玉木雄一郎代表記者会見

2018年9月11日(火)16時01分~16時42分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Rgz_7LZPcWY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○新体制発足 党役員人事が決定

【代表】
 皆さん、改めてよろしくお願いいたします。
 まず、きょう新しい人事を発表して、新体制が発足いたしました。
 三つポイントを申し上げましたが、まずは、新しい時代に合った我が党らしいカラーを出した政策を発信していく、この政策立案能力を強化していきたいということ。
 二つ目に、ずっと課題でありました支持率アップにつながる認知度向上、そのための情報発信力の強化。
 三つ目に、他党・他会派との連携の強化。
 この三つの強化を軸に、きょう新しい体制を発足させました。
 幹事長を、新たに平野博文幹事長にお願いすることになりましたが、やはり他の会派、他の党との表裏の調整・連携の強化ということを期待しております。
 また、これまで本当に尽力いただいた古川元久前幹事長。引き続きこうした新しい政策や新しい情報発信、こういった分野について責任を持って取り組んでいただきたい。そのために代表代行に就任をしてもらいました。引き続き頑張っていただきたいと思っております。

○災害対応 早期の臨時国会開会・補正予算編成の必要性について

【代表】
 一部報道で10月の末ぐらいから秋の臨時国会が始まるということでありますが、災害も発生しております。補正予算を一日も早く編成すべきだということは我々としても何度も申し上げてきましたし、先般も野党合同で申し入れを行ったということもありますので、内閣改造後の新大臣のお勉強の時間をとるというような悠長なことはぜひやめていただいて、新しい内閣が発足したら速やかに臨時国会を開き、補正予算の編成を求めていきたいと思っております。

○沖縄県知事選について

【代表】
 三つ目に、沖縄県知事選挙でありますが、13日告示、30日投票ということでありますが、玉城デニーさん、私も個人的に非常に信頼しておりますし応援したいということを前から申し上げておりましたが、党としてもしっかりと支援をしていきたいと思っております。我が党所属の議員や秘書も現地に入って、応援できるところはしっかり応援していきたいと考えております。

○日露首脳会談 北方領土問題について

【代表】
 最後に、日露交渉であります。
 これは私が5月30日の党首討論でも取り上げましたが、今回も(安倍首相が)プーチン大統領と会いましたが、何ら進展がありません。自民党総裁選挙へのアピール以外の理由が見当たらないような、さんざんな結果だと私は思っております。むしろ、北方領土の軍事基地化がどんどん進む中で共同経済活動ということを進めることに本当に意味があるのかどうか、より疑問が強くなったと言わざるを得ません。
 共同経済活動の先に領土返還があるとは思えません。ですから、ここは一旦立ちどまって考えるべきではないか、国益に照らしたしっかりとした検証が必要な段階に入っているではないかと思っております。
 ロシアの法律のもとでの共同経済活動を進めてしまうと、事実上、実効支配を認めてしまうということで、まさに国益を害することをどんどんやっているのではないか。そういった懸念が拭えませんので、我が党としてはこの問題、これからも厳しく注視をし、また政府・安倍政権に対しても物を申していきたいと思っております。
 とにかく、今回、安倍政権にチャレンジしていくための、まさに新たなチェンジをした布陣でありますので、一致協力、頑張っていきたいと思っております。


■質疑

○沖縄県知事選について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 沖縄県知事選のことで伺いたい。新潟のときに、あんなやつを選んだということで、社民党と共産党は新潟の県民に対して謝罪をしなかった。今回、玉城デニーさんが野党側というか選ばれたわけだが、二つ三つ引っかかるところがある。録音の問題を明らかにしていないことと、それからその後出てきた隠し子の問題。これは大手のNHKさんや朝日さんの問題ではなく週刊誌的な問題かもしれないが。野党はかつて、あんなやつを推薦したというトラウマがあるが、そこいらはしっかりと玉木さんはわきまえて、本人に聞いて。
 それから、辺野古の問題が一応なるが、国民民主党としては辺野古に対してはどういう態度なのか。

【代表】
 まず前段の週刊誌報道等に関しては、報道があったことは承知しておりますが、事実関係は本人にはまだ確認しておりません。機会があれば確認したいとは思いますが、事実かどうか、まずはその点は明らかにしていきたいと思っております。
 辺野古に対しては、これは従来から申し上げておりますが、私たちはこの5月に立ち上がった新しい政党ではありますが、先輩である岡田外務大臣が政権当時、ある意味辺野古崎が唯一の解決策だというふうに決めたこと、この決断をしたという事実は法的には存続政党として重く受けとめたいと思います。
 ただ、橋本内閣のときに決めたあの決定が現在においてベストな判断なのかどうかということについては、これはしっかりとレビューをすべきときではないかなと私は思っております。当時は高速艇もなかったし、オスプレーのような高速で飛べる、また大量に輸送できる飛行機もなかったということでありますから、我が国の防衛あるいは日米同盟ということを考えた上でも、例えばグアムやフィリピンではだめなのか、あるいは国内の他の基地ではだめなのかということも含めて、最新の軍事技術の進展等を踏まえたベストなあり方を模索するためのレビューが必要ではないかなと考えております。
 ですから、今回デニーさんを応援するということについては、もちろん基地問題は重要な問題ではありますが、それ以外にも、経済の問題、そして何よりもご本人がおっしゃっている「イデオロギーではなくてアイデンティティの問題だ」ということについては深く共鳴することがありますので、そういった観点から応援できるところをしっかり応援していきたいと思っています。

【NHK・及川記者】
 関連で質問だが、党としても応援したいということだが、これは具体的に推薦や支持といったことについてはどのような対応をしていかれるお考えか。

【代表】
 いわゆる国政政党としての推薦とか支持をする予定はありません。ただ、この前、私はちょっと外しておりましたが、玉城デニーさんが我が党を訪ねてこられて、当時の大塚共同代表・古川幹事長などと面談をして、応援の要請を受け、そのことに対して支援の表明をしたということで、我が党としてもできる限りの協力をしていこうということで決めております。
 ただ、いわゆる推薦とか、あるいは支持とか、国政政党としてのそういったものを出すことは今は予定しておりません。

○新体制・党役員人事について(1)

【毎日新聞・遠藤記者】
 人事について伺いたい。今回、平野幹事長と原口国対委員長を起用されたが、2人とも結党前は衆院会派の「無所属の会」に所属されていた。それについて何か狙い、野党共闘に関して狙いがあれば教えていただきたい。

【代表】
 「無所属の会」の皆さんとの連携を模索したいと思っていますし、その窓口としてお二人は最適だと思います。そういった意味も込めて今回の人事を行っておりますので、「無所属の会」、そして他の協力できる野党との連携を強化するという観点から、お二人に幹事長・国対委員長というかなめのポストをお願いしたということであります。

○沖縄県知事選について(2)

【共同通信・小笠原記者】
 沖縄県知事選に関して、国政政党として推薦や支持をする予定はないということだが、なぜ推薦や支持をする予定はないのか理由を伺いたい。

【代表】
 新潟県知事選挙のときもそうでしたが、一つの反省は、国政政党が国政の観点から音頭をとって旗を振ってもなかなか地元では響かないというところもあるのかなと思います。ですから、やはり現地での取り組み、現地での枠組みということを最大限尊重しながら、国政政党としてはそれを側面からそっとお支えするということが一番の支援になるのかなと。
 国政政党が並んで出ていって大きくアピールをしても、必ずしも現場・地元で響くような応援ができないのではないかなということもあり、国政政党としての従来型のこれまであったような推薦・支持というのではなく、やはり個々の議員を中心に応援をしていく。そういう形をとっていきたいと思っています。

○新体制・党役員人事について(2)

【テレビ朝日・延増記者】
 玉木代表は「対決も解決も」と、政権への対決姿勢を強化する方針をこの代表選で打ち出したが、新執行部人事で、その対決の部分、「ここがポイントだ」というところを伺いたい。おそらく安倍総理の天敵とも言われる山井和則国対委員長代行の起用というところかなと思うが、いかがか。

【代表】
 人事のとおりです。
 山井代行は、うれしそうに座っておられましたので、既に各党回りを終えたということで、発車準備完了という感じだと思います。期待したいと思います。

【読売新聞・淵上記者】
 内閣改造などがあると、よく「〇〇内閣だ」という表現を総理がされることがある。今回の人事、原口さんや平野さんの起用もそうだが、野党共闘に軸があるのかなと思うが、代表は今回の人事を「〇〇体制」と名づけられるか。また、その理由を教えていただきたい。

【代表】
 まず、「ノーサイド体制」ですね。見ていただくとわかるのですが、津村啓介さんを応援された方がほとんど入っていると思いますし、もちろん私を応援してくれた人も入っています。その意味では適材適所。代表選挙は敵味方に分かれて戦いましたが、能力のある方を適材そして適所で配置したという意味では、「ノーサイドの会」というのを(代表選が)終わった後にやりましたが、それを受けた「ノーサイド体制」ということがまず構築できているのではないかなと思っております。
 あとは、我々やはり政権を目指す政党として安倍政権・自民党政権に厳しく向き合っていくという意味では、政権に向けた第一歩、スタートラインに立ったという意味で、これからスタートダッシュしていくということでは「スタートダッシュ体制」と。これから全てが始まっていくという、そういう新体制だと自負しております。

【信濃毎日新聞・井手記者】
 人事で、個別のことで伺いたいが、役員室長だった羽田雄一郎さんが今回役員から外れたが、ここはどんなお考えからなのか教えていただきたい。

【代表】
 ご自身が来年、大変厳しい1人区での選挙を抱えているということもあって、どうしても役員に入ると党務でなかなか地元に帰れないということもあるので、とにかく1対1の選挙になった選挙区での勝利を確実にするということで、やはりご自身の選挙に専念したいというご要望もお伺いをして今回の人事にしております。

○政権交代に向けた意気込みについて(1)

【フリーランス・安積記者】
 9日に地元でパーティーをされたときの発言で確認をしたい。報道では、4年後に政権を奪還して10年後に国政のトップに就任したい、というふうに述べたと伝えられているが、このとおりでよろしいか。

【代表】
 4年以内に政権につきたい、そして2028年、10年後には国のトップを目指したいというのは発言をしています。
 ただ、私、これは10年前からずっと言っていることであります。その当時は「20年後には」と言っていまして、あれから10年たったので「10年後」というふうになっているので、思い出したように今年から言い始めたものではなくて、去年も、その前も、実はずっと言い続けて、やはり自分なりの目標を置きながらいろいろなことを成し遂げていこうということで一つの目標として掲げているということです。
 まずは、やはり政権奪取ということを最大の目標としてやっていきたい。もちろん、「4年以内」ということを言いましたが、当然次の選挙で、連立政権という、今はそういう形になろうかと思いますが、やはり自民党・公明党にかわる政権を樹立できるように参議院選挙・衆議院選挙に臨んでいきたい。そう思っています。

【フリーランス・安積記者】
 4年以内に政権奪取して10年後にトップになるということは、この6年間というのはどういうふうな政権なのか。わざわざ6年間トップになられないということなのか。ほかに譲られるということなのか。

【代表】
 これを言い始めた10年ぐらい前は民主党政権でありまして、政権を再びとれば、まずは何か大臣から始めて、そして政権の中でも少しずつ力をつけていくと。そういうイメージだったのですが、今、政党の党首になりましたので、ちょっとそこは事情が変わっているかなと思いますが、ずっと毎年パーティーで言ってきたことなので、その中間報告というようなことを言わせていただいたので、少しずつ微修正しながら目標に向かって頑張りたいなと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 ということは、民主党政権は3年3ヵ月だったが、6年間以上は政権を維持するということか。

【代表】
 前回2009年に政権交代したときは、やはり10年ぐらい自民党ではない本格政権を維持して、日本の新しい政治の流れ(をつくり)、そして既得権の構造を壊したいと思っていましたが、その期待したものの3分の1ぐらいの期間で終わってしまったというのは非常に残念だなと私は思っています。
 ですから、次に政権交代するときには、やはり民主党政権の反省、こういったものをしっかり踏まえた上で10年近くできるような政権をつくっていかないと、国民の民主主義あるいは政権交代のある政治ということに対する信頼がなかなか得られないのではないかなと思っていますので、よくよく民主党政権の時代のことを反省しながら、「次の政権をとったときには、こういうことに気をつけよう」ということを常に意識をしながら、一歩一歩、歩みを前に進めていきたいと考えています。

○安保法制成立3年 日米同盟・憲法論議について

【共同通信・小笠原記者】
 各党の幹部に質問しているが、この19日で安全保障関連法の成立から3年となる。そこで2点伺いたいが、安保法によって日米同盟は強化されたとの立場を安倍総理は示しているが、この点について代表の見解を伺いたい。
 もう一点は、法律が対象とする実力組織は自衛隊なわけだが、総理が唱える9条への自衛隊明記論への見解と、あと秋の臨時国会で改憲案を出す意向を総理は示しているが、現況、党としての対応はどういう方向性か。

【代表】
 まず前者の質問についてでありますが、日米同盟は強化されたのかと。強化されているとしたら、安全保障上の脅威を理由に鉄鋼やアルミ、あるいは追加で自動車に対して、高関税をかけるなどということをされないはずですよね。安保法制が通って、では日米同盟が強化をされ、そしていわゆる輸入制限・高関税というものを免れているのかというと全く免れていませんから、その意味では安保法制が特にトランプ政権との間で日米同盟の強化にどれだけつながったかというのは甚だ疑問です。
 次に、自衛隊の明記についての見解ですが、これは何度も申し上げているように、一言で言うと安倍総理の改憲の私物化にすぎないと思います。
 情緒的に改憲の必要性を訴えますが、「明記をしても何も変わらない」「違憲の議論に終止符を打ちたい」と、こういう、さももっともな話をされますが、そもそも憲法9条2項を残したままだと明記された自衛隊が行使できる自衛権についての疑問が残り続けますから、憲法学者に言われているような自衛隊及びその自衛隊が行使する自衛権についての違憲の疑いというのは消えないわけです。
 ですから、総理がやろうとしていることの目的が達せられないし、かつ、自衛隊だけ明記をして、しかもそれが「必要最小限度」という旧3要件・新3要件にもあるようなこれまでの要件を超えて「必要な(自衛)の措置を講じる」ということであれば、最低限というこれまでの縛りは少なくともなくなってしまうので、やはり従来の範囲に比べれば自衛権の範囲は拡大すると言わざるを得ない。それが一体どこまで広がるのかというのは全く示されていないのに、「何も変わらない」と強弁をする。こういう憲法議論というのは極めて雑で、いわば国民をあざむくようなものであるので、全く賛同できません。
 一方、我々はしっかりと憲法の議論をしていきますので、9条の議論についてもこれから階猛憲法調査会長のもとで議論を深めていきたいと思いますが、ただ私たちは、これも何度も申し上げていますが、第8章の地方自治の本旨、あるいは解散権の制約、そして臨時国会の開会要請を受けたときの開会期限が決まっていないことに対しての期限の書き込み、こういったことを優先的に議論していきたいと考えています。

○沖縄県知事選について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 沖縄県知事選だが、玉木さんは応援に行く予定はあるか。

【代表】
 今は、ありません。今のところ予定はありませんし、13日の告示日にも現地に入る予定は今のところありません。

【フリーランス・堀田記者】
 それから玉城デニーさんは、翁長さんの遺志を継ぐと。最大の問題、トップの問題は辺野古の移設反対だということを、きのうの政策発表でも言っている。国民民主党が応援する、玉木代表も応援するという意向だが、そうしたらそのトップの問題というものは、国民民主党においては解決しているのか。

【代表】
 「トップの問題」というのは、候補者であるデニーさんの問題ですか。

【フリーランス・堀田記者】
 いや、辺野古移設反対と。国民民主党は、先ほど言ったように鳩山さんがあのようなすっとんきょうなことを言って、元に戻って、それで福島瑞穂さんがやめてから民主党は瓦解の方向に行ったわけだが、そこから辺野古移設ということはそのままになっている。その後、国民民主党になってから党全体として協議をして正式に移設反対とか、そういったものはまだ決めていませんよね。

【代表】
 まだ決めていません。
 ただ、二つ申し上げたいのは、安全保障に関する問題なので、これは非常に難しい問題です。簡単にイエス・ノーがつかない問題だということはよく理解した上で申し上げますが、少なくとも住民あるいは現地の地方自治体の十分な理解なく強引に進めることは、これはおかしいと思います。基地問題の以前の問題として、手続として本当に適切なのかどうか。あるいは沖の海底に軟弱地盤が見つかっているということも踏まえて、本当に予定どおり進めていいのかどうか。行政手続の適正性の観点からも「問題なし」とは言えないと私は思っていますので、その意味ではやはり現地の十分な声を聞かずに強引に国が進めていることについては問題ありと思っております。
 もう一つは、これはある種保守的な立場から申し上げますが、独立した我が国の中に他国の軍隊があり続けることに違和感を覚えることを忘れてはならないと私は思っています。これは「右だ」「左だ」ということではなくて、やはり我が国は独立した一国であります。そこに外国の軍隊が存在し続け、しかも地位協定という名のもとに、何かあっても全く調査も捜査もできない。そして我が国の国民の人権が傷つけられたりじゅうりんされたりする。こういうことに対して怒りを持つのは、「右だ」「左だ」という政治的立場を超えた共通の思いだと思います。そのことには深く同意をし、また共鳴もし、応援をしていきたいと思っています。

○新体制・党役員人事について(3)

【朝日新聞・竹下記者】
 人事の話だが、平野幹事長と原口国対委員長の起用の理由は、「無所属の会」の出身であって他の会派との連携強化を期待したいということだった。それぞれ人間関係もあると思うが、お二人には具体的にどのような手段というか手だてを使って連携関係を強化してもらいたいかということと、さきの国会で掲げた「対決より解決」というスローガンは次の国会では掲げないという理解でよろしいか。

【代表】
 まず、どういう手段か。ありとあらゆる手段ですね。もう全人格的な手段を使って、ぜひ、国民の多くが求める「野党はまとまってくれ」、そういうことをお二人には中心となって主導していってもらいたいと思っております。
 それと「対決より解決」でありますが、これは代表選挙の間も申し上げましたが、そもそも対決を否定しているわけではないし、しっかり対決してきたつもりでありますので、しっかりと安倍政権に向き合っていきたい。
 あわせて、今回、政調も非常に強化したと思っていますから、他党にはない、他の野党、もちろん自民党にもない新しい政策をどんどん打ち出すことによって、我が党のカラーもしっかりと出していきたいなと思っています。

【NHK・及川記者】
 今の質問に関連するが、平野さん、原口さんの起用の理由として、「無所属の会」との連携強化をしたいからと。野党の状況を見ると立民さんが一番大きい勢力かと思うが、あえて「無所属の会」に言及された背景にはどういった狙いがあるのか伺いたい。

【代表】
 いや、「無所属の会」に限らないつもりです。ただ、皆さん「無所属の会」というところにおられたので、人脈は当然あると思います。原口国対委員長はご自身でよくツイッターでも発信されていますが、やはりこれは他の野党も入れた大きな固まりになっていかなければいけないということですから、無所属会派だけではなく、やはり他の野党も含めて、できるだけ大きな固まりになっていこうと。そのことをぜひお二人には、長い政治経験と、そして各党・各会派にある人脈を生かしていただきながら、野党としてのできる限りの連携の強化ということの最前線に立っていただきたいと思っています。

○政権交代に向けた意気込みについて(2)

【フリーランス・安積記者】
 先ほどの話だが、では6年間、誰を首班にして連立政権を維持していくのかという点と、あとちょっと関係ないが、高松のほうだが、このあいだギネスブックに80年以上も寄り添った夫婦が、合計年齢208歳、間もなく209歳になるそうだが、そういうご夫婦がいらっしゃり、8月には25人目のひ孫が誕生されたということだが、これについてのご感想をお願いしたい。

【代表】
 まず、後者から。人生100年時代ですね。夫婦合わせて200年時代。そういう時代になってくるのだと思います。
 同じ高松市の塩江町というところがあるのですが、そこに行ったときに、「今、一方で都会では待機児童の問題があるのだけれども、私たちは待機老人だ。なかなか介護施設などに入れない」というようなことをおっしゃっておられて、また一方で、お互いに認知症になって「老老介護」ではなくて「認認介護」というような現状もふえてきているということも、実は同じ高松市で聞かされました。
 ご夫婦揃って長生きすること、本当に喜ばしいことだと思いますが、一方で高齢に伴うこと、そして夫婦ともに高齢になっていく、さまざまな介護・認知症、こういった問題にしっかりと対応していくことが必要だと改めて思いますので、我が党、そしてこの新しい執行部のもとでも認知症対策などには特に力を入れて取り組んでいきたいと思っております。
 10年後の話は、よくまだわかりませんので、私の政治的な一つの大きな目標、思いということでご理解いただければと思います。

○新体制・党役員人事について(4)

【読売新聞・淵上記者】
 先ほど、「政調も強化した。我が党のカラーを打ち出したい」と。政調会長は泉健太さん、若い方だが、やはりこの若さに期待をしているという側面があるのかという確認が一点。
 あと、形式的なことだが、いわゆる代表の職務代理ということでいうと、代表代行・幹事長・総務会長というのは、これはどういう順序になるのか。

【代表】
 それは、事務方、調べておいてください。
 まず、泉さんの起用についてでありますが、もちろん若さがあります。ですから、私が今まで続けてきたいわゆる「ABC調査会」で、新しいイノベーションを中心とした社会をどうつくっていくのかと、こういうものは引き続きやっていただきたいと思っています。
 あと泉さんは実は知る人ぞ知る、政権時代は内閣府の政務官として子育て政策などに非常に詳しいわけですね。ですから私、代表選挙のときに第3子に1000万円という「コドモノミクス」ということを掲げましたが、先ほども実は打ち合わせをしたのですが、これをぜひブラッシュアップしてほしい。財源面とか、あるいは、20年間にわたって月4万円を給付するのかとか、こういったことについてぜひ、より詳細な設計にしてほしいということをお願いしました。
 この未来先取りの政策と同時に、やはり我々は未来への投資をしていく政党なんだということで、特に子ども・子育て政策についてはより洗練された、いい政策を出していきたい。そういう思いもあって泉政調会長にお願いをしました。

○選挙対応 候補者擁立について

【NHK・及川記者】
 人事の関係で、連携を深めたいというお話があったが、代表はこれまでの間に「選挙と国会は一枚岩で」と。選挙の部分について伺いたいが、今回の人事で選挙についてどのような形で強化していくとお考えか。
 また、さきの就任会見のときに、国会対応については臨時国会までに統一会派を呼びかけたいと一定のスケジュール感を示されていたが、選挙について、横の連携での何か取り組み、そしてスケジュール感をどのように考えていらっしゃるか。

【代表】
 二つやるべきだと思っているのは、複数区、特に3人区以上については、これはもう切磋琢磨するしかありませんから、候補者擁立を急ぐ、目玉候補を発掘する、こういう候補者の発掘・擁立にまず力を入れる。これをちょっとスピードアップしたいと思います。
 二つ目は、参議院の1人区、そして我々は2人区もと思っていますが、他党との調整が必要なところが出てきますので、こういったものは一つ一つ丁寧に、表でやる話もあるでしょうし、あるいは水面下、表に出ない形も含めて、しっかりとした調整のメカニズムを動かしていきたいなと思っておりますので、やはり各党・各会派とのそうした擁立あるいは候補者選定、こういった調整にこれも速やかに入っていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 国民民主党というのは国民民主党として存在している。今まで、野党で手を握っても全部選挙に負けている。安保法制のとき、岡田・小沢・吉田・志位が手を握って3万人を集めた後の山形市長選挙も自民党候補に負けて、あれからでも1勝99敗くらいだ。国民民主党が政権をとることを私は期待しているが、一歩一歩やっていただきたい。ほかの党と手を結ぶことはない。手を結んでも全部負けているのだから。次の選挙で1人ふやして、次の選挙でまた1人ふやして、それでやるほかない。この前の参議院だって11勝21敗だ。
 「人生100年時代」だから、あなたが100になるまで代表をやっていい、国民民主党を大きくして自民党に勝つだけのことを、ほかの野党を負かしてでもやるべきだ。そうでないと、また同じ積木崩しだ。どこでも選挙に勝てないですよ。

【代表】
 今の堀田さんのご指摘は重く受けとめたいと思います。
 朝日新聞の最新の世論調査も見ましたが、我が党が1%、立憲民主党が5%、共産党が3%。他の野党を入れても、野党を足して実は10%の支持だということでは、単純に野党の支持を足しても50にいかないという現実はやはり重く受けとめなければいけないと思っています。
 ですから、先ほど申し上げたように、新潟県知事選挙のある意味反省も込めて、単に国政政党が手を握ったからといって全国の選挙で勝てるのかということについては、そろそろこれは冷静で客観的な分析が必要だと思っています。
 むしろ、私がずっと言っている「支持政党なし」と自民党との二大政党制に日本はなっているというのは、この「支持政党なし」という方が4割から5割いらっしゃる。ここに対して我々がどのように訴求していくのか、何を訴えるのか、逆に彼らが何を求めているのかというのは、既存の永田町の文化やルールやイデオロギーや、そういったものでは切り取れない本当の隠れた民意を謙虚に吸い上げる、そういった努力をしないと永遠に政権はとれない。その指摘は正しいと思います。
 ですから、国会の中あるいは選挙において協力できるところはしますが、その大前提として、私たちはこの国に対して一体何を提供できるのか。国民が何を求め、それにどう応えていくのか、いま一度謙虚にその国民の声に耳を傾けていくことが大事だと思いますので、新体制ではぜひそういったこともあわせて行っていきたいと考えています。