玉木雄一郎共同代表記者会見

2018年7月24日(火)17時35分~17時55分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/lisuMab0aqk


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○平成30年7月豪雨 早期の臨時国会開催・補正予算編成の必要性について

【共同代表】
 まず冒頭、豪雨災害について申し上げます。
 本日、激甚災害指定が行われました。「速やかに激甚災害指定をしてほしい」と要求しておりましたので、ぜひこれに基づいて、補助率のかさ上げ等、円滑な対応を政府に求めたいと思います。
 しかし、既に被害額が4000億円を超える見込みになっておりますので、3500億円の予備費ではもう対応ができないという見通しになってきております。一日も早い補正予算の編成を行うべきだと思いますので、臨時国会の早期開催を求めたいと思います。

○野田総務大臣への情報公開請求漏洩問題について

【共同代表】
 次に、野田総務大臣に関して、(金融庁への説明要求問題に絡み)情報公開請求があったという情報が漏洩していたということであります。
 これはゆゆしき事態であると思いますし、特に情報公開の請求者の情報まで伝えるということになれば、請求している人に対して、あるいはこれから請求しようとする人に対して、大きな萎縮効果を与えることになりますし、また情報公開制度の信頼そのものを揺るがしかねない大問題だと思っております。猛省を促したいと思います。

○加計学園問題 柳瀬経産審議官の退任について

【共同代表】
 次に、加計学園の問題で、官邸で2015年4月に加計学園・今治市・愛媛県の関係者と会っていた柳瀬元総理秘書官が退官されることが発表されました。見事な「トカゲの尻尾切り」だと思います。これで国会に呼ぶことがより困難になるということですし、真相が闇のままということになりかねませんので、安倍政権の真実を明らかにしようとするその意図を疑わざるを得ませんし、これでますます追及が困難になるということを大変危惧しております。
 我々としては、やはり真実を明らかにしていくということで、退官されてもやはり真実を明らかにするその責任を柳瀬氏には引き続き求めていきたいと思っています。

○杉田議員「LGBTは生産性ない」発言について

【共同代表】
 最後に、自民党の杉田議員が、LGBTに関する問題発言、あるいはツイッターで投稿したことについてでありますが、極めて問題だと思います。多様性を重視する我が党としては看過できない問題だと思っており、杉田議員本人、そして自民党に対しても我々としても抗議の意を表したいと思っております。
 これについてはあすLGBT法連合会のほうから要請を受けることにしておりますが、これはある意味ナチスの優生思想にも通じるような問題であり、非常に生きづらさを抱えながら悩んでおられる、時に差別を受けておられる当事者にとっては耐えがたいものであって、こうしたことは許すことはできないと、我が党としても強い抗議の意を示したいと思っております。


■質疑

○杉田議員「LGBTは生産性ない」発言について(1)

【「LGBTV」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。杉田水脈さんの発言について。PMA、生殖技術で同性同士が子どもを持つことについて、フランスではそれが可能だが法律で認められていない。もし杉田水脈さんの発言を非難するのであれば、玉木さんはPMAを推進されるおつもりはあるか伺いたい。

【共同代表】
 「LGBTは子どもをつくらないから生産性がない」という言葉は非常に、LGBTの関係者だけではなく、子どもを持ちたくても持てない、そういった方々も傷つける発言だと思います。
 PMAのことについてありましたが、例えば同性のカップルでも子どもを里親として引き取って育てている、そういうカップルもありますから、子どもを産むことそのものを生産性としてそれができないことを批判的に言うのではなくて、やはり多様な価値観、多様な家族のあり方を認めていくことがまず大事ではないかなと思っています。

○学校へのエアコン設置について

【「LGBTV」・酒井記者】
 ことしに入って異常な暑さで学生・若者が病院に搬送され死亡するケースが相次いでいる。エアコンの設置など、事態が起こってから対応する政府に対して批判の声も上がっているが、これに対してどうお考えか。

【共同代表】
 エアコンの問題でありますが、これは私自身も実は地元で取り組んだことがあるのですが、学校の、特に小中学校のエアコンの設置については国としても積極的に応援すべきだと思います。22年度の補正予算で、学校施設の整備、特に耐震等に関する施設整備の予算がつきましたが、そういった予算も使いながらエアコンの設置支援をしたことが実際ございます。
 ですから、今後、補正予算の審議を行う中でも、やはり学校でのエアコン設置については、国としてもそうした学校の施設整備予算の拡充などを通じて積極的に応援していくべきだと考えます。
 かつての暑さと質的に異なってきていると思いますので、根性論だけでは乗り切れない事態になってきておりますので、何よりも子どもたちの健康と命を第一に考える、そういう政策が重要だと思います。

○杉田議員「LGBTは生産性ない」発言について(2)

【朝日新聞・竹下記者】
 杉田議員の発言に関して、自民党の二階幹事長は、「右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている」という発言をされ、杉田議員から直通話を聞くつもりはない考えを示した。こうした自民党の対応についてはどのようにお考えか。

【共同代表】
 右から左までいろいろな人が集まって成り立っているということは、杉田議員の発言が「右」の発言ということを前提に話しておられるのであれば、それを容認した発言だと受け取らざるを得ません。全く問題意識がずれているというか、問題の重要性をわかっていない発言だと思います。より一層当事者を傷つけるような発言だと思いますので、全く理解できない発言です。

【テレビ朝日・佐藤記者】
 杉田議員の発言に関連して、自民党に対して抗議する意を示すと冒頭ご発言があったが、例えば自民党に申し入れたり、もしくは杉田議員個人に何か申し入れることは考えていらっしゃるか。

【共同代表】
 政治家ですから、しっかりとみずからの発言に責任をとって、釈明すべきところはみずから釈明すべきだと思いますし、党としても、比例の議員として選出をされているわけですし、かつ、ご本人も先輩議員などに話をしたら「間違ったことは言っていないんだから、胸張っていればいい」(と言われた)、あるいは「自民党の懐の深さを感じる」ということを杉田議員自身がおっしゃっているわけです。そういった彼女の発言を擁護するようなことを言った自民党議員がいることもこれ事実だと思いますから、やはり党としてはしっかりとした、ある意味での謝罪なり、抗議に対する釈明なりをすべきだと思います。

【NHK・稲田記者】
 杉田さんだが、このまま議員を続けることを了とお考えなのか伺いたい。

【共同代表】
 やめるかどうかは、これはもう政治家の出処進退はみずからが判断すべきことだと思います。

○自民党総裁選について(1)

【NHK・稲田記者】
 自民党総裁選をめぐり、きょう岸田政調会長が出ない意向を記者会見で表明したが、こうした判断をどう見るのか。また、出なくなったことによって自民党総裁選はどういうふうにあって国民民主党と切磋琢磨していくべきとお考えなのか伺いたい。

【共同代表】
 岸田政調会長の不出馬宣言でありますが、他党のことですからコメントは差し控えたいと思いますが、ただ、ある種リベラルな考え方だと言われる宏池会の代表である岸田さんが出ないということであれば、多様な政策論争が行われなくなるのではないかなと。その意味では、やはり安倍総理一色の自民党によりなっていくのかなと思いますから、やはり私たち野党の役割が選択肢として極めて重要なんだなということを改めて感じます。

○加計学園問題 真相究明の取り組みについて

【毎日新聞・遠藤記者】
 冒頭触れられていた柳瀬元首相秘書官の関係だが、今後も真相の究明をする立場で臨まれるということだが、臨時国会で招致するなり、具体的にどういったことを検討されているか伺いたい。

【共同代表】
 まず、我々としては調査特別委員会を設けて、通常の予算委員会や他の委員会に影響を与えないところでしっかりと議論できる場を設けてほしいということは、これまでも申し上げてまいりました。
 その中において、「真実を明らかにしてほしい」、国民の多くの皆さんが今なおそう思っておられますから、退官した後であっても、実際どうだったのか、このことはぜひ国会の中でもお話しいただき、行政の公正性・公平性が本当に担保されていたのかどうか、逆に公務員の身分を外れて自由な立場で真実をしっかりと語っていただきたいなと思います。

○動画を活用した情報発信について

【フリーランス・安積記者】
 ユーチューバーになられたというところで、27日から配信というニュースが出ていたが、ツイッターで足立康史さんが、「がんばってるよ。偉い!」とほめていた。足立さんは最近、立憲民主のパートナーズになられたにもかかわらず、最近は国民民主党に期待をしているということでシフトしていらっしゃるわけだが、例えば足立さんを動画に招いて話をするとか、そういったことはあるか伺いたい。

【共同代表】
 「永田町のユーチューバー」を目指すとある会合で発言したのは、やはり今、動画での配信、その訴求力がさまざまな分野で高まっていることは事実で、小学生のなりたい職業の上位にもユーチューバーが上がってくるような時代です。ですから、私たちまだまだ知名度が低くて、発信力を強化していかなければいけないということで、もちろんこれまでのテキストベースでの、あるいは静止画を使ったスチール画像での発信などはもちろん強化していきますが、あわせて動画での情報発信を強化していきたいと思います。
 足立衆議院議員は大変発信力のある方なので、参考にできるところは参考にしたいなと思っていますし、今後ユーチューバーとして一緒にやるかどうかについては、それは今後検討していきたいと思います。

○参議院選挙 「合区」選挙区での候補者擁立について

【時事通信・岸本記者】
 来年夏の参院選の合区対応について伺いたい。前回、鳥取・島根では鳥取出身の方を、徳島・高知では徳島出身の方を野党統一候補にされた。決まっていなければ代表のお考えを伺いたいが、今回は島根と高知の出身の方にすべきか。合区に関してはどう対応していくべきか伺いたい。

【共同代表】
 2年前に初めて合区で、私も現地に両方とも入って選挙を戦いました。やはり二つの県にまたがって選挙区が広がると、(候補者を擁立した)その当該県の出身の人は関心があって選挙もある種燃えるのですが、県が変わった途端に少し冷めた感じになってしまうということは否めないなと思います。
 ですから、非常に難しいのですが、いい候補者が出てくればどちらからでもいいと私は思いますが、例えば前回徳島で出したのであれば次は高知県から出してもらいたいという地元からの声があることも事実です。ですから、例えば徳島・高知の場合であれば、高知からいい候補者が出てくれば一番望ましいなと思いますが、今まだその県を選べるような段階ではなくて、とにかく合区からもいい候補者を選出したいということで、今は候補者発掘に努めているところです。

○自民党総裁選について(2)

【朝日新聞・竹下記者】
 自民党総裁選について、「他党のこと」と先ほどおっしゃったが、出馬を模索している石破茂元幹事長は先日『政策至上主義』という著書を発表し、政局至上主義ではない、政策の重要性を訴えている。代表との共通項が多いようにも見受けられるが、石破氏への期待について、あれば伺いたい。

【共同代表】
 いや、他党のことなのでコメントは差し控えますが、頑張っていただきたいですね。
 我々、自民党政権に向き合って、自民党に取ってかわれる政権を目指したいと思っておりますが、余りにも自民党内民主主義というか、多様な意見が反映されないような自民党に変わってしまったのではないかなと思います。もちろん我が党内でも意見の多様性ということは重視をしたいと思いますが、自民党が何か「自由民主党」ではなくて「不自由民主党」になっているような気がしますので、ぜひ石破先生には立候補して活発な党内議論を展開していただければ、日本の政界全体が活性化する一つのきっかけにもなるのではないかなと思っております。

○党代表選挙について

【フリーランス・安積記者】
 9月に自民党の総裁選があり、国民民主党も代表選ということになるが、今の支持率とかそういったところでは、お互いトップを決める選挙ではどうしても国民民主党の代表選が埋もれてしまうような感じがしないわけではない。これをどういうふうにアピールして党として浮上していくのか。何かそういった策は考えていらっしゃるか。

【共同代表】
 先日、日程等が決まったところですが、代表選挙を通じて、やはり我が党としての考え方、国民民主党とは一体いかなる政党なのかということを国民の皆さんにもしっかりと訴えることができる、そういう機会にしていきたいなと思っております。
 どうしても、国会会期の途中でできた政党ですので、なかなか、その存在自体も含めてまだまだ国民の皆さんには知られていないというのは現実だと思いますから、代表選挙を通じて、全国を行脚するなど、国民に対するしっかりとした訴えの機会にしていきたいと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 全国行脚するということでリアルに有権者に接することがあると思う。一方で「玉木チャンネル」、仮称かもしれないが、そういったネットを使われるということだと思うが、ユーチューブに限らず他のネット媒体などの活用はお考えになっているか。

【共同代表】
 いい提案をいただきました。そうしたネットでの政策論争の配信であるとか、あるいはSNSを使った情報発信ということは、今回の代表選挙を通じてぜひ積極的に、そういう新しい情報発信手段も活用していきたいと思います。