玉木雄一郎代表記者会見

2018年10月31日(水)14時02分~14時36分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/sBFYniBW_To


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○米国抜きでのTPP発効について

【代表】
 まず、12月30日に米国抜きのTPPが発効する見込みとなりました。これまで安倍総理は「米国抜きのTPPは意味がない」というふうに何度もおっしゃってきましたが、結局、米国抜きのTPPが発足することになりました。この米国抜きのTPPにどのような意味があるのか、国民にしっかりとした説明を(政府に)求めたいと思います。
 あわせて、アメリカが抜けると実は、「セーフガード」という輸入量が一定になると関税が高い水準に戻るという措置がありますが、アメリカが抜けてもセーフガードの水準が変わらない状況のまま発効しますので、そのセーフガードが発動される水準が満たされることは基本的にありません。ですから、そもそも急増する輸入に対して国内の農業を守るセーフガードが全く働かないということになり得ます。このことについては見直しを行うということを政府はこれまでも言ってきましたが、見直す見込みが全くないということで、このことについては国会の中でも厳しく追及していきたいと思います。

○普天間基地移設問題 埋め立て承認撤回処分の効力停止について

【代表】
 次に、普天間基地の移転の問題についてであります。昨日の埋め立て承認撤回処分の効力停止を受けて、あしたにでも海上工事を再開し、年内にも土砂の投入ということが言われております。
 これまで、選挙を通じても沖縄の民意が示されてきたわけですが、全くそうした民意に寄り添うことなく強引に土砂の投入ということに突き進むのであれば、かえって日米同盟あるいは日本とアメリカとの関係を悪化させる懸念もありますから、慎重な対応を強く政府に求めたいと思います。玉城デニー知事とも丁寧な対話を行うべきだということを国民民主党としても強く求めたいと思っております。
 要は、土砂を投入してしまえばもう諦めるだろう、あるいは既成事実を積み上げていけば反対する心が折れるだろうということを狙っているのかもしれませんが、強引に進めることは将来の日米関係にとっても禍根を残すことになりかねませんので、改めて玉城デニー知事との丁寧な話し合い、じっくりと対話をすることを求めたいと思います。

○街頭活動の強化について

【代表】
 次に、あすの五反田駅を皮切りに、国会開会中の国民民主党としての街宣活動を再開したいと思っております。まずあすは五反田駅で17時30分から街頭活動をしていきたいと思っています。我が党の考え、政策をしっかりとアピールしていく意味でも、特に国会開会中はこうした活動を強化し、私自身も党内だけではなくて全国各地を回って国民の皆さんに呼びかけていく活動を強化したいと考えています。

○障がい者雇用の実施について

【代表】
 最後に、我が党としては、以前皆さんにもご指摘をいただきましたが、障がい者の雇用が法定の義務を満たしておりませんでした。大変恥ずかしいことであり、これは民主党・民進党時代から続いてきたことなのですが、45.5人以上雇用するところは障がい者を雇用する義務があり、それが霞が関において達成されていなかったということで厳しい批判にさらされていますが、我がほうとしてもこうした法的義務、(常時雇用労働者)100名以上が罰則というかペナルティー(障害者雇用納付金)がかかるわけですが、いずれにしても満たしていませんでしたので、来月から障がい者雇用を我が党としても行うということを決めましたので、この点ご報告を申し上げたいと思います。
 あわせて、障がい者雇用をしっかりと進めていくこと、これを霞が関のみならず民間企業に対しても、改めて私たちとしても呼びかけていきたいと思っております。


■質疑

○風疹予防接種呼びかけ 国民民主党の取り組みについて

【「フランス10」・及川記者】
 風疹について、先週報告があったので、私は翌々日にワクチンを打って、ヤフーニュースに「大流行中で妊婦への感染が危険な風疹 国民民主党はすべての議員・職員にワクチン接種へ」と記事にした。
 昨日の国立感染症研究所の発表では、ことしに入ってからの風疹患者が1486人に上り、昨年の20倍に達したということだ。昨日、国民民主党は希望者にワクチンを打たれたと思うが、そのことと、実際に流行がどんどん広がっていることについてコメントいただきたい。

【代表】
 私もきのうワクチン接種をしました。
 今、首都圏を中心に大流行しておりまして、今おっしゃったような数字も出ております。かつ、インフルエンザに比べても実際感染力が強いのが風疹でありまして、これから人混みの中で感染していくような可能性も高いので、党としてもそうした啓発活動も含めて党全体として取り組もうということで、きのう集中的な予防接種を行いました。
 特に妊娠されている方が感染しますと生まれてくる子どもに先天的な障がいが生じるということがありますので、その意味でも、自分の健康のためということに加えて、他人にそうした害を及ぼさないという意味でも風疹の予防接種が非常に大事だと思いますので、これは全国の皆さんにもしっかりと訴えていきたい。
 特に今30代・40代・50代の男性については受けてない方が多いと思いますので、しっかりと予防接種の必要性を国民民主党としても身をもって示していくということをこれからもやっていきたいと思います。

【「フランス10」・及川記者】
 接種は大体何人くらいが受けられたか。

【代表】
 党職員も含めて50名ぐらいだと聞いております。

○入管法改正・外国人労働者受け入れ拡大の議論について(1)

【日本経済新聞・溝呂木記者】
 本日の参院の代表質問で大塚代表代行が、外国人受け入れ、移民について質問された。その中で安倍首相に対して「そもそも移民政策ではないと強調するのはなぜですか。総理は、移民はよくないと認識しているということなのでしょうか」と質問され、明確な答えはなかったように思われるが、その関連で、月曜日の衆院の代表質問では玉木代表が「欧米で問題となっているような、いわゆる移民問題を発生させないためにも、包括的な外国人受け入れ政策が必要です」とおっしゃった。この「包括的な外国人受け入れ政策」というのは「移民政策」と同義と捉えてもよろしいものなのか。これは単なる「移民問題を発生させないためにも」の言いかえという理解でよろしいか。

【代表】
 安倍総理は「移民」という言葉を使いたがりません。しかし、家族の帯同に道を開き、そして永住にも道を開くような制度は、これは国際的に見ればいわゆる移民政策だと私たちは思います。
 我々は、その多様性を受け入れ、そして外国人とも共生する、そういった社会を築き上げていくのはこれからの日本の一つ進むべき道だと思っていますので、外国にも開かれた、あるいは外国人から見ても働いてみたい、行ってみたい、そういう国になるべきだと思っていますので、その意味では包括的な総合的な外国人受け入れ政策が必要だと思います。
 「移民ではない」ということを強調することによって、かえっていわゆる移民政策をとることができず、結果、欧米で言われているような移民問題が生じることが最悪だと思いますので、私たちとしてはまず人道的な観点から、家族の帯同については柔軟に道を開くこと。そして人権の観点から、同じ仕事をしたら同じ待遇が与えられる同一労働同一賃金のような仕組み。そして日本語の学習や社会保険の適用といった社会定着の仕組みをどうつくるのか。こういったことを総合的に整備していくことが必要だと思います。
 これらをしっかりと整えていくということは、欧米的に言えば、これはある種の移民政策、移民が入ってくることに対してメリットを最大限にして弊害を最小限にしていく、移民に対する政策だと思いますので、そういったことをきちんと正面から認めて政策議論を進めていくべきだと思います。ごまかしの中からは正しい政策が生まれてこないと考えます。

○谷垣前自民党総裁について

【日本テレビ・右松記者】
 本日お昼過ぎに、数年前に自転車で事故に遭われた谷垣前幹事長が総理官邸を訪問し、安倍総理と面会をした。元気な姿だったということなのだが、代表も自転車議連などに属しており、何か所見があれば一言お願いしたい。

【代表】
 本当によかったと思います。おっしゃったように自転車活用推進議員連盟の会長でもあられましたので、事故の後、非常に心配しておりましたが、きょう大変元気なお姿で官邸を訪問されたということで、本当によかったと思います。
 ただ、谷垣先生の元気な姿を見て思ったのは、谷垣先生が事故に遭わずに自民党内で要職を占めておられれば今のような自民党ではなかったのかなと思いますし、今のような国会、今のような政治ではなかったのかなというふうにも思います。自民党の中の多様性がやはり失われてしまっているなと常々申し上げておりますが、その意味では、谷垣先生がお元気になられたということであれば、与野党を超えてご指導いただいて、多様な意見が国会の中で議論し合える、そういう国会の回復・再生、そういったことにぜひ谷垣先生のお力添えをいただきたいなと思っています。

○入管法改正・外国人労働者受け入れ拡大の議論について(2)

【TBS・室井記者】
 外国人材の受け入れに伴う社会保障について伺いたい。大塚(参議院)会長も午前中の代表質問で総理に問いただしていたが、今後増える外国人材も現在の技能実習生の制度と同様に組合健保などは被保険者の3親等以内が対象と。これに関して、国民民主党のけさのPTなどでも、国民皆保険が崩壊するのではないかという指摘が出ていた。総理はこれに対して、現在の制度の見直しは考えていないと答弁したが、代表は制度の見直しについてはどのようにお考えか。

【代表】
 まず、外国人・日本人を問わず、外国にいる扶養している家族についてはそうした(健康保険で)医療を受けられる制度があります。これは、もし見直すのであれば、それは外国人・日本人を問わず、まず今の急増する社会保障費をどう適正化していくかという観点から、国内外関係なく効率化の話を議論していく必要があるなと思います。
 外国人については、よく不正も含めて行われているのではないかという議論がありますが、これから外国人がたくさん入ってくるということであれば、現状どれぐらいの外国人がこの健康保険制度に加入していて、そのための保険料をどれだけ払って、それに伴う国庫負担がどれだけあるのかという、まず現状をしっかり国会や国民に示してもらう必要があると思います。
 この質問を私は国会で代表質問をしましたが、総理は「精査中だ」と言って答えがありませんでした。ですから、今後見直しを行っていくにせよ行わないにせよ、まず現状把握をしっかりしていくこと、そして把握した事実を法案審議の前にしっかり出していただくことが法案審議に入っていく前提条件だと思います。データも実態もわからない中で議論することはできませんので、まずは特に今健康保険に入っている外国人の数や規模、そして実際にどれだけの保険料を払い、どれだけの医療サービスを受けて、それに伴う国庫負担がどれだけあるのか、こういう基本的な事実とデータを出していただく。これがなければ審議には応じられないということだと思います。

【TBS・室井記者】
 大塚さんは、いわゆる公的医療保険は国籍要件がない、だから厚労省なども外国人向けの支出を把握していない、データが出ていない理由だと。国籍要件についてはどのようにお考えか。

【代表】
 これはこれから議論が必要になってくるところかなと。国籍を求めるというのも一つだと思いますし、国と国との間で相互性というかレシプロシティというのが大事で、例えば我々がアメリカに行っても、私はソーシャル・セキュリティ・ナンバーをいただきました。ですから、逆に日本人が外国に行ったときに、その受け入れ国でどういう対応を受けられるのか。こういったことも含めて制度設計をしていくことが必要だと思います。
 逆に、受け入れる国も、その送り出し国がどういう社会保険の仕組みを持っているのか。こういうことも含めて、何人、どの業種で受け入れていくのかということを考える必要があると思います。どの国から入ってくる人なのかという議論が全く抜け落ちていると思いますので、社会保険の適用のあり方を考える上でも、一体日本はどういった仕組みのどういった国から受け入れるのだということもあわせてこれから議論していくべきだと思います。その中で、日本の社会保険、とりわけ(公的)医療保険を適用するのかしないのかということも決まってくるのかなと思います。

【読売新聞・須藤記者】
 入管難民法改正に関連して、データが出てくるのが議論の前提だと代表はおっしゃったが、対案路線を示す中で、金曜日にも閣議決定されるが、党としては現状で対案を出すのか、それとも反対をするのか、賛成するのか。その辺はどのように代表としてはお考えか。

【代表】
 現時点では未定です。とにかく出てきた法案、そしてその法案の仕上がりぐあいということをよく見て、我々としての対応を決めていきたい。
 ただ、不思議なのは、法案が出てくる前から3年たったら見直し条項がついているというのは、見直し条項をつけるのは要は不十分だということですよね。ならば、今出す法案をよりよいものにしてもらいたい。そんな生煮えの不十分な法案を国会に出すのはやめていただきたい。
 よく現状、データを精査した上で、それに基づく法案をつくって国会に出していただくのが筋だと思いますので、まずは法案の中身をよく見定めたいと思います。

○「たまきチャンネル」について

【「LGBTV」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。今後「たまきチャンネル」でLGBTを取り上げるつもりはあるか。例えば「二丁目」の若者にインタビューされたりとか、そういった予定はあるか。

【代表】
 ぜひ、いい提案があればやりたいなと思うので、「二丁目」の若者、私は友達がいないので、ご紹介いただければ、そういった企画もぜひ柔軟に検討していきたいなと思っています。

○国民投票法改正案 広告規制の必要性について

【共同通信・岩田記者】
 国民投票のCM規制について伺いたい。きのう党の憲法調査会で党としての独自の案が了承されたが、この実現に向けて今後国会でどのような対応をとっていくのか。また、憲法審でいつごろ示して、どのように実現を図っていくのか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 きのう我が党の憲法調査会総会で、いわゆるCM・広告規制の我が党の案をまとめました。今後、総務会で審議される予定ですが、今の国民投票法にこのCM・広告規制が入っていないことは極めて問題だと思っています。お金のある者、資力のある者が、そのお金に物を言わせて自分たちが通したい憲法改正案をどんどん宣伝してやっていくということは公平公正な国民投票の阻害要因になると思いますので、やはり一定の規制が必要だということで我が党案をまとめさせていただきました。
 これから憲法審査会で議論が行われると思いますが、さきの通常国会から積み残しになっているのがこの国民投票法の議論ですから、我が党としては憲法の議論、憲法に関する議論はしっかりとやっていきたいと思っています。だからこそ、その前提としてこのCM・広告規制を導入することについてしっかり議論の俎上に上げていただいて、そしてしっかりと導入に向けた議論を行うと約束いただくことが審議を進めていく大前提である条件だと思っていますので、特に自民党の関係者には、そうした私たち野党、そして少数派の思いや意見にもしっかりと耳を傾けていただきたい。そのことを改めて強くお願いしていきたいと思っています。

○憲法論議について

【産経新聞・廣池記者】
 憲法の関連で伺いたい。代表が先日の代表質問でおっしゃった「平和的改憲」について、立憲民主党にも賛同を呼びかけるお考えはあるのかということが一点。また、立憲の枝野代表との憲法観の違い、また共通点というのはどういったところにあるとお考えか。この2点をお聞きしたい。

【代表】
 他党に呼びかけるよりも、まずは党内で具体的な議論を進めていきたいと思っています。
 私は、自衛隊を明記する話ではなくて、その自衛隊が行使する自衛権についてしっかり議論すべきだということは従来からずっと申し上げてきておりましたし、その議論した自衛権の範囲を憲法上書き込むのか書き込まないのかということについてもあわせて検討すべきだということを申し上げてきました。その意味では一つの考え方を先般、代表質問でも示したので、まずは党内で具体的な議論を詰めていきたいと思っています。
 枝野代表の憲法観ということですが、具体的に直接話したことはないのですが、かつて枝野代表も私案として9条改正案を出しておられましたので、ある種、立憲主義を貫くという意味では、そうした自衛権の範囲を憲法上明記して一定の縛りをかけていくということについては同じような考えではないかなと。少なくともあの論文を読んだ限りでは、同じようなベースの考えをお持ちなのかなと思っていますので、とにかく立憲主義に魂を入れていくということが大事だと思っています。

【読売新聞・須藤記者】
 憲法の関連だが、今回憲法調査会がまとめた中には、CM規制と、投票日の規制も入っている。代表は常々CM規制が議論の大前提の条件だとおっしゃっているが、もしその部分がクリアされれば自民党が求めているような自民党案の議論についても乗るというお考えはあるか。

【代表】
 我々は、これは憲法だけではなくて、国会での各委員会、言論の府ですから、しっかり議論していくことは重要だと思っています。ですから、その前提として野党側の意見も聞いて、円満な議論ができる環境がしっかり整うのであれば、当然議論を拒否するものではありません。

○普天間基地移設問題について

【フリーランス・堀田記者】
 辺野古に関して伺いたい。玉木代表は今、民意と言ったが、玉城デニーさんは県知事に選ばれたが、同日の宜野湾市長選挙ではいわゆる自公の佐喜眞淳さんの後継の人が選ばれた。つまり、ここでは民意は、辺野古基地をつくってくれと。要するに、この普天間基地を早くなくしてくれというのが民意だが、どっちの民意が正しいのか。

【代表】
 普天間基地を移設してほしい、やめてほしい、ということは共通した民意なのだと思います。その結果、辺野古崎に新しい新基地をつくるかどうかについては、さまざまな意見があるし、少なくとも県知事選挙ではそれに反対を唱えた知事が2回連続当選したということは民意だと思います。
 ですから、世界一危険だと言われる普天間基地が今のままではだめだということについては、逆に言うと市長選挙でも示された民意だと思います。そのことを、じゃあどこに持っていくのか。あるいは単純な、普天間基地をなくすということだけなのかということについては、安全保障の観点も含めてさまざまな議論が必要だと思いますが、いずれにしても、この一連の選挙の中で示された民意をしっかり受けとめて解決策を探っていくことが日米の安全保障の観点からも重要だと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 玉木さんも国会議員になっていたからわかっていると思うが、辺野古に基地をつくるということは、2011年、第2次菅改造内閣で閣議決定して、それから工事が動き出した。
 これについて菅さんは逃げまくっているし、あのときの沖縄北方担当は兼任で枝野官房長官だ。それの反省もないまま、民主党全体が反省もないまま、今、辺野古に反対している。特に、はっきり言って辻元さんなんかは一番いけない。連立に入るときの条件として、辺野古の基地をなくすということをやって、それが鳩山さんでできなくなって、それで社民党が連立離脱して辻元さんも国交副大臣をやめた。やめたくないと、前原さんと抱きついたり、パフォーマンスもした。その反省もなく、今やっている。
 民主党全体が、あのときの判断は間違っていたということがなければ、これから先、進まないと思う。いつものようにブーメランだ。民主党の一員であった玉木さんは、あのときの判断をどう考えるか。

【代表】
 当時、私は1期生でしたので、政策決定に直接は関わっておりませんが、そういう決定をしたことについては、当時の民主党でおられた方々、もちろん私も含めてそうですが、やはりそこは一定の総括が必要だと私は思います。
 だからこそ私は、辺野古の基地の問題についてはやはりゼロベースで一回レビューしてみるべきだということを申し上げています。そういった過去の振り返りなくして何もなかったように「反対だ」と言うつもりはありません。やはりしっかりとそこは、そのときの判断としてはどうだったのか、今なおそれは有効なのか、安全保障の観点からも申し上げているように、あのときからかなり軍事的な技術も随分変わってきています。ですから、辺野古崎に今のような形態の基地をつくることが安全保障の観点からもベストなのかということも含めて、しっかりゼロベースでレビューしていくことが大事だと思います。

○大平元首相と現在の自民党について

【「フランス10」・及川記者】
 玉木さんは大平元首相のご遺族が支援されているが、大平さんに対する評価と、その頃の自民党と今の自民党を比べてどうお考えになるのか伺いたい。

【代表】
 大平元総理について申し上げれば、「楕円の哲学」ということに集約されているのかなと思います。真ん丸の円は焦点が一つしかないのですが、楕円というのは二つ焦点があって成り立つ。何でも一つに集約していくというよりも、時に相対立するものが絶妙な調和の中に併存しているということが世の中にとってもベストだと。ですから、異なる意見や対立する意見もしっかりと受けとめていこうということが大平哲学、「楕円の哲学」の真髄だと思います。
 ただ、今、安倍政権を見ていると、まさに「この道しかない」という言葉にあらわれるように、とにかく異なる意見をむしろ排除し、併存を認めず、駆逐していくというような態度が見えるので、その意味ではかつての多様性を受け入れてさまざまな意見があった自民党からすれば大きく変質してしまったなという印象です。

○障がい者雇用の実施について

【共同通信・岩田記者】
 冒頭、障がい者の雇用を来月からするというお話があったが、できれば現在党職員が何人いて、来月から雇われる障がい者の人数、雇用率が何%になるか、あと雇われる障がい者の方が身体なのか精神なのか種類も、公表できれば教えていただきたい。

【代表】
 党職員は、ちょっと後で確認しますが、現在60人強で、雇う人は1名です。障がいの種別については、これはちょっとプライバシーにも関わりますので言及は控えたいと思います。障がい者手帳をお持ちの、またそれを確認した方に働いていただくということであります。