玉木雄一郎代表記者会見

2019年4月10日(水)13時00分~13時31分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/6ZAl2RFO8Fw


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○自衛隊F35戦闘機の墜落事故について

【代表】
 F35Aが青森県沖の太平洋上で墜落したとの報に接しております。
 パイロットがまだ見つかっておりませんので、政府としてはパイロットの捜索にまず全力で当たってもらいたいと思います。
 あわせて、こうした事故による地域住民の不安も大きいと思いますので、今回の墜落の原因究明と再発防止策の徹底を政府に強く求めたいと思います。

○統一自治体選挙・前半戦の結果について

【代表】
 次に、さまざまお問い合わせもいただいております、さきの統一自治体選挙前半戦の結果についてでありますが、公認、推薦、そして党籍があるが無所属という方、さまざまな形態がありましたが、我が党の党籍を持って戦った方ということで改めて整理をいたしましたところ、177名が立候補して135名が当選いたしました。
 当選率でいいますと76.3%ということで、2015年の民主党時代が74.6%でしたので、それよりも高い比率となっております。改選前146議席でありまして、改選後135ということですので、厳しい中で何とか踏ん張ったのかなという気がいたしております。勇退した方が14名いますので、その意味では同水準を確保できたのかなと思っております。
 他方で、都市部を中心に、政令指定都市での結果については、58名が出て36名当選ということで、党籍を有している者の当選率は52.9%、半分強ということで、やはり都市部で厳しいということは実態としてあると思います。
 こうしたことを踏まえて、後半戦、また夏の参議院選挙に生かしていきたいと思います。
 一部で「国民民主党、大幅減」という報道もありますが、我が党としては、都市部では苦戦したものの、全体としては皆さんの努力でかなり踏ん張ったということでありますし、県連によっては議席をふやしているところもあります。地道な活動がやはり重要だと思っておりますので、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

○セクハラ・マタハラ対策強化法案の取りまとめについて

【代表】
 本日の総務会で、セクハラ・マタハラ対策を強化する議員立法(セクハラ・マタハラに係る男女雇用機会均等法改正案)の取りまとめを予定しております。
 先ほど役員会では通りましたが、ポイントは、現行法では必ずしも法規制の対象になっていない他社の従業員に対するセクハラや、これは大林組で問題になりましたが、まだ雇用関係に入っていない求職活動中の若者・人に対するセクハラ、あるいはフリーランスの方に対するセクハラといった対策を強化していくことを内容としておりますので、既に提出されている閣法と並べてぜひ審議をしていただきたいということで速やかに提出していきたいと思います。
 なお、本日17時から、我が党の中で国会議員・秘書を対象にハラスメント講習会を行う予定にしております。我々、国会でセクハラの問題を議論する前に、まず党内でしっかりと意識を高めていきたいと、セクハラはあってはならないと我が党としても考えておりますので、あらゆるハラスメントのない社会を目指して積極的に取り組んでいきたいと思っております。


■質疑

○統一自治体選挙・前半戦の結果について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 惨敗した北海道知事選の責任は誰にあると思われるか。

【代表】
 野党みんなで推したということなので、野党全体に責任があるのかなと思いますが、やはり候補者の擁立をもう少し早く行って、十分な準備をして臨むべきではなかったかなと思います。やはり広い北海道ですから、しっかりと活動を浸透させるのも時間がかかりますので、その意味では、いずれにしても候補者の擁立を早く進めて。最後追い上げたと思いますが、活動の時間も足りなかったのかなと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 追い上げたとか、候補者を立てるのが遅れたとか、そんなのは何の理由にもならない。勝ちと負けしかない。この結果は、自公側から言わせると、野党が一体になっても大したことはないという印象を日本国民に全部与えてしまったが、そういったことについてはどうか。とにかく惨敗だ。

【代表】
 選挙結果を分析して、次の取り組みにつなげていきたいと思います

【「FACTA」・宮嶋記者】
 例えば四国の香川は議席がふえたということだが、何か都道府県別で特徴的なことがあればもう少し教えていただきたい。それから政令市のほうは、とりわけ大阪府・市とか、あまり当選できなかったところで大きいところがどこかあったか伺いたい。

【代表】
 今手元にないのですが、例えば私の地元だと公認・推薦候補は倍増しています。(司会の)西岡秀子さんの長崎県も現状維持、しっかりと5議席維持していますので、国会議員がいるところとか、意外に地方でかなり踏ん張っているなというのが印象です。
 政令市では、今回我が党が減った、立憲がふえたということよりも、旧民主で足して減っていることが実は本質的な問題だと思っています。よく分析しなければいけないのは、両方が立って共倒れしているというようなケースが野党としては一番問題だと思っていますので、果たしてそういった擁立に無理がなかったのか、あるいは擁立する選挙区の調整がもう少しうまくできなかったのか、そういったことはしっかりと分析していきたいと思っております。

【NHK・森田記者】
 民主党時代よりも高い当選率ということだったが、この結果を受けて菅元総理がツイッターで国民民主党に対して、政治理念が不明確である、解散して個々の議員の判断で立憲との再結集を、というようなことをツイートした。元総理がこういった発言をされることについてどのように受けとめているか。

【代表】
 過去、何度かツイートされているのでお考えは承知しておりますが、我が党の理念は明確で、多様性、あるいは包摂、こういったことを重要視する政党です。いろいろな考え方の方がいらっしゃるのがこの多様な社会の特徴ですが、その違いを強調するのではなく、何が同じかということをしっかりと見定めて、協力できるところは協力していく、助け合うところは助け合っていくということが大事だし、そんな社会を目指していきたいと思っています。

【テレビ朝日・中丸記者】
 代表は先ほど、統一自治体選挙前半の総括として、都市部でちょっと弱さが見られると。その都市部の弱さの原因、なぜそういうふうになっているとお考えか。そして、後半戦はすぐ目の前だが、参議院選挙に向けて都市部対策で何か方針を変えるとか新しい一手があるか伺いたい。

【代表】
 現職の衆議院議員がいないということが一番大きいです。議員がいて活動していると、それなりに党の印象と本人の活動が一致します。例えばNHKの調査では私の地元のさぬき市は国民民主党21%ありましたし、西岡さんの長崎は国民民主党10%・立憲民主党10%ですから、議員がいて活動しているところはそれなりに出ているし、民主党時代と同じくらい出ているところもあります。
 ただ、どうしても人口が1割強いるところで衆議院議員が1人もいないということは、なかなか党あるいは党名を浸透させる活動がしにくい状況にあり、全体の平均値としての支持率がなかなか上がらない大きな原因の一つだと思っています。
 なので、参議院、そして衆議院の候補者も含めて、積極的に擁立できるところは擁立していきたい。その中で活動を地道に展開していく、そういう態勢をつくっていきたいと思っています。

○衆院大阪12区補選の対応について

【テレビ朝日・中丸記者】
 昨日、原口一博国対委員長が記者会見で、大阪12区の対応について、大阪府連としては自主投票ということだが、宮本さんのことも含め、ちょっと構図が変わってきたので、きょうの役員会で討議したいとおっしゃっていたが、何かきょうの役員会で方針が変わったようなことはあったか。

【代表】
 自主投票ということは変わらないということで確認をしました。
 その上で、委員会とか個人的なつながりとかさまざまなご縁もあるので、そういった方が応援に行くことは構わないかという話があったので、それは自主投票の範囲の中でということで確認されたということです。

○統一自治体選挙・前半の結果について(2)

【フリーランス・安積記者】
 先ほど菅さんの話も出ていたが、江田憲司さんが、7日の結果を踏まえて、神奈川県に関してだが、もっと立憲がぶつけていたら国民民主は壊滅していただろう、立憲民主中心の野党再編を希望する、というようなツイートをされた。これについては非常に批判が多かったが。各自治体ごとに傾向は違うと思うが、こういう意見について、すなわち野党で連携しなければいけない相手がこういう意見を述べてしまうということについてはどういうふうにお考えか。

【代表】
 我が党のことを気にしていただいている党首経験者が多いな、という印象です。
 とにかく連携をいかに図っていくかということが大事なので、やはり安倍政権に対してどう野党が向き合っていくのか。野党の中でどちらが勢力をとるとかとらないとかいうのは多くの国民にとっては関心がないと思いますし、数の力でどんどん前に進めていく安倍政権に対する緊張感をどうやってつくっていくのか。そのための野党の力合わせ、結集ということを多くの国民は求めておられると思いますので、あくまで安倍政権に向いてどうするのかということを考えていくことが大事だと思っています。

○参議院定数増 歳費削減法案について

【毎日新聞・遠藤記者】
 参議院の関係だが、歳費削減法案について、予算の成立があったので今後審議を与党側が提案してくると思われる。国民民主党は対案を用意されているが、向こうから審議入りの提案があった場合に国民民主党としてはそれに応じるのかどうか、現状の考えを伺いたい。

【代表】
 我々は、あらゆる法案に対して、しっかりと国会の中で議論していくという立場です。
 ただ、今の与党が提案している、6増に対して申しわけ程度に歳費を減らすと。何で参議院だけ減らして衆議院を減らさないのかとか、意味がよくわかりません、はっきり言って。本来ならば増税する前に身を切らなければいけないのにふやしておいて、「まずいな」「申しわけないな」と思ったのか知りませんが、お茶を濁すような歳費の削減というのは本質的なものではないと私は思いますから、我が党としての対案をしっかりぶつけて国会の中で議論していきたいと思っています。

○自由党・山本議員の新党立ち上げ表明について

【日本テレビ・右松記者】
 参議院議員の自由党の山本太郎議員が、本日18時から、自由党の離党、そして新党結成に関して記者会見を行うという発表があった。この件について代表として把握されているかどうかと、これまで自由党と会派をともにしていて、山本太郎氏の今後の去就はちょっとわからないが、その点についての受けとめをお願いしたい。

【代表】
 それについて私は何のお話も伺っておりません。共同代表を務めておられるので、正直驚いていますし、どういう形で今後されるのかというのはまだ聞いておりませんので、18時からの会見を見守りたいと思いますが、どうされるのかなと。少し今後の方向性なり教えていただければなとは思っています。

【フリーランス・安積記者】
 報道によると、院内会派はそのままいるということだが、肝心なのは次の参議院選だ。国民民主党の政策、特に原発政策と、山本太郎議員の主張されている原発政策とはかなり乖離があると思う。普通だったら統一会派を組んでいたら選挙協力をある程度していくのではないかと思うが、これは完全に白紙状態になるのか。

【代表】
 これから、どういう立場で、どのような行動、どのような発言、どのような主張をされていかれるのかというのは、今の時点でちょっとわからないので、現時点ではコメントは差し控えたいと思います。
 会見をされるようですから、まずそれを伺って、こちらとしての対応も決めていきたいと思っています。

○紙幣刷新について

【時事通信・御船記者】
 先日、財務省から新札が発表された。それについての受けとめと、今、新元号・改元といった祝賀ムード的なものが広がる中で、塚田さんの問題などの目くらましではないかと見る向きもあるが、その点についてどう思われるか伺いたい。

【代表】
 2024年からということで伺っておりますが、なぜこのタイミングなのかなと。やはり祝賀ムードに便乗して、祝賀のてんこ盛りみたいな雰囲気を醸し出そうとしているのかもしれませんが、そもそもキャッシュレス社会を目指そうという中で、新しいお札を出していくことの意義を根本から考えたほうがいいのではないかと思っています。
 私は代表選挙の公約などでも掲げていますが、今、中国の中央銀行やイギリスの中央銀行で検討されているような、いわゆるセントラルバンク・デジタルカレンシーとかセントラルバンク・クリプトカレンシーと言われるような、法定通貨を電子化して一気に社会のデジタル化を進めていくというような議論もなされています。むしろ日本は、そういった方向に舵を切っていく、そういったセキュリティの技術を高めていく。もちろん彫りや透かしやホログラムなどの偽造防止技術を磨いていくことも一方で大事だと思いますが、まさに新しい時代の、令和の時代の新しい通貨のあり方、そういう議論を政府からは聞きたいと思いますし、我が党としてはそういったことを推進していきたいと思っています。

○自由党との連携強化について

【産経新聞・廣池記者】
 自由党との関係について伺いたい。4月末までに結論を得るということだが、時間もあまりないが、今後どう党内手続を進めていくのか。また、当初予定していた両院議員懇談会の日程も、もし決まっていればあわせてお聞きしたい。

【代表】
 今も選挙中なので、具体的には決まっていないというか、選挙に専念すると。衆議院の補選も始まりましたので、それが終わってから進めたいと思いますが、今週中にでも一度、小沢代表とは会おうかなと思っています。幾つか、いろいろな整理・調整をしなければいけない事項もありますから、今週どこかで一度お会いして、後半戦の前にいろいろなすり合わせは行いたい。特に選挙区の調整、候補者の調整ということが、やはり政策の次に重要になってくると思いますので、そういったことをよく膝詰めで話をしたいと思います。

【産経新聞・廣池記者】
 大阪12区補選では、自由党は推薦を出して、国民民主党は自主投票と、対応が分かれた。この対応が分かれたことが連携強化の協議に与える影響はあるとお考えか。

【代表】
 全くありません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今のお話で、国民民主党とはかなり不可逆的な流れなのかなという印象を受けた。それはこれからの交渉だと思うが、小沢さんがバーターとはいえ12区で推薦をしたのは、ある意味ですごい決断だと思うが、共産党とはいえ無所属ならば応援するという決断について何か事前に小沢さんから玉木さんに説明があったり、玉木さんや平野さんを含めて、野党共闘に向けて何かしてくれという要望があったりしたことはないのか伺いたい。

【代表】
 要望というのは、自由党側からですか。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 自由党、小沢さんからですね。小沢さんから、推薦することについて説明というか、合流することをもし前提としたらこれは大きな差があると思うが、その辺も含めて何か事前の説明があったのかなかったのか伺いたい。

【代表】
 幹事長がそういったところは全部担当して、お話をいろいろ進めていると聞いています。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会について

【毎日新聞・遠藤記者】
 本日、衆議院の憲法審の幹事懇がセットされ、野党側は出席しないということで落ちついたようだ。代表はかねてより憲法審では国民投票法改正案の議論をしてほしいとおっしゃっていたと思うが、現状についてどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 これはもう何度もここで申し上げていますように、我々は国民投票法の改正案を既に提出し、さらに外国人の規制であったり、あるいは5億円の総額規制を入れたり、あるいは政党のウェブCMの規制も入れたりという、改正案の改正案、きちんとした公平な国民投票が実現するような法案を用意しておりますから、ぜひ早く憲法審で議論できる環境を整えていただきたい。
 それは一義的には与党と野党第1党の間で、議論できる環境を整えていただきたいと思っています。我々はその調整を待つしかないので。みんなが納得して、静かな環境の中で議論ができるような環境をぜひ整えて、早く私たちの案を世に問いたいと思っています。

【毎日新聞・遠藤記者】
 与党と野党第1党の間で調整してほしいということだったが、国民民主党だけが憲法審に野党から参加するということは選択肢としてはあるのか。

【代表】
 現場は国対に任せています。
 我々としてはやりたい。ただ、憲法というのは、中山太郎先生のときからそうですが、やはり丁寧な与野党合意を形成しながら議論していくというのがある種の憲法審のルールです。ですから、そこはやはり重んじつつ、静かな環境で議論ができる環境をとにかく1日も早く整えて、我が党の案を早く世に問いたい。そう思っています。

○経済見通しについて

【日本テレビ・右松記者】
 現状の経済の見通しについて代表の受けとめを伺いたい。これまで景気が上向きになっていたところから下降気味になっているという指摘もある。今後、御代がかわった後の日本の経済をどのように見ているのか。さらに消費税の引き上げなどについても、どういうふうになろうかというところについて、代表の今の見立てについて伺いたい。

【代表】
 政府や日銀が出している数字を見ますと、明らかに昨年末からトレンドが変わってきているのだと思います。特に、賃金が伸びていない。結果、消費も弱含んでいるということですし、製造業を中心とした、特に中国とビジネスをしているところは大企業も中小企業も非常に景況感が悪くなってきているということで、要注意、黄色信号がともっているのが日本経済の現状だと思っています。
 その意味では、もちろん軽減税率やポイント還元といったおかしな制度がついていることもそうなのですが、景気の状況を見ても、なかなか消費税を上げられる環境ではなくなってきているのではないかと思っていますので、ここは、よりしっかり注視していきたい。オリンピックが来年に控えていますが、場合によってはもうオリンピックの前に日本経済はピークアウトしてしまうことが予想されますので、この5月、さらに踊り場から上に行けるのか、さらに下がっていくのか、まさに御代がわりをした5月の景況感というのが今後の日本の経済のあり方を決める上でも極めて重要だと思っていますので、注視していきたいと思っています。

○統一自治体選挙・前半の結果について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 統一地方選の前半を見ていると、国民民主党公認でありながら国民民主党と言わない候補者が多い。立憲の人たちは誇らしげに言う。それは個人が有名でないので、立憲民主並びに枝野さんの力をかりたいと思うからだが。何か余りにも国民民主党というのを隠してコセコセやっている。後半でもこういったことになると、まさに国民民主党カラーの黄色、注意信号がついてしまう。だから、もっと胸を張ってやるように指導、言ってください。本当に情けないですよ、無所属みたいな形で、党名隠して。選挙というのは自分の名前と党名を出して一直線に進む、これが亀井静香流だ。本当に言ってください。そうでないと国民民主党はその色のとおりに注意信号になってしまう。

【代表】
 ご心配いただいて、ありがとうございます。
 ただ、逆に言うと、党に頼らなくても個人の力で勝ち切る、そういう足腰の非常に強い議員が、国会議員・自治体議員問わず我が党に集っているんだなと思いますから、有権者との個人的な関係を築いている本物の政治家が多いなと思います。
 党の人気やブーム、そういったことに頼らず地道な活動をしてきた、そういった方が国民民主党に残っているんだなと思いますので、そういった仲間たちを大切にしていきたいと思っています。