玉木雄一郎代表記者会見

2019年5月8日(水)14時30分~14時58分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/BjtsMTLkgTc


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○結党1周年を迎えて

【代表】
 まず、昨日5月7日をもって我が党・国民民主党は結党から1周年を迎えました。さまざまなことがありましたが、仲間の皆さんにも助けていただいて、この1年迎えることができたこと、本当に感慨深いものがあります。
 改めて結党時のさまざまな文章など、みずから執筆したものも含めて目を通しましたが、原点に返って頑張らなければいけないなと思っております。その原点とは、改革中道政党という立場を明確にして、現実的な、偏らない、正直な政治を進めていこうという、その原点にもう一度立ち返って頑張っていきたいと思います。
 ちょうど令和元年ということで、元号も変わりましたので、その意味では未来を切り開いていく、新時代を切り開く、そんな国民民主党としてのカラーを一層はっきりと出していきたいと思っております。
 「つくろう、新しい答え。」、この具体的な答えを示していく段階に入ってきたと思いますので、夏の参議院選挙に向けて、我々の考え方、政策、カラーをしっかり出していきたい。そう思っています。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会での議論について

【代表】
 国民投票法について、我が党として積極的に議論を進めているところでありますが、あす、民放連から憲法審査会が意見を聴取することになっていると聞いております。これをきっかけに国民投票法、とりわけCM・広告規制についての議論が積極的に行われることを期待したいと思います。
 我が党としては既に案を取りまとめておりますが、さらにアップデートする形で、ウェブCMへの規制、あるいは外国人からの寄附が国民投票運動を行う団体に供与されることを規制する項目など、新たに追加する項目も用意しておりますので、しっかりと議論を深めていきたいと思っております。
 憲法そのものの議論についてもしっかり議論していくべきだと思います。ただ、期限を切って何かお尻を決めてやるような議論ではないと思いますので、国民とともに憲法の議論を静かな環境で深めていくことが大事だと思っております。

○子どもが犠牲になる交通死亡事故の多発について

【代表】
 本日午前中に、滋賀県の大津市で保育園児など16人が並んでいるところに自動車が突っ込むという事故が起きました。少なくとも2人が亡くなって、2人が意識不明ということで聞いておりますが、まず事故に遭われた方々、またご遺族やご家族の方にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 自動車の事故、先般の池袋の事故もそうですが、こうした事故が目立つようになってきております。もちろん原因はさまざまですが、今、新しい自動車産業を取り巻く環境、大きな変化もありますので、安全装置をしっかりとつけた、いわゆるサポートカーというものへの買いかえ、あるいは購入の支援、一部の県ではやっているところもありますが、国としてもそういったことを大規模に大胆に取り組んでいく時期なのかなと。
 あるいは免許についても、今、オートマ専用免許というのがありますが、そういうサポートカー専用免許の創設など、やはり命を守るということについて、最新のテクノロジーも生かした一歩踏み込んだ対策が必要ではないかと思います。
 我が党の関係する議員が中心となって議論を進めておりますので、国民民主党としても考え方をまとめて出していきたいと考えております。

○後半国会での重要テーマについて

【代表】
 最後に、後半国会についてでありますが、いよいよ参議院選挙に向けて残された国会の会期も短くなってまいりました。政府の提出する閣法などではいわゆる対決法案というものは少ないのですが、先ほど申し上げた憲法の議論であるとか、あるいは昨年末から世界経済・国内経済、きょうも株価が落ちているようですが、そういった経済情勢に揺らぎが見られる中で本当に今の予定どおり消費税を上げていいのかどうか。経済対策として今のような政策を続けるのが本当にいいのかどうか。こういった経済政策をめぐる論戦ということもしっかりと戦わせていきたいと思いますし、我が党としては何度か申し上げていますが、「家計第一の経済政策」にそろそろ転換をしていかないと、GDPの6割を占める消費も伸びないし、賃金も伸びない。こういうことが続くようではみんなが将来に不安を感じますので、ぜひ経済政策をめぐる論戦を後半国会ではしっかりと国民民主党としてやっていきたいと考えております。


■質疑

○「家計第一の経済政策」について

【「フランス10」・及川記者】
 端的に伺いたいが、経済政策で論戦していくということだが、参議院選挙に向けて、国民民主党の目玉となる経済政策、どのようなものを予定しているか。

【代表】
 大きく言えば、先ほど申し上げたような、家計を第一に考える、家計を温める政策をしたいと思っています。
 特に、私、従来から申し上げていますが、日本の最大の問題は少子化でもありますから、子どもを持つ、あるいは持とうとする、そういった家計への積極的な支援。「コドモノミクス」ということでこれまでも申し上げてきましたが、しっかりと子どもを産み育てる、そういった環境、とりわけ経済的な支援ということを改めて強化していきたいと思いますし、また「こども国債」の発行ということもかつて提案をしましたが、財政が厳しい厳しいと言って何もしないのでは今の状況を変えることはできませんから、その意味では使うべきところにはしっかりお金を使っていく。財政も、ある意味拡大するところは拡大していくということで、メリハリのきいた経済政策を訴えていきたいと思っています。

○国民投票法改正・独自案 憲法審査会での議論について

【NHK・森田記者】
 冒頭で憲法についてのご発言があったが、憲法の関連で。きょう憲法審査会の幹事会が開かれ、あす、代表もおっしゃった民放連のヒアリングの後、与党側が出している国民投票法の審議・採決の提案も与党側からあった。これについてはどのように対応すべきとお考えか。

【代表】
 我々も公職選挙法の並びの7項目については改正すべきだということで合意をしていますが、それだけである意味終わりにされては困るわけであって、CM・広告規制ということを我々対案も含めてもう示しているわけですから、7項目に加えてCM・広告規制の議論もあわせて行っていただきたいと思いますし、我々としてはそれをぜひ可決していただきたいと思っています。

○参院選 岩手選挙区について

【日本テレビ・右松記者】
 ゴールデンウィーク前に国民民主党と自由党が合流ということになった。その中で6時間半にも及ぶ両院議員総会の主要なテーマは岩手選挙区の問題だったと思う。このゴールデンウィークを挟んで、現在、岩手選挙区の状況はどのようになっているのか、どのような報告を聞いているのか伺いたい。

【代表】
 まずは4者で、現地でもう一度テーブルを持って、誰が一番ベストの候補者なのかということを議論してほしい、その場を設けたいということが、あの6時間に及ぶ議論の中心的なテーマだったと思います。
 あの後、27日の15時だったと思いますが、岩手県の現地で4者の県連の幹事長クラスが集まって一度場を持ったと伺っています。残念ながら何か結論、特に我々の推す黄川田候補に決まるという結論は得られなかったということでありますが、持ち帰って、改めてまた議論をするということになっていると承知をしております。
 同時に、現地だけではなくて本部レベルでもそういった調整をしてほしいという要望をいただいておりますので、平野博文幹事長を中心に、これは全国の調整もありますので、各党とのある意味でのやりとり、交渉というものの中で、何とか各党には我々の意見をご理解いただきたいということで、説得・交渉を引き続き継続しているという状況です。

【日本テレビ・右松記者】
 関連して。参議院選挙はこの夏に迫っており、候補者のそれぞれの活動も含めて期限がどんどん短くなってくると思う。参議院岩手選挙区の候補者の決定などについての期限というのは、イメージとしてはどのぐらいまでに決定したいと。当然、国民民主党としては黄川田氏を公認したいという思いがあると思うが、いずれにしても岩手選挙区の決着はいつまでとお考えか。

【代表】
 これは岩手に限らず、さきの枝野代表との党首会談、各党の党首会談の中でも具体的に話が出ましたが、32ある参議院の1人区については連休明け速やかに決着を図るということでありましたので、その意味では今月中、早い時期に決着を図っていかなければいけないというそもそもの全体のスケジュールがあります。その全体のスケジュールの中で、岩手も1人区ですから、その中で決着を図っていかなければいけない。いずれにしても急がなければいけないという認識でおります。

○消費税率引き上げ再延期説について

【フリーランス・田中記者】
 選挙だが、安倍政権が消費税増税を延期するかのように伝えられている。安倍政権が消費税延期あるいは凍結を打ち出してきた場合、国民民主党としてはどう対応されるか。その対応の中に、選択肢として、5%に戻すとかそういうことはあるか伺いたい。

【代表】
 延期するという説と、そのまま行くという話と、両方聞こえてきますが、まず、上げると言って上げられなかったら、これはまずアベノミクスの失敗ですよね。「戦後最長の景気回復」とか「雇用情勢もいい」と、「経済がいい」と言っているのに消費税を上げられないということは、それはやはり政策として失敗したということですから、その点はまず厳しく追及しなければならないと思っています。
 先送りしたときに我がほうがどうするのかということですが、我々はそもそも今のような増税のあり方、複数税制があったり、あるいはよくわからないポイント還元があったり、むしろ高所得者に有利な財政配分が行われたりということもありますし、世界経済の状況を見ていますと、やはりそう簡単に上げられる状況ではなくなってきているのかなと。私たちはやはり家計重視の経済政策が大事だという以上は、今の状況での消費税増税というのは相当慎重に考えなければいけないと思っています。
 もしそうなったときには5%に戻す、減税するというような話ですが、今の段階では減税するところまでにはなってないなと思いますが、ただ、それこそリーマンショック級の世界を大混乱に陥れるような経済状況になった際は、家計をサポートする手段としてはあらゆる手段を考えていかなければならないと思っています。現時点では、減税するというところまでは考えていません。

○党人事について

【読売新聞・深澤記者】
 先ほどの選挙の話と関連するが、自由党と先月末に合流されて、小沢氏をどのように起用、どのような役職で。選挙にぜひ力を発揮していただきたいと代表はテレビ番組等ではおっしゃっていたが、現段階のお考えを伺いたい。

【代表】
 いろいろな能力をお持ちの方が我が党に加わっていただきましたので、それぞれ力をぜひ発揮していただきたいと思っております。
 小沢元自由党代表については、やはり長年の政治キャリアもありますし、特に全国の選挙区について非常にお詳しい方でありますから、当然そういった分野については力をかりたいと思っていますが、具体的な役職等については現時点では未定です。
 ただ、きょうの役員会で、どういう人事をするかについては私に一任をいただきましたので、小沢元代表ともよく話をして、一番力を発揮していただけるようなポジションで頑張っていただきたいと思っております。

○参院選 東京選挙区について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 東京の参議院は誰かを出すのか、伺いたい。

【代表】
 今、調整をしております。

【フリーランス・堀田記者】
 山本さんのことで聞きたいが、4月26日、衆参6人は国民民主党に入って自由党はなくなった。山本さんはその前に「れいわ新撰組」というのを立ち上げて、要するに国民民主党と自由党の結論が出たら自分の立場をはっきりさせると言うが、まださせていない。きょう秋葉原で街宣があるので、行ってちょっと詰問しようと思うが。山本さんと国民民主党は原発における立場などが違うわけだが、山本さんを国民民主党の公認として東京選挙区に出すというようなことはあるか伺いたい。

【代表】
 法的な手続の完了を受けて発言したほうがいいと思いますが、現時点においては、我が党に加わっていただいたのは衆議院3名・参議院3名で、その中に山本先生は含まれておりません。ですから、そういう意味では我が党の議員ではございませんので、公認で出すということについては、それは今はあり得ないということだと思います。
 ただ、会派をまだ同じくしていますので、どのような連携をとっていくのかということについては、また個別にお話をさせていただきたいなと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 会派のことだが、山本さんも自由党の共同代表を務めていたが、6人が入ってきて自由党はなくなってしまったが、それでも山本さんとの会派というのはまだあるわけですか。

【代表】
 会派は、まだあります。それはアントニオ猪木さんも同じだと思います。党には入ってこられませんでしたが、会派は同じくするということで維持しているという理解でいます。

○首相「前提条件なしでの日朝首脳会談」意向表明について

【フリーランス・安積記者】
 安倍首相が、前提条件なくして金委員長に会談を呼びかけるという報道があった。こういうふうな外交についてどういうふうに考えていらっしゃるか。ご存じかと思うが、日本と北朝鮮の間は、拉致問題とか、非常にセンシティブな問題を抱えているわけだが。

【代表】
 圧力をかけていれば向こうから歩み寄ってくる、そういう方針でずっと来たはずです。しかし、前提条件なく会うということは、何も解決していないのに会ってくださいと言っているようなメッセージを発しているように聞こえます。
 今までは、拉致、核、ミサイル、こういったこと(の解決)に資する会談でなければ会っても意味がないという趣旨のことは何度も言ってきたし、たしか国連だったと思いますが、問題を解決するのは対話ではなくて圧力だと明確に言い切った過去もあるわけで、なぜこのように変節されたのか。それは国会でぜひ説明をいただかなければいけませんし、そもそも会談のめどがあるのかどうか。前提条件なく会うということは、結局、拉致問題あるいは非核化についての進展が一切ない中でも会うということですから、それが北朝鮮に与える影響あるいはメッセージというものは、我が国の弱腰の姿勢を伝えることになるのではないかと思いますので、大変懸念をしております。
 ただ、一国の総理大臣が発言を変えて「前提条件なし」とまで言ったわけですから、会談が実現できる何らかのめどがトランプ大統領などから伝えられているかもしれませんから、そこはしっかりと見守りたいと思いますが、ただ、これで会って、十分な成果もないまま、また資金協力だけをアメリカや北朝鮮から求められるというようなことがあってはならないと思いますので、我々としても厳しく注視していきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 確かにトランプ大統領に会ってから言葉が変わったわけで、たぶん何かしらそこのところで前提となることがあったと思うが、おっしゃるとおり北朝鮮・アメリカから資金の要求とか来ると思う。玉木代表はこれについては、例えば日本は利益先取りで、もし何かするのだったら後履行というふうにお考えか。

【代表】
 これはロシアの外交でも申し上げましたが、結局何の成果もなく、ちょっと言葉は悪いですが、お金だけとられるということになってはならないと思います。
 やはり拉致(問題解決)の進展、そして非核化の進展、加えて近距離・中距離ミサイル(問題解決)の進展がなければ、日本としては安全保障環境については何の改善もないまま多くの国民の皆さんに税金の負担を求めるようなことは、国民の納得も得られないと思います。
 そこは、これまでの「対話と圧力」「行動対行動」と、さまざまなことを言ってきたわけですから、具体的な北朝鮮の動きなくして単にこちらが譲っているような、そういうことでは、まさにこれまでの北朝鮮がそうだったように、まただまされるのではないのかということを強く懸念しますので、しっかりと具体的な成果が得られるのか、事前に何らかの確証が得られるのか、しっかりと見定めていきたいと思います。

○女性天皇・女性宮家の検討について(1)

【北海道新聞・水野記者】
 元号が変わり、天皇陛下の退位・即位が行われたが、女性天皇や女性宮家について、国民民主党としてどのようにお考えになるか。

【代表】
 退位特例法の附則に、女性宮家等についての検討議論を行うとありますので、我が党としては、女性宮家の創設、そして女性天皇の議論は速やかに行って結論を得るべきだと考えます。他方で、女系天皇については、これまでの伝統もありますので慎重に考えるべきだと思いますが、憲法の制約があって非常に難しいのですが、事の当事者である皇室方の意見を何らかの形で聞くということも必要ではないかと思います。憲法上の制約があることは重々承知の上ですが、単なる対象者として何も物を言うことができない、その中で自分たちの、まさに皇統の継続性が議論されていくということもどうかなというところがありますので、そこは憲法上のさまざまな制約に十分配慮しながら、当事者の意見もうまく伺いながら慎重な議論を進めていくことが必要だと思います。

○「東京レインボープライド」参加 多様な人材の政治参画について

【「フランス10」・及川記者】
 4月28日、東京レインボープライドに参加されたが、今後、国民民主党としてLGBTの候補者を発掘・擁立していく予定はあるか伺いたい。

【代表】
 LGBTの人に限らず、多様な意見、多様な考え方が政治に反映されることは極めて重要だと私たちは思います。パレードも参加させていただいて、それぞれの人が非常に輝いているなという感じがしましたので、やはり生き生きと自分らしく生きることのできる社会、それをつくっていくために多様な分野から多様な人材が政治の世界にぜひ入ってきてもらいたいと思いますし、私たちとしてはそういった方々を全力で応援していきたいと思っています。

○女性天皇・女性宮家の検討について(2)

【産経新聞・廣池記者】
 先ほど、女系天皇については慎重に考えるべきというご発言があったが、これは男系の伝統を尊重すべきというお考えなのか。

【代表】
 そうです。男系でこれまで来ているわけですから、その伝統というものはやはり重く考えるべきものだと思います。
 女性天皇については過去も数例ありますので、事例があるという意味ではもう一つの伝統かなと思いますが、その意味では男系女性天皇ということについては認めてもいいと思いますが、男系の伝統を変えるということについては、これまでの長い歴史を変えることにもなるので、そこは国民的な十分な議論が必要だと思いますし、現時点では私としては非常に慎重に考えています。

○参院選 東京選挙区について(2)

【フリーランス・堀田記者】
 参議院だが、枝野さんは5月4日に北千住で、2人目を必ず立てると、名前はちょっと待ってくれと公言した。野党第2党の国民民主党は1人も立てていないが、選挙の遅れということをどう考えるか。

【代表】
 それは東京選挙区のことですか。

【フリーランス・堀田記者】
 東京です。

【代表】
 東京選挙区も候補者はいますので、どういう形で出していくのか、今、最終的な検討をしております。