考えか。

【共同代表】
 何度も申し上げておりますが、麻生さんの責任はあると思います。辞職されるべきだということは何度も申し上げておりますので、その認識に変わりはありません。
 補足してちょっと申し上げますが、先日の財金で私自身もやりとりしましたが、その日の午前中には衆議院で、「バツをマルにしたとか、白を黒にしたとかいうような、悪質なものではない」とおっしゃっていたので、いやいや、それはおかしいのではないですかと午後の委員会で問いただしたところ、「白を白に変えても許されないものは許されない」という趣旨のことをおっしゃいました。
 全くそのとおりでありまして、公文書改ざんは犯罪ですから。これはその委員会の中でも、一般論として刑法のどこに抵触するかを政府側に答弁させています。それから私のほうからは、国家公務員法や国家公務員倫理法にも抵触するということを指摘いたしました。
 昔、中国の鄧小平さんが、「白い猫でも黒い猫でも、ネズミを獲るのがいい猫だ」と言いましたが、白かろうが黒かろうが公文書改ざんは犯罪以外の何物でもないということは申し上げておきたいと思います。麻生さんは辞職するべきです。

【NHK・稲田記者】
 2点、発言の真意を確認したい。
 「顔向けできない」というのは、そのような判断を検察に許してしまった野党のふがいなさについて顔向けできないのか。どういう意味で「顔向けできない」のか。
 先ほど代表は、「この政権に道徳を語る資格はない」と、こういう判断をしたからということをおっしゃっているが、判断をしたのは検察で、検察庁は基本的に総長のみが指揮を受けているという理解だが、「政権に道徳を語る資格はない」のは検察が道徳を語る資格がないのか。そこはどういうお考えか。

【共同代表】
 まず、「顔向けできない」というのは、大人として、という意味があります。私も大人の一員ですし、それから社会を動かしている、いわば我々は政治を担わせていただいている要職にあるわけでありますので、これはある意味、次の世代や子どもたちに対して、非常に世代として申しわけないなという気持ちで、顔向けできないと思っています。もちろん当事者は安倍政権であり、財務省の関係者であり、この事件の関係者でありますが、日本人として情けないなという気持ちで、次の世代に顔向けできないと申し上げています。
 それから、確かに判断は検察ですが、この間の政権の三権分立や独立した組織への配慮のなさを考えると、検察が何がしかの影響を受けていないことを祈るばかりです。その否定できるだけの材料がないので、何がしかの影響を受けている蓋然性を全く否定できない。そういう意味で政権もひっくるめて道徳を語る資格がない。検察もそうだと思いますよ。やはり検察は検察で一定の理屈でそういう方針を出すのでしょうけれども、先ほど申し上げたとおり、もともとの架空値引きの問題が解決していない中で、この文書改ざんについて不起訴相当と結論づけるのは、やはり文脈上少し無理があるなと思います。

○野党連携について

【東京新聞・山口記者】
 昨夜、野党6党派の党首・代表で会談されたが、その中で新潟県知事選の対応と、来年の参院選、また衆院選の連携を確認されたかと思う。その確認事項と、大塚代表がどのような発言をされたのか伺いたい。
 関連して、野党共闘、野党協力についてのお考えを改めて伺いたい。

【共同代表】
 まず新潟県知事選ですが、非常に接戦になっていますので、ここは野党は協力して何とか池田千賀子候補を勝利させましょうということで、みんな一致しました。
 それぞれ個別の日程で応援に行くのとはまた別に、既にご承知かと思いますが6月2日・土曜日の午前11時から新潟駅万代口で5党1会派の党首・代表の揃い踏みをやる方向で固まりました。これが新潟県知事選挙ですね。
 それから参院・衆院については、衆議院は全部1人区ですから、参院も同様に1人区についてはやはり野党で候補を一本化するべきだということで、みんな認識は一致していました。問題は、するべきだという「べき論」としてはそのとおりなので、実際に本当に一本化できるかどうかがこれからの課題だと思っています。
 私の野党連携の認識は、従来から申し上げているとおり、もともと野党の中核であった旧民主・民進、ここにルーツを持つ幾つかの政党、当初は「3党連携」と僕は申し上げていましたが、今は国民民主党と立憲民主党が中心でありますが、まずこの連携が基本になければならない。加えて、他の野党も政権交代のためにやはり協力していただけないかと思っている、というのが私の立場です。

【東京新聞・山口記者】
 関連して。月曜日に市民連合と野党幹事長との意見交換会があり、国民民主党は欠席されていた。その欠席理由を伺いたいのが一点と、市民連合としては野党共闘を求めていて、新潟県知事選と参院選で連携していこうという発言をしていて、安倍政権に対峙する姿勢は国民民主党とも一致していると思うが、今後、市民連合と国民民主党はどのようにつき合っていくつもりか伺いたい。

【共同代表】
 まず、市民連合の皆さんと認識で共有できる部分は多々あります。もちろんあります。
 同時に、日程調整がつくかつかないかという問題に加えて、今回の会合のご案内文には若干違和感があったなということが、幹事長が出席されなかった主たる理由だと聞いております。窓口は、幹事長と、それから幹事長代行をお務めいただいている増子輝彦参議院議員、この二人にお任せしておりますので、そういう趣旨だったと聞いています。
 もちろん我々は幅広く連携していきますが、いつも申し上げているように、「何が正しいか」「何が正義か」などということは絶対的には決められないので、あたかも自分たちが正義であるかのごとくのご案内文をいただくと、円滑に連携するということにおいて若干の影響が出る場合もありますので、やはりそれぞれが謙虚に、お互いに認め合って、そういうご案内であるべきだと思っています。

○参議院選挙制度改革 自民党案について

【TBS・室井記者】
 自民党がまとめた参議院の選挙制度改革について伺いたい。比例代表の拘束名簿の導入や定員数の増を含めたものだが、これについてどのような認識をお持ちか。

【共同代表】
 まず一言で、驚きの内容だと思います。我々は皆さんの報道の内容からしか存じ上げておりません。直接は何の説明も受けていませんので、皆さんの報道の内容を前提に申し上げれば、驚きの内容だと思います。
 合区の問題を解消するために、非拘束と拘束を併用して、かつ定数も増やす、というような報道になっていると思いますが、これは有権者の皆さん、国民の皆さんの理解は得られないと思います。
 やはりこの合区問題を根本的に解消するためには、二つ申し上げますが、1点目は、これは与野党とも本当に真剣な議論が必要ですが、一票の格差(解消)というものを参議院も衆議院と同様の考え方で臨んでいくのかについて、深い議論が必要だと思います。これが一点。
 それから2点目は、これほど都市と地方の格差が進むような国の運営の仕方。経済も、この方向性を放置したままでは、結局、幾らびほう策をやっても繰り返し問題が起きるわけです。だからこの問題を何か選挙制度の驚くべき内容で善処するよりは、そもそもこんなに都市と地方の格差が広がる国の運営を一体自民党の皆さんはいつまで続けていくのだと。こういう本質論をやらないといい解決策につながらないと思いますので、そういう観点から我々もしっかり議論したいと思っています。

【TBS・室井記者】
 当面、提案には乗れないということでよろしいか。

【共同代表】
 まだ提案を受けていませんので、それについては今コメントする段階ではありません。

○終盤国会対応 森友加計問題・「働き方改革」法案について

【毎日新聞・樋口記者】
 終盤国会に当たって国民民主党の戦略を2点伺いたい。
 1点目が、森友、加計も含めて、調査特別委員会の設置を先週申し入れたと思うが、国会閉会後も含めてどういった形で今後追及していくお考えか、その戦略を伺いたい。
 もう一つは、「働き方改革」法案が衆院を通過したが、修正協議を求める発言も党内からある。実際なかなか難しいかとは思うが、どういう点を修正を求めて、現実的にどういう形で修正協議に入るのか、どういう戦略をとるのか伺いたい。

【共同代表】
 まず「もりかけ」は、調査特別委員会の設置を求めたわけですので、これが設置されることが今の環境下では最善だと思います。事実関係もかなり不透明な部分が多いし、それから官僚の皆さんが一体どのような対応をされたか。関係者、例えば加計であれば愛媛や今治の人も含めて。こういうことを調べるのには相当時間がかかりそうなので、やはり継続的にこの件を審議してわかった事実関係を積み上げていけるプラットフォームを用意して、これも落ち着いて議論することが必要なので、やはり調査特別委員会が一番望ましい姿だと思います。
 もしこれが設置されれば、閉会中もずっとやっていくというのが筋です。これはやはり一旦立ち止まると関心も薄れますし、与党はそれを狙っているのでしょうけれども、先ほどの冒頭の話と関係ありますが、これは関心が薄れたからといってフェードアウトさせたら、大人はこれだけめちゃくちゃなことをやっても許されるのだったら、子どもも「何でもやっていいんだ」という、そういう社会のムードにつながっていきますから、これは閉会中もずっと審議をして、国民の皆さんの納得のいくところまで事実関係を明らかにする。これが今後の我々のスタンスです。
 それから「働き方改革」は、ご承知のように高プロには我々は根本的に反対しているわけですので、その修正協議の詳細は現場に任せてありますが、やはりまずこれを切り離して、我々も賛成できる時間外労働の上限明記とか、そういうところと2本立ての法案にする修正というか出し直しというか、そういうことをしていただければ、これは十分、前者は賛成、後者については我々は反対という対応で、いわば静かな中で法案の採決に応じられると思います。
 そこまでに至らない対応の場合、その修正協議に我々が応じられるかどうかは、これは相当ハードルは高いと思います。現状そう思っています。

○郵便局サービス網維持に向けた改正案への賛成について

【日本経済新聞・藤田記者】
 法案の賛否について伺いたいが、きょう参議院総務委員会で郵便局のネットワークを維持するために、ゆうちょとかんぽの消費税負担を減額する内容の議員立法(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案)が全会一致で可決し、あした成立する見通しだが、この法案に国民民主党が賛成した理由を伺いたい。

【共同代表】
 これはもともと、成立した法律の大前提となった民主党政権下での最初の郵政改革法案は私がつくりましたので。逐条で書き上げていきました。それまでの小泉政権下での郵政民営化の流れとの根本的な違いは、ユニバーサルサービス、しかも国民へのユニバーサルサービス提供のためのネットワークを維持することが郵政事業の持っている公共性を維持していくための一番重要なポイントだということを埋め込んだ改革法案でした。
 その精神は現行法にも引き継がれていますので、その観点から、このままではそのネットワークの維持、その意味はつまり公共性の維持というものが非常に難しくなってきますので、今回の法案で盛り込まれた内容は我々としては当然のことだと思っていますので賛成しました。

○「働き方改革」関連法案への対応について

【時事通信・小松記者】
 「働き方改革」で確認させていただきたいが、立憲民主党は政府案に関しては今国会成立阻止を明確に言っているが、国民民主党の基本的なスタンスは、政府案については今国会阻止か。それとも、修正を求めてよりよいものにしていくことが第一の目標だが、それがかなわない場合は、政府案であっても成立阻止までは言わないというスタンスか。

【共同代表】
 いや、今のままの政府案であれば、それは阻止です。高プロとセットだから。先ほどの毎日さんのご質問にお答えしたように、これが分離されれば。
 やはり法律はできるだけ大勢が賛成して成立したほうが国民の皆さんも受け入れやすいわけですから、全会一致というのは国民の皆さんも非常に納得していただきやすい提示の仕方ですから、本来それを目指すべきなのです。しかし、そうでない法案もいっぱいある中で、少しでも賛成できる部分を増やしてもらって、賛成者を増やして成立させていく、その努力はしてほしい。
 そういうことになると、高プロと分離ですよね。それをやっていただければ、政府案に対して、その一部に対しては賛成の余地も当然出てくるわけです。一部というか、今回の一番の「幹」の部分ですよね。それに非常に雑念を交えて今回法案を出してきているわけなので、そのままでは当然阻止です。

【時事通信・小松記者】
 採決することにも反対するか。

【共同代表】
 その国会運営については、国対と相談してこれから決めていきます。

○新潟県知事選挙について

【新潟日報・小池記者】
 6月2日に野党5党1会派で党首・代表が揃い踏みするということだが、本日国会で「働き方改革」が衆院を通過し、森友・加計問題でも追及・政権批判を強めているところだが、その中で知事選が中盤に差しかかっている。改めて、この知事選の位置づけと、今後の国政に与える影響について伺いたい。

【共同代表】
 位置づけは、二つの点で重要だと思います。
 一つは、新潟県固有の問題として、もちろん原発も争点になっていますし、それから県民生活に関わるさまざまな争点もあるでしょうから、新潟県固有の問題をどう解決していくか。これが一つ重要なポイントです。
 もう一つは、その問題を解決していく上で、今のように民主主義をないがしろにするような与党に推薦された候補者にそれを委ねるのか、そうではなくて、より民主主義的に運営しようという熱意にあふれた候補者にそれを委ねるのか。つまり2点目は、そういう今の中央の政局にも関わりのある論点がありますので、今回どういう結果が出るかによっては当然安倍首相の3選をめぐる動向に影響が出ると思います。
 また、当然我々は池田候補の勝利を目指して頑張っているわけですが、池田さんが勝つということになると、その後の与党側の衆議院選挙の戦略などにも影響してくると思います。

○IR実施法案への対応について

【読売新聞・平田記者】
 IRについて伺いたい。昨日の総務会では反対の意見が多かったと伺っている。まだ結論は出されていないということだが、今後どのくらいのタイミングで結論を出していくかお聞きしたい。

【共同代表】
 もう、そう遠くないうちに結論は出ます。
 結論が出ていないというわけではなく、基本は反対の方向です。やはり大きな理由は、何か日本の国内で賭博が許されない地域と許される地域があるみたいな、こういう二重基準はいかがなものかということを主たる理由として、しかし、このIRには経済振興などの別の目的も混入してきていますので、そういう別の目的に照らして、最終的にどのような理由と論理によって我々は反対するかという、今、最後の調整をしているということです。そう遠くないうちに出ると思います。

○「与党、会期延長検討」報道について

【共同通信・小野塚記者】
 国会について伺いたいが、与党から延長の話が出てくるようになった。延長を視野に入れた場合に、今後、政党としてどのように政権と対決していったり、野党としての役割を果たしていこうとお考えか。

【共同代表】
 そもそも、まだ正式に申し出られていないですよね。皆さんの報道ベースですよね。
 数年前までは、報道で延長の話が出たら、「それは本当か」と言って、その真偽を確認するまで国会は止まるのですね。今、随分野党もそういう意味では柔軟に対応しているわけで、本当ならばここで一回国会を、審議拒否ではないですよ、これは国会のお作法、これまでのゲームのルールみたいなものですから、ここで一回止めてもいいのですが、しかし我々も国政の課題が多々ある中でそこは少し柔軟に構えて、きょうも国会をやっているわけでありますが。
 真剣に申し出られたら、それは一体いかなる理由で、しかもどの程度延長するおつもりなのか。
 しかも、今でも何しろ事実を隠蔽し、改ざんし、熟議を尽くさないで権力を濫用するという、こういう姿勢でやっているわけなので、延長した暁にはその姿勢を改めて国会に臨むということであれば「延長について、我々もちゃんと考えましょう」ということになりますが、姿勢も変わらないということであれば、延長してもあまり意味がない。
 繰り返しになりますが、現時点では正式に申し出られていないので、延長にどう対応するかということについては白紙です。

○定例会見について

【NHK・稲田記者】
 素朴な疑問だが、今、国民民主党が行っている会見で、開会中であっても大塚さんだけこっち(党本部)でやっているのは何か意味があるのか。閉会中だったらもちろんわかるが。

【共同代表】
 特に意味はないです。玉木さんはずっと向こう(国会内)でやっているのですか、そうですか。特に意味はないです。
 院内のほうがいいですか、わかりました。じゃあ、それは今後検討します。ここまで来るの大変、わかりました。