玉木雄一郎代表記者会見

2019年1月23日(水)14時03分~14時30分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/delk_TqFhPQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○勤労統計不正問題 再集計値の公表を受けて

【代表】
 本日、厚労省が毎月勤労統計の修正値を公表いたしました。修正幅は最大1.2%にもなりました。2004年の年金改革以降、年金改定率が一度も1%を超えていないということに比べると、これがいかに大きな修正かということが実感できると思います。厚労省の不適切な調査によって国民生活に大きな影響を与えたと言わざるを得ません。
 また、特に18年1月からの修正というか補正については実質賃金が高く出るように修正されていて、これも昨年6月、プラス3.3%ということでしたが、実際はそれより0.5ポイントも低い2.8%だったということが明らかになりました。偽装実質賃金上昇ということではないかという疑惑も出ておりますので、あす、厚生労働委員会の閉会中審査でしっかりとこの点は議論をさせてもらいたい、厳しく検証していきたいと思っています。

○北方領土問題 日露首脳会談について

【代表】
 次に、日露首脳会談についてでありますが、きのう行われましたが、何の成果もなかったと思います。
 そもそも総理に明らかにしてもらいたいのは、1956年の日ソ共同宣言を基礎としてやるのであれば、主権、帰属、これは4島にあるという前提なのか、あるいはそもそも2島にもあるのかどうか、ここは国民にきちんと説明をして交渉すべきではないかと思います。何か「やったふうな感じ」だけ出しているということ、経済的な協力も進んでいるように見えて全く進んでいないので、やはり丁寧に国民に説明をするということが欠けていると思います。
 このままズルズルとロシアのペースで交渉するようなことがあってはならないと思いますので、実のある交渉になるように、厳しく国会の中でも監視をしていきたいと思います。

○自由党・小沢共同代表と会談 連携強化で一致

【代表】
 最後に、昨日、自由党の小沢代表と面会をいたしました。先般の党大会でも私から、協力が得られる政党や会派とは大きな固まりをつくるための協議に入っていきたいということを申し上げましたので、このことに沿った動きだということでご理解をいただきたいと思います。
 その中で、きのうは連携を強化していこうということで一致をいたしました。協力・連携強化のあり方については、本日この後あります総務会など党内での議論を深めていきたいと思っております。
 いずれにしても、やはり自民党にかわって政権を担い得る「もう一つの選択肢」をつくるということが今の野党が果たさなければいけない責任だと思っておりますので、できるだけ大きく野党をまとめていく、その第一歩となるような、そうした連携強化ができればと思っております。


■質疑

○野党連携 自由党との連携強化について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 冒頭発言3点目だが、野党の連携ということで、月曜日には国会が始まり特別委員長も割り振られて選出される。仮に会派が衆議院と参議院で変わるということであれば、本当に今週中には出さなければいけない。今後、15時から党本部で総務会があるようだが、その後の手続に関して、あした・あさっての手続、どういったイメージがあるか。

【代表】
 どのような連携のあり方がベストなのかということをまさに議論しておりますので、もちろん統一会派というのは一つの選択肢だとは思いますが、それに限らず幅広い選択肢の中で野党の連携強化を図る方策を模索したいと思っていますので、統一会派ありきというか、数合わせありきでやるつもりはありません。
 どのような形が国民にとって「もう一つの選択肢」をつくることにつながるのか。そういう観点から党内議論を深めていきたいと思っています。

【ラジオ日本・伊藤記者】
 けさの新聞は「合流」という表現が見出しに出ていたが、そのことについて一つと、もう1点は、小沢一郎自由党代表の過去の言動というか政治行動について、玉木代表はどう評価されているのか伺いたい。

【代表】
 「合流」という報道があるのは承知しておりますが、先ほど申し上げたように、自民党にかわる「もう一つの選択肢」をつくるためにどういう連携がベストなのか。野党全体の連携、そして自由党との連携ということで考えていきたいと思っていますので、さまざまな選択肢を排除することなく議論していきたいと思っています。
 小沢さんの過去については、さまざまなことがあったことは承知しておりますが、とにかく今は自民党にかわって政権を担い得る「もう一つの選択肢」をどうやってつくっていくのか。そういう観点からさまざまな検討を加えていきたいと思っています。

【NHK・森田記者】
 自由党との連携の関連だが、この会見に先立って行われた党の役員会ではどのようなお話を代表からされて、また出席した先生方からはどのようなお話があったかお聞かせいただきたい。

【代表】
 総務会でしっかり議論していこうということが決まりました。

【NHK・森田記者】
 代表からの説明は、どのような。

【代表】
 今申し上げたような、きのう小沢代表と会ったこと、その中身について報告はさせていただいて、じゃあ具体的にどういう連携のあり方がいいのか総務会でもしっかり議論しようということになりました。

【朝日新聞・山岸記者】
 自由党との連携については昨年の秋にも一度、統一会派交渉を模索して、このときは結果的にうまくいかなかった経緯がある。その意味では今回2回目のチャレンジでもあって、玉木さんとしても相当の覚悟をお持ちだと思うし、もし交渉がうまくいかないということがあれば当然玉木代表の求心力にも関わってくる問題だと思う。その意味で、今、代表としてどういった覚悟・決意でこの交渉に取り組んでいくおつもりか伺いたい。

【代表】
 私は党大会でも、大きな固まりをつくって、できるだけ大きなまとまりになって、強い野党をぜひつくっていきたいということを申し上げましたが、もうあと半年ちょっとに参議院選挙が迫っている中で、今のようなばらばらの状況では国民から見ても「なかなか信頼できる選択肢がない」ということになるので、その思いでぜひ進めていきたいと思います。
 前回も統一会派を含めたさまざまな連携を模索しましたが、それ以上に危機感を持って臨んでいるということです。

【朝日新聞・山岸記者】
 端的に伺うが、代表としての職責をかける覚悟、お気持ちもあるか。

【代表】
 とにかく危機感を持って、今回臨んでいます。

【フリーランス・田中記者】
 けさの各紙の見出しに出た「自由党との合流で大筋合意」というのは、これは間違いか。仮にそのとおりであるとすれば、統一会派を組むのであれば、議会事務局への締め切りのきょう午後4時までに届け出ないと受理されない。これはどちらか。

【代表】
 さまざまな選択肢があると思いますし、どうやって連携を強化していくのか、これから総務会でしっかり議論していきたいと思います。

【フリーランス・田中記者】
 2時間しかないですよ。結論、出るのですか。

【代表】
 総務会でしっかり議論していきたいと思っています。

【NOBORDER NEWS・乾記者】
 今の質問でお答えいただいていなかったかと思うが、けさの新聞各社などの報道で、要するに「自由党と合流 大筋合意」と報道されたが、それは明確に今のお話と食い違っているのではないかなと思ったが、誤報ということになるのか。

【代表】
 新聞各紙がそれぞれどのように報じているかは必ずしもそれぞれ承知はしていませんが、さまざまな選択肢を連携強化のあり方として党内での議論を深めていきたいということは、きのうの夜もぶら下がりで申し上げましたし、きょうも同じことを申し上げております。

○北方領土問題 日露首脳会談について

【「フランス10」・及川記者】
 北方領土交渉について伺いたい。プーチン大統領と26回目の会談をしたわけだが、北方領土交渉が前進するより、むしろロシアの態度が硬化してきているという印象を持つ。玉木代表としては北方領土交渉をどのように進めるべきだと考えるか、もし自分が与党になったときはどう進めるか伺いたい。

【代表】
 外交交渉は内閣の専権事項ですから具体的なところにコメントすることは差し控えたいと思いますが、問題は、主権の問題だと思います。その主権が一体どちらにあるのか、まず前提条件が非常に大事だと思っていて、今こうして何十回もプーチン大統領が交渉に応じてくれているということは、主権がロシアにあるという前提で話が進んでいるのではないかということを実はすごく心配しております。
 既に一定の約束をしながら、その上で何らかの交渉が進んでいるとしたら、それは国民を欺くものになってしまうので、例えば2島なら「2島」とか、ゼロ島なら「ゼロ島」とか、もしそういうことを総理がどこか心に決めてやっているのであれば、それはさすがにきちんと国民に説明しないと、これまでの長年にわたって積み重ねてきた、それこそ自民党で積み重ねてきた交渉の成果ということが、知らないうちに、国民に説明もない中で変わってしまうことはあってはならないと思いますので、まずここの主権についての総理の考え方を明らかにしてもらいたいと思っています。

○参院選 新潟選挙区について

【新潟日報・小池記者】
 参院選についてお聞きしたい。新潟選挙区だが、立憲民主党の現職の風間直樹議員が本日、参院選の出馬を断念するという会見をする見通しだ。参院選を断念して衆院新潟6区にくらがえの意向を示しているということも取り沙汰されているが、衆院新潟6区には国民民主の候補予定者がいる。地元の県連からも批判の声が上がっているが、今の段階での代表の所感があればお聞きしたい。今後の野党連携への影響なども合わせてお願いしたい。

【代表】
 詳細はまだ承知していませんし、記者会見の内容も承知していないのでコメントは差し控えたいと思いますが、ただ、これは衆参関係なく申し上げているのは、とにかく与党を利することのないように対応することが今の野党には求められていると思いますので、そういった観点から対応することが全ての党において必要だと思います。

○野党連携 自由党との連携強化について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 自由党と組まれることに何の違和感も新しさもあまり感じないが、唯一、新聞で「小沢幹事長」というような報道が一部にあり、それがもしかしたら「つくろう、新しい答え。」なのかなと思うが、先に人事が出てくるというのも不思議なのだが、その辺のところを、誤報なら誤報ということでご説明ください。

【代表】
 きのうの小沢代表との話の中では、そういった人事の話は一切出ておりません。

【神奈川新聞・川口記者】
 自由党との連携強化の関係だが、個別で恐縮だが、神奈川18区では国民民主党が三村和也さんを支部長にされて、自由党も樋高さんという支部長がいらっしゃるが、この重なりというのは連携強化に当たって支障がないかお聞きしたい。

【代表】
 まだ、どういった形の連携をとるかというのはこれからの話ですので、そういったことについては今の時点では特段考えておりません。国会の中での連携強化、選挙での連携強化ということで、何がベストなのかしっかりと考えていきたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 秋の統一会派の話があったが、その後の変化として、沖縄3区、玉城デニー知事が誕生したということで、自由党の幹事長・国対委員長だった玉城デニーさんの後継の衆議院議員を選ぶ作業が必要で、自由党の議員だったからということで積極的に動かせてほしいというような協力の要請が小沢代表からあったかと思う。その話は、あくまでもここまでの話としては大きかったか。

【代表】
 いや、特段それは影響していません。
 ただ、沖縄3区については我々としてもできる限りの応援をしていきたいと思っています。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 2点伺いたい。
 先ほど玉木先生のほうから、国民から信頼される選択肢がもう一つ欲しい、今はないので、という話があった。小沢さんが入ったら信頼できる選択肢ができるというふうにお考えなのか。
 それと、党内からも階猛議員とかから批判があり、うちもきょう「野合だ」と夕刊に書いたが、そういった野合批判に対してはどういうふうにお考えかお聞きしたい。

【代表】
 政策理念がしっかりと一致することが大事だと思いますので、仮に一緒になるようなことがあるにしても、何を目指すのかということをきちんと一致させることが大事だと思っています。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 小沢さんが入ったら信頼できる受け皿ができるかについては、どうか。

【代表】
 政治家1人のことよりも、やはり党全体としてどういう信頼を得ていくかということが大事だと思いますし、これまで結党以来積み重ねてきた私たちの考え方や、国会での対応、理念というものは、少しずつ国民の理解を得てきているという自信もありますので、自分たちがこれまでやってきたことをしっかりと改めて確認して、自信を持って進んでいきたいと思います。

【神奈川新聞・香川記者】
 自由党との連携について改めて伺いたい。自由党との連携の上で原発政策で若干の隔たりがあるように思われる。国民民主党さんにはいわゆる電機連合の組織内候補も在籍されているかと思うが、そのあたりの考え方と、あと有権者にどう説明されるのかという点を改めて伺いたい。

【代表】
 どのような連携をとるかということはまさにこれからなので、まだ、その具体的な何か詰めていくような話をする必要があるのかどうかも含めて、これから検討・議論ということだと思います。

【時事通信・御船記者】
 きのうの報道について、小沢さんと溝があるとされる階猛議員がツイッターで、「理念、政策をすり合わせることもなく、野党の一部とだけ合流することはこれまでの経緯を考えるとあり得ない。単に誤報だろう」というつぶやきをしている。階先生とは何かこういった連携強化だとか合流云々について話し合いを持ったのか伺いたい。

【代表】
 これまでもお話は何度かしてきております。
 政策・理念をきちんと調整することは私も必要だと思っています。

○山梨県知事選について

【山梨日日新聞・小澤記者】
 今週末に投開票される山梨県知事選について伺いたい。国民民主党も現職を推薦されているが、現状の情勢をどうごらんになっているかという点と、もう一点が、最終盤をどのように党として戦っていきたいとお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 大接戦との認識です。
 我々としては、ご本人が県民党ということでやりたいとおっしゃっているので、それは最大限尊重しながら、できる限りの表・裏のさまざまな支援ということはやっていきたいと思っております。最後まで頑張ります。

○野党連携 自由党との連携強化について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 小沢さんは、選挙において野党が一致すれば勝てるということを壊れたテープレコーダーのように何回も言っているが、日曜日に行われた安孫子市長選挙で、立憲・国民・共産・自由・社民と、それから市民ネットが推薦したが、その候補が桜田義孝大臣の2番目の子分の現職に大差で負けた。枝野さん、小池書記局長、福島さん、野田さんも入ったが、7500票差くらいの大差で負けた。枝野さんは、とにかく投票率を上げてくれれば勝てますということで、前回よりも7.5ポイントくらい上がったが、惨敗した。小沢さんが言っていることはうそだなと思う。
 玉木さんが小沢さんと組んでも勝てない。だから、次の選挙、その次の選挙で、国民民主党は国民民主党らしく、1人ずつ、2人ずつふやして、自民党と対峙する党にならなければいけない。
 今さら組んでも、例えば日吉雄太さん、立憲を離党したときに小沢さんとやると言ったので除名にもならなかったが、国民民主党と一緒にやったら前に戻って除名とかになってしまう。どう思われるか。

【代表】
 我々は、どういう形で連携するにしても、国民民主党として結党したそのときの理念や政策はしっかりと堅持していきたいと思っています。私たちが「こういう方向で進もう」と決めた道は、これからの日本の政治にとって必要な道だと思っていますので、そういった方向に賛同いただければ逆に拒むものでもないし、私たちの考えに共鳴してくれる人を1人でも、現職なり新人なり、ふやしていくということが大事だと思っていますので、「新しい答え」を見つけていく政党としてぜひ力をつけていきたいなと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 先ほど、小沢さんのところと合流とまではいかないがいろいろな選択肢があるということで、政策・理念を調整するのが大事とお答えになっていた。特に憲法と原発についてはかなりの隔たりがあるが、これについてどういうふうに調整されるのか。やはり国民側から見ると、次の選挙、参議院選ないしは統一地方選でそういうところを見るときに、二つがくっついて「アンチ自民」とか「アンチ安倍」というのは非常にあやふやな像しか描けない。それでおいても支持率が今、2桁差くらいある。そういう意味では、どのあたりで理念を明確にしていくのかというタイムスケジュール的なところ、あとはどのくらいまでするのかという具体的なところ、もしお決まりになっていたら教えていただきたい。

【代表】
 連携のあり方についてどういう形をとるのかをまさにこれから議論していくので、ある一つの選択肢についてのタイムスケジュールというのは具体的には持っておりません。
 ただ、いずれにしても、我々野党が単に「安倍がだめ」という、そういうものではなくて、国民生活の向上にどうつながっていくのかと。そういう政策を出していくことが大事だと思います。世論調査をしても、医療や介護や年金や、あるいは景気や雇用ということに対して国民の関心が高いのは累次の調査でも常に示されていることですから、やはり国民生活の安心をどうやってつくっていくのか。こういうことで野党はある程度まとまった政策をつくり上げていくことが大事だと思っています。

【産経新聞・廣池記者】
 小沢代表について。小沢代表のことを「豪腕」とか「壊し屋」とか、いろいろ評価が分かれる政治家でもあると思うが、玉木代表から見て小沢代表はどういう政治家なのか。どう評価されるか。

【代表】
 どういう政治家。「小沢一郎さん」ですね。
 いろいろなことが言われているのは承知しておりますが、ただ、私はとにかく、自由党に限らず、自民党にかわる、政権交代可能な「もう一つの選択肢」を国民に示したい。その一点で、連携できるところはどの野党であっても、どのような会派であっても、連携を強化していきたい。その一環だということでご理解いただければと思います。