玉木雄一郎共同代表記者会見
2018年6月18日(月)16時00分~16時23分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/cv_vWAXYO_U


■冒頭発言
○大阪府北部の地震に対する対応について
○立川市議選 公認候補2名の全員当選について
○参院決算委員会 政府の不誠実な答弁姿勢について

■質疑
○日朝会談・拉致問題について
○森友・加計問題 真相究明の取り組みについて
○党勢拡大・新人候補発掘の取り組みについて
○参議院選挙 神奈川選挙区・大阪選挙区について
○朝鮮半島非核化のための費用負担について
○国会改革の議論について


■冒頭発言
○大阪府北部の地震に対する対応について

【共同代表】
 けさ、大阪で最大震度6弱の地震が発生いたしました。現時点では、9歳の女の子を含む3名の方の死亡、また数十名のけが人が確認されております。まず、亡くなられた方々に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 その上で、今回の地震を受けまして我が党としても、幹事長をトップに、大阪府連の平野博文総務会長・衆議院議員を代行とする情報連絡室を立ち上げて、現地の情報収集、また関係各部局との連絡・連携を強化いたしております。
 もう一つ申し上げると、今回亡くなった方、お二人は塀が倒れてきたという案件であります。また、枚方市などで、平野総務会長の事務所もそうだと聞いておりますが、水道管が破裂することで水浸しになるということがあります。映像でも流れております。南海トラフの巨大地震を初め、巨大地震に対して都市防災を強化していかなければならないと思いますし、こうした上下水道を含め都市インフラの老朽化が進んでいるのではないかという、こういう問題点を明らかにした今回の地震でもありますので、我が党としても、こうした都市インフラの老朽化対策・長寿命化対策といったものの必要性について、今回の事案をしっかりと検証して私たちとしての提言などをまとめていきたいと思っております。

○立川市議選 公認候補2名の全員当選について

【共同代表】
 次に、昨日行われました東京都立川の市議会議員選挙でありますが、我が党から、東京では結党以来初めて行われた市議会議員選挙、公認候補2名を擁立して戦いましたが、2人とも前回より票を増やして、2名とも、全員当選ということになりました。
 我が党は地域・地方を大切にする政党だということをこれまでも申し上げてまいりましたが、一つ一つ確実にそうした地方自治体選挙を勝ち抜くことによって党勢を拡大していきたいと思いますし、選挙こそが最大の広報活動だとも思っていますので、こうした具体的な選挙を通じて支持率・認知度のアップに努めてまいりたいと思っております。

○参院決算委員会 政府の不誠実な答弁姿勢について

【共同代表】
 あともう一点。きょう参議院の決算委員会が行われ、我が党からも石上俊雄議員が質問に立ちました。森友・加計の問題、財政健全化の問題、また拉致問題などについても質問しましたが、相変わらず不誠実な答弁で、疑問に対して、あるいは国民の関心に対して真摯に答えようという姿勢が全く感じられなかったということについては、残念であるということを改めて申し上げたいと思います。

■質疑
○日朝会談・拉致問題について

【NHK・及川記者】
 代表も触れられた拉致問題について、今行われている決算委の中でも改めて安倍総理、日朝首脳会談を最後はするという発言があった。代表自身は、この拉致の解決という文脈の中での日朝首脳会談の必要性、あるいはタイミングについてどのようにお考えか。

【共同代表】
 もちろん最終的に解決しようと思ったら対話が必要であることは間違いありませんから、いずれかの時点で日朝の首脳会談ということは必要になってくるのだと思います。ただ、先般の米朝首脳会談を受けて、非核化についても既に認識の齟齬が出てきているような部分もあると思われますので、やはり具体的な行動を北朝鮮側が示していくということをまずしっかり確認することが大切だと思います。
 ですから、まずはしっかりと北朝鮮の動きを見定めることが第一だと思いますが、繰り返しになりますけれども対話なくして拉致問題の解決はありませんから、水面下でも小泉訪朝のときのようなしっかりとした両国の担当者間でのコミュニケーションということをそろそろ具体的に始めなければならないのではないか。政府ができないのであれば、それはまた議員外交を通じた、政府のルートではないルートも通じながら、とにかく接触を何らかの形でとりながら北朝鮮側の真意をしっかりと掴むことが大事ではないかなと思っております。
 ラジオでは「解決済み」ということも米朝首脳会談の後に言っているようでありますので、そういったところが本心なのかどうなのか。こういった見定めも必要になると思います。

【NHK・及川記者】
 今、政府ができなければ議員外交もとおっしゃったが、これは例えば国民民主党の議員が訪朝するということも否定しないという意味か。

【共同代表】
 我が党というよりも、超党派の議連も長い間動いていなかった議連もありますが、ここはなかなか政府でできない部分については、我が党に限らず、やはり議員外交ということの必要性もこれからは出てくるのではないかなと思いますので、我が党としてもどういったことができるのか、渡辺拉致対策本部を中心にこれからの方針については決めていきたいと思います。

○森友・加計問題 真相究明の取り組みについて

【毎日新聞・樋口記者】
 冒頭でも触れられた森友問題・加計問題に関して、今週会期末となり、延長の可能性はもちろんあるが、今後どのような場で、どういう形で、この問題について追及していきたいとお考えか、改めてお聞きしたい。

【共同代表】
 各社の世論調査を見ますと、支持率が少し回復しているような傾向はありますが、一方で森友問題・加計問題に対してはやはり政府側の説明が「不十分だ」という認識を示している国民が多いのもこれ事実であります。
 ですから、行政の信頼を回復するという意味では、今まで我々はさまざまな参考人あるいは証人喚問をそれぞれ要求してきましたが、しっかりと出席していただいて、総理出席のもと、事実を明らかにしていくことが大事だと思います。
 ただ、他方で国政の重要課題もありますから、我が党としては調査特別委員会を国会に設置してダブルトラックで進めていくことが必要だと思っていますし、自民党の中にも小泉進次郎さんを初めそういったことをおっしゃっている方もいらっしゃいますので、ぜひ与党の国対中心に幹部の皆さんにもご理解いただいて、そうした国政の重要案件と、そして国民の関心の高い森友・加計・公文書問題、こういったものをしっかりと専門で議論できる調査特別委員会の設置を求めて、真相究明、しっかりと引き続きやっていきたいと思っています。

○党勢拡大・新人候補発掘の取り組みについて

【読売新聞・淵上記者】
 冒頭にもご発言があったが、都市部の地方選、野田市議選に続いて立川市議選で公認候補がいずれも当選するという形で、一定の成果だとは思うが、いずれも直前まで民進党に所属されていた現職の方々だと思う。党勢拡大には今後は新人を発掘・擁立して、新人を当選させることがどうしても必要になってくるかと思うが、そこの戦略をお伺いしたい。

【共同代表】
 先般の千葉県野田市議会議員選挙、そして今回の東京都立川市の市議会議員選挙、3名と2名の公認候補を立てて5人全員当選になりましたが、やはり新人の発掘は非常に大事だと思っております。
 ですから我が党としては、これは市議会議員選挙に限らず国政まで含めて、新人の擁立を図りながら、そのことをきっかけに当該地域における支持拡大・党勢拡大ということに努めていきたいと思いますので、積極的に新人発掘をしていきたいと思いますし、先般、女性を半分ぐらいにしたいということを申し上げましたので、とりわけ女性の新人候補には手を挙げていただきたいということで、新人候補、とりわけ女性については財政的な支援はさらに拡充して行うことを決めました。
 そういった選挙に出るに当たっての財政支援も含めて、新人、とりわけ女性議員候補の発掘には積極的に努めていきたいと考えています。

【読売新聞・淵上記者】
 先ほど世論調査のお話もあったが、相変わらず国民民主党の支持率が他の野党に比べても苦戦している現状がある。新人の擁立が重要だというのはわかるが、支持率が低迷している中、どのようにして新人を発掘していくのか。そこの戦略も伺いたい。

【共同代表】
 既に「出たい」と名乗りを上げている方もいらっしゃいます。ですから、一般的に全国の新聞などが調べる支持率は確かに低迷しておりますが、県連があったり、あるいはそこに現職の議員がいる場合には、そういった議員・県連との関係の中で擁立活動が進んでいる場合もありますし、そういった議員の関係者の中から「出たい」と手を挙げておられる方もいらっしゃいますので、まずは組織のある地域、現職の国会議員がある地域などを中心に、そういった関係者を中心に声をかけ、新人の発掘を行っていきたいと思っています。

【産経新聞・廣池記者】
 支持率に関連して伺いたい。産経新聞などの世論調査で、国民民主党の支持率が今回0.8%と、前回の1%から若干下がった。結党から支持率が伸び悩んでいる原因をどう分析するかということと、今後どう党勢拡大を図っていくかについて伺いたい。

【共同代表】
 一番の理由は、やはり選挙を経験していない政党だということが一番大きいと思います。個人もそうですし、政党も、やはり国政選挙を全国的に戦うことによって広く認知され、そして知名度・支持率が上がっていくということなのですが、我が党はご存じのとおり国会の会期途中で結党したということもありますし、大型国政選挙を経験していないということがありますので、なかなか上がりにくいなというのは実感しております。
 これは「鶏と卵」になりますけれども、先ほど来あったような、やはり一つ一つの選挙を勝っていくことが一番の党勢拡大・支持拡大の方策ではないかなと思っていますので、これから行われる各種選挙において、もう全力で一人ひとりを、現職・新人問わず当選させていく。これが最大の支持率アップ、党勢拡大につながるのではないかと考えています。

○参議院選挙 神奈川選挙区・大阪選挙区について

【共同通信・飯川記者】
 来年の参院選について伺いたい。週末、立憲民主党の枝野代表が、改選4の神奈川選挙区で現職の牧山議員に加えてもう1人、つまり改選4に2人候補を立てると明言された。国民民主党としては先日神奈川県連を立ち上げたばかりだが、この神奈川選挙区での対応を改めてお聞きしたい。

【共同代表】
 神奈川県にとどまらず、原則、複数区のところは全て立てていきたいという思いで臨んでいきたいと思います。
 先ほどあったように、やはり党勢を拡大するためには選挙が一番だと思いますから、各地域でそれぞれ候補者がいて戦い、その中で支持を一生懸命拡大・獲得していくという、その活動の中で初めて支持率や党勢拡大が図られると思いますので、複数区においては、もちろんそれぞれ地域事情がありますが、原則、我が党の候補者を立てていきたいと考えています。

【共同通信・飯川記者】
 複数区の言及があったが、同じ改選4の大阪選挙区。府連の結成大会も来月予定されていると伺っているが、かなり厳しい選挙区で、現在、非改選を含めて旧民主・民進系の参院議員の方は1人もおられない状況だ。こういった地域事情はあるが、大阪選挙区での対応、現時点でのお考えをお聞きしたい。

【共同代表】
 「出たい」という候補者は既にいらっしゃいます。ただ、おっしゃるとおり、この間非常に厳しい選挙事情でありましたので、具体的にどのような選挙態勢で戦っていくのかということも大事だと思いますので、ここは先般私も訪問しましたが、府連とよくコミュニケーションをとって具体的な擁立について考えていきたいと思います。

○朝鮮半島非核化のための費用負担について

【フリーランス・安積記者】
 朝鮮半島の非核化の費用について伺いたい。トランプ大統領は、日本と韓国が負担すべきだと言って、それを安倍総理は受け入れるような発言をした。菅長官は、平和の恩恵は日本がこうむるのだから、それの負担はしなければいけないというようなお考えらしいが、玉木代表はどのようにお考えか。

【共同代表】
 平和の恩恵を受ける者がそれを負担するというのは私も理解しますし、であれば、アメリカも費用負担すべきだと思います。
 ただ、私はCVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)に対しては日本は負担していいと思いますが、どうなるかわからない「半島の非核化」という曖昧なものには1円も出すべきではないと思っています。
 ですから、総理が一体何をおっしゃっているのか、トランプ大統領から何を求められたのか、よくわかりませんが、納税者のお金を使ってそれを行う以上、やはりお金を出す目的・めど・中身、こういったものを明確にしない限り1円も出すべきではないと思います。
 とりわけ、今一番問題になっているのは、「完全かつ検証可能で不可逆的な破棄」になっているかどうかがそもそも疑われているわけですから、今回南北首脳会談でも米朝首脳会談でも合意したこの「半島の非核化」という中身がわからない中でお金を出すと言っているのは私は理解できませんし、むしろ日本から言うのであれば、「日本も喜んで平和のためにはお金を用意する準備はあるけれども、そのためにはCVIDを確実なものにしてくれ」とアメリカと北朝鮮に求めるべきではないかと思います。

○国会改革の議論について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 小泉進次郎さんから、このままで平成を終わらせてはいけない、というようなご発言があり、これは共鳴・共感するものが多いと思う。国会の改革であれ医療保険であれ、そういう視点で、このままで平成を終わらせてはいかんという問題意識で、玉木代表とも非常に共感するところがあるのではないかと思うが、超党派で、そういうくくりでできることはないのか伺いたい。

【共同代表】
 私も小泉進次郎議員がおっしゃっていることには勇気づけられますし、共感を覚えます。特に国会改革についてはやはり早急に取り組んでいく必要があるというのは、たぶん認識を共有していると思います。
 平成の間にぜひやりたいという思いは私も同じ思いでありますが、ただ、平成である期間はもう限られておりまして、来年の4月末で平成は終わってしまいますから、もう1年ない。じゃあ1年ない中で急ぎできることは一体何なのかということを考えますと、国会改革については、以前も申し上げましたが大きく三つ、あるいは四つあると思っていまして、会期制の問題、事前審査や党議拘束の問題、党首討論のあり方、そして例えば押しボタンを初めとした国会の効率化・IT化。この四つがたぶん大きなテーマだと思いますが、押しボタンなどは早くできそうなのですが、ただ、これは予算を伴う措置ですから意外に時間がかかるかなと。
 そういう意味では党首討論を、ぜひ一回、働いている人たちも生で見られる夜8時にやる。この党首討論の夜間開催ということは、これはもう与野党で合意すればすぐできますから、そういう意味では平成にまず実現して、次に対するモーメンタム、勢いをつけていく上でも、この党首討論の夜間開催はぜひ実現したいと思いますので、小泉議員におかれてもぜひ党内を説得してまとめていただきたいなと。私は党首としてしっかり党内をまとめたいと思いますし、野党側の説得にも努めたいと思っています。

【NHK・及川記者】
 今の国会改革にも絡むと思うが、今国会について、与党側は会期の延長を今考えているが、問題意識として代表は会期制ということについても考えていらっしゃる。現状、会期の延長についてどのようにお考えか。あるいは、そもそも会期制をなくすという方向に持っていくべきだと思うか、現状、現実的な範囲内でお考えを伺いたい。

【共同代表】
 二つ分けて考えなければいけないのは、今は会期制をとっていますから、その中で、会期の中で成立するように法案を絞り込んだり優先順位を決めるのは政府・与党の責任です。ですから、原則この150日の会期の中で仕上げていく政府・与党の責任をしっかり果たしてもらいたい。その中でできないのであれば、それは一旦廃案にするというのが今のルールですから、そこはまずその原則に沿ってやっていただきたい。それが成立できなかったのは、もうそれは政府・与党の責任でありますから、ここは無理せずルールの中でやっていただきたいなと思います。
 ただ、一方で、現行のルールを離れれば、やはり会期制をとっていることによって、かつ、その会期の中で成立しなかった法案は原則廃案になってしまうというルールの中で、会期末が近づいてくると、とにかく与党は職権立てして無理やり、十分な議論もなく、その期限までに終わらせようと、仕上げようとして無理をする。それに対して、無理をされていますから、野党としては非常に限られた手段の中で、やはり時に欠席戦術をとったり、あるいは少し乱闘的な国会にせざるを得ないということがあって、こういう与野党の姿を見て国民がますます国会に対する信頼や関心を失うというようなことが生じていくのは日本の民主主義にとってよくないと思いますから、そこは抜本的に考えたほうがいいのではないかと思います。
 ただ、繰り返しになりますが、今のルールの中ではしっかりと会期の中で処理するのが政府・与党の責任だと思います。