玉木雄一郎代表記者会見

2019年4月17日(水)14時00分~14時27分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/QDggyujJ_-k


■冒頭発言

  • とくになし

■質疑


■冒頭発言

【代表】
 きょうは特にございません。何かありましたら。


■質疑

○予算委集中審議の開催拒否について

【TBS・小林記者】
 玉木代表ご自身のツイッターで、予算委員会の集中を求めたやりとりで与党が拒否したことなどに触れ、「与党も野党も審議拒否」だとツイートされた。改めて、与党側が集中を拒否したことについての受けとめと、参議院のほうでは舟山康江国対委員長が、審議拒否もすべきだというような考えも示されている。党内からそういう声も上がっていることについてどうお考えか。

【代表】
 まず、今の国会の仕組みであれば、仮に自民党が野党になっても同じようなことをやらざるを得ない。つまり、通年国会でありませんから、会期制をとっていて、どうしても国会のやりとりの中心が法案等の中身ではなく日程闘争になりがちなことは、やはり国会改革として改めていかなければならないと思っています。
 野党は数少ない手段の中で日程闘争に力を入れざるを得ませんし、逆に与党側はなるべく野党からの要求は受けずに会期内に全ての、特に閣法を成立させたいということで、審議が十分行われなくても強引に採決したりする。どっちもこれは国民にとってよくないと思います。ですから国会改革ということを我々も提言してきましたが、平成がもうあとわずかで終わりますが、そういった改革ができていないことについては、まず、非常に残念だと思います。
 その上で、塚田副大臣がやめ、そして桜田大臣がやめ、さまざまな問題点が指摘されている。例えば竹田JOC会長がやめられましたが、一体どのような理由でやめたのか。言われている賄賂疑惑といったものは真実は一体どうだったのかということについても、国会の中で明らかにしていかなければならない。各省庁にまたがる案件も多々あると思いますので、予算委員会はぜひ開催してもらいたいと思っていますが、全く開催しないということは国民が求めている姿ではないと思います。
 一方で野党側も、例えば憲法審査会。これは明らかに与党側のやり方が強引で、私たちが参加できないような形で幹事懇を設けたりして、むしろ出させないようにして、連休もこの後ありますが、そうすると「何十日もサボっている」ということを演出しようとしているのかなとさえ思いますが、ただ、我々としては国民投票法の改正案をしっかり用意していますから、1日も早く議論に入りたいと思っています。ですから、そこは与野党双方が努力して、特に交渉会派である野党第1党と与党側が折り合いをつけて、静かな環境で議論できる、そういった状況を1日も早くつくり出していただけるように期待したいと思いますし、そういった働きかけをしていきたいと思っています。

○野党連携 候補者擁立・調整について

【毎日新聞・遠藤記者】
 本日、立憲民主党の枝野代表がラジオ番組で、統一選が終わった後に衆議院の候補者の一本化調整も進めていくべきだという考えを示した。それについて玉木代表はどのようにお考えになるか伺いたい。

【代表】
 もう1日も早く行うべきだと思います。野党第1党の党首がそういった呼びかけをされることは大変歓迎したいと思いますし、私、前から申し上げているように、衆参同日選挙もあるかもしれませんから、参議院の1人区だけではなく、ある意味全てが1人区である衆議院については候補者調整をすべきだ。
 ただ、最大の問題は、衆も参も同じなのですが、調整の以前に、立憲民主党からも国民民主党からも候補者を立てることができていない、いわゆる空白区が衆議院においてもたくさんあるわけですから、そこをしっかりと埋めていくことが何より大切だと思っていますし、それができないとまさに政権与党は解散を打ってくる。不戦敗ということになりますから、急いで衆議院の候補者の発掘と調整を行うべきだと思いますし、国民民主党としてもそういった枝野代表からの呼びかけには応えて、協力してやっていきたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 枝野さんの呼びかけはいいが、菅さんとか岡田さんとか安住さんとか江田さんについては、まだきちんとしたけじめがつけられていない。はっきり言うと内政干渉だ。あなたはなめられている。もうちょっときちんとやって、例えば16控室でやるPTで国会議員の資格のない4人を追放しようということをやってもいいのではないか。菅さんたちのやったことは余りにもひどい。きちんとそれを公的に謝らせるということをやらなければ、あなたの国民民主党の下の人間、もしくは国民民主党の支持者から、不適格だということが突きつけられるのではないか。私はきのう菅さんに、国会議員の資格なんかない、やめろと言った。そうしたら逃げていっちゃったが。

【代表】
 万事そうなのですが、憎しみに対して憎しみで応えたり、恨みに対して恨みで応えていると、物事は解決しないと思います。私たちは多様性と包摂を重んじる政党ですから、より大きな目標に向かって何ができるのか。そういったことをリーダーとしてもしっかり考えていきたいと思います。

【「フランス10」・及川記者】
 参議院岩手選挙区について伺いたい。自由・社民・共産は元パラリンピック選手の擁立を決めており、国民民主党からは候補者の交代を求めたと思うが、きょうの穀田恵二さんの記者会見、おとといの小池晃さんの記者会見では、もうこの段階では共産党としては候補者の交代は認められないと言っている。参議院岩手選挙区の状況をどうお考えか伺いたい。

【代表】
 相手が自民党に移った平野(達男)元大臣ですから、相当強敵だと思います。その意味では、確実に勝てる候補は誰なのかという観点からベストの候補者を選ばなければならないと思っておりまして、国民民主党としては独自の候補者を提案しております。これまでのさまざまな経緯があることは承知しておりますが、やはり必ず勝ちにいかなければいけないという観点から、自由党さん、そして共産党さん、社民党さん、引き続き粘り強く、本当に勝てる候補は誰なのかという観点でもう一度ご議論をいただきたいとお願いしております。連日やっておりますので、引き続き努力を続けたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きのう枝野さんも玉木さんも沖縄に行かれた。沖縄の今の戦いぶりが、大阪もそうだが、その後、野党結集の化学変化に劇的につながっていくという感触があるような状況だとごらんになっているか。それから、その前提となる野党を一つにするには自由党とやるのは当たり前だと私はずっと思っているが、そちらの腹合わせを小沢さんとやるとおっしゃったが、もう加速度的に進むのかどうか、その辺を伺いたい。

【代表】
 今の選挙制度上、やはり野党が割れていたのでは不利にしかならないと思いますから、そこはできるだけ力を合わせていくことが必要だと思います。
 同時に、いわゆる無党派層と言われるような方々に対してしっかりとアピールするものがなければ、単に野党を合わせただけでも勝てないというのが、これまで累次の選挙の結果が示しているのではないか。
 つまり、野党がまとまることは必要条件だと思います、勝利のためには。ただ、十分条件ではない。何を十分条件にしていくのかというときにやはり大切なのは、その地域の課題にしっかり向き合うことだと思います。大阪で維新が勝利されたのも大阪のアイデンティティを重視したということだと思いますし、沖縄で玉城デニー知事が勝ったのも沖縄のアイデンティティということだったと思います。
 抽象的な理念ではなく、現に具体的にその地域の皆さんの要望や不満や悲しみに寄り添う、具体的なテーマ設定。これがしっかりできて初めて野党の結集には意味があると思います。単なる数合わせということでは逆に多くの国民の心に響かないと思いますので、こういったことも注意をしながらこれからの戦いの戦略を定めていきたいと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 おっしゃることはよくわかるが、時間がないということが言われている。それから、前回の参議院選挙で1人区で11勝ったのが一つのベースだとしたら、今計算できるのは3あるかどうかという感じだ。枝野さんが急にそういうふうにおっしゃったのも、その豹変の理由はよくわからないが、結局、もう間に合わないのではないかと。もちろん理念とか政策は大事だが、結局この遅れということが、有権者の受け皿をつくっていないという批判を浴びるのではないか。そこはどうごらんになるか。

【代表】
 私はその危機感をずっと主張しておりました。とにかく力を合わせるところから合わせていって、やはり固まりをつくっていかなければいけない。つまり、選択肢がないということが今の政治の一番の問題だと思いますから、そこは野党が力を合わせるところは合わせていくということを急いでやるべきだとずっと主張してきたつもりですし、できるだけの行動はしてきたつもりであります。おっしゃるとおり、そろそろ時間が迫ってきていますので、加速度的にやっていかなければならないと思いますので、ほかの党にもぜひご理解をいただきたい、ほかの会派にもご理解をいただきたいと思っています。

○衆院大阪12区補選について

【毎日新聞・遠藤記者】
 大阪12区補選について伺いたい。先日、立憲民主党の枝野代表が共産党系無所属の宮本岳志候補の事務所に応援に行かれ、聞くところによると、昨日、平野博文幹事長も宮本さんの応援に入られたようだが、玉木代表は大阪12区の応援に入られる予定はあるか。

【代表】
 検討しています。

○日米通商交渉について

【NHK・森田記者】
 きのう日米間でTAG(物品貿易協定)交渉の初会合が開かれた。農産物や自動車の関税が焦点となったが、今回の初会合の交渉をどのようにごらんになったか。

【代表】
 まず、交渉の対象自体を議論しなければならないということ自体、最初から負けているなという感じがします。
 そもそも日米首脳会談でTAGと日本側は呼んでいて、「goods」、物品に関するものだけだったのではないですか。それが、為替をどうするんだとか、サービスをどうするんだとか。少なくともデジタル貿易の分野のルールづくり、ルールというのはある種、物品だけではないわけですから、もう既に押し込まれている印象です。
 加えて、農務長官などは「TPPを超える水準」ということも言っておりますので、これも日米首脳の合意を逸脱しているものだということで、どれだけ負けないかということを交渉する交渉に既になっているのではないか。
 報道ではよく「日米の攻防」と言いますが、攻めるものが何もなくて、負けをどれだけ抑えるのかという、そういう交渉になっていると思われますので、日本の国益を考えたときにこの交渉の結果を非常に心配しております。我々としても厳しく注視していきたいと思っています。

○新CMの反響について

【「フランス10」・及川記者】
 テレビCMなど、戦国物のCMをつくってから1ヵ月以上たったが、その効果はどうなっているか伺いたい。

【代表】
 今、分析をしておりますが、政党名また政党の党首の認知度は25%ぐらいアップしているという報告を受けております。支持層も、20代以下あるいは30代以下で支持が上がっているのと、女性の支持が少しそれで上がっているという報告は受けておりますが、具体的にまだ詳細は聞いておりませんので、よく分析をした上で、これを次につなげていきたいと考えています。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会について

【日本テレビ・柳沢記者】
 先ほど代表から、憲法審で議論していきたいというお話があったが、今後どういった条件が整えば憲法審の議論に臨めるとお考えになるか。そして今国会、憲法審を開ける回数も限られていると思うが、どこまでの議論を期待したいとお考えか。

【代表】
 まずは、さきの国会からの積み残しである国民投票法の議論はぜひ速やかにやりたいと思います。
 私たちは既に国民投票法改正法案を出していますが、さらにそのバージョンアップも既に取りまとめています。具体的に言えば、政党のCM規制もテレビCMだけではなく最近ふえているウェブCMも対象にしたり、CM・広告ができる団体についてはトータルで5億円という総量規制をかけ、さらに、そういった団体に対して外国人からの献金を禁止して外国勢力からの影響を受けないようにして、公平・公正な憲法改正に関する国民投票が行われるようにさらにバージョンアップした改正案を用意しています。
 ぜひこれを議論してもらいたいし、私たちとしてはしっかりとこの改正が盛り込まれるように主張していきたいと考えています。私たちは全く審議を拒否するものではありませんから、早く野党第1党と与党の間で日程等について合意をいただいて、速やかに我が党の用意した国民投票法改正法案、議論に入っていただきたいと思います。

○自由党との連携強化について

【西日本新聞・一ノ宮記者】
 自由党との合流交渉について、小沢さんと今週にも会うという話が先週あったと思うが、その日程がどうなっているのかと、今月末に期限が迫る中、改めて自由党との連携・合流の意義について伺いたい。

【代表】
 まだ決まっていません。今週どこかでまた小沢代表とはお目にかかりたいと思っています。
 意義については、もう何度も申し上げているように、自由党との連携強化は第一歩であって、衆議院選挙もにらんだ野党の大きな固まり、野党全体の連携の強化ということにぜひつなげていきたいし、その第一歩にしていきたいと考えています。

○下関北九州道路について

【フリーランス・堀田記者】
 下関北九州道路のことで伺いたい。塚田(前国交副大臣)があんなことを言ったが、四国にお住まいの玉木さんであれば、これはつくらねばいけないということはわかりますよね。要するに、山口そして広島がバックにあるわけだが、関門トンネルがどれくらい古いか。そして、ルート的に福岡・佐賀に行くもう1本をつくるのはごく当たり前だと思う。
 こんな無駄な議論はやめて、本当に国民が訴えている、例えば読売さんが2日前にやった相双リテックの荒稼ぎの問題。除染、公共。これは2年ぐらい前に雪おろしのときに問題になったが。つまり、これだけの荒稼ぎをさせているところがノーマルな利益を求めれば、避難せざるを得なかった人たちにどれくらいお金が渡るかということがある。
 要するに、たまたま変な発言をしたが、玉木さんであれば十分わかるでしょう、正直言って。四国と本州に3本も橋がかかっている、その経済効果とかそういったことを。ですから、まともな議論をするように、玉木さんからも言ってやってください。

【代表】
 堀田さんの意見にはいつも感銘を受けております。
 確かにお金が無限にあれば必要だと私は思いますが、財政というのは、そもそも限りある資源をどこに配分していくかという中で、合理性とか優先順位を定めてそれを行っていくということなので、今回の事業の必要性とか地元からの要望というのはよくわかりますが、他のさまざまな海峡事業がある中で優先度高く選定された手続や選定のプロセスに公平性・公正性があったのかということについては検証が必要だと思っています。
 同じような観点で、そういった除染の問題、これは非常に大事な問題だと思っています。本当にどこにどのようにお金が使われているのか、効果があったのか、そしてそれが誰に渡っているのか。こういったことも国民の皆さんの関心は高いと思いますので、今いただいたご指摘も踏まえ、我々としての優先順位をしっかり検討していきたいと思っています。

○ノートルダム大聖堂の火災について

【フリーランス・安積記者】
 ノートルダム寺院が火事で、塔が焼け落ちた衝撃的な動画などが出ている。世界遺産に登録されているところで、あれは200年かけてつくられたそうだ。いろいろな宝物が、無事なものも結構あったみたいだが。これについてどう考えていらっしゃるか。

【代表】
 フランスを代表する建物でもあるのですが、人類共通の文化遺産だなと思いますから、あの焼け落ちる姿を見て非常に悲しく感じましたし、それを囲んで歌を歌いながら悲しむフランス国民の皆さんに本当に同情したいと思います。逆に、日本にも、ああいうふうに焼失したときに悲しめるような、文化的な基盤というものをしっかりつくっていかないといけないなと。やはり深い文化の国フランスだなということを改めて感じました。

【フリーランス・安積記者】
 このたびの火事について、エジプトのほうでイスラム教の高名な方が、非常に残念だというふうに、宗教を超えてそういった声が出た。これについてどういうふうに受けとめられるか。すなわち、かなり前からイスラム教徒とキリスト教の戦いみたいなところが見られたが、これについてどういうふうにお感じになるか。

【代表】
 すばらしいことだと思います。歴史的な文化というのは、それを生み出した民族だけのものではなく、世界の共通の資産になっているのだなと思います。
 先般、私は「令和」が発表されたときにも、漢字の文化とか、あるいは元号の文化とか、こういったものは、(元号は)もうオリジナルの中国では既になくなっているのですが、逆にそれは漢字文化、漢字を使う我々北東アジア全体の文化になっていると思いますので、文化というのは国境を越える、民族を越えると思いますから、これを人類全体でしっかりと育んでいく、保護していくことがやはり大事だなということを改めて感じました。

○衆院沖縄3区補選について

【産経新聞・廣池記者】
 沖縄3区補選について、昨日、野党党首そろい踏みで沖縄入りし、現在、屋良候補優勢とも伝えられているが、現時点での手応えを伺いたい。

【代表】
 沖縄市では厳しいと思います。世論調査、幾つか出ていますが、きのうも島尻候補の決起大会がありましたが、相当入っていたと聞いています。沖縄市はちょっと厳しいという感じを受けておりますので、気を緩めることなく取り組んでいかなければ、簡単ではないなという印象を持ちました。