玉木雄一郎代表記者会見(党大会終了後)
2019年1月12日(土)15時17分~15時41分
発行/国民民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/GBOMsfBoBZA
■冒頭発言
■質疑
- 野党連携について(1)
- 辺野古土砂投入「サンゴは移した」首相発言について
- LGBTに関する自民・平沢議員の発言について
- 野党連携について(2)
- 党大会を振り返って
- 参院選 候補者擁立について(1)
- 政党コマーシャルの制作について
- 党大会「渾身の挨拶」について
- 参院選 候補者擁立について(2)
■冒頭発言
○国民民主党2019年度定期大会を終えて
【代表】
きょうは、皆さんありがとうございました。国民民主党としての党大会をきょうは開催することができました。
非常に明るい、元気な党大会になったと思います。特に、この厳しい中、ことしの自治体議員選挙、そして参議院選挙に挑む候補者がきょう壇上に上がりましたが、彼らの志、思い、そういったものを聞かせていただいて、私たちがむしろ元気をもらったと思いますので、ぜひ自治体議員、候補者、現職の国会議員、みんなが力を合わせてこれから頑張っていきたいと思いました。
■質疑
○野党連携について(1)
【朝日新聞・山岸記者】
党大会でのスピーチの中で、協力できる党や会派とは大きな固まりをつくるための協議に入るとおっしゃった。もう少し詳しくお聞きしたいが、今のところどういった党や会派を念頭に置かれているのか。また、ここで言う「大きな固まり」とは、統一会派とか党の合併とかさまざまあるが、どういったものを想定していらっしゃるのか。この辺はいかがか。
【代表】
きょう申し上げたように、野党が今ばらばらになっていることが、国民の皆さんの失望・不満、そしてまた党に所属している議員たちの不安の源になっていると思いますので、やはり政権を担うに足る野党の受け皿というものをいかにつくっていくのかということが私たち野党の責任だと思っています。
これまでも、臨時国会の初めなどには統一会派を各党にも呼びかけていくということを申し上げましたが、基本的には同じ考えでいます。これまでもさまざまなコミュニケーションを各党・各会派としてきましたが、具体的に動くところがあれば動かしていきたいと思っておりますので、具体的な党・会派はあえてここでは申し上げませんが、ぜひ踏み込んだ、そういった動きにつながっていくように、やはり大きな固まりをつくっていく、強い野党をつくっていく第一歩を踏み出していきたいと思っています。
【朝日新聞・山岸記者】
関連で。タイミングとしては、ひとまず通常国会開会までに何らか動きを出していきたいということでよろしいか。
【代表】
そうですね、通常国会が一つのめどだとは思いますが、大きく言えばやはり7月の参議院選挙、ここに向けて、どういう道筋で、どういう連携ができるのかということがポイントになっていくと思いますので、それぞれ節目節目をしっかり頭に入れながら、少しでも前に、あるいは少しでも大きな固まりにしていけるように努力をしたいと思っています。
もちろんそれぞれの政党がそれぞれの主張をすることは大切だと思います。ただ、国民の側に立って見たときに、野党が違いを強調してお互いにばらばらでいることは一体どう見えているのかなということで、違いを探すよりも共通点を探して、できるだけ大きな固まりに近づけていく努力をしていきたいと思います。
○辺野古土砂投入「サンゴは移した」首相発言について
【「フランス10」・及川記者】
先週の会見で、辺野古のサンゴ移植の問題、玉木代表が関係省庁に問い合わせても回答がなかったということだったが、菅官房長官がきのうその件についてコメントされた。そのことについてどう思うかということが一点。
あと、きょう皆さん服が黄色でいらっしゃるが、これはフランスの黄色いベスト運動のように安倍打倒を盛り上げていこうという意図なのか。以上2点伺いたい。
【代表】
まず辺野古崎の新基地建設の件ですが、防衛省に問い合わせをしましたところ、9群体を既に移植しているということでしたが、その後回答が来まして、1群体は今の埋め立てのところではないところから移植をしている。残りの8群体についても、今の基地建設のところのむしろ北側のほう、大浦湾の北側ということでしたので、既に移植している9群体についてはいずれも今土砂投入が行われている区域からの移植ではなかったことが明らかになりましたので、その意味では先般のNHK「日曜討論」での総理の発言というのは正確なものではなかったなと考えています。
黄色の件ですが、党のカラーということで、フランスのベスト運動とつなげるのはちょっとこじつけかなと思います。
○LGBTに関する自民・平沢議員の発言について
【「フランス10」・坂井記者】
ゲイレポーター、酒井佑人です。自民党の平沢勝栄議員が、山梨県内で開かれた集会で、「LGBTばかりになったら国が潰れる」という趣旨の発言をしていた。その後の取材で「同性婚などの話題はタブーにされ続けていて議論が進まない、これがおかしい」と発言している。国民民主党、党全体としてこの一連の平沢議員の発言をどのように感じられるか。
【代表】
残念ですね。自民党の先生の中には時々問題発言をされる方がいらっしゃいます。いわゆる「生産性」ということで問題になったにもかかわらず、またこういう軽率な発言がなされることについては非常に遺憾に思いますし、自民党としてどう対応するのかということをしっかりと見きわめていきたいなと思っています。
○野党連携について(2)
【読売新聞・八角記者】
ほかの野党との協議について伺いたい。野党第1党の立憲民主党は否定的な姿勢を示しているが、今回の党大会で改めて代表が示したような形で持っていくために、具体的に今から工夫していく戦略等々あれば教えていただきたい。
【代表】
とにかく、よくコミュニケーションすることだと思います。立憲民主党さんとも当然、今もやっていますし、各都道府県のレベルや党本部でのレベル、各級レベルでコミュニケーションをとってまいりましたが、衆参同日選挙がある、つまり衆議院選挙がある、政権選択をかけた選挙があるというのであれば、当然調整を加速していかなければならないと思っていますので、ぜひ立憲民主党さんを含む他の野党・会派ともよく、これまで以上にコミュニケーションを深めていきたいと思っています。
【「FACTA」・宮嶋記者】
昨年秋の立憲の党大会には、連合の神津さん、呼ばなかったし来なかった。今回、こちらの党大会、連合の神津さんが来られたというのがニュースなのだろうと思うわけだが、先ほどおっしゃった大きな固まりというのは、神津・玉木、この両者で進めていくと。二人三脚でやるというメッセージ性があるのだと思うが、その辺のところを伺いたい。
【代表】
連合さんは重要な応援団の一つですが、いろいろな人とやはりよく連携をとってやっていかないと、今の巨大与党にはとても勝てません。甘いものではないと思います。
野党の中で何か割れている場合ではないというか、本当に今の安倍政権、あるいは一強多弱の、民主主義に対して危機的な状況をもたらしているこの現状を変えるということであれば、やはりそれぞれが少しずつ知恵を出し合って大きな固まりとなって向き合っていかなければならないと思っていますので、もちろん連合さん初めあらゆる団体・組織とも連携を強化していきたいと思いますし、野党間の連携というのは不可欠だと思います。
ある意味、野党第1党の立憲民主党さん、枝野さんが決断すれば、一気に野党は大きな固まりになって、政府・与党に対するものすごい脅威になり得ると思っています。繰り返しになりますが、衆議院選挙も頭に入れながら野党間の連携を急がないと国民に対する責任を果たすことにもならないと思いますので、丁寧な、より深いコミュニケーションをそれぞれのレベルで果たしていきたいと思っています。
【時事通信・中山記者】
先ほどの「大きな固まり」という話だが、臨時国会のときにも幾つかの党と実際協議をされていたかと思う。今回、代表が先ほどの挨拶でも「協議に入りたい」と、その強い意気込みを感じたが、これまでとそのフレーズというものが変わっているというご認識か。
【代表】
衆参同日選挙ということが言われている中、また参議院選挙についてももう約半年という差し迫った時期にかかってきています。ですから、もちろんこれまでも最大限の努力をしてきましたが、やはりそろそろ本気で急がないと、このばらばらのまま選挙を迎えるということがあると、幾ら国民の中に不安があったとしても結局今の政府・与党がまた勝ってしまうということになりますので、その意味ではこれまで以上の危機感と緊張感を持って当たりたいと思います。
【時事通信・御船記者】
関連してだが、協力できる政党や会派ということだが、どのような理念や政策が共有された場合に協力できると言えるのか。ポイントや最低条件、そういったものがあればお考えをお聞きしたい。
【代表】
それぞれの党の立場がありますが、一つは、やはり今の安倍政権に対してかえなければいけないということは大きなベースとして、我々野党ですから、そこはまず一致すべきだし、一致すると思います。
その上で、やはり大企業や、あるいは一部の利益のための政治ではなくて、広く、まじめに働く多くの国民のための政治。もっと言うと、より負担できる人には負担をいただいて、財政の再分配機能を強化するような形での政策に合意できるということであれば、広くまとまっていけるなと思います。
あわせて、これは何度も申し上げていますが、沖縄県知事選挙のときにも示されましたが、やはり日米地位協定。こういった日本の自主性、独立性、あるいは主権というものが果たしてまともなものなのかということについては改めて光が当たったと思いますので、この日米地位協定の改定といったものなども野党が結集する一つの軸になると思います。
○党大会を振り返って
【フジテレビ・古屋記者】
きょうの党大会の運営について伺いたい。カジュアルな服装であったりとか、あるいは万歳三唱にかわってタグライン三唱があったりとか、これまでの既存の政党の党大会とは若干趣が異なったと思う。もちろんそれは実行委員会の方々がいろいろ工夫されたと思うが、玉木代表としては、きょうの党大会のこれまでと違ったところに関してどのように評価されているのかと、こういった狙いがあるといったところがあったら教えていただきたい。
【代表】
よかったね。思ったよりよかったね。
いろいろな知恵を持ち寄って、まさにやり方自体が「新しい答え」だったのではないかと思います。演説の中でも申し上げましたが、いろいろなことが大きく変化する時代ですから、単に反対とか、単にこれまでの考え方で右とか左とか上とか下とか言うのではなくて、常に「新しい答え」を求め続けるという姿勢、これがきょうの党大会にもあらわれていたと思いますし、そういう次世代を担うような新しい人材が厳しい中でも手を挙げて、ともに仲間として頑張ろうということは大きな勇気を与えてくれましたので、ぜひそんな皆さんの思いをしっかりと広げていけるような党運営をこれからも心がけていきたいと思います。
○参院選 候補者擁立について(1)
【毎日新聞・遠藤記者】
代表のスピーチの中で触れられていた件で伺いたい。参院選の2人区の調整について、代表は、できるだけ与党を利さないように調整しなくてはいけないということをおっしゃっていたと思うが、国民民主党は既に四つの2人区で全て候補者を立てていて、立憲民主党など一部かぶっている政党もあると思うが、具体的にどのような協議を求めていくのか。例えば現職は必ずこちら側がとりたいとか、どういった交渉をされていくのかと、念頭に置いている相手について、もしあれば教えていただきたい。
【代表】
2人区については、きょう申し上げたとおりです。1人区同様、2人区ぐらいまではやはり調整しないと、結果として2議席を自民党にとられるという選挙区が幾つか出てくると思います。これは現実問題として。これは立憲民主党さんも含めて共有している認識だと私は思っていますので、やはり1人に絞り込んでいくという調整は不可欠ではないかと思っています。
ただ、そのときに、もちろん党ですから、それぞれ党勢を拡大したいし比例票も伸ばしたいという意識はあると思いますので、これは2人区の中だけの調整ではなくて1人区や他の複数区も含めた総合的な調整の中でやはり決まっていくものだろうと思いますので、ある程度候補者が出そろった時点で、全体を見渡した調整をどこかの段階で行いたいと思います。
【日本経済新聞・溝呂木記者】
関連で伺いたい。先ほど、参院選に出る候補者のスピーチの中で、藤田幸久候補が「野党統一候補として頑張っていく」というような発言があったが、茨城は野党統一候補なのか。
【代表】
調整がもししっかりとできれば、当然、国民民主党、立憲民主党、場合によっては社民党さんがいらっしゃれば、そういった中で共通に推す候補ということに調整していくのだと思います。それができれば、当然、みんなが推す候補ということになろうかと思いますが、2人区である茨城県、特に現職の藤田さんがいらっしゃいますので、ここもしっかりと調整をしていきたいと思います。
○政党コマーシャルの制作について
【毎日新聞・遠藤記者】
スピーチの中で代表が、党のテレビコマーシャルを月内にも制作して、放映するとまでは言っていなかったかもしれないが、そういったことをおっしゃっていたが、どういったコマーシャルになるのかと、いつごろから放映をするのかを教えていただきたい。
【代表】
コミュニケーション戦略本部で、今、検討を進めていますので、詳細はそちらに聞いていただければと思いますが、早ければ来月中には完成させて3月中ぐらいから流したいと思います。いわゆる地上波というかテレビのコマーシャルですが、最近は民間企業もそうですが、ウェブ広告、ウェブの動画広告としても同時にやったり、あるいは少し最初にウェブCMをやって評判のいいものをテレビに乗せていくということもあるやに聞いていますので、とにかく今月・来月中に具体的なものをつくった上で、早ければ3月中ぐらいからは流していきたい、世の中に出していきたいと思っています。
○党大会「渾身の挨拶」について
【「FACTA」・宮嶋記者】
式次第に「代表渾身の挨拶」とあって、その「渾身」が赤字になっている。これは大胆不敵というか、おもしろい。その「渾身」の中身というのは、いろいろあると思うが、この渾身度、うまくいったと思うか。それと、やはりミルクをバターにするというところが渾身度なのかなと思うが、その辺、この赤字に込めた思いを伺いたい。
【代表】
私が赤字にしたのではなくて、事務局としても他の同僚議員からも「渾身の挨拶にしてくれ」と。
「渾身の演説」ではなく「渾身の挨拶」なので、冒頭の「明けましておめでとうございます」に重い思いを込めたということなのですが、二つあって、自分なりには、もちろん最後のカエルとバターの話もそうなのですが、やはり子どもたちの未来にしっかりと貢献できる政党にしたい。やはり日本は今も昔も、天然資源がありませんから、人材を育成して初めて国の発展がある。今、子どもたちが置かれている環境というのはそもそも厳しくて、そういったものに対してしっかり応える政治をしたい。
冒頭に一つエピソードを申し上げましたが、私も地方出身ですが、地方に生まれたからいい教育に恵まれないとか、あるいは、たまたま貧しい家庭に生まれたからいい教育に恵まれないとか、そうではなくて、「全ての子どもたちに等しくチャンスがあるんだ」と堂々と大人が言える、そんな社会をつくっていくのが私たちの使命だと。そこには、やはり「人を大切にする政治」、ここは実は私の思いを最も込めた、私なりの渾身のメッセージだと受け取っていただければ幸いです。
【「フランス10」・及川記者】
きょうの挨拶で社会保障や相対的貧困群について触れておられたが、井手英策先生が昨年末『幸福の増税論』という本を書かれ、ベーシックサービスという概念を提唱された。それはつまり生きていくための衣食住だったり教育だったり介護というものは国が保障すべきだと、無料でサービスすべきだという議論だが、ベーシックサービスという概念についてはどのように思うのかが一点。
もう一点が、前原さんのブレーンだったときに財源を消費税に求め過ぎたので、消費税だけではなく富裕層からもとりますよというが、ベーシックサービス、つまり人々が生きていくための最低限のサービスを実現するには消費税を11%上げないとだめだと。つまり19%。その議論についてはどう思うか、ご見解を伺いたい。
【代表】
井手先生の考え方については基本的に賛成です。きょうも申し上げた「生まれた日、最期の日、そこに安心のある国づくり」、これが私たちの目指す社会像ですから、その意味では井手先生のおっしゃっていることともかなりオーバーラッピングするなと思います。具体的にどういう税率でどのような税目でどういうサービスを提供するのかについては、まさにこれから党内でしっかりと議論して、参議院選挙のマニフェストのような形で明らかにしていきたいと思っています。
○参院選 候補者擁立について(2)
【文化放送・山本記者】
参院選だが、1人区・2人区含めて調整ということで、代表は候補者が出そろった時点で全体の調整をしたいとおっしゃった。また、衆議院の解散も可能性があると。それも視野に入れた調整もしていかなければいけないのかなというところに来ていて、その候補者が出そろった時点で全体の調整というのは、これデッドラインはいつごろと見ていらっしゃるか。
【代表】
出そろったらということを言いましたが、全てがきちっと決まるまで待っていたらとても間に合いませんので、ある程度のめどを立ててそういった調整に入っていかざるを得ないと思っていますので、そんなに遠くないうちに具体的な調整に入りたいと思っています。具体的な、いついつまでというのはちょっと申し上げるのは差し控えたいと思いますが、残された時間はそう多くないと思っています。