玉木雄一郎共同代表記者会見
2018年6月11日(月)16時00分~16時23分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/HBY7DIRQGvY


■冒頭発言
○新潟県知事選挙の結果について
○G7サミット・日米首脳会談について

■質疑
○新潟県知事選挙の結果について(1)
○野党連携について
○新潟県知事選挙の結果について(2)
○国会改革をめぐる議論について
○IR実施法案の対応について
○国会前での集会について


■冒頭発言
○新潟県知事選挙の結果について

【共同代表】
 まず新潟県知事選挙についてでありますが、我が党としても推薦をしておりました池田千賀子候補が残念ながら惜敗ということになりました。
 急な出馬、また短期間での選挙戦ということでご本人も大変だったと思いますが、組織戦を展開した与党候補にあそこまで迫ったのは、よく頑張られたなと思います。
 あわせて、野党が複数に分かれている状況の中で、菊田真紀子選対本部長を中心に野党また関係団体をよくまとめてここまで持ってきたことについては、選対本部長である菊田真紀子代議士に心から「本当にお疲れさま」と申し上げたいと思っております。
 この選挙結果をよく分析して、これからの戦略につなげていくことが大切だと思っております。やはり我々野党の側からすると、常に課題なのですが、無党派をいかに取り込むかということと、最近非常に我々が弱いとされている若年層からの支持をどのようにしっかりと獲得できるのかということが今回の選挙でも課題だったと思いますし、よく分析をした上で、地理的な分布なども詳細に分析して、これからの各種選挙に向けた戦略につなげていきたいと思っております。

○G7サミット・日米首脳会談について

【共同代表】
 もう一つは、日米会談、G7、そして米朝首脳会談でありますが、さきの日米会談については、「日米はともにある」ということをまた総理はおっしゃっていましたが、語られたこと、あるいは発表されたことよりも、発表されていないことのほうが重要だと思っております。
 例えば、懸念がある鉄鋼・アルミの輸入制限については総理の口から一切話がありませんでしたし、それからまた自動車に対しても、どのようなことがあるのかということについては何も説明がありませんでした。
 加えて、さきのG7、カナダにおいての会合でありますが、これもコミュニケ、首脳宣言が取りまとめられたはずだったのですが、シンガポールに旅立ったトランプ大統領は、これをエンドースしない、承認しないよう指示したということが言われておりますので、極めて混乱したG7サミットだったのではないかなと思います。
 そういう中で、日本がアメリカに対してしっかり物を言う立場で振る舞ったのか。それとも、アメリカ側に立って、むしろアメリカと同じような立場にいたのか。あるいは、どちらにも立たずにあいまいな態度に終始したのか。こういった点については我が国の国益にも関わる話ですから、やはり総理が帰ってきて、予算委員会の集中審議などを開いて、しっかりと説明を求めていきたいと思っております。

■質疑
○新潟県知事選挙の結果について(1)

【朝日新聞・竹下記者】
 新潟県知事選の関係で、今回野党統一候補となった池田候補、落選されたが、今回の結果で見えてきた野党共闘の成果と課題があったら教えていただきたい。

【共同代表】
 野党が結束すれば与党と互角に戦えるんだということを一つ示した結果かなと思います。
 ただ一方で、相当いろいろな調整を丁寧にしないと、やはり別の政党であるということもありますから、かなり時間をかけて事前の調整をしていくことも大切だなと。今回は突然知事がおやめになっての選挙でありましたから、そういった点についてはこれからの改善すべき課題なのかなと思います。

【東京新聞・山口記者】
 今回、与党の候補と池田候補、双方とも原発政策については、新潟県の技術委員会の三つの検証を引き継ぐということで、原発への政策の差が見えづらかったかと思うが、そういったことも今回の敗因に影響しているか。どうお考えになっているか。

【共同代表】
 我々側の敗因と同時に、与党側の勝因の一つだと思います。
 与党側がうまくやったなと思うのが二つ、選挙結果を見ても見えてくるのは、まずは原発を争点にしなかったということで、かなり原発反対という支持者の中でも3割ぐらいの人が花角さんに入れているということがあります。
 もう一つは、やはり国政のさまざまな問題がある中で、自民党の、この与党の色をなるべく出さないというような選挙戦を展開したことも、一定程度、無党派の獲得にもつながったのかなと思います。
 ただ、我々からすれば、それは与党隠し、原発隠しの戦略だったと思いますし、そういったことをもう少し私たちも本質的な差をしっかりと訴えることができればよかったなと思っています。

○野党連携について

【日本経済新聞・藤田記者】
 新潟知事選に関連して。野党共闘の中に共産党も入っていると思うが、来年の統一地方選とか参院選挙に向けて、この野党連携、共産党との関係について、党としてはどういうふうに構築していくか、考えを伺いたい。

【共同代表】
 国会の中でもそうですが、協力できるところは協力していきますが、選挙区のあり方についてはこれから具体的なそれぞれの選挙区事情に照らして判断していくということかなと思います。
 ただ、1人区においては野党が分かれてしまうとどうしても票が分散してしまうというところがありますので、私は「野党共闘」という言葉は使いませんが、1人区においてはできるだけ候補者の一本化あるいは候補者調整といったものは何らかの形で必要ではないかなと、勝利のためには必要だと思います。

【NHK・及川記者】
 新潟知事選の関連だが、先ほど課題として、時間をかけて事前調整することも大切だとおっしゃった。今後、今お話もあった統一選や参院選に向けて、では、どのように野党間での、準備なのか調整なのか、そういったことを進めていきたいと思われるか。具体的にどのような戦略を今描いていらっしゃるか。

【共同代表】
 今回は、皆さんもご存じのとおり、選対が複数に分かれたようなところもありました。ですから、もう少しこういうことは一本化してやれればいいなと思いますが、早急にやらなければいけないのは、やはり各党で選挙区調整の実務者を決めて、ある程度、どの地域にどの党からどのような形で出していくのか、出さないのか、こういった候補者調整・選挙区調整については早めに始めていくことが必要だなと。
 あるいは、空白区については共同して候補者の発掘・擁立をしていくとか、こういった選挙にまつわる、候補者にまつわる調整というのは、できるだけ早期に着手していく必要があると思います。

○新潟県知事選挙の結果について(2)

【新潟日報・小池記者】
 新潟知事選について。今回、池田候補は「新潟のことは新潟で決める」と掲げて戦ってきたが、一方で野党6党派の幹部が再三現地入りするなどして安倍政権批判も強めてきたと思う。そういった批判票については一定程度あったと大島敦選対委員長もお話しだったが、その辺は代表はどのようにお考えか。

【共同代表】
 ここもよく分析したいと思っています。
 3万票の差がついたことで、佐渡は相手の出身なので仕方がないにせよ、新潟市内でかなり負けていることをどう評価するのか。そういった野党そろい踏みでの活動というのはむしろ新潟市内が多かったのではないかと思いますから、そういった因果関係とか、特に無党派・若年層に与えた影響をどう分析するのか。
 こういったところをやはり丁寧に分析した上でこれからの作戦につなげていかないと、同じことを同じようにただ繰り返しているだけではさらなる票の上積みができないのではないかと思いますから、それは客観的な数字も分析をしながら、虚心坦懐、やはり私たちの反省すべきところは反省しながら、特に無党派にどう票を広げていくのか。
 もうどちらかの陣営に入れることが決まっている人は、もともと決まっていますから。やはり投票率が今回かなり上がったにもかかわらず無党派の方々が一定程度与党候補にも入れているということをしっかりと捉えて分析すべきだと考えています。

【読売新聞・前田記者】
 与党側には、今回の選挙をもって安倍政権が信任されたという声もあるが、この意見についてはいかがお考えか。

【共同代表】
 それは少しおごり過ぎではないかなと思いますね。
 もちろん与党候補の花角さんが勝ったことは結果でありますし、ぜひ新潟県民の皆さんのために頑張っていただきたいと心からエールを送りたいと思いますが、他方で、やはりこれだけの大接戦になったということは、やはり今の安倍政権に対する厳しい目もあるということは謙虚に受けとめていただいて、間違っても「これで全て承認された」ということで、これからの残りの国会、さまざまな重要法案がまだ残っていますが、強行採決を連発するようなことがないように、そこは謙虚に今回の選挙結果を受けとめていただきたいと希望します。

○国会改革をめぐる議論について

【NHK・及川記者】
 代表は、さきの党首討論のときにも国会改革に意欲を示されていた。そして週末に自民党の小泉進次郎さんが、答弁機会のない閣僚が国会出席を求められている現状を変えるべきだと、改革の必要性を訴えていた。現実に、今の国会、どのようなところを改善すべきか。そして、どのようにこの国会改革に取り組みたいと思われるか。

【共同代表】
 自民党の中からもそういった国会改革の声が出てくること、特に小泉進次郎さん中心にそういう声を上げておられることは私としても勇気づけられます。ですから、これは与野党を超えて議論ができる。党首討論でも申し上げましたが、国権の最高機関でありますから、この国会において重要なことを実際決定できる、そういった国会にしていきたいというのは、これは私たち世代の国会議員はたぶん与野党を超えて共通していると思います。
 その上で、三つ変えたらいいと私は思っています。
 一つは、やはりこの会期制についてどう考えるのかという問題です。会期を限って、それが終わってしまったら原則廃案になってしまうということで、与党は、会期末が近づいてくれば職権濫用でとにかく委員会を立てては数の力で押し切る。それに対して野党側は、とにかく廃案に持ち込もうということで、場合によっては審議拒否をしたり乱闘国会になったりということで、この会期制をとることに伴って与党も荒っぽいことをするし、野党も荒っぽいことをする。どちらの荒っぽさも国民から全く受け入れられない。そういうことであれば、会期制と、この会期の中で成立しないと原則廃案になってしまうこのルールについて、やはりこれは与野党を超えてしっかりと議論をしていく必要があるなと思います。
 もう一つは、事前審査の仕組みと党議拘束のあり方についても議論したらいいと思います。我々野党は時に「何でも反対」と言われますが、私からすれば「与党は何でも賛成」なのですね。なぜかと言うと、内閣が閣法として国会に法案を提出する前に、それこそまさに与党ヒアリングをして法案をチェックしまくるわけです。与党がオーケーにならないとそもそも提出できないという仕組みでやっていますから、国会に出た時点で全員賛成なのです。だから、いい議論をして修正をお互いしましょうなんていうことにならないので国会が形骸化するということですから、例えば、与党が本当に質問時間を増やして実のある議論をしたいのであれば、事前審査をやめてもらいたい。これは自民党が決めればできますから。こういうことをしっかりと議論していくというのが2番目です。
 三つ目は、党首討論のあり方です。毎週1回、多くの国民がテレビでも視聴できる夜8時にやれば、若い人も含めて、あるいはサラリーマンで自宅に帰った方も、天下国家の話をテレビで見られるわけです。今のように9時から17時まで、日中幾らNHKが生放送しても、普通に働いているサラリーマンの人はこれを見られません。
 ですから、そういった改革もすれば、例えば全閣僚が質問も当たらないのにずっと椅子に座っているということは、私は解放したらいいと思うし、例えば河野外務大臣はどんどん世界じゅう回って外交関係をつくっていけばいい。ただ、そこだけ外して、つまり与党にだけ有利になるような国会改革は真の改革ではないと思いますから、例えば今申し上げたような党首討論についての仕組みを変えるというのであれば、それに伴って大臣の海外出張や、あるいは出席の義務ということを外していくことも、一つの案として考えられる。
 こういった、与野党ともにある意味少しずつ譲りながら、国民のための国会が実現するような、そういった国会改革はぜひ進めていきたいと思っています。

○IR実施法案の対応について

【テレビ朝日・延増記者】
 カジノ法案だが、与党は先週の採決を今週に見送る形となったが、今週水曜にも与党は採決をしたい構えだ。国民民主党としては対応はどうか。

【共同代表】
 まず、新潟県知事選挙への影響も踏まえて採決を先送りしたのだと思いますが、知事選挙が終わったからといって強引に進めることは許されないと思っています。
 カジノについては賛否両方あるのは事実であります。外国人のお客様が来て、インバウンドで経済の成長につながるという話もありますし、一方で、やはり依存症が増えるだけ、あるいは、ずっと刑法で禁止されていた賭博を正面から認めることで本当にいいのかと、そういう道義的な話も出てきます。
 ただ、この間、国会で議論を積み重ねていく中で、我が党所属の議員も質問に立ちましたが、新たな問題・疑問点が審議を通じて次から次へと出てきていると思います。
 一番大きな問題の一つは、「ジャンケット」の問題。カジノ事業者が高利で金を貸し付けることができる。これは依存症対策とも正面から矛盾しますし、私も長くIR議連におりましたが、こういったカジノ事業者が、最初は無利子で貸し付けておいて、2ヵ月たったら14.6%で貸し付けると、こういうことは聞いていませんでしたから。このまま入れてしまったら、これは高額所得者も含めてかなり依存症が広がるのではないか、あるいは、さきに我々が賛成して通した依存症対策の法案の大きな抜け穴になってしまうのではないのかと思いますので、こういったところがしっかりと手当てをされないのであればなかなか賛成できないなという状況にはなってきたのかなと思っています。

○国会前での集会について

【フリーランス・堀田記者】
 きのう、国会の前に大勢の方が集まった。国民民主党は、誰かを出さなかったわけか。

【共同代表】
 国会の前でそういった活動をされておられるのは聞いておりましたが、政治家はそもそも誰か出ていたのですか。

【フリーランス・堀田記者】
 出ています。この前に、山口二郎さんなどとの話し合いのときに、まだ決めかねているということで、立民の福山さんなどが出たが、その後の新宿西口の街宣でも国民民主党の人は来ない。そのほかの5党1会派、岡田さんはちょっと人が少なかったので来なかったが。それできのうということになっているが、私に言わせれば市民とどうのこうのというのは、市民の上に冠がついた、共産党が好きな「市民」ということだが。選挙協力はほかの野党とやっても、そういうことには出さないということでよろしいか。

【共同代表】
 市民連合の方とコミュニケーションとっています。私ども直接、山口二郎先生とも話をしていますし、長いつき合いでもありますから、直接お話しすることもあります。
 ただ、個々の集会についてどうするかは個々の集会についての判断ですし、例えば私はきのうちょっと埼玉に行っていたのでこっちにいなかったというのもありますし、そこは一つ一つ総合的な判断かなと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 全面的に出ない、ということではないのですね。

【共同代表】
 そういうことを決めていることはありません。