玉木雄一郎共同代表記者会見

2018年8月7日(火)17時03分~17時28分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/5zRoEi5Vy30


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○平成30年7月豪雨から1ヵ月 補正予算編成の必要性について

【共同代表】
 まず冒頭、西日本豪雨災害発生から約1ヵ月がたちました。220名以上の方が亡くなり、今なお多くの方が避難生活をされています。引き続き万全の対策を講じていきたいと思います。
 その意味でも、被害が相当大規模になっていることが明らかになってきておりますので、速やかに補正予算の編成を行う必要があると思います。そのためにも、早急に臨時国会の開催を求めたいと思います。

○「原爆の日」を迎えるに当たって

【共同代表】
 次に、昨日は広島で、また8月9日には長崎で、それぞれ「原爆の日」を迎えます。73年たつわけでありますが、いまだに苦しみを抱える方が多くいることを忘れずに、核兵器の廃絶と恒久平和を改めて祈り、そして確認したいと思います。
 その意味で、昨年7月に採択された核兵器禁止条約の交渉に我が国が参加しなかったことは、改めて、極めて遺憾だと思います。唯一の被爆国として、核保有国と非保有国の橋渡しをすることが我が国の責務だと思います。「核なき世界」に向けた歩みを一歩でも前進させることができるよう、日本がその務めを果たすこと、また我が党としてもその務めを果たしていきたいと思っています。

○参院選「特定枠」で救済 自民党の方針について

【共同代表】
 次に、自民党が、先般成立した参議院の「6増」について、今回、合区の選挙区で擁立ができない議員を「特定枠」で救済するという方針を決定する、と言われています。
 国会の議論の中でも再三指摘してきましたが、やはり今回の法改正が自民党の党利党略であったということが明らかになったと思います。ある意味、権力の私物化の究極の姿ではないかなと思いますし、民主主義の原則を踏みにじるものだということで、こうした安倍政権・自民党政権の権力の私物化・濫用といったことにはこれからも厳しく対峙し、真っ向から戦っていきたいと思っています。

○情報公開請求漏洩問題 総務大臣の給与自主返納について

【共同代表】
 次に、総務大臣が、(自身に関する情報公開請求の内容を第三者に)情報漏洩したということで、閣僚給与を返納するということであります。
 (総務大臣へ)漏らした当該金融庁の職員については文書及び口頭での処分を受けております。それに対して、(情報公開制度を)所管する大臣が、法の趣旨に反し、あるいは以前出した総務省の通知、請求者の情報を漏らしてはならないということにみずから違反していることについて、給与返上だけで済むのか。役人には厳しく政治家には甘いという、この安倍政権の体質をあらわすような甘い対応については、やはり問題があると言わざるを得ないと思っております。


■質疑

○党代表選挙について

【日本テレビ・右松記者】
 先日、国民民主党の津村啓介議員が代表選への意向を固めた。これについての代表の受けとめと、そして玉木代表は今後代表選に出馬するかしないかについて、いつごろどのような形で公にするのか、そのあたりの状況を伺いたい。

【共同代表】
 津村議員が出馬の意向を固めたというのは報道では承知しておりますが、まだご本人などとは直接はお話をしていませんので、コメントは差し控えたいと思います。
 ただ、津村議員は非常に優秀な議員で、内閣府の政務官も務め、そしてまた財政金融政策にも明るい議員であります。また特に印象に残っているのは、皇室制度、皇位継承の問題についても非常に造詣が深く、皇統の継続に対する非常な危機感を持っていて、女性宮家の創設などについて積極的な発言をしておられます。ですから、もし出られることになるのであれば非常にいい論戦が期待できると思っております。
 私自身については現時点では未定です。

○イラン核合意破棄・北朝鮮非核化について

【「フランス10」・及川記者】
 核のことで2点。
 イラン核合意からトランプ政権が離脱し、経済制裁をさらに重ねるということが報道されている。それについてどうお考えになるか。
 また、北朝鮮の核廃棄がなかなか進まず、国連安保理でも、経済制裁が科されているのに隠れて石油などを輸入していることが報告されているが、北朝鮮の核廃棄がなかなか進まないことについて改めてご見解を伺いたい。

【共同代表】
 まず両国に共通して言えることは、やはり核兵器の拡散を防がなければいけませんし、「核なき世界」に向けた方向に進んでいくべき。そのことにおいて、国際社会が協力して取り組むべきだと思います。
 その上で、アメリカが一方的に合意を破棄したことについては懸念を持っております。とりわけ、制裁を科すことによって、それはイランの経済だけではなくて日本を含む世界経済に対してもやはり無視できない影響があるのではないかということで、これからの状況推移を注意深く見守りたいと思います。
 北朝鮮に関して言えば、最近「瀬取り」のことについても報道がありました。やはり制裁がきちんと効いているのかどうか、このことについては常に確認していく必要があると思いますし、いわゆるCVID、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」ということが本当に実現できるかどうか厳しく見定めていかなければならない。それが実現するまでは、やはりしっかりと国際社会全体で圧力をかけていくことを継続することが重要ではないかと思います。

○情報公開請求漏洩問題(1) 総務大臣の給与自主返納について

【NHK・及川記者】
 野田総務大臣の件だが、大臣給与の返納だけで済むのかと冒頭おっしゃっていたが、これは代表としては、さらに踏み込んだ何がしかの処分、ないし閣僚辞任あるいは議員辞職というところまで求めていきたいというお考えか。

【共同代表】
 実際に金融庁の職員が処分されているのに、大臣は自主返納。これは自主返納は処分ではありませんから。その意味では、役人だけに責任を押しつけるようなあり方が本当にいいのかどうか。これはやはり上に立つ政治家としてしかるべき判断をすべきだと思います。
 どのような処分が適切なのかということは、これは政治家ですから、ご自身で判断をいただきたいと思います。

○東京医大入試不正問題・文科省汚職事件について(1)

【共同通信・小笠原記者】
 東京医科大の不正入試について伺いたい。きょう大学側の内部調査の委員会なりが報告書を出し疑惑が事実になったところだが、代表はどうお考えか。また、代表は以前、ほかの大学でも調査するべきだという考えを示していたと思うが、今どうお考えか伺いたい。

【共同代表】
 これは事務次官が聴取され、しかも文科省内が家宅捜索されるという、極めて異常な事態だと思います。文科省内で汚職が蔓延しているのではないかと疑わざるを得ないような事態になっています。やはり林文科大臣の責任も問われると思いますし、局長を任命した内閣人事局、そして官邸を中心とした政治責任も免れないのではないかと考えます。
 文科省でこういうことが頻発しているわけですから、やはりほかにも収賄、あるいは業者・関係者との不適切な関係がないのか、当然「ほかにもあるのではないのか」と国民の皆さんも思っていると思いますから、ここは徹底的に調べて再発防止に全力を挙げるべきだ。そのことを強く求めたいと思います。
 あわせて、閉会中ではありますが、やはり文科委員会を開いて閉会中審査で明らかにしていくところも多いと思いますので、文科委員会の閉会中審査も改めて求めたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 その中心的な役割を果たした中に、羽田雄一郎さんがものすごく重要な役割を果たしている。谷口浩司に部屋を貸し、自分の政策顧問という名刺をつくらせていろいろと動かしている。前厚労次官の蒲原氏を接待した後に医局の人間を集めて谷口が会議をやったのも8階の羽田さんの会議室でやっている。佐野太ともズブズブだし、金を出したと言われる日高正人ともズブズブだ。そこいらがあるが、羽田さんを聴取しているか。

【共同代表】
 幹事長から羽田議員については話を聞いていると承知しています。
 本件に関して、必要であればご本人から説明があると思いますが、現時点ではコメントは差し控えたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 「必要であれば」とはどういうことか。それは自主的にやるべきではないか、これだけ疑われているのだから。

【共同代表】
 自主的にやっております。本人からも話を聞いて、問題がないという認識でおります。

【NHK・及川記者】
 東京医科大が、不正に入試の点数を加算したり、あるいは女性ないし3浪以上の男子に一定程度点数を操作していたこと自体を認める調査結果を先ほど公表しているが、このこと自体については代表はどのように思われるか。

【共同代表】
 特に女性だからといって一律に女子受験者の点数を(相対的に)引き下げるというのは、やはりあってはならないことだと思います。
 その理由が、女性医師は結婚また出産を機にやめる、あるいはやめざるを得ない人が多いので、そういう医師をやめる人を養成しても仕方がないという理由で入学者の定員を調整するという説明がなされていますが、そもそも女性の医師が働いて出産などを機にやめざるを得ないという社会自体を変えていかなければならないのであって、本末転倒だと思います。
 その意味で、改めて、これは女性医師に限りませんが、待機児童の問題、やはり待機児童対策をしっかりやっていくことが必要だと思いますし、その意味では消費税の増税分の使い道を就学前教育の無償化に使うのもいいのですが、やはり無償化の前に入りたい人は全員入れる全入化を優先順位としては先にやるべきだということを、今回の件を見ても改めて強く思います。

【フリーランス・安積記者】
 東京医科大学の件だが、羽田さんのヒアリングをやって問題がないというのだったら、どういう点において問題がないのか、やはり国民に対して明らかにする義務があると思う。与党だったら、例えば杉田さんの件とか、野田総務大臣の件とか、古屋さんの件とか、野党もいろいろあると思うが、要するに言いたいことだけを言っている。国民に聞いてもらおうと思うのだったら自分たちの負の部分もきちんと説明しないと国民は聞いてくれないと思うが、このあたりはどうなのか。トランスペアレント、透明性を持った政治を実現するためには、やはりそういうところから率先してやらないといけないと思うが。

【共同代表】
 現時点において、幹事長を中心に羽田議員からもヒアリングをしておりまして、本件に関しては関与していないということを聞いております。
 ただ、疑惑をかけられた場合は、これは衆参の議員関係なく説明責任を果たすべきだと思いますので、これから必要に応じて、場合によっては改めて聞き取りをするなど、説明責任はしっかりと果たしていきたい。ご本人としても果たしていくと思いますし、党としても必要な説明はしていきたいと思っています。

○情報公開請求漏洩問題(2) 国民の「知る権利」について

【朝日新聞・竹下記者】
 野田総務大臣の件だが、財務省の決裁文書改ざんの関係でも麻生大臣は給与返納ということだった。安倍政権のもとでこういった国民の「知る権利」が脅かされるような事態が相次いでいることについての受けとめを改めて伺いたい。

【共同代表】
 決裁文書の改ざんは、まさに国家の歴史自体を書きかえていくということで、許しがたい行為でありました。
 今回のケースも、情報公開を所管している大臣が請求者の情報を入手し、またそれを他のマスコミに漏らすということがありました。これは情報公開法の趣旨に著しく反するものだと思いますし、ある意味、萎縮効果を請求者に与えることにもつながりますので、その意味では、まさに国民の「知る権利」を脅かすものだと思います。
 その意味では大変重大な問題だと思っておりますので、こうしたことが安倍政権の中で頻発することは、やはり国民の「知る権利」、こういったものに対するある種の認識の軽さ、軽視しているということがあらわれているのではないかと思います。

○東京五輪 サマータイム導入検討の指示について

【「フランス10」・及川記者】
 2年後、東京夏季五輪だが、この暑さが続いた場合、死者が出る懸念も出ているが、そのための対策として安倍さんがサマータイム導入の検討を指示された。サマータイム導入と、夏季五輪をこの時期にやること自体についてどのようにお考えか伺いたい。

【共同代表】
 まず、サマータイムについては、今提案されているのは2年間限定で行うというようなことだと思います。私はサマータイムのある国で暮らしたことがありますが、あれはあれで合理性があるなと思いますが、ただ、期間を限定してやるようなものではないと思います。導入するのであれば恒久的な制度として慎重に検討した上で導入すべきであって、何かある一時期を限って導入するようなものではないと思っております。
 夏季五輪については、熱中症で搬送される方が多数生じている中で本当にオリンピックをやって大丈夫なのかというのは、やはり懸念を禁じ得ません。オリンピックが商業主義になって、どうしても世界のメディアの放送時間とかそういったものに合わせて競技を設定するということが強くなっておりますが、本当に「アスリートファースト」の五輪になっているのかどうか。今回、東京という、まさに真夏が灼熱地獄になっている地域で開催されることを踏まえて、そうしたオリンピックの商業主義や、「アスリートファースト」という考えが本当に徹底されているのかどうかについては、改めてしっかり検証すべきだと思います。

○東京医大入試不正問題・文科省汚職事件について(2)

【NHK・及川記者】
 そもそも論で恐縮だが、先ほど来出ている羽田議員へのヒアリング。そもそもなぜヒアリングをしているのか、お聞きになっていらっしゃるか。

【共同代表】
 一部報道、あるいは一部のブログに、それも根拠がよくわかりませんが、ただ、そういったものが一部ネットにも載っていて、実名として羽田議員が出てきますので、実際どうなんだということについて報告を求め聴取をしたということです。

【フリーランス・堀田記者】
 永田町でスキャンダルを見ていると、名前が出てくるとすぐいなくなってしまう。羽田さんも、役員室長であり、大塚さんの会見にずっとつき合っていたのが、その出たときからいなくなった。きょうは拡大総務会で、来なければいけないのに来ない。その前は役員会に出てこなかった。その2時間後の総務会には、我々が待ち構えていたら、後ろの階段から入ってきた。これははっきり言うと、私の長い経験からいうと、これはみんなクロだ。だから幹事長中心にヒアリングをやっているというのも、もうちょっときちんとやっていただきたい。この文科のスキャンダルは、羽田さんと、それから立憲の吉田統彦さんをちゃんと公開の場でヒアリングすれば、まあまあわかることだ。だからもっとしっかりやっていただきたい。これは来年の参議院選挙も、おろさなければいけなくなるかもわからない。恥をかかないように、よくやっていただきたい。

【共同代表】
 しっかりと説明責任は果たしていくべきだと思いますので、一義的には本人がしっかりと説明する話だと思いますが、我々も事態の推移をよく見定めながら、必要に応じて本人からも改めて話は聞きたいと思います。

○新天皇即位「公務員懲戒免除を検討」報道について

【フリーランス・安積記者】
 来年、天皇陛下の代がわりがある。それに伴って恩赦・特赦が行われ、例えば名前が挙がっているところで佐川さんなどが対象になるのではないかということだ。これは行政が決めるので国会の関与はなかなか難しいかもしれないが、佐川さんの場合では公文書隠蔽といったところで、非常に行政の権威をおとしめ、罪は深いと思うが、そういったところの恩赦はどういうふうにお考えになるか。

【共同代表】
 罪は罪としてあるわけですから、そのことが免じられるということについて、やはり合理的な納得感がなければ、国民の皆さんのある種の理解というのも難しいのではないかなと思います。
 ですから、どういった罪等を対象にするかということについても、よくよく検討して決めるべきものではないかなと思います。