玉木雄一郎代表記者会見

2019年3月27日(水)13時30分~14時12分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/50z6TN5ZdiI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○国民投票法改正・独自案 広告規制に関する追加項目を取りまとめ

【代表】
 冒頭、私から何点か申し上げたいと思います。
 本日、我が党の憲法調査会が開かれまして、これまで国民投票法案、我が党としての独自案をまとめて提出しておりましたが、追加の項目を整理して、改めて我が党として国民投票法改正案をアップグレードした形で提出していきたいと思います。
 特に内容としては、旧来の案にはなかった、外国人の寄附を受けた団体の規制。
 そして、(支出については)5億円の上限規制ということを入れておりましたが、団体を幾つもつくってそれぞれが合計の範囲でやってしまうと事実上無限にできてしまうので、何びとも5億円以上のものはやってはいけないということで、ある人が、あるいはある法人が、複数そういったものをつくってやることを禁止できるように、トータルで(寄付についても)5億円(を超えてはならない)ということを法律上も明確にしたということであります。
 それともう一つは、これは引き続き検討になっておりますが、政党によるスポットCMを禁止するということになっておりますが、ネットの広告については必ずしも今の改正案では読めないので、それも含めて規制をしっかり政党のCMにもかけていこうということで、従来私たちが提案していたものをさらに拡充した形のものをまとめて今国会に提出していきたいと思っております。
 今のままの国民投票法改正案が仮に通って、それで国民投票が行われてしまうと、やはりお金を持っているところが有利なCMをバンバン打つということができてしまうので、公正な国民投票を実現するためにも、何としてもいわゆるCM・広告規制、我が党が提案する拡充された形のCM・広告規制をぜひ実現していきたいと思っています。

○2019年度予算成立に当たって

【代表】
 次に、この後、参議院本会議が開かれまして、2019年度の予算案が可決される予定となっております。
 この予算に対しての我が党の考え方は、成立後、政調会長から発表いたしますが、初めて100兆円を超える予算であり、やはり予算の使い道についてはさまざまな問題があると思います。
 とりわけ、来年度、10月からの消費税増税を前提にした予算になっておりますし、国会の中でも議論し、問題点を我が党の議員が何度も指摘した複数税率、いわゆる軽減税率の問題、またポイント還元については、現場に混乱を生じさせる可能性が高いし、かつその政策効果もよくわからない。さらにポイント還元で言えば、我が党の後藤祐一議員が言っていましたが、ブラックカードのような上限がないカードを使うと多額の還元が可能になる。そして、何度もそういった還元を受けるということも排除されていませんので、予算が足りなくなってしまう可能性も否定できないまま成立するということは、大変問題の多い予算と言わざるを得ませんし、家計にも大きな影響、悪影響を与える予算ではないかと認識しております。
 いずれにしても、聞いたことに答えない、聞いていないことをいっぱいしゃべるというようなことが繰り返されている中では、非常に残念な審議でありましたし、そうした十分な審議なく通してしまうということには強く抗議したいと思っております。

○辺野古をめぐる官房長官発言の矛盾について

【代表】
 さらに、辺野古の軟弱地盤について、昨日の参議院予算委員会で我が会派の木戸口参議院議員が質問され、菅官房長官は辺野古の軟弱地盤の報告を受けたのは「1月18日」と答弁しましたが、1月21日の会見では「承知していない」というふうに発言しております。18日に報告を受けているのに1月21日の会見では承知していないというのは、まさに矛盾だと思います。菅長官にはしっかりと説明責任を果たしていただきたいと思っております。

○「家計第一の経済政策」への転換の必要性について

【代表】
 最後に、先日の会見でも指摘しましたが、リーマンショック以降、世界的にも国内的にも続いてきた景気の回復が、そろそろ陰りを見せ始めていると思っています。現に先日の月例経済報告では3年ぶりに政府の判断を引き下げたわけであります。その後の国会でも、安倍総理は「景気回復が実感できていない人がたくさんいると承知している」と答弁しましたが、回復を実感できていない人がたくさんいるのではなくて、やはり景気が回復していないのだと思います。
 ですから、私たちは、いま一度、家計を重視する経済政策、「家計第一の経済政策」に大きく経済政策を転換していかなければならないと思っております。いろいろなところで既にお話をさせてもらっていますが、参議院選挙、そして間もなく始まる統一自治体選挙では、「家計第一の経済政策」を国民民主党は先頭に立って推し進めていく。これをしっかりと訴えていきたいと思っております。


■質疑

○国政選挙の候補者擁立・調整について

【読売新聞・深澤記者】
 昨日、立憲民主党の枝野代表が、夏の参院選を視野に、今までは旧民進党出身者が立候補予定のところには立てていなかったが、今後、野党間の競合も辞さないような姿勢を示した。野党結集に向けても立憲民主党単独として戦う姿勢を改めて示したが、これについて代表の受けとめを伺いたい。

【代表】
 1月28日の党首会談でも、野党しっかりまとまっていこうということは合意しておりますので、やはりこの巨大な安倍政権に向き合っていくためには、野党が、もちろんお互い切磋琢磨しながらですが、協力できるところはしっかりと協力していかないと、結局、安倍政権の存続に手をかすことになってしまうので、私自身地道に、協力が得られる政党・会派・個人とは何とか協力関係を強化・拡大して、大きな固まりを目指して努力を続けていきたいと思っています。

【毎日新聞・遠藤記者】
 参院選の山梨選挙区で、社民党の区議が立憲民主党から出馬するということがあり、又市党首が不快感を示している。こういった野党間に若干ひびが入るような状況が出てきている中で、代表はこのことについてどのようにお考えか。

【代表】
 他党のことなのでコメントは差し控えますが、ただ、もうとにかく今申し上げたとおり、相手は巨大与党ですから、野党が本当にしっかりまとまらないと勝てないし、今の政治を変えることはできないという危機感を持っていますので、やはり野党が相互によくコミュニケーションをとりながら、大きな固まりになっていく努力をそれぞれにしていくことが大事ではないかと考えております。
 ですから、又市党首が不快感を示されたということでありますが、もちろんいろいろなやりとりがあるのでしょうけれども、コミュニケーションをしっかりととっていくことが大事だと思いますし、私もこの点は十分気をつけていきたい。
 とにかく野党の大きなまとまりをつくるために、汗をかいていきたいと思っています。

【TBS・小林記者】
 枝野代表は先日の党の基本方針として、衆参ダブル選挙もあるということで他党や無所属の議員も含めて公認候補者として擁立する準備をしていくというような姿勢を示された。これは暗に、国民民主党の議員たちも立憲に来たいならどうぞというふうにも受けとめられると思うが、この発表について何かご所感があれば伺いたい。

【代表】
 他党の発表された方針にコメントは差し控えたいと思いますが、とにかく野党が力を合わせて、連携をして、あの巨大な与党にどうやって向き合っていくのか。参議院選挙までの時間ももう限られてきましたので、それこそ全力で力合わせに汗をかいていかなければいけないし、私自身はとにかくできるところから野党のまとまりをつくっていく努力をしていきたいと思っています。

【テレビ朝日・中丸記者】
 他党のこととはおっしゃいながらも、野党の大きな固まりをつくって自民党に対抗するという意味でいうと、きのうの枝野代表の発表は、参議院の1人区の一本化こそうたってはいるが、衆議院の候補者立てとか、参議院の比例は立憲民主党で行くと。代表の目指される野党の大きな固まりとはちょっと違って、独自で行くよというメッセージにも感じ取れるが、ご意見いかがか。

【代表】
 今、野党を全部足しても3分の1にいかないので、やはり過半数をとらないと政権はとれないし、政権をとらない限り、言っている政策も実現しない。その意味では、いろいろなことはありますが、やはり野党がしっかりまとまっていく。お互いの違いではなく、むしろ何を共通して推し進めることができるのか、そこにしっかり力を注ぐべきであって、そして野党が力を合わせることが今の国民の皆さんの思いや願いに一番沿っている方向だと思います。「安倍政権を何とかしてくれ」という声は全国回ってもどこでも聞きますので、やはりその国民の期待に応える取り組みを進めていきたいと思っています。

○統一自治体選挙 知事選挙について

【東京新聞・木谷記者】
 今行われている道府県知事選挙について伺いたい。11選挙区で行われているが、四つの県で保守分裂になっている。野党として候補者を擁立する力が弱まっているのではないかという指摘もあるが、有権者に選択肢を示せなかったことについてどのようにお考えか。

【代表】
 まことに申しわけなく思います。
 与党が分裂する余裕を与えている野党の今のだらしなさというのが、国民の皆さんの不満と不信の源になっていると認識しております。その意味でも、やはり野党をまとめていかないと、ただでさえ弱い野党が細切れになっていると一対一の大きな選挙の候補者を立てる能力自体が低下していると思われます。
 国民の皆さんに信頼できる「もう一つの選択肢」を示していく。これは政権構想としてもそうですし、個々の知事選挙のような選挙区においても、やはり選択肢をお示しするということがなければ民主主義は正しく機能しないと思いますので、議会制民主主義を正しく機能させていくためにも野党がとにかく力を結集することが大事だと思います。
 立てられなかったことについては、反省しております。

○野党連携・政権構想について

【日本テレビ・右松記者】
 昨日の枝野代表の会見の中で、立憲民主党内に政権構想委員会を立ち上げ、今後、衆参ダブルに備えるとあった。他党のことではあるが、こういった形で取り組む立憲の今の姿勢についてはどのようにお感じか。

【代表】
 野党第1党として政権のあり方を検討し示していかれるのは私は歓迎したいと思いますし、前から申し上げているように、例えばこの通常国会末にも内閣不信任案を出すのであれば解散を受けて立つということにもなりますから、その意味では、どのような政権運営、政策、そして政権の枠組み、そういったものをお示しになることは不可欠だと思うし、その意味で今回の取り組みは野党第1党としてのリーダーシップを発揮される一つのあらわれだと思って歓迎しております。

【日本テレビ・右松記者】
 もともと同じ旧民進系ということもあり、共通する思い、政策・理念というのも、国民と立憲で違いはどこかにあるにせよ同じものも多分にあると思う。その点でいうと、今後立ち上がるという政権構想委員会に何かの形でコミットしたいとか、何か協力できるところを話し合いたいとか、何かそういった思いはあるか。

【代表】
 まずはそれぞれの党で検討をしたらいいと思いますが、政権を同じくする、つまり連立政権を組むというのであれば、どこかの段階で政策的なすり合わせをやったらいいと思いますし、できるだけ多くの人間で議論したほうが知恵も集まりますからよりよいものになるし、不備があればチェックも働きます。ぜひ、ただでさえ少ない野党ですから、力を合わせるところは合わせていきたいと思いますし、もともと同じ仲間ですから、共通している考えの人も多いと思いますから。とにかく、いかに力を結集できるかということが問われていると思います。

○消費税率引き上げについて

【「FACTA」・宮嶋記者】
 おっしゃるように世界・日本の景気・経済はダウントレンドだと思う。そういう中で101兆円というばかでかい予算を組んだわけだが、本予算が通ってなお、10月の消費税は見送るべきだと、国民民主党はこれで戦うのか。これが統一地方選、とりわけ参議院選挙においては野党の共通の旗印になるのか。予算が通ってもなお、ここのところは動かないのか伺いたい。

【代表】
 そこは揺らぎません。軽減税率はやめたほうがいいと今でも思いますし、9月30日まで「やめたほうがいい」と言い続けると思います。将来に必ず禍根を残しますから。
 しかも、所得の再分配機能がむしろ高所得者に、お金をみんなからとって高所得者に配るということになっている仕組みでもありますから、これはやはり最後の最後まで、軽減税率を前提とした消費税の増税には賛成できないということは貫きたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 それで野党は一本の柱、旗印になるか。

【代表】
 それだけではなかなか旗印にならないと私は思っていまして、先ほど申し上げたように、やはり消費税も含めて経済政策全体として、大企業重視の経済政策から「家計第一の経済政策」に大きく変えていかなければいけないと思っています。
 今、内部留保が非常に多くなっているということ、戦後最長の景気回復、上場企業は過去最高の業績というのが新聞にも躍りますが、一方で、稼いだお金を自社株買いとか、配当性向を高めたり、あるいは投資しても海外に投資する。株主も多くは外国人と日銀。これでは家計に行かないわけです。
 企業がどんどん稼ぐのは、私は賛成です。ただ、稼いだお金をどうやって働いた人たちに還元していくか。それを応援する税制や仕組みをつくれるかが問われているのであって、その意味でも、大企業重視の経済政策を「家計第一の経済政策」に変えていく。これは野党でかなり一致できるテーマだと思いますから、やはり懐に響く、国民の生活に響く政策で野党がまとまっていくべきだと思っています。

○安倍総裁4選論について

【朝日新聞・山岸記者】
 安倍総理の自民党総裁4選の話題に関して。この間、各種の世論調査、弊紙も含めて「反対」が5割、6割ということで、国民世論は「反対」が多いが、一方、自民党内ではこういう議論が出ているという状況にある。他党の話題ではあるが、国民世論とは逆の方向で自民党内で話題が先行していることについて、代表の受けとめがあれば伺いたい。

【代表】
 他党のことですのでコメントは差し控えたいのですが、ただ、そういうことを許しているのもまた野党の弱さのあらわれではないか。枝野代表もおっしゃっていましたが、やはりポスト安倍は、政権交代して私たち野党側から首班指名を出していく。あるいは、私たちが政権を担う。そういう現実感と迫力をまだ国民に示せていないということが、この4選話を誘発していると思っています。
 だから、私たち野党がしっかりとして、そのためにもまとまっていかなければならないと思っています。

○北方領土「固有の領土」表現を避ける首相の姿勢について

【時事通信・御船記者】
 北方領土について、小学校5・6年生の教科書検定で「固有の領土」という表現が全てに入った。北方領土は固有の領土だと教育の中で進めていく中で、安倍総理は不鮮明な態度が目立つ。その点について見解を伺いたい。

【代表】
 安倍総理の今の国会などでの発言というのは問題だと思います。「固有の領土」ということを教科書に書いてあるのであれば、「固有の領土」と言うべきです。
 もちろん外交交渉だからいろいろなやりとりはあるにせよ、言わないと、向こうから「言うな」と言われて言わなくなっているということが、もう丸わかりですよね。
 そのことによって領土交渉が前に進むかと思いきや、今のままなら1島も返ってこないです。だから「ゼロ島マイナスアルファ」と私申し上げていますが、経済支援のお金だけ出させられて、結局領土は1島も返ってこない。「2島プラスアルファ」どころか「ゼロ島マイナスアルファ」になる可能性もある。
 やはり我が国の立場は常にしっかりと言い続けることが大事で、交渉だから最終的にそれが変わることはあるし、変わったらそれは国民にしっかり説明すればいいわけですが、まず言うべき発射点を下げてしまうとそこからスタートになりますから、その意味では非常に弱々しい交渉になっているのではないかということを非常に心配します。
 やはり毅然と言うべきところは、「我が国固有の領土だ」というところは、かつて閣議決定をして質問主意書でも答えているわけですから、明確にそこは言うべきだと思います。

○原発・エネルギー政策について

【フリーランス・堀田記者】
 先週の火曜日に電力総連の会長などが玉木さんに申し入れに来た。その後に世耕経産大臣に会い、パリ協定順守のために再稼働してくれと言ったらしい。そこに、国民民主党の5人の議員がいた。玉木さんに会ったのは4人だが、それに柳田さんが行って。私は浅野さんに聞いたが、国会議員は何の発言もしなかったが、電力総連の会長とか電機労連の会長が発言したと。
 そこについていった5人が、ネットでものすごく炎上している。国民民主党は二枚舌だと。ただ、正しく伝わっていない。要するに、国民民主党の5人は言っていない、ただついていっただけだ。ついていっただけでも李下に冠を正すようなことかもしれないが。これを朝日新聞に訂正するような意思はあるか。3月21日の「さようなら原発」でも国民民主党は非常に非難されていた、二枚舌だと。どう思われるか。

【代表】
 二枚舌という意識はあまりなくて、我々、2030年代に原発ゼロを目指すということを明確に掲げています。さらに、この前まとめたエネルギーの中間整理では、それをさらにできるだけ早めたいということも決めております。原発ゼロという究極の目標は、ほかの野党ともかなり共有できていると思っております。
 どのようなプロセスを経て、どのような財源で、どういう技術者が具体的に原発をなくしていくのか、廃炉にしていくのか。こういったことについての責任ある現実的なロードマップを示していくというのが私たちの考えです。
 もちろん電力事業者の皆さんの雇用も、そこに収入もかかっているので、彼らは彼らなりの立場も主張もあると思います。ただ、私たちは政治ですから、あるべき社会の姿ということを示しながら、そこに、実現していくためにあらゆる資源を使っていくということであります。私たちは、既に決めた大きな方向性に従って原発ゼロに向けた歩みを具体化していくということに尽きると思います。
 加えて、最近、原発に対して補助金を出すというような一部報道もありましたが、補助を出さなければ成り立たないような事業というのは、もう既にマーケットメカニズムでは無理だということを証明しているようなものです。そうすると、国の責任をもっと明確にして原発事業というのはコントロールしないと、民間事業者に任せておいてやれるものでもう既になくなっているという認識です。安全対策のお金もかかるし、再生可能エネルギーのコストも下がっている中で、ですね。
 そういったところを見据えながら、私たちは政治なので、来るべき未来をしっかりと視野に入れながら、そこに近づけていく努力をしっかりとしていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 この前、原発ゼロのことについては詳しく聞いた。これから再稼働される原発があると思うが、その再稼働が決まったときに、国民民主党はどういった態度をおとりになるか。

【代表】
 今、野党ですから、何かを止めたり進めたりという権限がそもそもありませんが、従来から申し上げているように、世界最高水準の新規制基準を満たすということが大前提であり、かつ、避難計画をしっかり国の責任でつくるということ。あるいは、最大の問題は、最終処分場がないし、見つけるめどもない中で再稼働していっても、まさに「トイレのないマンション」となりますので、最終処分場を見つけるプロセスがしっかり動き始めないと、なかなか再稼働することは難しいと思っています。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会での議論について

【毎日新聞・遠藤記者】
 国民投票法の改正案を今国会で提出したいということだが、本日の野国では、立憲民主党の辻元委員長が、憲法審査会が開けるような状況ではないという認識で一致したというお話をされている。通常国会に提出するということは、憲法審査会を開かれるべきだと代表はお考えか。

【代表】
 私は、しっかり議論すべきだと思います。もちろん、今、不正常な状態というか、与党の不誠実な状況があるので、そういったものは改めてもらわなければいけないと思いますが、ただ、憲法の議論は、通常の予算とか閣法の話とは違って、最高法規を議論する議論というのはきちんと責任ある議論を各党がすべきだと私は思っています。
 ですから、当然、与党側に落ち着いた環境のもとで議論できる環境を整えていただきたいと思いますが、今のまま強行採決されるような形で、CM・広告規制もない国民投票法改正案が通ってしまう、あるいはそれに基づいて憲法改正手続が始まってしまうことのほうが極めて危険だと思うので、しっかりと国民投票法の議論をまず落ち着いた環境の中で進め、CM・広告規制をしっかりと導入することを実現していきたいと思っています。

○自由党との連携強化について

【毎日新聞・遠藤記者】
 本日の総務会で決まった件について伺いたい。自由党との連携強化について幹事長から報告があり、論点整理等を含めて代表に一任されるということは決まったと伺ったが、論点整理というのはいわゆるどういった部分なのかについて改めて教えていただきたい。
 また、党パーティーの際に来週、つまり先週だが、両院議員懇談会を開くということだったが、まだ開催されてない状況であり、それが延期になっている理由について伺いたい。

【代表】
 総務会長がどういう趣旨で「論点整理」と(記者に)おっしゃったのか、ちょっとよくわからないのですが、「論点整理」という言葉は総務会ではなかったような気もします。
 政策協議は平野幹事長のもとでこれまでもやってきて、一定の着地点を見たと思います。ただ、それ以外にも、さらなる連携強化を進めていく上では乗り越えていかなければいけない幾つかの課題・テーマがあると思います。典型が、候補者や選挙区の調整だと思うのですね。そういったこともやはり、いずれにしても参議院選挙もありますから、場合によっては衆議院選挙もあるので調整を急がなければいけないということで、こういった課題も含めてさらに協議を継続する。いついつのタイミングでどのようなことをするのかということについては、統一地方選挙も始まりますので、代表の私に一任いただきたい、ということで了承されたという経緯です。

【毎日新聞・遠藤記者】
 両院懇が延期になっている理由は。

【代表】
 延期というか、どこかで衆参の意見を聞くような場を持ちたいと思いますが、ただ、きょうまで、参議院の予算委員会・本会議がありますし、国会情勢も見ながら、どこかのタイミングで意見を聞く場を持ちたいと思っています。そういったタイミングを含めて代表に一任をいただいたと思っています。

○予算審議を振り返って

【「FACTA」・宮嶋記者】
 衆参予算委員会を拝見していて、いわゆる1丁目1番地が統計不正だと、野党各党の先生方がモール状になって攻めたのはそれなりに私はなかなかおもしろく見たが、国民目線で見ると、ややそっちに固まり過ぎて、こういう野党分裂の中で皆さんがそこで得点を上げようとして、本当に国会が機能したのかという、そういう批判があると思う。改めてこの衆参予算委員会をどんなふうにご評価になっているか伺いたい。

【代表】
 我々野党第2党ですから、やはり第1党の立憲民主党さんがまず中心となって最初にやるし、時間もとりますので、できるだけ同じような質問で一体的に、まさに野党が力合わせで政権に向き合うということでやってきたこと、また、野党合同ヒアリングのような下準備から一緒にやってきたことに一定の意味があったと思います。
 ただ、おっしゃるとおり、国民からするともう少し身近なというか、「自分の生活とか不安に寄り添うような、そういった質問もしてほしい」と、実際そういう声もいただきましたので、その意味ではそういった分野ももっと議論を深めるべきだったのかなと思いますが、少しそこは振り返って分析もして、後半国会に生かせていければなと思っています。

○普天間基地移設問題について

【フリーランス・堀田記者】
 辺野古のことで伺いたいが、2010年5月の鳩山内閣の閣議決定でつくることが決まり、2011年5月の日米2+2、玄葉外務大臣・一川防衛大臣のもとで終わって、それから測量などが始まった。環境アセスは防衛大臣の責任であって、この前、国民のパーティーで一川さんに聞いたが答えがなかった。そういったところで旧民主党が果たした役割があるが、それを立憲にしろ国民民主党にしろ反省しないで現在の安倍政権だけを責めていることは、国民が納得いかない。
 それと、埋め立てのことはいろいろと工事があるが、実際に困っている普天間基地の周りの人たちの声というのは、琉球新報、沖縄タイムスを通じても上がってきていない。それはたった1人が困っているのではない。フランクファートの哲学によれば、たった1人が困っていれば、それを救うのは政治家の務めだとあるが。近ごろの報道に関してどう思われるか。本当に困っている人は誰なのか。

【代表】
 まず前半の件ですが、私は反省をしております。やはり反省しなければならないと思います。いろいろ混乱を生じさせた結果、民主党政権で辺野古崎を決めたのです。そのことをなかったかのように「けしからん」「けしからん」と言うのは、これは政治家として自分自身もそういった恥ずかしいことはできないと思っています。当時は1年生でしたし、特段の決定権限があったわけではありませんが、国民は民主党政権としてしっかり覚えていらっしゃいますから、そこは民主党政権の一員だった者として深く反省し、沖縄の皆さん、そして国民の皆さんにおわびをしたい、おわびをしなければならないと思っております。
 その上に立って、当時わからなかった新しい事実が最近出てきているのも事実で、とりわけ今の軟弱地盤については、これは安全保障に関する考え方がどのようなものであろうと、辺野古崎の基地建設に賛成・反対の立場を超えて、そもそも物理的に、土木工学的につくれるのかという問題が突きつけられているわけです。やはりそこはしっかりと一旦立ち止まって、見直しレビューをすべきだと思います。
 ですから「辺野古がけしからん」と単に言うつもりは全くありませんし、迷走した結果、辺野古崎に戻ってきたことは反省をします。その上でなお、本当に今の軟弱地盤の上に埋め立て方式でつくれるのか。フロート方式ではありませんからね。そこは、いろいろな意味でやはり見直すべきではないかと思います。
 後半の質問ですが、緑ヶ丘保育園も普天間第二小学校も私は行ってまいりましたし、選挙のときも含めて地域には何度も足を運びました。その意味では、普天間基地が固定化される、そのことに対しては今なお問題意識と危機感を持っています。
 ただ、非常に古くなった基地なので、当時、辺野古崎への移転が決まったときは米軍も最小限の改修しかしてこなかったのですが、現在は恒久的・永久的な補修作業もやっていると聞いています。その意味では、普天間の固定化が着々と進んでいるということについては、やはり問題意識を忘れてはならないと思っています。
 そこも含めて我が党の考え方、対応をしっかりと決めていきたいと思っています。