玉木雄一郎代表記者会見

2018年9月18日(火)17時01分~17時27分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/wDn-HHqlFi8


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○米国の対中追加関税について

【代表】
 トランプ大統領が中国への追加関税の第3弾を発表しました。今後の世界経済に大きな影響があるおそれがありますので大変懸念をしております。
 今月末、安倍総理は訪米してトランプ大統領に会う予定になっておりますが、しっかりと我が国の懸念を伝え、自由貿易を推進するといった大きな方向性でぜひ行動していただきたいということを伝えてもらいたいと思っています。

○北方領土問題 プーチン大統領発言に関する政府の対応について

【代表】
 次に、先般のプーチン大統領の北方領土に関する発言についてでありますが、ペスコフ大統領報道官が16日、国営テレビで、安倍総理本人から反応がなかったと。東京と外交官からは反応があったが総理本人からは反論のような反応がなかったということを言っておりますが、一方、NHKの放送で安倍総理は、プーチン大統領の提案の後、2人で話をして、やりとりを交わして反論したということをおっしゃっております。
 これは真っ向から主張が異なっている、食い違うわけでありますので、これは国益に重大な影響を及ぼす話でありますから、早急に予算委員会を開いて、一体どのようなやりとりがあったのか、なかったのか、しっかりと説明を求めたいと思っております。
 ロシア側に対しては、これまでの「4島の帰属の問題を解決してから平和条約を結ぶ」という大原則をロシア側にも守っていただきたいということを強く求めたいと思いますが、いずれにしても、この間のやりとりというのはこれまでのロシア側の言いぶり、方針とは大きく異なりますので、早期の予算委員会そして外務委員会の開催を求めたいと思っております。

○コミュニケーション戦略本部の設置を決定

【代表】
 次に、本日の総務会で正式に決定されましたが、SNS対策を含む戦略的な広報体制を構築するということで、コミュニケーション戦略本部を新たに設置することにしました。本部長は古川元久代表代行、事務局長が伊藤孝恵参議院議員です。
 設置の目的は三つであります。
 まず一つは、マーケティング、データエビデンスに基づく広報をやっていこうということ。
 二つ目に、政党として統一的なメッセージを出していきたいということ。
 三つ目に、SNSを初めとしたネット対策を強化し、特に若者に対して訴求力を強めていきたい。我々国民民主党が考えている政策をしっかりと伝えていきたい。
 こういった大きな三つの目的からコミュニケーション戦略本部を立ち上げましたので、これから積極的にさまざまなメディアを通じて国民民主党の考えるところ、代表の私が思うところをしっかりと発信していきたいと思っております。

○参院選 候補予定者6名の公認を内定

【代表】
 最後に、本日、大塚耕平代表代行、そして5名の比例候補の公認を内定いたしました。
 いよいよ来年の参議院選挙に向けて、選挙態勢、擁立作業も本格化しておりますが、全員の当選に向けて全力を挙げていきたい。そう思っております。


■質疑

○コミュニケーション戦略本部設置 広報戦略について(1)

【TBS・小林記者】
 コミュニケーション戦略本部について、三つ目の目的として若者への発信とあったが、具体的に、例えばご自身のユーチューブ・チャンネルを開設されるとか、インスタグラムのアカウントをつくるとか、そういったことは今考えていらっしゃるか。

【代表】
 既に個人としてはユーチューブの動画の配信をしておりますが、党としてもやっていきたいし、代表としてもやっていきたい。あわせて、所属議員あるいは自治体議員も含めて、動画での発信と、特にLINEを使った発信にはとりわけ力を入れていきたいと思っています。

○安倍首相の自宅・事務所への放火未遂事件について

【「フランス10」・及川記者】
 各党に伺っているが、安倍総理と反社会勢力の関係について伺いたい。
 1999年の下関市長選で、安倍総理の事務所が、ブローカーで当時前科8犯、暴力団と関係の深い小山佐市氏に対立陣営の選挙妨害を依頼した。そして見返りの約束を破られたとして、2000年、安倍さんの自宅や関連事務所など5ヵ所に火炎瓶が投げ込まれ、2003年、小山氏と工藤会系の組長と組員が逮捕された。
 2007年の地裁判決公判において裁判長は、小山被告は事件の1年前に行われた下関市長選挙に関して安倍総理大臣側に協力したのに金銭の要求を拒絶された、この恨みを晴らすとともに暴力に訴えて多額の金銭を得ようと、つき合いがあった組長に犯行を依頼したと述べた。また判決文において、小山氏と安倍さんの事務所の秘書、お亡くなりになった竹田さんという筆頭秘書だが、その方との関係について、かねてから交際していたと書かれた。さらに、これは判決文や公判とは違うが、ジャーナリストが取材をして、小山氏と安倍総理がさしで会ったと。そのときにツーショットで写った写真があり、それはネットでも公開されている。
 司法が安倍総理と暴力団関係者との関係について、選挙妨害を依頼したことを認定しているわけだが、国民民主党としてはこの件について追及する考えはあるのかどうか伺いたい。

【代表】
 ネットなどでいわゆる「ケチって火炎瓶」と言われる事件だと思いますが、まず、被害者はこれは安倍総理側だと思います。ただ、反社会的勢力に依頼して選挙妨害をしたということが一定程度裁判で認定されるのであれば、その点に関して疑惑を持たれることについては安倍総理としてしっかり説明責任を果たされるべき案件だと思っています。

○野党連携について

【NHK・及川記者】
 先週、野党国対の会談の中で原口一博国対委員長から「次の内閣」、ネクスト・キャビネット(NC)的なものをというご提案があったと発言されている。代表としては、野党連携を進める上で、6党派の枠組みの中でNCというようなものについて進めるべきとお考えかということと、おそらくこのアイデアは連立政権を念頭に置かれたご発言かと思うが、他方この会合では共産党さんもいらっしゃる中で、今後、連携の中で、あるいは連立政権というものをイメージしたときに、共産党さんとの関係性というのはどのように位置づけていかれるお考えなのかお聞きしたい。

【代表】
 NCというのは原口国対委員長の個人的なお考えだとは思いますが、ただ、野党で共同してヒアリングをやってきたことが、やはり政権に対する追及として効果を発揮したということの認識は共通してあるのだろうと思いますので、そうした、これまで以上に可能な限りの野党連携を深めていこうという一例として、そういう個人的なお考えをおっしゃったのだと思います。
 あわせて、ただ、これから具体的に選挙が近づいていく中で、これは私も申し上げておりますが、何らかの政権構想というものをいつかの段階で、特に野党第1党の立憲民主党さんも入れた形でしっかりとお示ししていくことが、やはり有権者の皆様からすれば「じゃあ安倍政権を倒した後に一体いかなる政権ができ、いかなる政党と人を選べばいいのか」ということを明示する上では必要だと思いますので、そういった思いも込めて発言されたものだと思っております。
 いずれにしても、可能な限りの国会における野党の連携は強めていきたいと考えています。

【NHK・及川記者】
 何らかの政権構想をいつかしらのタイミングでということだが、そこには共産党さんは一緒に考えていく仲間として入っていらっしゃるのか。

【代表】
 共産党さんが、天皇制を廃止したほうがいい、あるいは自衛隊は違憲だ、日米安保同盟も破棄すべきだという考え、それを主張するのであればやはり政権をともにすることは難しいと思います。
 共産党さんが今後そういったことを現実的に考えていくようになれば、それはさまざまな可能性もなきにしもあらずだと思いますが、ただ、現時点においてはそれを変えられるということは聞いておりませんので、その意味では政権をともにするということは難しいのではないかと考えています。

【時事通信・岸本記者】
 同じく共産党さんとの関係で、きょうの挨拶回りで原口国対委員長は「本気の共闘を」と呼びかけていらっしゃった。共産党的には「本気の共闘」というのは相互推薦とか相互支援のことを指すと思うが、それを含めて呼びかけられたと認識していらっしゃるか。「本気の共闘」というのはどういう文脈で使われたと思われるか。

【代表】
 きょうは挨拶回りでしたので、エールの交換という意味だと思っています。

【時事通信・岸本記者】
 原口さん個人のご発言という。

【代表】
 この前もそういった発言をされておられたと思いますが、協力できるところは野党ヒアリングなどを通じて協力をしっかりしていこうという趣旨だと理解しています。

○加計学園問題「ゴルフがだめで将棋はいいのか」首相発言について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きのうTBSで、安倍さんは加計さんとのゴルフについて、将棋ならいいのかと切り返したそうだが、この人が加計さんとこの5年間に20回以上、会食やゴルフをしていると。国家公務員は関連業者との接待はあり得ないという時代だが。やはり安倍さんは少しおごっているというか完全に壊れているのではないかと正直言って思うが、玉木さんも役人出身だが、どうお感じになるか、将棋ならいいのかという切り返しは。

【代表】
 私は直接あのときテレビは見ておりませんでしたが、後の報道などで見ましたが、将棋ならいいのかとか、ゴルフを敵視し過ぎだとか、およそ考えられないような答弁ですよね。やはり答えるべきは、そういった疑惑を持たれることがあってはならないので、今後、国家戦略特区諮問会議の運用としては、みずからがつき合いのある事業者等が審査の対象になる場合はみずから外れるとか、そういった疑惑を持たれないような反省を踏まえた今後の対応を話すべきであって、将棋ならいいのかとかゴルフを敵視し過ぎだなんていうのは全く反省がない。一体事の本質が何なのかを一切わかっていないということだと思いますので、ちょっと唖然としますね。
 ただ、その安倍総理の3選を許すような状況。これは自民党内だけでなく我々野党も含めて、我々が猛省しなければならないなと改めて思いました。

○自民党総裁選 農水相への辞任圧力疑惑について

【テレビ朝日・延増記者】
 総裁選についてだが、齋藤農水大臣が「石破さんを支持するなら辞表を出せ」と言われたと明かしたが、これについてどう思われるか。

【代表】
 私も代表選挙を何度か戦いましたから、非常に厳しい状況になってくるといろいろな言葉は飛び交うのかなと思います。それぐらいの覚悟でいろいろやるべきだと思う一方で、今回の問題は、そういうことを言った言わないになって、一方の齋藤大臣はそう言われたと言っているのに、そんなことは言っていないとか確認できないということ自体がやはりどうなのかなと思いますね。
 やはり多様な言論を戦わせ合うという、いい意味での党内民主主義が失われてしまっていて、自民党は今、恐怖政治に陥っているのではないか。何か言えば干されるとか、外されるとか、パージされるとか、そういう党になってしまって、本当に「自由民主党」から「自由」がなくなっているなと。そういう印象です。

○安保法制成立3年 安全保障政策について(1)

【共同通信・小笠原記者】
 以前も質問したが、あしたで安全保障関連法の成立から3年になる。成立前後も含めた、これまでの政府の運用や与野党の議論というのをどう総括しているかということと、あとは今後の話だが、今後の参院選の野党共闘などで政策的なテーマになり得る分野かと思うが、改めて党としてのスタンスを伺いたい。

【代表】
 改めて振り返ってみて、(果たして)国民の十分な理解が得られる審議ができたのかなと思いますし、それは政府・与党だけではなくて我々野党としても反省すべきところがあるのかなという思いです。
 やはり国家の重大時、特に我が国に対する攻撃があった場合、あるいは国際社会の中においてどういう役割を果たすのかということは、冷静な議論を積み重ねて国民の理解・同意を得ていくプロセスが大事だと思いますが、残念ながらそういったことができないまま今日に来ているということがまず問題だと思います。
 あわせて、総理は「この安保法制ができたことによって日米同盟が強化された」ということをよくおっしゃいますが、であれば、なぜ安全保障上の脅威を理由に高い関税が課せられるのか。全く意味がわかりません。その意味では、日米同盟の強化にどれだけつながっているのかということについては疑問を持たざるを得ないということであります。
 今後の参議院選挙のテーマということでありますが、もちろん安全保障は重要なテーマなのですが、現にこれは、あのときは法案という形でありましたが、既に成立して既存の法律の中に溶け込んでいますから、違憲の疑いがあるというのであれば、その具体的な改正案というものを取りまとめ、また野党各党にも協力をいただきながら、そういった法律の成立を図っていくということが現実的な対応だと思っております。
 ただ、もう一つつけ加えれば、安全保障環境というのは日々変わりますので、あれから3年たって過不足のない自衛権ということをイメージしたときに、行き過ぎているところはないのか、あるいは足りないところはないのか、そういったところをしっかりと議論して、我が党なりの考え方ということをしっかりまとめていきたいし、必要に応じて法案化も行っていきたいと思っています。

○コミュニケーション戦略本部設置 広報戦略について(2)

【TBS・小林記者】
 先ほどの質問のお答えで、LINEを使って発信とおっしゃっていたが、それはアカウントをつくるということなのか、それとも石破さんのようにスタンプを使って波及していくのか。もう少し具体的に、どういうイメージなのか伺いたい。

【代表】
 LINEはやはり今若い人がよく見ていますし、もうフェイスブックなどは若干おじさんメディアになりつつあるので、やはりLINEやインスタグラム、そのメディアの特性に応じて発信内容も変えていきたいと思います。
 スタンプはまだつくっていませんが、スタンプをつくろうと思っています。
 あと、ゆるキャラも、我が党なかったのですが、そういう総合戦略の中で愛されるゆるキャラもぜひつくっていきたいなと思っています。

○安保法制成立3年 安全保障政策について(2)

【東京新聞・木谷記者】
 安保法の関係で伺いたいが、先日、平野博文幹事長が新宿での市民連合の街頭演説会で、集団的自衛権の行使(容認)というのを憲法解釈を変えて行った、これは許されないというふうにおっしゃったが、先ほどの玉木さんのご発言だと、集団的自衛権行使容認が許されるのか許されないのかとか、その辺がちょっとよくわからないが、その辺の考えをもう少しお願いしたい。

【代表】
 フルスペックの集団的自衛権はもちろん認められませんし、今の安保法制の特にいわゆる新3要件の書き方はかなり広範な集団的自衛権を認めるということになっていますので、我々としてはやはり違憲の疑いがぬぐい切れないと思っています。
 やはり限定をかけていかないと、結局アメリカから言われたら何でもやると。具体的に言えば、ホルムズ海峡が封鎖されて、直接の武力攻撃の影響が我が国に及ばない、つまり経済的な影響だけで、北海道で凍死者が出るとか、そういったことでも武力行使が可能になるというのは従来の憲法解釈からすると明らかに外側にあると言わざるを得ないと思いますので、そういったことが読めないような改正は不可欠だと思っています。

○杉田議員不処分「若いから」首相発言について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 杉田水脈さんの発言について安倍さんは、若いから処分をしないと言うが、彼女が若いというのが私にはよく理解できなくて、若い高校生だってしくじったら反省文を書かされて、反省したから許すというのが普通だが、その結果として、それを商売にする雑誌も出てくる。やはり何か壊れているのではないかと私は思う。反省したら許せばいいのだけれども、若いから許すなんていうことは許されないと僕は思う。それを商売にする雑誌もあることも悲しいことだが、玉木さんはどうごらんになるか。

【代表】
 そうですね、これが今の安倍自民党の体質そのものだと思います。本来であれば注意をしたり反省を促したりするということなのですが、そういったことをせずに、何かそういう少し過激な、あるいは特定の人を傷つけるような発言をすることをむしろ奨励するような、あるいは容認するような、そういうことを行っているのが今の安倍政権・安倍自民党ではないかなと。
 多くの自民党の人はそうではないと思いますよ。ただ、その安倍さんに何ら文句が言えない、物が言えなくなっている。先ほど「恐怖政治」と言いましたが、ここが今の自民党・安倍政権の最大の問題だと思います。
 いろいろな意味で、道徳的規律というか、社会の規律というものが、てっぺんから腐り始めているような気がします。

○党勢拡大に向けて

【読売新聞・前田記者】
 今、自民党総裁選が行われていて少し話題がとられてしまって、野党の影が薄くなっているような感じだが、そこら辺いかがお考えか。

【代表】
 今は仕込みの時期だと思っています。ですから、当然今は自民党総裁選挙、またその後の沖縄知事選挙といろいろありますが、我が党、新執行部が発足した直後でありますから、少しいろいろな政治的落ち着きが出てきたときに一気にスタートできるように、今さまざまなことを仕込んでいるという状況です。

【読売新聞・前田記者】
 具体的にどういった分野とか。

【代表】
 それは秘密です。

○コミュニケーション戦略本部設置 広報戦略について(3)

【「フランス10」・及川記者】
 LINEのことだが、自民党は昨年ニコニコ超会議で、LINEを追加してくれたらカレーを振る舞うということをされていた。どういうふうにLINEを広げていこうとお考えなのか。あと、安倍さんのスタンプをダウンロードしたが、6種類か7種類くらいしかない陳腐なものだったが、玉木さんのイメージとしては、例えば猪木さんの「ファイト」みたいな声入りのスタンプを考えているのか、どういうスタンプを考えているのか伺いたい。

【代表】
 いろいろな手段を考えていきたいと思います。