玉木雄一郎代表記者会見(国民民主党タグライン発表)

2018年11月8日(木)8時54分~9時21分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/FEQzYCMH7YM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○国民民主党タグライン「つくろう、新しい答え。」を決定

【司会・伊藤孝恵コミュニケーション戦略本部事務局長】
 皆さん、おはようございます。朝早くからご参集いただきありがとうございます。
 ただいま、国民民主党のタグライン、「タグラインって、ちょっとわかりにくい」と皆さんに言われるのですが、我々は何者であるかというのを一言で表した言葉、何があっても揺るがない、我々の変わらないキャッチフレーズということになりますが、決定いたしましたので、代表の玉木よりご説明させていただきます。代表、お願いいたします。

【玉木雄一郎代表】
 今回、コミュニケーション戦略本部というものを立ち上げまして、私たちの党のイメージ、メッセージ、これをしっかりと整理した上でこれから展開を図っていこうと。そのもとになる私たちのアイデンティティーを表す言葉を整理して、それをきょう党内にも発表いたしました。
 それが、この国民民主党のアイデンティティー、「つくろう、新しい答え。」、これが私たちの原点であります。国民民主党の価値を一言で表す言葉として「つくろう、新しい答え。」ということを決めさせていただきました。
 これはお手元にも配っておりますが、ステートメントということで、解説を一部しております。
 「日本が進む、新しい道をつくりたい。だから私たちはここにいる」。5月に結党した私たち国民民主党は、一体何のために存在しているんだという自分たちの原点。さまざまなものをそぎ落としたときに残って、自分たちが国民にどういう価値を提供できるのかということを突き詰めたときに、これから内外さまざまな変化の時代です。そんな中で、既存の枠組みやルールにとらわれないで国民のための新しい選択肢、新しい道、「新しい答え」をつくっていこう。一人ひとりがそれぞれの得意分野で、国民の期待に、国民の不安に、そして国民の悩みに向き合い、そして解決できる答えを、「新しい答え」をつくっていこう。そういうことをこの言葉に込めました。
 そして私たち自身が、国民の皆さんに選んでいただける、国民の皆さんの期待を集めることができる「新しい答え」になりたい。国民民主党自身が「新しい答え」でありたいと、そんな思いも込めました。
 その後にも書いていますが、今、自民党が一強多弱という状況で、安倍政権もう6年目を迎えようとしていますが、自民党だけがこの国を担える政党ではない。自民党に取ってかわれる国民の選択肢があって初めて、政権はおごらず、偏らず、国民にとって正しい政治ができるのだと私たちは信じています。
 あわせて、この永田町の政治家だけがそうした問題解決をできるわけではなくて、家族、大切な人、子どもたちの視点でも物を見る、考える。そしてまた働く職場の仲間や同僚、そういった距離感で物を考える。そして高齢になり体が老いていく人、病気や障害の中で生きておられる方々。現場に足を運び、そういった方々の声をしっかりと受けとめ、そして応えることのできる、本物の答えを出していきたい。現場に寄り添うからこそ、私たちは求められる「新しい答え」を出すことができるのだと思います。
 そして、強い者、政権与党、とりわけこの一強多弱と言われる安倍政権が間違っているのだったら、私たちは勇気を持ってそれを正していきますし、そうした大きな力が見逃しているものがあれば、私たちは信念を持ってそのことを訴えていきたいと思っています。
 そのときに私たちは、自分たちの答えをしっかりとぶつけていきたい。単なる否定や反対だけではなくて、議論を前に進めて、よりよい未来へ進む答えを出していく。これが私たち国民民主党なのだと思います。「みんなの声を集めて、みんなで答えをつくっていこう」という立ち位置が私たち国民民主党だということです。
 そして「今日も原点へ、暮らしが動いている場所へ」と最後書きましたが、やはり私たちは現場にもう一度足を運び、国民の声に耳を傾け、そしてその声の先にある答えを、「新しい答え」をつくり出していこうということで、この「つくろう、新しい答え。」という私たちの原点を表す言葉を今回決めました。
 これをもとに、これからさまざまな活動、また広報展開をしていきたいと思っておりますので、まずはきょうの夕方5時半から有楽町で街頭演説をしますが、一人ひとりが、自分たちが社会、そして世の中の問題を解決できる「新しい答え」をつくり、探し、そしてそれを持ち寄った、「新しい答え」を出すことのできる集団として改めて私たち国民民主党のアイデンティティーを定めていきたいと思っています。


■質疑

○国民民主党タグライン「つくろう、新しい答え。」について

【朝日新聞・山岸記者】
 今回のキャッチフレーズ(タグライン)のつくり方を伺いたいが、どなたか議員の方の発案ということか、あるいは何か外部に委託して決めたかとか、どういった経緯で選んでいったのか伺いたい。

【玉木代表】
 コミュニケーション戦略本部、古川本部長のもとで立ち上がりまして、そのメンバーを中心に議論を積み重ねてまいりました。その際、もちろん外部のプロの皆さんの声や、あるいは客観的な世論調査の結果も踏まえて最終的に決めたということです。ですから、外部の人に丸投げしたわけでもなければ党内だけで決めたわけでもなくて、そうした客観的データやプロの声、そして党内の議員の声、そういったものを総合的にコミュニケーション戦略本部で集約して決めた言葉が、この「つくろう、新しい答え。」という言葉です。

【共同通信・岩田記者】
 具体的にこの言葉をどのように使っていくのか。印刷物を刷る際に使ったりするのか、どういう使い方をするのか少しご紹介いただきたい。

【玉木代表】
 これ(パネル)にあるように、一つロゴとセットで使いたいと思っています。「つくろう、新しい答え。 国民民主党」と。国民民主党というロゴが出てくるときには、チラシにしてもポスターにしても必ずセットで使っていこうと思っています。
 国民民主党といえば、とにかく世の中の問題を解決する「新しい答え」を常につくろうとしている政党なんだと。古いものを改めて世の中を変革し、そして国民の暮らしをよくしていく、このことが私たち国民民主党なんだということを定着させていきたいなと思っています。

【日本テレビ・右松記者】
 これまで、結党してから、「対決より解決」というキャッチフレーズもあったかに思う。このキャッチフレーズが、このタグライン「つくろう、新しい答え。」に取ってかわったという解釈でよろしいか。

【玉木代表】
 まず我々のもう一番の原点のアイデンティティーがこれだということですから、これからさらに個別の政策や選挙ごとにキャッチフレーズは、これに加えてまた使っていきたいなと思います。例えば「対決より解決」ということもこれまで申し上げてきましたが、ある意味、解決策を示そうということがその中心でしたが、逆にそれは少しバージョンアップしてというか、ここに包含されている、集約されていると思います。
 やはり「新しい答え」をつくっていこうというのは、解決策を示していこうというこれまで言ってきたことと軌を一にするものなので、そういう意味ではそれを包含してより上位の概念としてこれをしっかり置いて、ここからさらにまた発生するさまざまな言葉をつくっていきたいなと思っています。

【伊藤司会者】
 一点補足させていただきますと、タグラインは、いわゆる変わらないキャッチフレーズ、何があっても変わらないキャッチフレーズということになります。
 季節ごと、政策ごと、ターゲットごと、デバイスごと、そういったもので変わるものはキャッチフレーズ。例えば「対決より解決」というのも使っていきます。
 タグラインというのは私たちの最大のアイデンティティー、何があっても揺るがない、変わらないものというご理解をいただければと思います。

【時事通信・中山記者】
 このアイデンティティーを浸透させていくために、きょう夕方に新橋で街頭されると思うが、今後どういう活動をしていくか。決まっていることや、やっていきたいなと思っていることはあるか。

【玉木代表】
 まず、これに基づいてポスターやチラシを当然つくりたいと思いますし、あとは動画でのメッセージの発信もやっていきたいと思います。タグラインが決まりましたので、さまざまな形でこれを展開していく。まずは我が党は何なんだということを示す短い動画を、この言葉の説明も加えながらつくっていきたい。これを見てくれたら、「あ、国民民主党はこういうことをやる政党なんだ」「こういうほうを向いているんだ」ということがわかる動画配信などを積極的にやって、また拡散を図っていきたいなと思っています。

【テレビ朝日・河村記者】
 このキャッチフレーズ(タグライン)を決めたことで、具体的に例えば党の意思決定の仕方を変えるとか、あるいは、街頭演説をやったりZEROプラトンをやったりいろいろ今やっているが、このキャッチフレーズを浸透させるということ以外に党の具体的な活動として「こういうことをやっていこう」と今考えていらっしゃることがあれば教えていただきたい。

【玉木代表】
 新しい取り組みですか。これは既にさまざま、先ほど言及いただいたZEROプラトンのような、オープンイノベーション、外部の力を入れていくようなシンクタンクも動き始めましたし、あるいは、これからさまざまな対談を各分野の方と行って、そういったものを配信していくとか、動画のライブ配信とか、そういったものにもどんどん挑戦していきたいなと思っています。とにかく新しい試みはどんどんやりたいなと思っています。

【読売新聞・須藤記者】
 きょう両院懇談会でこの新しいキャッチフレーズ(タグライン)について協議されたと思うが、参加の議員からどのような意見等が出たか伺いたい。

【玉木代表】
 皆さん前向きな評価とご意見をいただきました。「一緒になって頑張っていこう」という意見でしたが、幾つかご意見があったのは、「新しい答え」ということで言えば、例えば東日本大震災の問題、もっと言うと原発問題などについて、やはり具体的な、それこそ「新しい答え」をしっかり示していくべきではないかと。例えば、タブーになって与党・野党ともなかなか進んでいない最終処分場の問題であるとか。
 もう一つは、それも同じなのですが、「新しい答え」というのは時に摩擦を起こします。既存のルールや既得権に挑戦することが多くなりますから。そのときに返り血を恐れずにブレずに進んでもらいたい、ということが要望・意見としてありました。
 ですから、本当に党全体として覚悟を決めて「新しい答え」をつくり出していこうと。そういう励ましと決意表明のようなこともありました。

【産経新聞・廣池記者】
 このタイミングで新しいキャッチコピー(タグライン)を発表した理由、狙いはどういったところにあるか。

【玉木代表】
 結党からちょうど半年を迎えましたので、この結党半年というタイミングで発表させていただいたということです。

【朝日新聞・山岸記者】
 語感について聞きたい。例えば他党では、立憲民主党は「まっとうな政治」、自民党は「この道しかない」とか「進める責任」とか、大体キャッチフレーズというと「〇〇な政治」とか「責任〇〇」とか、そういった言葉が多いのかなという印象があるが、そういう意味でいうとなかなか目にしない言葉使いかなという気もする。こういった言葉の並びを選ばれた理由について伺いたい。

【古川元久コミュニケーション戦略本部本部長】
 すみません。これはうちの党内もそうなのですが、皆さんの中でもたぶん混乱している。キャッチコピーとタグラインはちょっと違うので、自民党の「この道しかない」は、あれはキャッチコピーなのです。
 順番に言うと、先ほど伊藤事務局長のほうから話がありましたが、これはいわばそれぞれの会社のコーポレートアイデンティティー、CIみたいなものです。CIがあって、それぞれ何かキャンペーンをやるときはまたキャッチコピーが出ます。だから実はキャッチコピーは、このタグラインがあって、その後、それぞれ別々の何かのときに、その図に合わせたキャッチコピーが出てくるのであって、そのキャッチコピーとタグラインというのは全く似て非なるものなのですね。
 先ほどの「対決より解決」などは、これはいわゆるキャッチコピー。それは下位概念なのです。もっと上位の、我が党は何者なのかということを示すのがタグライン。会社でいえばCIなのです。
 我が党、国民民主党の場合は、さまざまな調査などを見ても、なかなか知られていない。「何をする政党なのかわからない」ということをずっと言われてまいりましたので、まず「我々が何者なのか。我々というのはこういう存在なんだ」ということを確認をして、それをしっかり伝えていく。
 だから今回新たに決めたというよりも、最初に代表が申し上げましたが、ずっとずっと絞っていって、言ってみれば皮をむいてどんどん削っていったら、一番この党のコアとして残るものは何か。そこは何なのかと、それを確認する作業をやってきて、そして見えてきたもの。それを一言で表すとしたら何か。それは「つくろう、新しい答え。」。これが一言であって、それはどういうことなのかということをもう少し詳しく説明したのが、このステートメントです。
 ですから、一言で言えば「つくろう、新しい答え。」。これがじゃあどういう意味なのかといえば、これはステートメント。これはワンセットみたいなものなのですが、ここがあって、その後で、じゃあそれぞれの対応とか状況に応じてキャッチコピーをどうするかということになるのです。
 他の党のは基本的にはキャッチコピーのたぐいのところだと思うので、やはりそこはちょっと違いがあると。同じレベルではなくて、ちょっと違うと我々認識していますので、「キャッチコピー」「キャッチコピー」と報道されると、横並びでそういうふうかと。キャッチコピーではないのです。これからそれぞれのところへ行ってキャッチコピーも出していきますが、その上位概念にあるというところだけ、わかりにくいのですが、ぜひ皆さんもご理解をいただければと思います。

【玉木代表】
 非常に平易な言葉を使っているのですが、それ自体が私たちの「新しい答え」です。つまり、20代・30代を中心に、なかなかこの政治の言葉が難しいのと、訴求しないということも分析の中で明らかになってきたので、できるだけ日常で使う平易な言葉で私たちのアイデンティティーを表そうということで、こういう、あまり他党が使っていない言葉になったし、したということです。

【日本テレビ・右松記者】
 この「新しい答え」をもっと一般的な言葉で言うと、いわゆる「対案」というようなイメージなのかなと思うが、近々進めていきたい「新しい答え」というのは具体的にどのような法案だったり提案だったりするのか伺いたい。

【玉木代表】
 代表質問の中に幾つか内外の政策についての提案というのは盛り込んだと思いますが、例えば中小企業の社会保険料負担を軽くしていくという、そういった法案を出したいというのは私たちなりの「新しい答え」です。
 これまでは、例えば企業を助けようということであれば「法人税を減税したらいい」とか「補助金を出したらいい」というのがある種の旧来の答えだったと思います。ただ、法人税の減税はかなり進んでいるのと、もともと中小企業は法人税は軽減されていますし、補助金をバンバンやるということに、はたして経済をよくする効果があるのか。疑問の補助金も出ている。
 そういった中で、やはり正社員を雇いたくてもなかなか雇えないとか、そういう社会問題も他方である中で、社会保険料負担の軽減という形で中小企業対策をしていくのは私たちなりの「新しい答え」だし、「新しい答え」をつくってきたと思いますから、こういうことをどんどん出していきたいなと思います。

【日本経済新聞・溝呂木記者】
 この玉木代表の写真のチョイスと、このコピー(タグライン)の説明についてだが、生活者目線を取り戻すような問題意識もあったのか伺いたい。

【玉木代表】
 そうですね。ステートメントの真ん中に書いていますが、私たち永田町目線ばかりになりがちなのですが、やはり家族とか、子どもたち、あるいは仲間、同僚、高齢者、介護する人、される人。こういう生活の原点に。下から2行目に書いていますが、好きな言葉でもあるのですが、「今日も原点へ、暮らしが動いている場所へ」ということに込めたのはそういう意味です。
 やはり私たちは国民生活を向上させることが大きな目標であり、その目標を達成するために社会の変革や改革や「新しい答え」をつくり出していく。そういうことですので、「新しい答え」をつくり出した結果やるべきことは暮らしをよくしていくということで、暮らしに寄り添っていきたいと思います。

【NHK・森田記者】
 今の資料を拝見すると、さまざま高齢者から子どもまで幅広い層を対象にされているのかなと思うが、このタグラインにターゲットみたいなものはあるのか。

【玉木代表】
 もちろん全ての国民に届いてほしいと思っていますが、やはり私たちは綱領の中に「未来への責任」ということを書き込んでいますから、特に若い世代ですね。自分よりも若い、特に40代・30代・20代・10代、そういう若い人たちが希望を持って生きていくことのできる社会、これをつくりたいというのが強い思いでもあります。実際、今、若い人の野党支持は実は極めて少ないのが現状ですから、そういう世代にこそ「新しい答え」で新しいメッセージを伝えていきたいと思っています。

【テレビ朝日・河村記者】
 技術的というか、記事を書く上での確認だが、先ほど古川さんからキャッチコピーより上位概念というご説明があったが、これはどういうふうに表現すればいいのか。党のコンセプトなのか、何というワードか。

【玉木代表】
 何かタグラインと言ってもたぶん一般の人はわからないのですが、ある説明によると、タグラインというのは、一切不変せず、常に変わらない、お客様に提供しているコアとなる価値を言葉にしたもの、だそうです。
 キャッチコピーは、キャンペーンごと、季節ごと、ターゲット層ごとに変化させて、効率よく相手に届けるための言葉でありメッセージ、なのだそうです。
 だからタグラインと言うと、キャッチコピーほど軽くないし、キャッチコピーより強いもの、とありますが、詳細は伊藤孝恵さんに聞いていただければと思います。

【伊藤司会者】
 例えば資生堂だったら、「一瞬も一生も美しく 資生堂」というのがCIなのですね。だけど商品は、マキアージュを売りたいとなったら「見せるルージュ マキアージュ」なのです。そういう季節ごととか商品ごとに可変性があるものはキャッチコピーと表現されますし、それでもその商品をつくっているのは資生堂という企業ですが、この企業の自己紹介である一文は「一瞬も一生も美しく 資生堂」なわけで、この企業の「私たちは何者であるか」という自己紹介の一文が今回のタグラインになります。

【産経新聞・廣池記者】
 このタグラインは、来年の参院選・統一地方選でも、ポスターやチラシなどに使われる予定か。

【玉木代表】
 基本的に不変の価値として伝えるものなので、このロゴを使うようなところには基本的に使うと思います。
 例えば年金を我々が重視するということであれば、例えば「減らない年金、消えない年金」ということになって、年金制度に着目したキャッチコピーだったらまた別途そういうものがあり得ると思いますが、ただ、我が党を表す言葉としてこれは普遍的にこれから使い続けようと思っています。