玉木雄一郎代表記者会見

2019年6月12日(水)14時02分~14時35分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/BAPOAUNticA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○年金問題(1)「金融庁報告書受け取り拒否」政府方針について

【代表】
 まず、例の「老後に2000万円必要だ」という金融庁の報告書を受け取らないと麻生大臣が切り捨てたわけでありますが、あり得ない対応だと思います。
 もともと審議会というのは、担当大臣から議論してくださいとお願いをして、その諮問を受けて答申等を返すということがルールなわけですが、何人もの専門家の方が貴重な時間を費やして心血を注いでまとめたものを、自分たちにとって都合が悪い、とりわけ選挙に都合が悪いからといって受け取らないというのは、もう前代未聞、あってはならないことだと思います。
 こういうことが続くと、結局、時の政権や時の大臣が気に入る内容を書かないと受け取ってもらえないということになるわけですから、審議会にも忖度(そんたく)が蔓延するということになります。客観的・合理的な意見を専門家の立場からいただくというのが審議会制度の意義なのですが、それが最初から政権や大臣の機嫌をうかがうような内容しか認められないということになれば、そもそも審議会で議論していただくこと自体に意味がなくなってしまいますので、まさに今の忖度政治極まれりという感じがします。このことについては厳しく追及していきたいと思っております。
 いずれにせよ、都合の悪いことは隠す。議論はしない。この今の政治を変えていくためにも、参議院選挙、我々としては全力で臨まなければならないと思っています。

○年金問題(2)財政検証・GPIF運用状況の未公表について

【代表】
 そして、隠すといえば、一番肝心な、5年に1度の年金の財政検証が出てきていないこと、これが大問題です。これを見れば、具体的にどのようになっていくのか、5年前の財政検証でも将来的には所得代替率が厚生年金で大体2割、国民年金で3割下がるということが出ているわけですから、たぶんもっと厳しい内容が出てくると思いますが、なぜこれを出さないのか。このこともあわせて厳しく追及したいと思います。
 あわせて、3年前のことを思い出しますが、GPIFの昨年度の運用結果は大体6月の上旬に出るのが通例であります。ただ、参議院選挙のときだけ6月に出さないのですね。また今回も同じようなことになっていて、昨年の10月・11月・12月の四半期の運用成績は大幅にマイナスだったわけです。ですから年間通じてもマイナスになっている可能性が高いので、それがまた選挙で取り上げられるのがだめだということで出さないのであれば、本当に国民生活にかかわる大事な情報ほど隠す、出さないということは許されないことだと思いますので、これは厳しく追及をしていきたいと思います。

○特区WG「開催事実を非公表」「委員関連会社に報酬」報道について

【代表】
 一部報道がありましたが、特区のワーキンググループが開かれていたのに、その開催の事実そのものを非公表としたということが報じられております。このことについては、事実関係も含めて明らかにし、なぜそんなことをしたのか。しかも、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理が関係するコンサルティング会社が(特区提案を希望する法人から)報酬を受け取っていると。要は、申請者と申請を受理して審査する側が深く結びついているようなケース、こういったことがやはり蔓延しているのではないかと疑いを禁じ得ませんので、連合審査を求めて、これも厳しく追及していきたいと思っております。


■質疑

○参院選(1)鹿児島選挙区について

【南日本新聞・重吉記者】
 参院選の候補一本化の件だが、金曜日に社民党さんのほうから候補一本化の提案を受けたと思うが、その提案の受けとめと、無所属とすることという条件だと思うが、その手続に関してはいかがか。

【代表】
 平野博文幹事長を中心に、これまでかなり粘り強い交渉が行われてきました。ことしの1月28日、32の1人区については一本化していこうということが党首会談で決まったわけですが、鹿児島が32番目、最後に残る選挙区として調整が進められてきたわけです。
 このたび、社民党さんから一本化するということでご決断をいただいたことは、苦渋の決断だったと思いますし、高くこれは評価をしたいと思います。
 その中で、我々としてもできるだけ全党を挙げて選挙をできるような態勢を構築するという観点から、公認については我が党としても取り下げて、できるだけ皆が応援しやすい態勢を組もうということになりましたので、勝利に向けて、後は全力で取り組んでいくしかないと思っております。

【南日本新聞・重吉記者】
 公認の取り下げ自体は、もう行われたのか。

【代表】
 正式な手続はこれからだと思います。まだ総務会で正式に決まっていないので。たぶんきょう決まると思います。今の時点では正式に決まっていませんが、その方向で総務会にかけたいと思っています。

○安定的皇位継承に関する議論について

【「夕刊フジ」・村上記者】
 天皇制、いわゆる皇室のあり方について2点伺いたい。
 立憲民主党は、女系天皇については認めないということになっているが、改めて、女系天皇を認めないのはなぜなのか。
 それから、女系天皇を認める共産党とか立憲民主党と、これは126代続いている皇統の伝統を崩す、伝統を破壊するような考え方だと思うが、そういった皇室観が違うところと将来一緒に共闘できるのかどうか。
 その2点について、先生のご見解を伺いたい。

【代表】
 まず、女系を認めないと、立憲民主党さんがそうだというふうに質問の中でおっしゃいましたが、それは国民民主党のことですね。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 失礼しました、国民民主党です。

【代表】
 我が党もさまざまな議論をしましたし、これはあえて申し上げますが、例えば徳永エリ男女共同参画本部長も入った中で議論をして、やはり長年の伝統であるこの男系の流れというのは、相当慎重な議論をしないと、これは軽々に変えられないと。少なくとも時期尚早だということで、我々としては慎重な立場をとるということを決めました。
 これは、伝統というのは、もちろん人間の英知で全てはかれるものではなく、長く続いていることそのものに意義があることがあります。歴史の風雪に耐えて残っていることは、実はさまざまな障害を乗り越えて制度・政策というのは残っていくので、その意味では伝統というものを尊重しようと。我々の考える皇統の安定的な継続性という「皇統」は、少なくともこれまでは男系で維持されてきた皇統を意味しますから、それはまず大切にしようというのが大前提です。
 ただ一方で、皇室の現状を見ますと、皇位継承については極めて脆弱な状況になっていることは明らかです。とりわけ、今の制度ですと、若い女性の皇族方がご結婚されるということになると皇籍を離脱していかれます。女性の皇族方が今多い中で実は残された時間がそう多くないという危機感と緊張感の中で、我が党としては今回の考え方をまとめさせていただきました。
 その中で、愛子様については、お年のことも踏まえて、そしてまた天皇の地位は「国民の総意に基く」と憲法上あることからも、最近の世論調査を見れば女性天皇を容認する国民の姿勢というものも高いものがありますから、そういったものを踏まえて、歴史上も例のある男系の女性天皇については速やかにこれを容認すべきだというところで、まず私たちの結論を得ました。
 その先の、女系天皇については、先ほど申し上げたように、この歴史の重みということについてやはり謙虚に慎重に向き合わなければならないということで、今回の取りまとめにさせていただいております。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 その上で伺いたいのが、立憲民主党・共産党などは女系天皇を認めると。そういう皇室観が違う政党と、参院選も控えて、野党共闘ができるのかについての見解はいかが。

【代表】
 特例法のときもそうだったのですが、もちろん各党それぞれ考え方があります。ただ、やはりこれは党派で最終的には対立すべきものではないと思っていますので、まずはそれぞれの考え方を整理して持ち寄るということが大事だと思いますが、最終的にはやはり最大限共通するところに、これはもちろん与党も含めて各党の考え方をすり合わせていかなければいけないと思っています。今それぞれ考えをまとめたということですが、これから現実化していくためにはしっかりした論議・調整が必要になってくると思います。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 皇室のあり方について、国民民主党の場合は男系の子孫となるが、どなたがなるかというと、最初は愛子様、次が秋篠宮様、それから悠仁様という形になる。そうすると、愛子様が天皇陛下になられた場合は、年齢が悠仁様と近いということは、今の天皇陛下と秋篠宮様と同じような状況が生まれ、悠仁様がなれないような可能性も出るのではないかと思うが、そのあたりはどういうふうなお考えか。

【代表】
 いや、どうしてなれないのですか。

【「夕刊フジ」・村上記者】
 要は、愛子様がなって、その次に秋篠宮様、それから悠仁様という形になると、年齢が愛子様と悠仁様が近い部分もあって、現状と同じような状況がまた生まれないか。今、天皇陛下と秋篠宮様が年齢が近い部分もある。

【代表】
 男系を維持しているので、そのような心配はないと。具体的にどのような心配をされているのか、よくわからないのですが。
 まだ生まれてもいないような方々まで含めて何か決めつけるようなことについては、我々は慎重でありたいと思います。それぞれ、皇族方といっても生身の方々ですから。もちろん皇統の継続性を担保することと同時に、やはり一人ひとりの存在ということの重さということを考えると、急いで議論しなければいけないことと慎重に考えなければいけないことを議論していきたいと思っていますので、あまり予断を持っていろいろなことを申し上げるのは差し控えたい。
 とにかく、今、危機的な状況の皇室を、どう安定的に皇統の継続性を保っていくかという観点から、今回は取りまとめをさせていただきました。

【フリーランス・安積記者】
 関連だが、今、皇室典範では男子に限られている。女性天皇を認めると1人継承者がふえるが、男系ということは、もし愛子様が全く系統の違う方とご結婚された場合は愛子様の子孫は皇位継承権がなくなってしまう。男系を維持する限り、また今と同じような状況になるが、これをどうクリアしていくか。例えば、愛子様が皇室を離れている男系の方と結婚されて、たくさん子どもができて、男の子ができて、そうすると今の危機は脱することができるが、それも可能性の問題で、もしそうではない場合どうするのかというところまで考えないといけないと思うが、その場合はどういうふうにお考えになっているか。

【代表】
 一歩一歩やっていくことが大事だと思います。少しずつ可能性を広げていくということが大事かと思っていますので、私ども女系天皇は時期尚早ということは、まず生まれてもいない愛子様のお子様について何か言う、あるいはご結婚の相手方についてのことを何か前提を置いて議論するべきものでもないということで、とりあえず今の状況から少しでも一歩でも前に進むこと。そしてまた多くの国民の一定のご理解が得られるような範囲で具体的な提案をさせていただいたということです。
 先ほど具体例を挙げて幾つかお話がありましたが、もちろんそういったことを否定するものではありませんが、今回私たちがまとめたのは、とにかく第一歩。国民の理解の得られる範囲で第一歩を踏み出そうということでまとめさせていただきました。

○参院選(2)無所属候補の応援態勢について

【日本経済新聞・島本記者】
 参院選の無所属候補について伺いたい。今回、1人区の半数以上が無所属となっていると思うが、無所属は各党応援しやすい反面、選挙カーの台数とかビラとか選挙活動に制約が出てくると思う。そういう制約がある中で、無所属候補の選挙戦をどのように展開されていくか、代表の考えを伺いたい。

【代表】
 それぞれ、経緯とか、あるいは各都道府県によっても差があると思いますが、やはり繰り返し申し上げているように候補を単に1人に絞っただけでは勝てないと思います。しっかりと自分の党の候補だと思ってそれぞれの党が全力で応援しないと、自民党はそう簡単には負けないと思っています。
 どちらかが少し色合いがあって、「これは立憲系の候補」「国民系の候補」ということであれば、中心にどちらかがなるのはあり得るのかと思いますが、ただ、だからといってそうではないほうがおつき合い程度に応援するということではとても勝てないと思いますので、やはり候補者の一本化と同時に応援態勢の一本化ということも具体的に進めていかないと勝利できないと考えています。

○衆参予算委の未開催について

【朝日新聞・河合記者】
 国対の動きについて伺いたい。今、衆参ともに予算委員会の開催をめぐって与野党の攻防が続いている。代表も冒頭指摘された年金の問題であるとか財政検証の問題が山積しているような状態で、与党側がなかなか応じないという状態だが、残された時間が短い中で、最後、どのように野党としては攻めていくか伺いたい。

【代表】
 与党と交渉しているのは野党第1党の立憲民主党さんなので、まず野国(野党国対委員長会談)をよくやって、我々の意見も伝えて、その上で、ぜひ与党側から予算委員会、そしてまた党首討論、しっかりとした時間も含めてかち取ってもらいたいと思っております。
 参議院においてはしっかりとルールに基づく要求をしているわけですが、それも否定されているということなので、衆も参も与党に対してまず予算委員会の開催を厳しく迫っていきたいし、党首討論についても約束どおりやってもらいたいと思っています。

○経済情勢と消費税について

【フリーランス・田中記者】
 消費税について伺いたい。先週の記者会見で代表は、景気が悪いときには消費税減税も選択肢の一つとしては否定しないとおっしゃったが、これを受けて野田佳彦さんが、消費税減税を言うのはポピュリズムだなんてことを言っているが、それはご存じか。

【代表】
 報道では聞きました。

【フリーランス・田中記者】
 その受けとめを。

【代表】
 たぶん野田元総理も、私の発言の全部を聞いておっしゃったのではないと思っています。
 私が言ったのは、あくまでリーマンショック級の、世界を揺るがすような大規模な経済危機に陥ったときには、これは国として金融政策も財政政策もフル活用しないといけないと思います。
 そのうち財政政策というのは二つしかなくて、基本的に国が財政出動を公共事業のように拡大するか、あるいは減税をして国民あるいは企業の活動を助けるということです。よくあるのは所得税減税のようなことが行われますが、私たちがこの参議院選挙でも訴えたいのは、「家計第一」の経済政策ということを言っていて、今一番弱っているのは家計だと思うのです。ですから、いろいろな減税策を打つときに、その一つとして消費税の減税ということも含めて、あらゆる手段を考えなければいけないときもあるだろうということで、選択肢としてはそれは法人税減税も所得税減税も資産課税減税もいろいろなことがあると思いますが、そういうような大危機にならないことを期待しつつ、やはり危機対応には万全を期さなければならない。そう思っています。

【フリーランス・田中記者】
 ポピュリズムという批判は当たらないと。

【代表】
 私は、経済政策の一環として減税というのはあり得ると。それは所得税の減税も消費税の減税も法人税の減税も、危機的な状況になれば、むしろ縮んでしまった需要を国が肩がわりする。あるいは、それを喚起するような政策というのは財政政策の重要な役割ですから、選択肢として排除しない。これはポピュリズムではなくて、経済政策として申し上げているということです。

○「市民連合」の政策要望について

【産経新聞・廣池記者】
 「市民連合」について2点伺いたい。
 5月末に「市民連合」からの要望を受け、立憲民主・共産党など5党派で政策協定書のようなものに署名されたが、参院選に向けてこの「市民連合」との協力態勢のあり方について代表はどのようにお考えかが一点。
 あと、先月署名したこの書面には、安保法制の廃止や、憲法改正の発議そのものを阻止するといった項目も含まれているが、この項目に沿って参院選を戦うという認識でよろしいか。

【代表】
 13項目は、あのとき文書もありましたが、以下の13の要望について我々野党各党がしっかり受けとめるという署名でしたから、あのまま、そっくりそのままそれぞれの各党が掲げるというものではないと理解しています。
 ですから、もちろんあの中でそのまま採用するもの、少し内容が変わるもの、いろいろなものがあると思いますが、ただ「市民連合」さんのああした考え方をしっかり受けとめた上で各党が協力して戦っていくということについては合意をいたしました。
 例えば安保法制については、一旦それを白紙に戻すという法案は野党で我々出しました。ただ、我々はそれに加えて、一旦戻した上で、やはり足りないところを補うための領域警備法案であるとか、PKOの活動を拡大するもの(PKO法改正案)とか、領域を限定した上で周辺事態法の拡充といったようなもの(周辺事態法改正案)、必要な安全保障の整備についてはこれは我が党単独で三つの法案を出していますので、過不足のない自衛権をしっかりと確立させていくと。出過ぎたところは縮めるし、足りないところは補っていく。まさに「近くは現実的に、遠くは抑制的に」という私たちの理念に沿った安全保障政策をしっかりと訴えていきたいと思います。

○年金問題 国民民主党の政策について

【日本テレビ・右松記者】
 老後に2000万円必要という、問題というか、国民にも相当不安感が広がっているような状況で、今度参議院選挙なども含め、国民民主党としてそれに対する対案というか、不安を払拭できるような何か政策を打ち出す考えはおありか。

【代表】
 まず、今回の金融庁がまとめた内容自体は間違っていないと私は思いますよ。それを隠そうとする安倍政権の態度が間違っているのであって、国民の皆さんに現実をしっかりとお示しするべきだというのは、私は予算委員会でも、例えばオレンジレポートという北欧の例なども挙げて、そういうことを早くやるべきだということは申し上げてきましたから。金融庁の対応が別に間違っているわけではありません。ただ、国民の皆さんの不安が広がっていることは事実で、それにどう答えていくのかが政治の責任だと思います。
 その上で、まず年金については、実はあの前提は厚生年金で22万1000円もらって、12ヵ月、そして30年もらえるということで、公的年金で8000万円もらえる前提になっているのですね。それでもなお2000万円足りないということなのですが、国民年金とかもっと低い額しかもらっていない人のほうが実は問題で、そういった方々は2000万円どころか5000万円、6000万円、7000万円必要だという話になるので、こういった低所得年金者あるいは無年金者をどうするかということが、実は政治が向き合うべき一番の本質的な問題だと思っています。
 ここに対しては、低所得年金者に対しては年金額の加算をするような政策を出していきたいと思っています。
 もう一つは、ためろと言われても、現役世代はもうキツキツパンパンで、ためられません。ですから、家計の所得の拡充、賃金が上がるような政策とあわせて、家計の負担、特に大きいのが教育費の負担と住居の負担ですから、この負担をある種国が肩がわりすることによって、家計に余裕をつくって、老後の資産形成ができるような間接的な支援をしていくということもやっていきたいと思います。
 それも含めて、家計が潤う、家計が豊かになる、よってもって将来の安心がより確実になるような経済政策を今回打ち出していきたいと思っています。

【日本テレビ・右松記者】
 関連して。細かい話にはなるが、それにおける財源というのはどのようなことをイメージされているか。

【代表】
 財源は、今、それぞれ最終的な調整をしていますが、私たちは「こども国債」の発行を考えております。そのことによって、今、教育や子ども向けに充てられているところが、ある意味税財源が浮きますから、それをむしろ高齢者の福祉の充実等に回していくことを考えています。
 従来申し上げているように、未来に対する投資については、私は積極的に国債発行を活用すべきだと。単に穴埋めするという意味ではなくて、受益と負担を一致させる意味でも、教育や未来への投資については積極的に国債発行で賄って、そのことによって浮いた財源をむしろ高齢者福祉については税財源をきちんと充てていく。歳出のメニューに応じて財源調達のあり方をきっちり変えていく、分けていく、こういうことが大事だなと思っていますので、そういう中で財源を見出していきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 関連で。金融庁の報告を見ると、退職金の支払いをしている割合が減り、なおかつ金額が減っていて、3、4割くらい減っているということだ。やはり退職金を当てにして老後の設計を立てている人は多いと思うが、こういう現状も踏まえて、やはり2000万円を用意しなければいけないのが、退職金が含まれているのか、含まれていないのか。これは大きな差だと思う。すなわち将来の可処分所得を、年間とかではなく、どういうふうにふやすのか。子どもの教育とか、そういう以外に、実際もっての今の高齢者の対策として、どういうふうにお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 退職金、減っていますよね。あるいは、出せる企業の比率が下がってきているということで、この2000万円の計算も一定の、何千万円かの退職金をもらえる前提でさらに2000万円足りないという計算になっていたと思いますが、実際には退職金が出ない。特に国民年金のような方は、自営業とか農業をされている方はそもそも退職の概念がないですから、退職金が出ようがありません。ですから、やはり現実はもっと厳しい方がよりたくさんいると考えます。
 ですから、これは中長期的にしっかり議論していかなければいけませんが、やはり高齢者向けのベーシックインカムのような、一定の年齢に達すれば、例えば75歳以上になれば、現金給付と現物給付と合わせて年間100万円ぐらいもらえるような仕組みをしっかりつくれば、最低限の生活保障がある老後の暮らしということが保障されることになると思いますので、こういった最低限の暮らしを支える現金・現物給付の仕組みをしっかりつくっていくことが大事。
 ただ、このためには財源が必要です。財源が必要なので、給付と負担のバランスは、これはしっかり考えていかなければいけない。例えば、かつて民主党政権でも一度計算しましたが、月7万円の最低保障年金ということであれば、現行の制度を維持しても消費税換算で4%ぐらいの増税は必要になってくるので、それを本当にどうするのか。それをまた消費税だけでやっていいのかどうか。
 こういう議論をやはりしっかりやっていかなければいけないと思っておりますので、党内でももちろん議論しておりますが、場合によっては与野党を巻き込んで、安定的な、本当に急速に進む高齢化社会を支える仕組みをどうするんだということは、まさに国会で議論すべきだと思います。

○「つくろう、新しい答え。」新聞広告について

【ラジオ日本・伊藤記者】
 政策と直接関係ない質問だが、僕は田舎に住んでいるが、主要紙の地方版に「つくろう、新しい答え。国民民主党」と、玉木代表の顔写真の一段ベタか、新聞紙によっては大きいのと小さいのが、週に2回か3回出る。あれは党本部でやっているのか、それとも地元の県連か何かか。

【代表】
 たぶん埼玉県連でやられていると思います。ほかの県でやっていないので。