大塚耕平共同代表記者会見
2018年6月14日(木)14時58分~15時21分
編集・発行/国民民主党役員室

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https://youtu.be/ABe2IETWpWc


■冒頭発言
○米朝首脳会談・日米韓外相会談について
○参議院選挙制度改革 各派協議の打ち切りについて

■質疑
○参議院選挙制度改革について
○新潟県知事選挙中の候補者に関する一部報道について(1)
○日朝首脳会談案 国民・国会への説明の必要性について
○新潟県知事選挙中の候補者に関する一部報道について(2)
○IR実施法案について


■冒頭発言
○米朝首脳会談・日米韓外相会談について

【共同代表】
 12日の米朝会談についてはコメントを出させていただきましたが、その後の米朝双方の動きを見ていても、やはり直接対話をして交渉のパイプをつくったことそのものは評価できますが、今後本当に非核化のプロセスが着実に進むかどうか。さらには、日本の拉致問題の解決につながるのかどうか。前者についてはかなり不透明、後者については現状では糸口が見えないので、米朝会談の成果、内容についての評価は慎重にしていかなくてはならないなと思っております。
 また、きょう午前中に日米韓の外相会談が行われていますが、やはり総理も外相も、この間の米国との話し合いの内容、外相も外相同士の話し合いの内容について、もう少し国民の皆さんないしは国会に対して説明する責任がこの局面は通常よりも非常に重い、高いと思いますので、総理・外相にはその責務を果たしてもらいたいと思っております。

○参議院選挙制度改革 各派協議の打ち切りについて

【共同代表】
 それから参議院の選挙制度改革について、後ほど皆さんからもご質問があろうかと思いますが、ご承知のとおり、改革協に特段の説明もない中で自民党案なるものが報道され、きのうの代表者懇談会において正式に説明があり、議長はそれをもって一旦もうこれで自民党案を法律案として議会に出してもらう的な仕切り方をしようとされたわけでありますが、「それはおかしいのではないか」という私を含めた野党各会派の主張に一応呼応してきょう再度開いたこと、そして自民党案に対する野党各会派の質問や疑問に対して自民党が答えたこと、ここまでは一定の理解ができます。
 しかし、きょう、またそれをもって打ち切り的なさばきをしたことについては大変遺憾であります。私のほうからは、「ここからが議長のまさしく裁定ないしはあっせんの場面なので、ここからこそが議長のリーダーシップの発揮のしどころであり、次は議長のあっせん案をお出しいただくということでいかがか。もちろんそれには我々もしっかり協力します」と申し上げたにもかかわらず、一旦打ち切ったような形に今なっていることについては大いに遺憾であると申し上げておきます。
 今、各党がこれに対してどう対応するかということをそれぞれ協議中だと思います。我が党は、我が党としての考え方はあしたの議員総会で諮った上で、その後の対応をしていきたいと思っています。

■質疑
○参議院選挙制度改革について

【日本経済新聞・藤田記者】
 参議院選挙改革について、今お話のあった、我が党としての考え方はあしたの議員総会に諮るということだと思うが、考え方とは具体的にどういうことになるか。

【共同代表】
 自民党案が出てきたその理由について、自民党の皆さんの説明は、やはり来年に選挙が迫る中で具体的にどう見直すのかということについて、自民党さんは「あの案しかない」と、こう言ってきているわけですね。しからば、私どもとしてはどういう案があり得るのかということをあした会派として意識を統一したいと思っています。
 本来、改革協で自民党さんが与党第1党として野党にも諮った上で案をまとめていく努力をされるべきでしたので、「あの案しかない」と言うのならば、あの案になるように野党に根回しをして諮っていけばよかったわけです。いきなり自民党の案として出てきた、これは我々としては何の調整もないわけなので、では私どもとしては来年の参議院選挙にどういう案で臨むべきか、あした一応会派の認識を共有していきたいということです。

【朝日新聞・河合記者】
 きのうの野党側の自民党案に対する疑問に対して、きょう自民党から、これが抜本的な改革である、あるいは定数増に理解が得られるという内容の回答があった。定数増の部分などについては特に代表のほうからもきのう注文があったと思うが、こうした自民党の回答内容についてどのようにお考えか。

【共同代表】
 何かこれも米朝会談に似ていますが、回答を行ったという行為そのものは、当然のこととはいえ、きのうはやらないと言っていたのを一応やったわけですから、ここは評価したいと思います。
 ただし、7点のそれぞれの回答の内容については、いずれもなかなか承服しがたいものがある。特に定数増のところは、衆議院との比較においてそれほど多くないのではないか的な文脈だったと記憶していますが、別に衆議院との比較の問題ではなく、やはり地方議会も大きく定数を減らしてきている中で、また財政も厳しい折から、一般的にやはりここで国会だけが定数を増やすというのは理解されないだろうなと思います。
 これを、理解されると思うときょう回答されているわけなので、回答したことは一歩前進ですが内容は零点ですね。

【共同通信・小笠原記者】
 あした我が党としての考え方を諮るということだと思うが、この考え方というのは今回の自民案とは異なる考え方を示すつもりだという理解でよろしいか。

【共同代表】
 これはこれから諮るので詳しいことは申し上げられませんが、自民案には賛成できませんので、それはそういうことです。
 それと同時に、きのうも席上でも申し上げましたが、抜本改革のためにはやはりきちっとした議論の積み上げが必要で、私は改めて問題提起をきのうもしましたし、一昨日、非公式に議長とお会いしたときもしているわけです。
 それは何かというと、法のもとの平等に基づいて一票の格差論が行われているわけですが、選挙区割りについて衆議院のように弾力的に適宜変更のできない参議院において、はたして法のもとの平等とはどういうことかということについて、もっとしっかり議論するべきだと思います。
 例えば、一票の格差という観点はもちろん大事な視点ですが、参議院においては、これは一つの切り口ですが、自身が居住する都道府県の代表の参議院議員を1人は出せるという法のもとの平等という考え方もあると思うのですが、これまでの改革協ではそういう議論が十分にされていないと理解しています。
 だから、ここまでまとまらなかったのだから議長としてはそういう新たな視点も加えてしっかりご裁定されるべきではないかと申し上げていますので、そういうような切り口も含めて、あした会派に諮りたいと思っています。

【テレビ朝日・村上記者】
 先ほど、各党がどう対応するか協議中とおっしゃっていたが、いずれ野党全体でまとめる予定があるのかどうか。それぞれの意見を聞くための幹事長会談などを開くつもりはあるか伺いたい。

【共同代表】
 まず、議長のきのう・きょうの仕切りについては遺憾であるということで、おおむねみんなまとまっていると思います。
 ただし、ではどのような案で臨むべきかという点については、これは野党もそれぞれ考え方が違うと思いますので、野党間でどういう調整をするかということは現在は基本は白紙です。もちろん紙の下ではそれなりの接触はして「どうしますか」という相談はしていますが、内容まで含めた調整ということはたぶん、まず不可能だと思います。それができていれば、これまでの改革協で野党案が一本にまとまり、そして与党とももう少し違う調整の展開になったと思いますので、内容について野党案をまとめるということは無理だと思います。

○新潟県知事選挙中の候補者に関する一部報道について(1)

【フリーランス・横田記者】
 新潟県知事選の関連で、明らかな公職選挙法違反の疑いがあることを自公支持の花角陣営がやったことが明らかになった。投開票日直前に、花角氏の確認団体の選対幹部・長谷川代表代行が、地元「三条新聞」の記者の前で、文春が相手候補の下半身ネタを掴んで選挙後に記事にするようだ、再選挙になると大変だ、ということを示唆し、それが記事になって流布された。これは実際文春の記事にもなっていないし、虚偽・うそを広めて相手候補を落選させようとした公職選挙法違反の疑いがあると思うが、この受けとめと、国民民主党として調査あるいは国会で取り上げたり野党合同ヒアリングをするお考えはあるか伺いたい。

【共同代表】
 事実関係について、今、全く認識していませんので、ちょっとお答えは差し控えますが、それは投開票日にという記事なのですか。

【フリーランス・横田記者】
 投開票日の前に、「文春が選挙後にまたの話も」と地元紙が見出しつきで。選対幹部の発言が投票日の4日前にあり、3日前の新聞に載って、翌日に訂正もされていない。これは自民党の三条支部の緊急議員会議で、議員が参加した公式的な選対会議の場で出た発言だと。

【共同代表】
 その選対会議には、記者さんが入っていたということですか。

【フリーランス・横田記者】
 記者が入っていたので、選対幹部のコメントがそのまま記事になって、見出しは「文春が選挙後にまたの話も」と。

【共同代表】
 その新聞は何新聞ですか。

【フリーランス・横田記者】
 「三条新聞」という新聞で、それを「日刊ゲンダイ」で「選挙妨害疑惑」と記事になっている。

【共同代表】
 まず、事実関係を認識していませんので中身についてコメントは差し控えます。ただ、投開票日前にそういうような言動がオープンな場で行われていたとすれば、それは大いに問題だと思います。
 それから、そういうたぐいの発言であったとすれば、それを地元の新聞と「日刊ゲンダイ」さんが報道しているということについては、どう考えるべきかはなかなか難しい視点があると思います。

【フリーランス・横田記者】
 「日刊ゲンダイ」は投票後。「三条新聞」、地元の新聞が出たのは3日前。

【共同代表】
 「日刊ゲンダイ」は投票後。わかりました。
 事実関係を一回確認してみますが、もしそれが事実だとすれば、二つ、しっかり整理をしなければいけない点があると思います。一つは、選対幹部なる人が記者さんもいるオープンの場でそういう不確かな情報を発言することについての是非。それから、今度はメディアの一員である地元紙の皆さんが選挙の直前にそのことについて報道することの是非。両方ありますね。ちょっと確認してみたいと思います。

○日朝首脳会談案 国民・国会への説明の必要性について

【読売新聞・平田記者】
 安倍首相はきょう午後、改めて拉致被害者の家族の方々と面会した上で、拉致問題は日朝の問題だ、主体的に解決しなければならない、という話をした。日朝会談の必要性、あるいは政府への注文等々あればお聞かせいただきたい。

【共同代表】
 きょう、もうお会いになられたのですね。
 まず、日朝会談を開くとなれば、拉致問題について具体的な解決に向けた前進があるということが確約された上で、ないしは手応えがあるという中で行われるべきだと思います。また、そのためにも、これは事前に国民の皆さんに対して最低限の説明をしてもらう必要があると思います。
 それはもうここまで申し上げているように、拉致問題について、安倍総理はトランプ大統領に解決に向けて協力をお願いし、そしてトランプ大統領が「問題を提起する」と言ったのはちょっといかがなものかと思いますが、「提起」ではなくて「解決に向けた具体策を調整してもらう」と言うならわかりますが、提起されなければならないというような段階なのかというと、そうではないですよね。だから、やはり何をトランプ大統領に依頼し、トランプ大統領がどういうコミットメントを安倍さんにして、そして実際に会談の中で発言したということになっていますが、どのような発言をされて、どういうリパーカッション(反響)があったのかということを確認し、可能な範囲で国民の皆さんに説明した上で、国会にも説明した上で、「だから次のステップとして日朝会談を開くことによって、こういう成果が得られる、ないしは得られることを目指して頑張る」と言うのだったらわかりますが、そういう説明が一切ないまま、ただ単に日朝会談を開くということでは空手形的な会談になる可能性が高いと思いますので、いかがなものかと思います。

○新潟県知事選挙中の候補者に関する一部報道について(2)

【フリーランス・横田記者】
 この地元紙の、文春砲、下半身ネタ、デマ発言に関して、投開票日に花角氏に聞いたところ、事実関係を調べるということだったが、きのう上京して安倍総理・二階幹事長・菅官房長官と会った後の囲み取材で再び聞いたら、事実関係は確認していないと。ちゃんと調べずにうやむやにしようという姿勢がありありと見える、日大アメフト部流の選挙のように見えるが、こういった姿勢についてはどうお考えか。

【共同代表】
 その花角さんの発言も事実関係を確認していませんのでコメントは差し控えますが、先ほど言った2点に尽きます、まず確認すべきは。花角さんの発言については、今、未確認ですので、それについてはコメントを差し控えます。
 ただ、花角新知事も立派な方であることを期待したいと思いますので、不用意かつ不適切な発言は今後もいかなる分野においてもされないように自己規制されるべきだと思います。

○IR実施法案について

【フリーランス・横田記者】
 IR、カジノ法案についてだが、これは面積の規制や、あるいはお金を貸せるということを含めて、推進法のときに比べて規制が緩和されている。その背景に、トランプ大統領の大口献金者であるラスベガス・サンズへの配慮、安倍総理も会ったということだが、そういうアメリカの利益優先、日本の国民の国富を流出するような政策に安倍総理が突き進んでいるのではないかと見えるが、大塚代表のご見解を改めてお伺いしたい。

【共同代表】
 安倍総理のみならず、やはり1990年代後半以降の自民党政権は、竹中平蔵氏が内閣にいたときも含め、その傾向が非常に強いと思います。ACCJ(在日米国商工会議所)の毎年の要望に沿った改革が2000年代はかなり行われたわけでありまして、その後は、特に安倍政権が再登場してからは、ACCJの要望のみならず今のような個別の事案についても随分その傾向が見受けられるということであります。
 だからこそ、安倍さんには何度も、本会議でも言いましたし予算委員会でも言いましたが、一国の首相たるもの「他国の利益を自国の利益に優先して守る国はない」という当たり前の指導者としての認識を持って外交においてもその他においても臨んでほしいと申し上げているわけです。
 そういう点についての認識が足りないと思いますね。何か喜んで他国の利益を実現しようとしているというふうに、しかも自国の利益を犠牲にして、あるいは自国におけるさまざまなマイナス面に十分な注意力を払わず、他国の利益ないしは他国の利害関係者の利益を優先しようとしているように見えるというのは、本当に総理としてはいかがなものかと思います。
 せっかく質問していただいたので2点申し上げると、つまり、やはり安倍さんはもう総理としての適格性を欠きつつある、欠いていると思います。
 1点は、今申し上げたように、日本の利益を守るという点において、そのバランス感覚をもう欠き始めている、ないしは欠いている。
 2点目は、いつも申し上げていることですが、民主主義というのは、事実を公開・共有し、熟議を尽くして決まったことには従うけれども、権力は抑制的に行使する。これが民主主義ですから。安倍さんは、事実を隠蔽どころか改ざん、時には事実の書かれた文書を廃棄し、そして熟議を避けて権力を濫用しているわけですから、民主主義を守るという点においても既にその資質を欠いていると思います。
 一刻も早く退陣してもらいたいのですが、なかなかそこに追い込めないのは野党の非力のせいでもありますので、我々は引き続きしっかりと対峙していきたいと思っております。