大塚耕平共同代表記者会見

2018年7月19日(木)15時00分~15時26分
編集・発行/国民民主党役員室

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■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○終盤国会の対応について

【共同代表】
 きょうは、ご承知のとおり、参議院ではIR法案の採決を強行しようとした中で、我々としては議長の不信任決議案を出し、本会議でこれが否決されたという状況であります。
 最後まで、この法案本当に中身がおかしいですから、これは何とか食いとめたいなと思っていますので、今、衆議院と連携しつつ、きょう・あす、会期は日曜日までありますので、残りの会期の対応を検討している最中であります。
 IR法案については、中身は皆さんよくご承知のとおりなのでこれ以上詳しくは言いませんが、何かIRをつくったらそれが成長戦略になるなどと本気で言っているとしたら、もう日本の経済の先行きは相当悲観的に見ざるを得ないと思います。何を考えているのだろうか、という気がいたします。
 いずれにいたしましても、終盤国会、何が起きるかわかりませんので、きょうも禁足がまだかかっていますので、そういう中で会期末を迎えています。


■質疑

○終盤国会の対応について

【読売新聞・平田記者】
 冒頭、衆院と連携していくというお話をされた。衆院のほうでは内閣不信任案の提出タイミングについて検討されているようだが、参院側としてIRが通ってしまった後に出されても意味がないわけで、どのようなタイミングで出すのが適切とお考えか伺いたい。

【共同代表】
 適切か適切でないかというのは、これは非常に判断が難しいところだと思います。要するに、去年の通常国会までと状況が違いますよね。野党の構成、衆参で第1党がねじれているということもあり、いろいろ考えると、これまでの判断基準で「どのタイミングが一番適切か」というのはなかなか推しはかれないものがあります。したがって、今そういうことを野党間でいろいろとすり合わせを行いながら調整しているということです。

【読売新聞・平田記者】
 タイミングとして、きょうじゅうの提出というのもあり得るとお考えか。

【共同代表】
 論理的にはあり得ると思います。
 しかし、国会、特にこういう会期末の展開というのはカードゲームのようなところもありますから、こちらがどういう手を切ると相手方はどういうカードを切ってくるかという、そこまで想定してやらなければなりません。
 もちろん論理的にはきょう出すこともあり得ますが、しかし、もしきょうそのカードを切ったら与党がどういう動きをしてくるかということも考えると、それほど判断は単純ではない。実際、与党の中でどういう検討が行われているかということは、これは情報が錯綜して虚々実々の駆け引きが行われていますので、今の質問に対するお答えとしては、「論理的にはあり得ます」と。それに尽きます。

【読売新聞・平田記者】
 あすになると、きょう衆院で上がってきた災害関連の法案もあるが、そこの中で与野党対決を出すべきか出すべきでないかというのもあると思うが、そこの兼ね合いをどのようにお考えか伺いたい。

【共同代表】
 教えちゃったら与党に伝わるから、それは教えられるわけないよね。
 だから去年と違う状況、要素を言うと、まず野党の構造が衆参で違うということが今起きている。
 それから、災害があったために、まだ災害対応している真っ最中に今おっしゃったような法案の問題もあり、これをどう処理するかということもある。
 それからもう一個は、こちらのカードの切り方によってリパーカッションが違うので、そこも想定しながら対応しているということです。
 この三つの要素が変数なので、決め打ちはできません。考え方の、判断基準のポイントは三つ申し上げました。

【日本テレビ・右松記者】
 内閣不信任案、立憲民主党と国民民主党でやや判断の仕方が違うような声も聞こえるが、このIRを阻止するという一念に達すればきょうの提出ということも一つの選択肢だと思う。内閣不信任案をきょう提出すべきなのか、あすに持ち越しなのか。今、代表としてはどのようなお気持ちか伺いたい。

【共同代表】
 それは平田さんにお答えしたのとちょっとダブりますが、法案を最終的に時間切れに持ち込み廃案にするというのは、これはそう簡単なことではないし、あした会期末ではなくて日曜日ですから、実際には相当ハードルが高いわけです。そういう中で、少しでも遅らせる、そしてたとえ1%でも日曜日まで持ち込める可能性があるのであればそれは努力するべきだと思いますが、先ほど言ったように衆参の野党の構造が今ちょっと特殊な状況になっている。それはとりもなおさず、何をベンチマークに考えるかということが、ひょっとすると判断基準が違うかもしれないので、そこを今すり合わせを一生懸命やっています。
 それから、災害が起きている。義援金(差し押さえ禁止)の法案もある。
 それから、与党もカードを幾つか持っているわけだから、こちらが切ったカードに対して何を切ってくるかということも考えると、きょう野党としてカードを切ることでこちらの想定どおりの展開になる確率が従来に比べるとちょっと低いかなという想定をしているわけです。
 ちょっとおまけで答えると、そういうことです。

【毎日新聞・遠藤記者】
 いろいろカードが残っているとおっしゃったと思うが、参院では総理に対する問責もまだあるかと思うが、それについてはどうお考えか。

【共同代表】
 「いろいろ」はないですよ。
 これも結局、総理の問責を打つことでどのような効果が生じるか。それから、その効果というのはどのぐらいの時間をそれに消費するかということも大体想像がつくわけだから、ただ単に出すことに意義があるかというと、それはちょっと違うと思います。
 だから、もちろんカードとしては持っているけれども、それを出すことに伴う効果はある程度想定がつくので、それが先ほど言ったように三つの要素のうちの3番目、与党側のリパーカッションとして何が出てくるかによっては、こちらが想定していた効果が得られないケースもあるので、今、非常に難しい判断をしています。
 やはり1点目の、衆参で野党第1党が違うというのは、これはなかなか難しい変数なのです。何を基準に行動を選択するかというベンチマークが多少違うかもしれないので。  そういうことです。

【朝日新聞・河合記者】
 国民民主党のスローガンで「対決より解決」ということを掲げられてきたが、今回この最終盤の国会対応を見る限りだと、代表も説明いただいているように、かなり対決姿勢を重視されているように我々には映るが、そのあたり、この最終盤に込めた思いというか、どういう狙いを持って今戦っているのか、その方針について伺いたい。

【共同代表】
 きょうの日経さんも何か書いてくれていたけれども、少し誤解というか深読みが過ぎるような気がします。我々は「対決より解決」という基本方針は何も変えていません。
 「対決」というのは、これはあくまで与党が非常に、我々が何とも解決のしようのないような法案を出してくれば当然解決策がないわけだから対決せざるを得ないわけで、「対決より解決」という大方針は何も変わっていないですよ。このIR法案は、これを何か改善して解決するような代物ではないので、できるだけ成立を阻止したいということに尽きます。だから、方針は何も変わっていないです。ちょっとそこは深読みをし過ぎてくれているような気がします。
 我々は当然、対決しなければならないものには対決をするけれども、解決策があるものについては当然その解決策の道筋を探る。今回のIR法案は相当質が悪い、たちが悪い。こういうことだと思ってください。

【読売新聞・平田記者】
 今、解決の話をされたが、IRに関して、附帯決議についてはどのようにお考えか。とっていくべきと考えるか。この対決姿勢の中でどのように判断されるか。

【共同代表】
 当然とっていくべきだと思います。今、現場で矢田わか子議員が一生懸命やってくれています。また、公明党さんもこの法案は決していいとは思っていませんから、附帯決議である程度縛れる部分があれば、それはそれなりの理解を示してくれると思います。

○環境政策について

【「フランス10」・及川記者】
 環境政策について3点伺いたい。
 1点目が、イギリスのタイムズ紙が東京五輪のことについて記事にしていて、オリンピックでこの東京の酷暑だと死者が出てしまうのではないかというような懸念を専門家が示していた。ひょっとしたら2年後もこんな暑い状況かもしれないが、この酷暑の中で五輪をやることについてどうお考えか。
 2点目が、レジ袋のことだが、フランスだと、今、プラスチックの海洋汚染対策としてレジ袋は有料化していて、さらにその有料レジ袋も紙製のものに変わってきている。日本でのレジ袋の問題、有料化についてはどうお考えになるか。
 3点目が、2040年までにフランスはガソリン車・ディーゼル車を禁止して電気自動車、そして水素の自動車にするとマクロン大統領が政策で掲げているが、それについてはどのようにお考えになるか。

【共同代表】
 まず、東京の暑さは問題ではないかというのは、これは東京が選定された直後から言われていた話で、その懸念がより深刻になるような異常気象だと思います。もちろんIOCとJOCがどういう申し合わせ、またコミットメントになっているのか、ちょっと僕はわかりませんが、今のこの状況を考えたら、例えば一月二月ずらすとか、そういうことは人道的観点と現実的配慮から議論してもいいのではないかなと思います。それは選手だけではなくて、観戦する観客の皆さんや、そのときはかなり大勢の外国人観光客もいらっしゃるので、その方々、結構見知らぬ東京を公共交通などを使って移動するわけですよね。だから実際に深刻な被害が出たりする可能生があると思いますので、もしこのような天気であったり、さらに深刻になるようであれば、やはり何らかの善後策を検討すべきだと思います。これが1点目。
 2点目。レジ袋は、日本でも相当有料化されていますよね、今ある程度は。ポイント制だったり、あるいは、個別企業名を出すのもあれですが、僕も例えばあそこの成城石井とかに買い物に行くけれども、ちゃんとレジ袋料を取られる。だから、やっているところもあるから、それはそうしていくべきだと思います。どこでしたか、インドかパキスタンで、やはりレジ袋を有料化したり、たしかあちらも紙にしているはずですね。だから有料化、それから紙製へのシフト、これは日本でもさらに真剣に検討していくべき問題だと思います。
 同様に、3点目の車の技術革新の話ですが、電気自動車とかFCV(燃料電池自動車)に完全に移行していくべきではないか的発想は、やがて世界がそうなる蓋然性が高いとそれなりに予測をしていたので僕も10年ぐらい前から個人的にはずっと主張しているのですが、今まさしく中国もそうだし、フランスでもこういう動きになってきているので、日本も、自動車産業は日本にとって生命線ですから、産業界のみならず、政府・霞が関、政治も一緒になって、どのように現実的にそういう方向を模索するかというのは協議しなければいけないと思っています。

○野党合同ヒアリングについて

【毎日新聞・遠藤記者】
 今国会はもうすぐ閉じるが、野党合同ヒアリングがかなり注目されたり、逆に批判された場面もあったと思う。野党合同ヒアリングについて、大塚共同代表の所見と、意義とかについて伺いたい。

【共同代表】
 野党合同ヒアリングが、何かショータイムのようになってはいけないと思います。特に野党合同ヒアリングに出てくる霞が関の皆さんは、何か不祥事的なことがあった場合でも、その当事者ではなくて、いわばその後始末であったり後任であったり、そういう人たちが来て、その人たちをいわば糾弾するような雰囲気の野党合同ヒアリングというのはよろしくないと僕自身は思っています。
 しかし、逆に言うと、それを野党の責任だけにしてもらっても困るわけで、政務三役とかがそれらの案件に対して委員会で問われたら責任持って答弁すればいいわけですが、そこを全く答弁しないから結局野党合同ヒアリングで、しょうがないから、つかさつかさで出てきた役人の皆さんが説明責任を背負ってしまって、そこで立ち往生するという、こういう構図ですからね。
 そのことに関しては、今、整理して申し上げたつもりですが、二つ申し上げておきます。
 1点目は、野党として何かそれをショーアップするような、こういう使い方はよくないと思っています。
 一方、そうなってしまう理由には、政府・与党が国会でしっかり答弁しない、あるいは答弁させない。政務三役としては「しない」ということですよね。それから国会運営上、与党は理事会の協議等でそれを「させない」という対応をするわけですから、与党側の責任がかなり大きいと思います。
 少し、どういう運営をしていくかというのは今後の検討課題だと思います。

【毎日新聞・遠藤記者】
 野党合同ヒアリングで一緒に問題追及をやってきたことについてはどのように見られるか。

【共同代表】
 それは案件によっては効果があったのではないでしょうか。
 それと、実際霞が関の皆さんからも時々言われるのですが、あまり考え方の違わない政党が複数できちゃったわけだから、説明が2度、3度になるので、それほど大きな意見の差がないのだったら一緒にやっていただけるとありがたいと、こういう声もたまにあります。
 だから、効果はあったと思うし、そういう意味での効率化という観点からも工夫はしたいと思います。ただし、野党は全部まとめて必ずヒアリングしろと言われるとそれは筋違いな話だし、だからといって野党がそれをショーアップして使うようなことはあってはならないということは繰り返し言っておきます。

○IR実施法案 豪雨災害対応の中での審議強行について

【「フランス10」・及川記者】
 立憲民主党の福山哲郎さんは会見で、今回の西日本の大災害で国交大臣は現地に張りつくべきだとおっしゃっていた。ただ、報道で見る限り、国土交通大臣、復興に関してちゃんとやっていると説明しているとはいえ、やはりIR法案にも相当力を割いていらっしゃる。そこの状況についてはどのようにお考えか。

【共同代表】
 きょうは本会議は見ていないですか。後で議事録を読んでください。
 それはもう、けしからんよね。IR法案なんか審議している場合ではない。それはそう思います。全くそのとおり。
 石井さん、かわいそうだね。もともとそういう人ではないと思うけれども。公明党も、少しその辺、自民党に対して厳しい姿勢をとらないと、支持者の失望を買うと思いますよ。本来は石井さんも、あんな法案、審議したくないと思いますが。ちょっとあまりにもタイミングが悪過ぎる。別に臨時国会でやったっていいし、いかようにも対応できたと思うので、非常に不見識な対応だと思います。

○党代表選挙について

【読売新聞・平田記者】
 きのう総務会で代表選の日程が決まったが、現状、大塚代表はどのように代表選に臨まれるか。出馬されるか、ご予定を伺いたい。

【共同代表】
 この間も申し上げたように、白紙です。

【毎日新聞・遠藤記者】
 関連して。代表は、まだ白紙とおっしゃっているが、推薦人の数の要件等を緩和したり、選挙期間を延ばしたりされていると思うが、代表選をどのようにしていきたいか。代表選に向けての狙い等があれば教えていただきたい。

【共同代表】
 やはり二つ視点はあると思うのです。
 私たちは新しい党ですから、1点目は、この新しい党の方向性をイメージできるような、そういうリーダーが選出されることが望ましいと思います。やはりシンボルですから。国民の皆さんにとって国民民主党のよいイメージにつながるようなリーダーが選出される代表選挙であってほしい。これが1点目。
 2点目は、いつも言っていますように、まだ党名が浸透していませんから、この代表選挙を通じて国民の皆さんに党名と、それから国民民主党が改革中道政党であるということが浸透するきっかけになればいいなと思っています。
 基本はその2点です。