玉木雄一郎代表記者会見

2019年4月3日(水)14時00分~14時38分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/IuT6gmABJTc


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○塚田国交副大臣「忖度」発言について

【代表】
 まず、塚田副大臣の発言についてであります。国交省の塚田副大臣が「忖度」発言をして、それを撤回したということでありますが、それで済む話では全くないと思っています。発言を確認しましたが、副大臣みずから「逆らえない」とする吉田自民党参議院幹事長に指示をされて、みずからのおやじとも呼ぶ麻生副総理の地元の事業を国で引き取ったと、明確に言っておられます。
 (一連の発言は)事実と異なるというふうに塚田副大臣は言っておられるようでありますが、非常に問題だと思います。典型的な公共事業の地元への利益誘導の可能性があります。また、それを選挙に使うという、極めて昭和の香りのする、昭和の自民党政治が復活しているなという印象です。
 これに限らず、長期政権のもとで権力の私物化と言われるようなことが多々指摘されている中で、こういうことが起こっているということは、その一つのあらわれではないかと思います。ほかにも同様の、いわゆる箇所づけ等の案件がないのか、政府には徹底した検証を求めたいと思っております。

○国会改革 若者の意識調査の結果について

【代表】
 次に、日本財団の18歳意識調査で、国会が国民生活に「役立っている」と答えた人が30%にとどまるという調査結果が出ましたが、私は非常に深刻に受けとめております。
 これを見ると、国会は有意義な政策論議の場になっていると「思う」人は5%。「思わない」人が54.8%と半数を超えているということで、理由を尋ねると、「議論がかみ合っていない」が57.3%、「政策以外のやり取りが多すぎる」が50.2%ということですので、これは与野党とも反省し国会のあり方を見直していかなければならないと思っております。
 「こくみんトーク」という動画の配信をしていますが、その第1回を見た高校生が会いたいということで来られて先般対談をしましたが、同じようなことを言われました。「いわゆる対決ばかりの、そういう国会ではなくて、政策議論をしっかりやってほしい。国民民主党はそういうことを試みていることはわかるので、そういったことを貫いてほしい」という趣旨のことを、高校2年生の生徒に言われました。
 私たちもしっかりと建設的な政策議論を国会の中でやっていきたいと思いますし、あわせて、安倍総理を初めとした政府にも、聞いたことに答えない、聞いていないことをいっぱいしゃべるというような不誠実な対応は、国民も「やはりおかしい」と思い始めていますので、与野党を越えた国会改革の一つのテーマとして取り上げていきたいと思っております。


■質疑

○塚田国交副大臣「忖度」発言について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 私は塚田一郎さんをよく知っているし、おやじの十一郎さんもよく知っている。玉木さんの言うことは合っているが、そのような人に対して候補者も立てられない野党は何とだらしがないことかということは新潟の県民新聞も言っている。塚田一郎の評判が悪いということは新潟の県民新聞も言っている。これについてどう思われるか。

【代表】
 しっかり候補者を立てて戦いたいと思っています。

○新元号「令和」について

【フリーランス・堀田記者】
 私は塚田一郎さんをよく知っているし、おやじの十一郎さんもよく知っている。玉木さんの言うことは合っているが、そのような人に対して候補者も立てられない野党は何とだらしがないことかということは新潟の県民新聞も言っている。塚田一郎の評判が悪いということは新潟の県民新聞も言っている。これについてどう思われるか。

【代表】
 しっかり候補者を立てて戦いたいと思っています。

○新元号「令和」について

【フリーランス・酒井記者】
 4月1日に「令和」という元号が発表されたが、2017年にNHKが行った調査では「西暦よりも元号を使う」と答えた人は28%しかおらず、こよみがリセットされることにより多くの人が不便さを感じており、本来的に非民主的な制度ではないかという指摘もある。さらに、「令和」の「令」は「命令」の「令」であり、安倍政権の目指す国民への規制や統制の強化がにじみ出ているという声もある。これに対してどう思われるか。そもそも元号を廃止するというお考えはないか。

【代表】
 私は歴史と伝統を重んじる政治家ですから、これまで連綿と続いてきたこうした元号というものは維持していくべきだという考えです。
 今回選ばれた「令和」は、これはどなたが考案されたかわかりませんが、私自身としては非常によく考えられた元号ではないかと思っています。
 万葉集による、典拠は万葉集と言われていますが、さらにそれを遡れば万葉集自身が、今回であれば後漢の時代の張衡(ちょうこう)の「帰田賦」(きでんのふ)の一部をとっている、8文字の歌の5文字が共通して3文字が違うということですが、明らかにオマージュとして、当時の知識人は必ずこうした歌が編み込まれた『文選』(もんぜん)を暗記していたと思いますし勉強もしていたと思います。その意味では、日本の万葉集によるという一方で、漢籍によるということも言え、これまでの伝統を守ったということで、日本の知の集大成というか、こうしたことに造詣の深い知性の結集だと思います。
 加えて、漢字文化という、中国・朝鮮半島・日本という北東アジア全体をつなぐような、そういった時空を超えたスケールを感じさせる選定だと私は思いますので、広く国民の中に受け入れられることを期待したいと思います。

○塚田国交副大臣「忖度」発言について(2)

【時事通信・中山記者】
 塚田副大臣の「忖度」発言だが、副大臣は先ほど「事実と異なる発言をしてしまった」と釈明しているわけだが、こういった「忖度」発言が出る背景や現状についてはどのように思われるか。

【代表】
 やはり政権が長期化して、ある種の緩み、おごり、権力の私物化ということが目立ってきている証左ではないでしょうか。
 かつて、「安倍・麻生道路」と言われる下関北九州道路については、政権交代する前の自民党政権のときに一度凍結されています。(2009年に)B/C、費用対便益などさまざまな観点からどうなんだということが当時も取り上げられて、2008年3月、当時の自公政権でしっかりとめているという事実があります。
 それが安倍政権になって復活しているということは、やはりその背景に権力の緩み、おごり、権力の私物化、あるいは税金の私物化ということがあるのではないかと非常に心配しております。
 本人は発言を否定しておりますが、これは副大臣室でのやりとりということであれば、(吉田自民参院幹事長と大家参院議員が)副大臣室に来たということですから、必ず接触記録が残っているはずですので、そうした接触記録や事務方の記録などをよく検証して、果たして合理性を超えた何らかの政治的な圧力で政策決定が曲げられていないか、しっかりと検証していく必要があると思います。特に、一度自公政権で停止されている案件が、なぜ復活するのか。そこはしっかりと検証しなければならないと思っています。

【TBS・小林記者】
 塚田副大臣は先ほど委員会の答弁で、「しっかり説明することで責任を果たしたい」と辞任を否定した。引き続き辞任を求めていく、辞任に値するとお考えか伺いたい。

【代表】
 国対間でそういったことを決めているので、厳しく追及していきたいと思いますが、やはり事実関係をまず明らかにしてもらいたいと思います。
 案件採択をするに当たっては、幾つかの基準があります。客観的・合理的な基準が。そのことを満たしていないのに決まっていたとすれば、それは合理性・客観性を超える何らかの圧力、働きかけがあったと言わざるを得ませんので、そういったことをまずしっかりと調べ、加えて、これ以外にも似たような案件がないのか、事業の合理性・客観性を超えて何らかの説明できない政治的圧力で案件採択が行われる、箇所づけが行われる、こういったことがないか一斉検証を行ってもらいたいと思っています。

○衆院大阪12区補選の対応について(1)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きのう大阪12区補選について共産党・志位委員長と会談された。まだ決まっていないかもしれないが、国民民主党としてどういうふうに対応するか。よくわからないのは、宮本さんが無所属で出て、仮に当選した場合は、無所属の会に入るのか、共産党に戻るのか、ちょっと釈然としないところもあるが、その辺のところを含めて。4人立って3人が保守で1人が野党統一ならばそれなりの勝負になるという見方もあるが、共産党の対応含めて、どうお考えになるか伺いたい。

【代表】
 きのう、我が党に志位委員長、宮本議員、そして穀田国対委員長、そろってお越しになりました。そして、12区に無所属で宮本議員を立てるというご説明があり、支援の要請をいただきました。
 我が党の幹事長が大阪府連の会長でもありますので、幹事長のもとでどういう対応ができるのか、すべきか、今検討しているところですが、確認をすると、仮に当選した場合でもそのまま共産党に戻るわけではないということも明言をいただいておりますので、そういったことも踏まえて、どこまで何ができるのか考えたいと思います。
 ただ、私は、野党の力を結集していこうということで共産党さんがこれまでにない無所属で出すという対応をして、やはり野党がしっかりと存在感を示さなければいけないということに踏み出されたことについては評価していますし、思い切った判断だということで敬意を表したいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 3年前のことを考えると、やはり北海道5区補選が一つのきっかけとなり、岡田さんのとき、野党は一本化された。そうなるのは簡単ではないと思うが、やはりこの12区の意味はかなり大きいのではないかと思うが、その辺はどう考えか。

【代表】
 私もそれは同じ思いです。
 今、やはり何かモーメンタムが失われているような気がします。どこかで野党が力合わせをして勝利をかち取るという、一つの勝利をきっかけに、あるいは仮に勝利しなくても、池田まきさんのときがそうでしたが、かなり迫ったということがその後の大きな動きにもつながってきたと思います。そういった趣旨で共産党さんも考えられておられるのかなと思いますので、我々としてどこまで何ができるのかについては検討していきたいと思います。

○自由党との連携強化について(1)

【毎日新聞・遠藤記者】
 自由党との連携強化の協議について、先週の時点では4月中に結論を得るということだったが、現在の進捗状況と、今後、小沢代表とお会いする予定があるのか伺いたい。

【代表】
 今、さまざまな党内の調整を引き続きやっております。統一自治体選挙が始まってしまいましたので、そこは少し踏まえて日程やペースなども設定していきたいと思いますが、ただ、小沢代表がおっしゃったように我々は3月28日に「4月30日までに結論を得る」と文書で合意したわけでありますから、タイムリミットは今月末ということは共有していますので、そこを見据えながら党内の調整を進めていきたいと思っています。

【毎日新聞・遠藤記者】
 昨日、小沢代表は記者会見で、4月中に決まらなければこの件は白紙だと、強い表現を使ってお話しになった。それについて代表の受けとめをお願いしたい。

【代表】
 4月30日が期限だということについては、認識を共有しています。

○衆院大阪12区補選の対応について(2)

【読売新聞・深澤記者】
 国民民主党として今後何ができるか検討したいということだが、その検討する一つの選択肢の中で、例えば代表の応援入りであるとか、また現在は府連レベルで自主投票としているが、この対応を改めて変えるという可能性はあるか。

【代表】
 それも含めて検討していきたいと思います。
 さすがに共産党の公認候補だと正直なかなか応援することはできないと思いますが、今回無所属になるし、当選した後も必ずしも共産党に入るというわけではないということも明言されましたので、そういったことも踏まえて、どこまで、何ができるのか、平野幹事長のもとで検討していきたいと思います。

【読売新聞・深澤記者】
 宮本議員、今まで野党でも一緒に森友問題を一緒に追及されたりしてきたが、宮本議員に対する評価というか、候補者としてどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 仕事をご一緒したこともありますが、非常に真面目で、優秀で、ナイスガイだと思っています。

○自由党との連携強化について(2)

【朝日新聞・河合記者】
 自由党との関係だが、代表はきょう午前中のテレビ収録の中で、4月30日の期限については合流も含めて期限だというような認識を示された。4月30日がリミットだということは小沢さんとも共有しているということだが、その中にやはり合流というところも含まれるとお考えか。

【代表】
 どういった形での連携強化ができるか、連携のさらなる次のステップについての結論を得るというのが4月30日になっていますから、いずれにしてもそこで何らかの党内の結論を得るというのがデッドラインだという認識でおりますので、今現在、関係各位と調整を行っているところです。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会について

【NHK・森田記者】
 憲法審査会について伺いたい。きょう、先週に引き続き与党が幹事懇談会をセットし、野党側は一致して欠席した。まず、この立て続けに野党が欠席する中で懇談会を立ててきた与党の対応をどう考えるか。国民民主党としては国民投票法の準備をしているが、憲法審査会の進め方を含めて、どのような形を望むか伺いたい。

【代表】
 我々は、国民投票法の改正が極めて重要だと思っています。ですから、既にCM・広告規制という形で法案を提出しておりますが、その後の議論、とりわけ民放連さんの対応も確認した上で、さらに追加で改正案を盛り込む必要があると。
 5億円の上限規制を、トータルとして5億円にする。つまり複数の団体をつくってそれぞれに5億円だと実際にはざるになってしまうので、トータルで5億円ということを何びとに対しても課すという強化策の追加。  外国人の影響を排除するような新たな規定。
 政党のCM規制についても、我が党もCM、ウェブCMをやりましたが、いわゆるテレビのCMだけではなくてネットCMを含めて規制をかけていく。
 主に3点、追加の改正案をまとめたところですから、ぜひ議論をしたいと思っています。ですから、憲法審査会が静かで穏やかで円満な環境の中で開かれて、我が党のCM・広告規制案を含んだ国民投票法案がしっかりと議論されることを望みたいと思いますし、速やかにそういう環境が整うことを期待したいと思っています。交渉は与党と野党第1党がやっておられますが、ぜひその場を早く整えて、我が党案を議論する環境が整備されることを期待したいと思います。
 このまま、野党が欠席したまま、今の国民投票法案に問題のない何点かの修正を加えて成立させて、CM・広告規制が置き去りになったまま成立することが最悪だと思っていますので、早く国民投票法改正案を議論する憲法審査会を開いてもらいたいと思います。

○世論調査の結果について

【日本テレビ・右松記者】
 昨日、読売新聞・日本テレビの世論調査の結果が出た。その中で、まず内閣支持率が高く上がったということと、加えて、野党の支持率が少し下がりぎみになっている。立憲民主党の支持率が3%、国民民主党は1%、共産党3%ということで、全体的に野党の支持率が下がっている傾向があるが、このあたりをどのように分析されているか。

【代表】
 我が党は少し上がったと認識していますが、まだまだ低いのが現状です。
 野党第1党の立憲民主党さんと共産党さんが同じ3%という数字だったと思いますが、これは野党全体で見たときに非常に危機的な状況だと思います。野党第1党が3%だったというのは、ここ数年ないのではないでしょうか。その意味では、国民の野党全体に対する期待が極めて低下しているということだと思いますし、安倍政権に対する選択肢がないというのが国民の今の正直な認識だと思います。
 「支持政党なし」が42%ということで、私は前から申し上げていますが、日本はその意味では二大政党制になっていて、自民党と「支持政党なし」の二大政党制は確実に成り立っているのですが、支持政党がない人たちを受け入れる政治の枠組みがないということが、今の日本の民主主義にとって危機的な状況だと思っています。その意味では、やはり野党の大きな固まりをつくっていく、その中でさまざまな、過去いろいろなことがあったことを一つ一つ乗り越えながら、自民党にかわる「もう一つの選択肢」をつくっていかなければならない。
 今、国民から見えているのは、野党同士で何か勢力争いとか足の引っ張り合いばかりをしているというような姿しか見えていないと思います。それは、まさに民主党政権からつながっている内部闘争の延長でしかない。このことは私たちは反省して厳しく受けとめないと、国民に選択肢を示す議会制民主主義が日本になくなってしまう。
 そういう危機感を持っていますので、できるところから、何とか大きな固まりをつくっていきたいということで、今、私もさまざまな努力をしているところではありますが、このままでは国民から野党全体が厳しく見放されることになりかねないと思っていますので、とにかくまとまるところはしっかりまとまっていく。そのことが大事だと思っています。

○自由党との連携強化について(3)

【「夕刊フジ」・村上記者】
 2点伺いたい。
 小沢自由党との合流の話だが、国民民主党の党内には小沢さんに対するアレルギーがまだまだある。月末までに、そういった党内の反対勢力の人たちをちゃんと説得できるのかどうかかが一つ。
 それと、大きな固まりということだが、立憲民主党といろいろな意味で相入れない部分がある中で、この先、立憲民主党とタッグを組むということはあり得るのかどうか伺いたい。

【代表】
 アレルギーというよりも、さまざまな選挙区事情等々の問題で、それほど多くの反対、反対が多数を占めているとは私は思いませんが、ただ、どうしても選挙区事情等々で乗り越えなければいけない課題があることも事実ですので、それを今、丁寧に行っているということであります。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 小沢さんに対するアレルギー、それを月末までに払拭できるか。

【代表】
 「アレルギー」というのは何ですか、具体的に。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 小沢さんと組むことに対して、党内全ての人たちが納得できると代表がお考えになっているかどうか。そうでなければ、そういった党内の、小沢さんと組むのは嫌だと思う人たちにはどういうふうに理解を求めていくか。

【代表】
 これは全ての議員とブロック別にも、そして衆参両院で丁寧に意見聴取をしてきましたので、皆さんの意見は全員頭に入っております。その上で、できるだけ大きな固まりにしていく。そのための乗り越えていくべき障害を丁寧に乗り越えていきたいということで、ずっとそういった党内調整をしているということであります。
 立憲民主党さんとどうかということですが、野党が一つにならないと話になりませんから、私どもとしては何の障害もないと思っています。もともと一緒に、ついこの前まで一緒にやってきたわけですから、何が違うのかではなくて何が同じなのか、あるいは国民のために力を合わせて何ができるのかということで結束していかないと、国民のための「もう一つの選択肢」はいつまでたってもつくれない。それでは日本の議会制民主主義は成り立たないという強い危機感を持っていますので、とにかくまとまっていく努力をしていきたい。汗をかきたいと思っています。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 合流の相手だが、自由党とくっついたと仮定して、その後に来るのは立憲民主党なのか、あるいは維新なのか。その辺のお考えを伺いたい。

【代表】
 言えません。いろいろなパターンがあり得ます。
 まずは、やはり旧民主党で一緒にやってきた仲間の方々は、地方を回っていますと、「早く一緒になってくれ」「早く力合わせをしてくれ」と。国政政党の都合で、地方組織も自治体議員も支援組織もばらばらになったり、ばらばらになろうとしていますから、「何とかまとまってくれ」というのは旧民主党の仲間から言われることが多いので、まずはそういったかつての仲間を結集させていくことが大事だと考えています。

【時事通信・中山記者】
 立憲民主党の菅直人元首相がブログで、「国民民主党は一度解散して、個々の議員の判断で一番政治理念の近い政党に参加するのがいい」と書いているが、こういった考え方についてどのように思われるか。

【代表】
 菅元総理のお考えだなと。前々からそういうことをおっしゃっておられるので、従来の主張だなという印象です。

○子ども・子育て支援法改正案 幼保無償化について

【読売新聞・深澤記者】
 内閣委員会で間もなく採決される予定の、子ども・子育て支援法改正案に対する国民民主党の立場と、この法案が持つ意義について伺いたい。

【代表】
 子どもに対して投資をふやしていく、家計負担を和らげていくことについては賛成です。私たちは幼児教育無償化ということも基本政策に掲げていますので、大きな方向としては賛同しますが、ただ、これは国会でも何度か議論になりましたが、待機児童問題をさらに悪化させてしまうのではないのかという優先順位の問題はあろうかと思いますし、かつ、今回明らかに、消費税増税分で保育料を無料化していくということになるとどうしても所得の高い人ほどメリットを受ける。私たちは教育に関してはユニバーサルに所得制限なくやろうというのが基本的な考えですから、それはそれでいいのですが、であれば一方で金融所得課税を少し強化するとか、あるいは所得税の累進を高めるとか、所得の高い人から別途ご負担を求めるような対策とセットでやらないと、むしろ格差を広げてしまうことになってしまうのではないかと思います。
 無償化を実現したり、あるいは高等教育、特に大学の奨学金を充実させていくことについては賛成ですし、さらに進めていくべきだと思いますが、一方での高所得者の皆さんに対する負担のあり方、あるいは待機児童対策等の優先順位ということにおいてはやはり問題があると言わざるを得ないと思っています。

○統一自治体選挙について

【朝日新聞・河合記者】
 統一選に関して伺いたい。結党以来、地方議員が立憲に流れるとか、今回の選挙に立候補している方でも無所属で出るという決断をされている方もいる。こうした現状の中で、統一選の意義、今回どういう統一選にしていきたいか。今、走り出しているが、改めてお考えを伺いたい。

【代表】
 まず、我が党が結党したのは去年の5月ですから、あと1ヵ月ぐらいで1年ということになりますが、初めて全国規模で戦う選挙ということで、我が党の足場をしっかり固めていく選挙だという位置づけでおります。
 あわせて、私たちは地方を大切にする政党、地方組織・地方議員を大事にする政党ですから、その意味では国政選挙並みに力を入れて取り組んで、公認・推薦候補全員の当選を目指したいと思います。
 今、私、全国を回っていますが、よく頑張っていると思います、各地域地域で。先般の台東区議会議員選挙もそうでしたが、確かに支持率は低いのですが、やはり自治体議員は地域に根差して活動してなんぼというところがあり、やはり4年間なり活動・運動してきて、それが有権者の支持をしっかり得られている人はちゃんと通っています。有権者はよく見ていると思います。その意味では底力が試される選挙だと思いますので、ぜひこれまでの力を発揮してもらって、全員当選をかち取りたいと思っています。

○エネルギー政策について

【フリーランス・堀田記者】
 先日、5人の議員が単産の委員長ともども世耕さんに会った話だが、世耕さんは、単産の委員長だけが来るのでは会わなかったが、国民民主党の、しかもベテランである柳田さんなどもついてきてくれたので会って、とてもうれしい回答をもらった、私は力づけられた、と言っている。この5人の行動に対して、何か国民民主党としては問題はなかったのか。

【代表】
 先般、報道を一部したメディアに対して、若干事実関係が異なるということで申し入れをしたと聞いておりますが、それは確かに紹介議員としてついていったのだけれども、あそこに書いている項目を議員として要請・要求したことはないということです。
 もちろんさまざまな団体に応援いただいて我々議員活動をしておりますので、なかなかそういう民間団体だけで大臣に会うということは難しいですから、その意味では紹介議員として同行したということは理解できますが、議員あるいは党としての考えと支援団体としての考えは必ずしも一致するものではありません。ただ、そういった意見があるということを、政権なり、それを担当する大臣に届けるということは意義があると思いますので、そうしたつなぎの役割をすることについてまで否定するものではないと思いますから、我々としては、それは個々の議員のご判断だと思います。
 繰り返しになりますが、我々は「2030年代・原発ゼロ」を目指して、いかに具体的に原発ゼロに近づけていくのか。財源、誰がやるのか、人の問題、そういったことも含めて具体的な絵姿を示していく、責任あるロードマップを示していきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 玉木さんの政治の師匠の1人でもある亀井さんが、玉木に言っておけと。地球温暖化を防ぐために再稼働するのではない、要するに、火力を使うのではない、これからはバイオマスだと。亀井さんがバイオマスをやっているので。

【代表】
 亀井さんがやっているということよりも、私も畜産の一つの対策として、家畜の糞尿を使ったバイオマスはこれからもっと推進していくべきだと思いますし、あとは木質バイオマスですね、日本は森林資源が多いですから。こういったことを積極的に推進していくことは大事だと思っていますので、ご忠告、ご助言をしっかり受けとめて頑張っていきたいと思います。