玉木雄一郎代表記者会見

2018年12月5日(水)17時40分~17時59分
編集・発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/5h2uo2slMdo


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○入管法改正案・対案の審議について

【代表】
 まず入管難民法でありますが、我が党として、地方の人材確保あるいは客観的で合理的な受け入れ上限を産業別・地域別に設定すべきだというような内容を中心とした対案を提出いたしました。
 昨日からこの法案の審議が始まっておりまして、他党からもご質問をいただくなど、やはりしっかりと対案を出して政府案と並べて議論することの意義は非常に大きいと思っております。
 衆議院でも明らかになりましたが、(閣法は)さまざまな穴だらけの法案でありますから、その穴をしっかりと塞いでいくような審議が必要だと思っておりまして、その意味では非常にいい議論ができているのではないかと思っております。このまま穴だらけの法案を通すことがないように、引き続き議論を深めていきたいと考えております。

○憲法論議 憲法審査会審議について

【代表】
 憲法審査会が、どうやらこの国会、もう開かれないということになったようであります。
 私たちとしては、さきの国会からの継続案件である国民投票法の議論、とりわけCM・広告規制をしっかり入れるべきだという対案まで用意して議論に臨む予定でありましたが、某自民党幹部の失言もありまして、残念ながら開かれなくなったということでありまして、オウンゴールというか自爆というか、与野党の丁寧な合意に基づく真摯な議論が結局なされなかったことは残念であります。
 一方で、なぜ幹事の選任だけあんなに強引にやったのか。私どもの階猛議員、あるいは奥野総一郎議員、メンバーがとても参加できないようなときに幹事懇なりそういった場を設けてしまったのか。いまだに理解に苦しみます。

○中小企業社会保険料負担軽減法案の提出について

【代表】
 きょう間もなく、18時半から、我が党がまとめた中小企業の社会保険料負担を軽減する議員立法(中小企業正規労働者雇入臨時助成金の支給に関する法律案)を参議院に提出いたします。
 私たちなりの経済政策の一環として、大企業を支援することも一つですが、私たちとしてはやはり中小企業をしっかり応援していく。そして、赤字になっても社会保険料負担というのは大きな負担が企業にかかりますから、ここをしっかりと軽減していくということで法案をまとめましたので、提出することにいたしました。


■質疑

○憲法論議 憲法審査会審議について

【朝日新聞・山岸記者】
 冒頭お話があったが、憲法審に関して。当初安倍総理・総裁が目的としていた今国会中の4項目の提示ができずに終わることになる。野党としては阻止したという格好になるが、この評価と、また通常国会でどういうふうに憲法審の審議に臨んでいかれるか伺いたい。

【代表】
 我々、阻止したという意識は全くありません。勝手に自爆している、あるいは自滅しているという感じですから。
 やはり丁寧に与野党の合意を取りつけるということを怠った結果だと思います。憲法というのは最高法規でありますから、一部の与党だけが数の力で進めていくべきものではありませんから、これからも与野党の丁寧な合意の中で議論を進めていきたいし、そういう環境をぜひ与党にはつくり上げていただきたいなと思います。
 通常国会になっても、まずやるべきは、さきの国会から積み残している国民投票法の議論をやはりきちんとやるべきだと思います。特に私たちは、繰り返しになりますが、CM・広告規制、これをきちんとやるべきだと。お金の力、資力によって国民投票の結果に影響が出るようなことはやはり公平性の観点から問題だと思いますから、私たちの対案もしっかりと議論し、導入していただくという前提の中で、まずは国民投票法の議論をしていただきたいと思います。
 4項目については、どうやらそれを提案したいということなのですが、そもそも中身の固まり切ったものなのかよくわかりませんし、もう少し党内あるいは与党の中でしっかり議論していただきたいなというのが感想です。

○入管法改正案について(1)

【NHK・森田記者】
 冒頭の発言に関連して。入管法、穴だらけの法案を通すことがないようにということだが、与党側はあすにも採決の構えだ。具体的にどのような対抗策を考えているか。また、会期末になると大臣問責なども想定されるが、こういったことにはいずれもほかの野党と足並みをそろえて対応するお考えかどうか伺いたい。

【代表】
 今、我々、対案を出していますから、いい議論をしながら、最終的に我がほうの対案に理解を得ていく努力を最後まで続けていくというのが今現在の戦略です。
 その先のことは、またさまざまな議論の進展を踏まえて判断していきたいと考えています。

○統一地方選挙 候補者擁立について

【共同通信・岩田記者】
 来年の統一地方選を国民民主党としてはどのように位置づけて、獲得議席数の目標などはどのように考えているか伺いたい。あわせて、女性候補の擁立の目標もあったら伺いたい。

【代表】
 まず、我が党は地方組織そして自治体議員を大切にする政党です。ですから、国会議員だけではなくて自治体議員の皆さんがあってこそ我が党が成り立っていると思っていますので、来年4月の統一自治体議員選挙は、その意味で党を挙げて全力で取り組んでいきたいと思っています。
 獲得議席数ですが、きょうも公認・推薦ということを総務会で決めましたが、現在750人くらい我が党所属の自治体議員がおりますが、まずその数がしっかりと維持できるようにというのが大原則でありますし、それを1議席でも多くふやせるように努力していきたいと思っております。
 女性については、いい方が立候補いただいております。3割(女性候補者擁立目標)については、ちょっとまだ集計できておりませんが、今、参議院選挙の候補者も擁立を進めておりますが、かなりいい女性の方が手を挙げてきてくれているのもあるので、参議院選挙においては達成できるのではないかなと思っています。すみません、自治体議員選挙はまだ全体像が見えていないので、ちょっとどれぐらい達成できているのかまだわかりません。

【共同通信・岩田記者】
 確認だが、統一地方選挙でも女性3割を目標にされているのか。

【代表】
 さきの通常国会で、いわゆる「政治分野における男女共同参画推進法」ができましたので、もちろん地方選挙においてもぜひ3割を目指していきたい。できれば50%ですが、30%を自治体議員(選挙)においても達成できるように努力を最後まで続けたいと思っています。

○入管法改正案について(2)

【毎日新聞・遠藤記者】
 入管法の関係だが、対案を出してきたということだが、最終的には扱いがどうなるかわからないとは思うが、今後、附帯決議等を求められていくお考えはあるか。

【代表】
 今は審議の途中ですから、対案を出している立場からすれば、その対案をご理解いただいて通していくことに全力を挙げるということだと思います。
 最終的にどうなるかというのは、今の時点ではさまざまな選択肢があると思いますが、とにかく今の法案のまま通ってしまうことはやはり大きな問題があると思いますので、穴が10個あるとすれば、それを一つでも二つでも塞いで、日本人と外国人双方にとってよりよい法案となるように最大限の努力をしていきたいと思っています。

○水道法改正案について

【朝日新聞・山岸記者】
 水道法の改正について。先ほど参院から戻ってきた法案が衆院の厚労委を通過したので、あした成立になるかと思う。この間、いろいろな問題点も指摘されてきたが、改めてこの法案の問題点をどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 さまざま民間の力を活用していくということについては否定するものではありませんが、ただ、国会の審議の中でも幾つか明らかになった問題点がありまして、特にやはり各国の例を見ても、「水道料金が上がるのではないか」、あるいは「再び公営化するのではないか」、幾つかの例も挙げられながらそういった問題点も指摘をされました。
 特に、「老朽化した水道管をメンテナンスしていかなければいけない。それが非常にお金がかかるので、地方公共団体では難しくなっているので民営化」というのが一つの考えだと思いますが、ということは結局、老朽化した水道管をかえるためにはお金が要るわけであって、それを民間が担うとすれば、やはりそれは水道料金を上げて賄わないと民間の事業としては成り立たないわけです。
 こういったことが実際どうなのか。地域によっても違いが出てくると思いますが、そうした懸念に必ずしも十分答えられていないという意味では、やはり生活に直結する水という大切な、生活にも不可欠なものを民営化することの懸念が十分に取り去られていないまま成立をしたということになります。
 ですから、これからも、成立後も引き続き、本当にうまくいくのか、問題はないのか、継続的にチェックをしていかなければならないと思っています。

○技能実習生への「最賃割れ」不払い賃金について

【日本テレビ・右松記者】
 先ほど午後の衆議院厚労委員会で山井和則議員が質問し、技能実習生の最賃割れの実態を至急調査した上で、本国に帰ってしまった人も含めて過去の未払い分を支払えということを根本大臣に迫ったところ、調査する、中国への送金などもするという答弁だった。このことの評価について伺いたい。

【代表】
 それは思い切った発言だと思います。それができるならば、当然やるべきだと思います。
 もともとあの資料を私たちがコピーできない一つの理由は、刑事訴追の可能性もあるし、そういったさまざまな係争案件のもとになるということだったと思うのですが、あそこにもし違法行為の端緒があるのであれば、それをもとに告発すべきものは告発すべきだと思いますし、そういった賃金の未払い等を証明できるものがあれば、それに基づいてしっかりと払うべき人が払うというのが筋だと思います。
 法務省におかれては、法務省を中心に政府全体として、あの個票(失踪した技能実習生の聴取票)に出てくる問題点をしっかりと再調査をして、そしてしかるべき措置をとっていただきたいと思います。

○防衛大綱改定 「いずも」空母化方針について

【朝日新聞・山岸記者】
 「いずも」型護衛艦のいわゆる空母化について伺いたい。防衛大綱の議論が大詰めになっているが、代表は以前の会見でも国会での議論が不十分だとお話しになっていた。その後さらに時間がたち、大詰めのタイミングを迎えている中でいわゆる空母化が決定されようとしている、この状況についての認識を伺いたい。

【代表】
 どんどん、何の説明もなく既存の防衛方針を変えていくようなことが進んでいることには、やはり大きな懸念を持ちます。
 もちろん安全保障環境の変化、あるいは武器・兵器の技術的な進歩というのもありますから、ずっと同じことを続けるということが必ずしもいいとは思いませんが、ただ、他国を攻撃できる能力を仮に持つようになるとすれば、それはこれまでの専守防衛という防衛の基本的な考え方を逸脱する可能性があるわけですし、十分な説明なくそういうことをやれば、やはりそれは国内の国民だけではなくて、諸外国、外国の方もあらぬ懸念を持つ可能性があります。それは日本の安全保障環境にとって必ずしもいいものではありませんから、やはりしっかりとまず説明を求めたいと思います。
 今、防衛大綱の見直しなども行われているのですが、「こういう大綱をつくって、こういう新しい方針でいくから、こうだ」という順番ならわかるのですが、空母のあり方が変わりますとか、実際の兵器や武器の変更のほうが先に報道されて、それでどんどん既成事実が積み上がっていくことについては非常に危機感を覚えます。

○党首討論の未開催について

【時事通信・御船記者】
 今国会で党首討論が行われない見通しとなった。さきの通常国会で枝野代表や総理から「歴史的使命を終えた」といった趣旨の発言があったが、今回行われなかったことに関して代表はどのように受けとめているか伺いたい。

【代表】
 今からでも、ぜひやってもらいたいです。歴史的使命は終わっていないと思います。党首討論は極めて大事だと私は思っていますから、今からでもやってもらいたいですね。
 私は、5月の党首討論で北方領土の問題も取り上げましたし、それを受けて先般の代表質問をし、また、この前のシンガポールでの日露首脳会談の一つの結果もあったと思いますから、そういったことを継続して党首間で議論していく。国益をかけた議論をしっかりやっていきたいと思うので、この臨時国会で仮に党首討論が開かれないとしたら極めて残念です。
 「国会改革を超党派でやっていく」、そういう機運もできておりましたし、自民党では小泉進次郎さんなどを中心にやっておりましたが、あの中に、党首討論を何週間に一回、夜にやろうということまで書いているわけですから、ぜひ自民党の中からも「党首討論をやろう」という機運を若手からも出してもらいたい。
 いつでも受けられますし、いつでも受けたいと思っているので、ぜひ党首討論をやらせてもらいたい、やりたいと思います。