玉木雄一郎代表記者会見

2018年10月17日(水)17時42分~18時26分
編集・発行/国民民主党役員室


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○普天間基地移設問題 沖縄県への法的対抗措置について

【代表】
 まず冒頭、(普天間基地の)辺野古への移設、代替基地の建設について、本日、沖縄防衛局が、沖縄県の行った埋め立て承認撤回措置に対する対抗措置として、国土交通大臣に対して行政不服審査法に基づく審査請求及び執行停止の申し立てを行ったと報告を受けました。
 先般、玉城デニー新知事が誕生して、辺野古基地建設に反対の意向を示す知事が2回連続当選し、その民意を尊重すべきだということは申し上げてまいりましたが、総理と会ったのが12日。わずか5日間でこういった措置がとられることについて、非常に強引だという印象は否めません。玉城デニー知事も対話による解決を求めていたと思いますので、けんかを売るような今回の沖縄防衛局長から国土交通大臣に対する審査請求・執行停止の申し立てというのは極めて遺憾です。
 重ねて対話による円満な解決を求めるのと同時に、これは前回も問題になりましたが、結局同じ政府の中の組織が審査請求・執行停止を申し立てて、同じ政府の一部局である国土交通省・国土交通大臣がそれについて判断するというのは、選手と審判が同じゲームを戦っているような感じで、お手盛り、また中立性・客観性に疑義があると思いますので、こういった観点からも非常に問題があると言わざるを得ません。
 無理に進めるとかえって日米同盟や、沖縄の皆さんの反米感情を煽ることにもつながりかねませんので、ぜひここは、まずは膝を突き合わせて腹を割って話し合う環境の整備に政府側が努めるべきだと思いますし、安倍総理のリーダーシップをぜひとも期待したいと思います。

○日米通商交渉について

【代表】
 次に、日米通商交渉についてであります。
 米国時間の昨16日、アメリカ政府が議会に対して、法律に基づき、日本との貿易協定締結に向けた交渉に入るという通知をいたしました。報道によると来年1月にもこれが始まるということでありますが、これまで、TPPが唯一の枠組みで、そこにアメリカの復帰を呼びかけるという方針でしたが、結局二国間交渉が始まって、それが法律に基づいて米国議会にも通知されるということになっています。なぜこういうことになったのか、突然方針が変更になったのかということについては、やはり国会でしっかりと安倍総理に、その経緯について、なぜ変わったとか理由についてしっかりと(説明を)求めていきたいと思います。
 そしてTAGという日本でしか使っていない言葉を使って実質FTAだということをごまかしていることについては、改めて厳しく批判したいと思います。
 加えて、茂木大臣が、いわゆるTPP、かつて日本が結んだ経済連携交渉が最大限だと、マキシマムレベルだと言ったことについては、全体としてそうであって、個別に見れば、例えばコメについてさらにTPPから食い込まれる、あるいは日EU・EPAからさらに食い込まれることがあり得ると認めたことは、これは重大な発言だと思いますし、全国の農家の皆さんにとっても衝撃的な事実だと思います。
 ごまかしの言葉を使って始めようとしている日米FTAが、そのごまかしの実態が次第に明らかになってきたと思いますので、これも厳しく臨時国会で、一体何が決められ、これからどうなっていくのか、しっかりと政府にただしていきたいと思います。

○免震装置データ改ざん問題について

【代表】
 データの改ざんによって、国の基準を満たさない免震装置が全国で設置されていることが明らかになりました。報道では、都庁、あるいはスカイツリー、また2020年の東京オリンピックの競技会場などにも使用されている可能性が指摘されております。
 かつての耐震偽装問題をほうふつとさせる事案でありまして、多くの国民が不安を感じていると思います。一義的には民間業者の話だと思いますが、国民の不安を一刻も早く解消するために、政府としても必要な対応を速やかに講じてもらいたいと強く要請したいと思います。

○北方領土問題対策協議会を設置

【代表】
 最後、報告ですが、本日総務会で北方領土問題対策協議会を設置いたしました。古川元久代表代行を座長に、(座長)代理に徳永エリ参議院議員、事務局長に福井県の斉木武志代議士、事務局長代理に山岡達丸代議士ということで、本日発足いたしました。
 きのう・おとといと根室を訪れて、元島民の皆さんや漁協関係者などにも話を聞きましたが、元島民の方も6割が亡くなり、今6000人が生存されておられますが平均年齢83歳を超えて非常に高齢になっているという中で、具体的な返還に向けた道筋・成果ということを求める強い思いを感じることができました。
 また、歯舞漁協を訪ねたときに感じましたが、非常に豊かな水産資源があるということもあわせて見せていただきましたので、例えば歯舞・色丹、面積にしていえば7%かもしれませんが、その海域の大きさを考えれば大きなメリットが期待される。経済的な効果も周辺地域・隣接地域にも及ぶであろうということでありますから、やはり早期の結果・結論ということを出していくために知恵を絞っていかなければいけませんし、これは与野党を超えてしっかりと取り組んでいきたいと、我が党としても力を込めて取り組んでいきたいと思っております。


■質疑

○北方領土問題について

【時事通信・中山記者】
 北方領土問題について改めて代表のご認識というか、どのような解決の道を探るべきとお考えかお聞きしたい。

【代表】
 大原則は、4島の帰属の問題を解決して平和条約を結んでいく。この原則は変えていませんし、4党を我が国の領土として返還を求めていく、実現を求めていくという方針は変わりません。
 ただ、先ほど申し上げたように、元島民の方がもう平均年齢83歳を超えて極めて高齢になっていること。また、地元の、根室市を初めとした地域の衰退・疲弊。その一方で豊かな水産資源が広がっている。こういったことを踏まえると、一歩でも二歩でも具体的な解決・成果をかち取っていくことが必要だと思います。
 ですから、段階的な返還、より具体的に言えば歯舞・色丹2島について先行的に返還を実現し国後・択捉については引き続き協議をしていくというような、段階的な返還ということについても具体的に検討していく時期に来ているのではないかなと思います。
 その上で、いずれにしても問題になるのは、返還した島に安保条約に基づく米軍基地施設が建設されるということであればロシアとしてもこれは返さないと思いますから、ここはアメリカとの関係の中でしっかりと、返還された島には米軍の基地施設はつくらないという確約を何らかの形でトランプ大統領に取り付けることも行っていかないと現実的な進展はないだろうということでありますから、これは党首討論でも申し上げたとおり、ぜひ安倍総理にそこは頑張っていただきたいし、また国会の中でもこうした点を改めて申し上げていきたいと思います。
 そのためにも実は地位協定の改定が不可欠だと思っております。事前に基地施設をつくらないと約することは地位協定の趣旨に反するというような意見もありますので、その意味では、日本の独立国としての意思として地位協定の見直しをアメリカに対してできるんだという主体性をしっかりと示すことが北方領土の返還にとっても不可欠だと思いますので、あわせて地位協定の改定ということに我が党を挙げて取り組んでいきたいと思います。

【時事通信・中山記者】
 今のお考えというのは、党の見解というか、代表のお考えということでよろしいか。

【代表】
 現時点では私の見解でありますが、先ほど申し上げた協議会を設置いたしましたので、具体的にそういったところでも議論を深めてもんでいきたいと思っております。
 ただ原理原則だけを言っていたのでは物が前に進まないということは現地に行って私自身つくづくと感じましたので、具体的に元島民の皆さん、そして根室市を初めとした地域の皆さんが心から納得し喜べるような結論を導く、そんな案を我が党として取りまとめていきたいと思っています。

○消費税引き上げについて(1)

【産経新聞・廣池記者】
 消費増税に対する考え方を確認したいが、国民民主党は軽減税率を伴う増税には反対しているが、給付つき税額控除を導入すれば引き上げには賛成という立場なのか、それとも増税自体に反対なのか伺いたい。

【代表】
 我が党は、これから増大する高齢化に伴う社会保障の安定財源として消費税は重要だと考えています。
 ただ、今回安倍政権が提案している消費税の内容、とりわけ軽減税率という名前の複数税率を伴うものについては、そもそも予定された税収が得られない。軽減税率だけで1兆円ぐらい税収が入ってこなくなりますし、総合合算制度をやめて4000億円は調達していますが、それ以外の財源はまだ見つかっていないということです。加えて、2兆円の就学前教育の無償化などの新たな財政需要を加えていますし、かつ、報道ベースだと、クレジットカードなどを使ったところには2%分を還元する、さらには現金で配るというようなことも言っているので、そもそも増税した結果どれだけ税収が上がるのか、財政再建につながるのかということが全くわからない。そういう意味では、我々がかつて結んだ3党合意、一体改革の理念がガタガタになっているなと思いますので、この安倍政権が提案している、特に複数税率を前提とした消費税増税は極めて問題が多いと思います。
 特に、皆さんには申しわけないのですが、宅配の新聞だけ早いうちに8%の軽減税率の対象にしておいて、それで国民の皆さんに「等しく負担しましょう」とか、そんなことをよく言えるなという気持ちもあります。
 税は公平・中立・簡素、この原則を必ず守らなければいけません。なぜなら税は誰にとってもいやなものだから、その最低限の三つのルールを守らないと、どうしても負担の公平性ということが担保できません。
 ですから今のような状況で消費税を上げることについては反対ですし、加えて、(財務省で)文書の改ざんとか、あるいはそのことによって高級官僚が辞任したり末端の職員が自殺するということが起こっているのに、全く責任をとらないでのうのうとその座にいる財務大臣のもとで一体どういう増税をするのか。
 私は消費税の増税は基本的には賛成ですよ。ただ、今申し上げたメディアとの関係や、あるいはさまざまな問題が起こったのに何ら責任をとらない財務大臣のもとで、国民に負担を求めるようなことができるのか、その資格があるのかということについては強い憤りを感じておりますので、やはり大きな問題があるという前提のもとで、国会の中でも厳しくこのことについてはただしていきたいと思っています。

○北方領土問題対策協議会について

【共同通信・岩田記者】
 北方領土問題の対策協議会だが、これはいつごろまでに党としての提言なりをおまとめになるお考えか。

【代表】
 まだ具体的に期限を切って何かをまとめるということは決めておりませんが、政府の進める交渉などもフォローしながら、我々としての考え方、また隣接地域への経済対策といったものもあわせて検討を進めていきたいと考えています。

○離党届の扱いについて(1)

【読売新聞・須藤記者】
 今井議員が離党届を提出されたが、きょうの総務会でもその件は議論にはなっていないとの話だが、今後どのような処分等を検討されているか。

【代表】
 きょうは柚木議員の対応については報告がありましたが、今井議員については、今、幹事長のもとで検討をしてもらっています。また報告が上がってくると思いますので、それを踏まえて最終的な判断を決めたいと思っています。

○入管法改正に関する議論について

【朝日新聞・山岸記者】
 秋の臨時国会で政府が最重要法案と位置づけている入管法改正案に関して伺いたい。最重要法案と言いつつ今のところ重要広範にも指定されない見通しも出ているが、こういった政府側の審議に臨む姿勢をどのようにお感じか、まず伺いたい。

【代表】
 外国人労働の問題は、人口減少が進む日本において、あるいは多様性を我々がこれからどれだけ受容できるのかを図る一つの指標としても極めて重要な法案だと思います。
 今、我が党の中でも外国人労働者の受け入れ制度に関するプロジェクトチームをつくって既に数回ヒアリングをしておりますが、法案の制度の仕組みが全く詰まっていない。特に、受け入れると言われている外国人の規模や人数、何万人なのか何十万人なのか、こういったことにさえ全く回答がないわけです。これは日本社会のあり方を変えるかもしれない、経済社会のあり方を変える大きな可能性を持った法案ですし、非常に関心も高いということですから、当然重要広範にして総理自身の考えをしっかりと示してもらいたいと思っています。
 総理はずっと「移民ではない」ということを言っていますが、家族の帯同も認めるような制度になるとすれば、これはもう移民制度そのものではないかと。国際的には少なくとも移民の定義に入ることをやろうとしているわけですから、これはごまかさずに総理の口からしっかりと答弁をいただく必要のある法案だと思っております。
 それにしても内容が詰まっていないし、しかも重要広範にもせず国会を通そうというのは、まさにステルス移民法案だと思います。「移民ではない」と言いながら事実上移民を解禁しようとするし、「重要な法案ではない」と言いながら実は重要なことを決めようとしているという意味で、まさにステルス法案。ステルス移民法案と言わざるを得ないと思います。

【朝日新聞・山岸記者】
 今後の国民民主党としての対応だが、何らか対案を出していかれる形になるのか、あるいは法案を廃案に追い込んでいく格好になるのか。他の野党とはどのように連携していくのか、共同で対案をまとめる見通しはあるのか。この辺はいかがか。

【代表】
 これからだと思います。
 法案もまだ閣議決定されていないので中身もよくわからないというところがあるのですが、少なくともこれは極めて重要な法案だと思っていますから、単に反対するということではなくて、よくよく中身を吟味しながら私たちの立場を決めていきたいと思います。
 その上で、三つの視点がすごく大切だと思っているのは、皆さんもご存じのとおり、今、外国人労働の問題は、例えば技能実習制度があります。一方で留学生、週28時間働けるという制度もあるし、またいわゆる二世・三世というカテゴリーもありますし、さまざまな形態があります。これをまず横串でしっかりと捉えていく観点が必要だということ。
 二つ目に、その上で、単なる労働者とみなすのではなくて、一人の働く人間として人権や待遇といったことについてもしっかり考えていく。同じような仕事をするのであれば日本人・外国人かかわりなく同一労働同一賃金についても適用していくのが筋だと思いますし、10年以上家族とバラバラに暮らすことを強いるような制度が人権の観点からも本当にいいのかというようなことも含めて、人権あるいは待遇の観点から考えていくことが大事だと思います。
 三つ目に、家族の帯同を認めるということになるのであれば、いわゆる円滑な社会定着、特に日本語の習得をどのようにサポートしていくのか。この日本社会の中に衝突なく円滑に、うまく溶け込んでいくためにはどのような手だてが必要なのか。
 こういった点についても総合的な政策を講じていかなければならないと思っていますので、「移民ではない」と言い張ることによって移民政策が打てずに結果として移民問題が生じるというのが最悪だと思いますから、我々としてもしっかりとした、今申し上げたような三つの観点を持ちながら我が党の考え方をまとめていきたいと思います。

○野党連携について

【TBS・小林記者】
 昨日、玉木代表と自由党の小沢代表が会談をして、自由党との統一会派を求めたという一部報道があった。この事実関係を伺いたいのと、今、参議院で立憲民主党と24人で会派の数が同じになっているが、野党第1会派を維持するお考えはあるのかどうかお聞きしたい。

【代表】
 私はこれは代表選挙の際から申し上げてきましたが、やはり安倍政権に対抗するためには協力できる野党ができるだけ大きなまとまりとなって国会対策をしていく、もっと具体的に言えば統一会派を組んでいくことが望ましいということは申し上げてまいりました。あわせて選挙についても何らかの調整のメカニズムを党を越えて行っていくべきだという考えは累次にわたって申し上げてまいりましたので、代表に就任した後、各党の代表クラスに対して今私が申し上げたような考えをお伝えし、何とか野党で大きなまとまりとなって、臨時国会、安倍政権に向き合っていきましょう、というお話はさせていただいております。
 きのうは、小沢代表と会ったのは事実です。きょうは社民党の又市党首とも会わせていただきました。各党それぞれご意見をお持ちですし、何か今の時点でまとまった成果あるいは結論があるわけではありませんが、できるだけ協力できるところは協力していくという方向で引き続きさまざまな対話を続けていきたいと思っています。

○消費税引き上げについて(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 私のところは雑誌なので消費税が上がると媒体の値段を上げる。新聞はたぶん軽減税率を適用されるから向こう10年上げないとか、私からしたら非常に新聞は気の毒だが、本当のメディアではなくなるのだろうと思うが、そういうことを含めて、軽減税率とか、麻生さんのもとではとても理解されないとすれば、国民民主党・玉木さんとしては消費税増税に反対することもあり得ると。そのハードルは高いということを安倍さんに言いたいと、先ほどはそういうお話だったのか。そこのところを伺いたい。

【代表】
 今の安倍政権の提案している消費税案については賛成できません。やはり問題が多いし、こんなのだったらやらないほうがましだと思います。2%分ほとんど返すとか、余計な財政需要をつくるとか、公共事業もやりますとか。
 日銀の分析だと実質的な国民負担が2.2兆円と言われていますね。でも、もともと社会保障の充実で1兆円、今度就学前教育の無償化で2兆円の追加財政需要を見込みますから、2.2兆円入ってきて3兆円の支出だということになれば、行って来いでマイナスなのではないかなと。いろいろな分析が必要だと思いますが、まず安定化というか財政再建には全くつながらないどころか、むしろ悪化するのではないか。
 そんな増税だったらやめたほうがいいと思うのと、繰り返しになりますが軽減税率・複数税率はもう絶対やめたほうがいいです、将来に本当に禍根を残しますから。これは体を張ってでもやめさせたい。日本の経済のためにもやめさせたい。
 特に、現時点において免税事業者とされている会社、たくさんありますね。1000万円以上の売り上げがないところですが、私の地元の讃岐うどん屋さんなどはもうほとんど免税店ではないかなと思うところも多いのですが、そういうところはインボイスを発行できないので、発行しなければもうこれ取引から排除です。仕入れ税額控除の証明を出せないわけですから。だからもう中小企業・小規模事業者の廃業促進税制ですよ。経済、大混乱になると思います。こんなのだったら、本当にやめたほうがいいです。税収が伸びるどころの話ではなくなるので。
 それであれば、やはりしっかりと単一税率にした上で、逆進性対策や低所得者対策については、私たちが申し上げている、税金を払っている人は所得税の減税をして、苦しくなった分お手元に残るお金をふやす。あるいは、課税最低限以下の方であれば税金を払っていませんから、そこは給付措置をして現金給付。あるいは今言ったようなキャッシュレスの何か電子マネーで配るというようなことも工夫したらいいと思いますが、いずれにしても、よくわからないが2%ポイント還元という、お金がある人もない人も還元するわけでしょう。そこには逆進性対策の理念もへったくれも何もなくて、もうでたらめだらけ。こんな増税案というか消費税改悪はやめたほうがいいです。非常に問題意識を持っています。

○国会における政府の答弁姿勢について

【北海道新聞・玉邑記者】
 政府の答弁姿勢についてお聞きしたい。さきの通常国会で安倍首相や閣僚が「ご飯論法」と呼ばれるような不誠実な答弁を繰り返した。この臨時国会では「もりかけ」が焦点の一つになるかと思うが、政府に対してどのような答弁を求めるかということと、野党としてこの政府の不誠実な姿勢についてどう追及していくかお聞きしたい。

【代表】
 聞いたことに答えてもらいたいですね。もうそのことに尽きます。はぐらかし、ごまかし、長答弁。私ももう何度も総理にもその攻撃を受けましたが、やはり我々野党であってもその後ろに多くの国民がいるということを忘れずに答弁をしていただきたいなと思いますね。
 ここはもう安倍総理あるいは閣僚席に座っておられる大臣の良心に委ねるしかありませんが、そこは国民に語りかける、話しかけるという思いで答弁をしていただきたいし、一つ期待しているのは、野田聖子予算委員長には、あまりにもひどい答弁だったらまともに答えるまで答弁を求め続けてもらいたいなと思います。河村前委員長も非常にいい人なのですが、あの席に座ると急にいい人ではなくなってしまうので、野田聖子委員長にはぜひ公平中立な仕切りをお願いしたい。
 もう一つ言うと、党首討論ですが、あれも参議院でやっている片道方式にしてはどうかなと思います。どういうことかというと、質問者の時間は一定で、総理がどんなにしゃべっても質問者の時間にカウントせず、例えば5分質問できるのだったら5分が来るまで、相手が10分しゃべろうが20分しゃべろうが自分の5分の時間は質問時間がちゃんとあると。長くしゃべって相手の質問時間を削ろうなんていう姑息なことはやめてもらいたいと思いますので、そういったことも国会改革の一つとしてあわせて検討をしていきたいと思います。

○参院選 候補者擁立について(1)

【北海道新聞・玉邑記者】
 参院選の北海道選挙区についてお聞きしたい。きょう総務会で新人の原谷さんの公認が決まったが、北海道選挙区では立憲民主党も既に1人擁立を決めていて、2人立てると枝野代表は明言している。改選数3で旧民進系が3人立つとなると競合も懸念されるが、立憲民主側にどういう調整、呼びかけをこれからしていきたいとお考えか。

【代表】
 北海道においてはご存じのとおり4軸の調整の枠組みがあって、その中でしっかりと、連合さんも含めて、そして北海道の立憲民主党さんも含めて一定合意した中身になっていますので、その意味では心配しておりません。
 原谷那美さん、34歳、女性の若き獣医師で、大動物の獣医もしていたので、北海道で戦うという意味では最適の、いい候補者が出てきたなと私は思っていますから、我が党を挙げて全力で応援していきたいと思いますし、連合さんの支援も取りつけておりますので、野党で2議席とれるようにしっかりと頑張っていきたいと思います。
 立憲民主党さんがさらに立てるかどうかについては今の時点ではよくわかりませんので、コメントは差し控えたいと思います。
 とにかく我が党のすばらしい女性候補者が見つかったと思いますので、必勝に向けて全力で頑張りたいと思います。

○参議院の会派構成について

【毎日新聞・遠藤記者】
 参議院の会派について伺いたい。千葉の長浜博行議員が離党も検討しているというような報道があったが、その後、長浜氏から何か申し入れ等があったのかという確認と、きょう立憲民主党会派に野田国義議員が加わり参院の数が並んだことになるが、それについての受けとめをお願いしたい。

【代表】
 まだ各派協議会も始まっていないので、引き続きいろいろな調整が行われていると伺っています。
 長浜議員については、今のところ何か動きがあるということは聞いておりません。
 野田国義さんについては、これは政治家としての一つの判断かなと思っております。
 とにかく、今、24・24という同数になっているという認識でありますが、ここは参議院中心となって最終的な臨時国会開会に向けての調整が行われると認識しております。

○離党届の扱いについて(2)

【フリーランス・堀田記者】
 きょう、今井さんの離党は認められたわけではないのですね。

【代表】
 認められたわけではありません。

【フリーランス・堀田記者】
 きのう、枝野さんが今井さんと野田さんと握手している写真をマスコミにとらせた。岐阜新聞さんにお伺いすると立憲は今井さんの会派入りを認めたような感じだが、要するに、前の蓮舫さんのときも同じだが、国民がまだ離党を認めていないのに立憲は入党を認めた。はっきり言って礼節をわきまえない党と、これからいろいろなことで話し合いはできますか。

【代表】
 ちょっとその絵をとった、とられたということについては把握しておりませんが、公党同士の関係ですから、お互いに尊重し合って、礼節を持ってつき合っていくことが大切だとは思います。

【フリーランス・堀田記者】
 礼節を持ってつき合えるか。

【代表】
 我々は礼節を持って臨みたいと思っています。

○普天間基地移設問題について

【フリーランス・堀田記者】
 沖縄県知事選では玉城さんが勝った。同じ日に行われた宜野湾の市長選挙では、佐喜真淳さんの後継の人、普天間基地をなくして辺野古に移してくれという人が勝った。もちろん沖縄知事選も宜野湾市長選もシングルイシューではないが。これを受けて、今いろいろと辺野古の問題でもめていて、きょうもPTをやっているが、辺野古にV字で基地をつくるということを決めたのは菅さんと枝野さんと福山さんのときの内閣だ。今度、辺野古のPTで3人を呼んで、どうして決めたのかと、そういうことをやるような意思はあるか。

【代表】
 その3人を呼ぶかどうかは別として、これまでの政策決定の過程は逃げることなくしっかりとレビューしていくことは必要だと思います。単に「反対」と言うことは確かに簡単です。ただ、安全保障の問題はそんなに単純ではないので、まずはしっかりと検証、レビューすることが大事だと私は思います。
 相手のある話、アメリカのある話ですから、鳩山政権のもとで非常に混乱したということについてはやはり反省すべきだし、そのことについては、我々別の政党になりましたが、ただ、あのとき近くで見ていた者としてやはり忘れてはならないし、それをなかったことにすることもすべきではないと思います。きちんとそれを受けとめた上で、これからどうしていくのかということに対して責任ある取りまとめ、あるいは考え方をまとめて国民の皆さんにお示しする責任があると思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 実際にV字で工事を閣議決定したのは菅内閣だ。これは何でやったのかということを、今、辺野古のPTなんかは全然やっていない。隔靴掻痒の議論をいつもやっているものだから、一度菅さんと枝野さんを呼んで、どうして決めたのかと、決める前にはその下の土地はどうなっているのかと、そういったことを聞いたほうがいいと思う。

【代表】
 貴重な意見として承りたいと思います。ありがとうございます。

○参院選 候補者擁立について(2)

【産経新聞・廣池記者】
 共産党の小池書記局長が本日の会見で、来年の参院選に向けて相互推薦を含めた野党間の協力について協議を始めたいということを各野党に伝えたと明らかにした。国民民主党はこれに応じる考えはあるか。

【代表】
 いや、我々受けたという認識は、少なくとも私はありませんので。まずそういう形で相互推薦というよりも、いい候補者をまず探さないと調整もへったくれもないというのが現状ですので。きょうも鹿児島県で女性のすばらしい候補を擁立することができましたが、まずは特に32ある1人区でいい候補者を必死になって探していくことが先だと思います。その上でどのような調整をしていくのかという話になってくると思いますが、それは次の話ということで考えています。

○安倍首相の自宅・事務所への放火未遂事件について

【「フランス10」・濱田記者】
 代表に伺いたいが、先頭に立ってバッタバッタと切り込んでいくと以前言っていたが、いわゆる「ケチって火炎瓶」の問題を国会で発言していくつもりはあるか。

【代表】
 以前もご質問いただいてフランス10さんにはお答えさせていただきましたが、あれは、まず安倍総理・安倍事務所側は被害者です。まずその認識の上で物を捉える必要があると思っています。ただ一方で、裁判の中で明らかになった、反社会的勢力に依頼をしてそういった選挙妨害をしたということであれば、それはそれとしてやはりさまざまな政治的な責任が問われると思いますので、そこは総理にも説明責任があるというのは前回申し上げたとおりです。
 それを国会で、あるいはどういった委員会で取り上げていくのかということについては、これから国対委員長ともよく相談して決めていきたいと思っています。

○参院選 候補者擁立について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 長野選挙区は羽田雄一郎さんに決まったのですよね。

【代表】
 はい。

【フリーランス・堀田記者】
 今度の国会が始まってから、枝野代表は文科省スキャンダルをやるべきだと、閉会中審査をしてもやるべきだと言ったが、文科省スキャンダルの主役は立憲民主党の吉田統彦さんだとわかってからトーンダウンした。羽田さんもいろいろな疑惑を書かれているから、一度きちんと会見で、俺はここまでやったけど金をもらっていないということを言わないと、選挙が始まってからいろいろと攻撃される。民主党系の人はスキャンダルに関しては全然説明しないから、これはやっておくべきだ。

【代表】
 ありがとうございます。確かにそのとおりだと思います。選挙に出る立場としては、あらゆることに対してきちんと説明責任を果たしていくことが大事だと思いますので。
 私もいろいろお話を伺っていますが、法的な問題はないというふうには理解をしています。ただ、さまざまなことが取り上げられたときに、そういった道義的責任・説明責任ということは法的責任の有無とは別にまたあるとは思いますので、そこはそれぞれ個人として必要な説明は果たしていくということだと思いますし、果たされると思っています。