玉木雄一郎代表記者会見

2019年6月26日(水)17時05分~17時42分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/cXME6bc6dGc


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○閉会に当たり今国会を振り返って

【代表】
 150日間の国会が終わりました。この間お世話になりました。改めて皆様にも感謝を申し上げたいと思います。
 まず、通常国会を振り返ってでありますが、今国会では国民民主党として議員立法を計49本提出いたしました。また、内閣提出の閣法にも是々非々で臨みまして、結果として82%の法案には賛成いたしました。
 特に印象に残っているのは、我がほうから提出いたしました児童虐待防止法の改正案についてでありますが、これは私自身も香川県に行って児童相談所の方々からお話を聞いて、野党としてまず改正案をまとめて、そして遅れて閣法が出てきて、これを並べて議論して、そして我々が提案した児相間の連携強化、あるいは児童福祉士の増員、こういったものをかなり取り入れてもらう形で成立したことは、この国会を振り返って大変印象に残っている法律の一つだと思っております。対案を示して国民生活を前進させるという、我々国民民主党の理念が具体的に結実したと思っております。
 一方で、毎月勤労統計の問題を初め、政府のデータや文書・資料のごまかし、ミス、こういったことが目立った国会でもあったと思います。
 そして、何よりも予算委員会。3月に開いて衆議院ではそれ以来開かないということで、十分な議論の場が持てなかった、あるいは持たせてもらえなかった国会でもあったと思います。外交問題、日露の問題、北朝鮮の問題、そして本当に10月から消費税を上げていいのか、景気の現状、もっともっと深く議論をしたかったのですが、その機会が十分に与えられなかったことは本当に残念でなりません。
 私自身、本会議での代表質問、また、予算委員会で3回質問に立ちました。厚生労働委員会でも質問に立ちましたし、先般の党首討論でも安倍総理と議論をしましたが、なかなか聞いたことに答えてもらえない。でも、聞いてないことは長くしゃべるという、いつもの傾向がさらに悪化しているというか、その傾向が強まっていることは非常に残念であります。
 もっと緊張感のある、そして実りある議論のできる国会にしていくためにも、この夏の参議院選挙、やはり野党全体で議席をふやして緊張感のある政治状況をつくっていかなければならないと改めて痛感しております。
 まだ理論上は衆参同日選挙はあり得るという状況でありますが、本日政府が参議院選挙の日程を閣議決定しましたので、今後は参議院選挙に向けて我が党として全力で取り組んでいく。緊張感のある国会、民主主義を守る、議会制民主主義を守る、そして「家計第一の経済政策」をしっかりと訴えながら国民生活を守る。そんな戦いを参議院選挙で展開し、立候補者全員の当選に向けて取り組んでいきたいと思っています。


■質疑

○参院選 野党連携について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 野党共闘、日本維新の会を除くということだと思うが、きょう、玉木さんと一緒に活動していた長島さんが自由民主党に入った。長い声明文の中で、共産党と一緒にやれないということをメインに言っていた。野党共闘ということを枝野さんは言わないが、野党がこれから一緒にやっていくことはできると思われるか。長島さんが自民党に入ったことについてのコメントと、それから野党共闘としてやっていけるのかという二つを伺いたい。

【代表】
 32の1人区で一本化するということは1月28日の野党党首会談で決めたことであって、そのことが一定の成果を出したことについては、それぞれ各党の関係者の努力を評価したいと思います。今回は参議院選挙ですから、いわゆる政権構想ということは必ずしも明確に示されていませんが、やはり1対1の構図に持ち込むことによって有権者にわかりやすい選択肢を示していくことには意味があると思っています。
 これから衆議院選挙になったときにどのような野党間の連携のあり方をとるのかについては、これはまさに政権をかけた選挙になりますので根幹となる政策についての一致は不可欠だと思いますし、逆に言えば、その根幹となる政策について一致をしなければ政権をともにすることは難しくなるのではないかと思います。
 ただ、今回、戦術として1対1の構図に持ち込むということで、各党さまざまな思いや障害もある中で、それを乗り越えて全ての選挙区で1人の候補者に絞ったことについては、私は関係者の努力を多としたいと思います。
 長島代議士が自民党へ移るということについては、私も一緒に仕事をさせてもらって、特に安全保障などについては非常に深い知見をお持ちの方なので、それは大変見識のある政治家だということで尊敬も申し上げてきました。今回自民党に移るということについては、これはもう政治家としての判断ですから、私から何かコメントすることは特段ございません。

○「トランプ大統領が日米安保破棄に言及」報道について

【日本テレビ・右松記者】
 先日、アメリカのトランプ大統領が日米安全保障条約破棄に言及したというブルームバーグの報道があった。事実無根であるとアメリカの当局者はコメントを発表しているが、このタイミングで日米安保にかかわるこういった憶測の話が出てくることに対して、現在の安倍政権の外交姿勢などを含めてどのような評価をされていらっしゃるか。

【代表】
 報道なので、何か憶測で申し上げることは控えたいと思います。
 ただ、先般、令和最初の国賓としてトランプ大統領をお招きし日米関係の強化を確認した直後に、そしてまたG20で再び日米首脳会談を控えている中で、そういった発言があったこと。仮にこれが事実としたら極めて残念なことだと思いますし、強固な日米関係ということが、本当にそうなのかなと疑問を投げかけざるを得ない事態だと思っております。
 本当に日米同盟を破棄して日米両国で共同して事態に対処することがなくなるとしたら、それは我が国の安全保障政策にも極めて大きな影響を与えるということですし、かつて戦争をした両国でありますから、そういった同盟がなくなることが2国家のみならず世界に極めて大きな影響を与えると思いますし、それがなくなることをむしろ歓迎する国も我が国周辺にはあると思いますから、やはり日米同盟を強固な基盤としながら地域と世界の平和と安定を求めていくことが必要だと思います。
 改めて、発言が真実なのかどうなのか、こういったことをG20の場でもう一度トランプ大統領に安倍総理はぜひ確認してもらいたいと思いますし、両国の関係、とりわけ日米同盟が強固な絆で結ばれたものだということを、ぜひ大阪において確認してもらいたいと思っています。

○参院選 目標について

【NHK・森田記者】
 参議院選挙、先ほど全員当選を目指してということだったが、現実的な目標議席を幾つに置いていらっしゃるかという点と、いわゆる勝敗ラインというものを設定されているのであれば教えていただきたい。

【代表】
 とにかく今よりふやしたいと思っています。
 いろいろな野党一本化の経緯で、我が党が発掘し擁立した候補者についても形式上無所属にしているので、なかなかカウントは難しいのですが、ただ、やはりまずは公認・推薦候補の全員当選を目指したいし、そういった公認・推薦候補の当選を積み重ねて今よりふやしたいと思っています。

【共同通信・中田記者】
 参議院選の議席の関係で、本日のネット番組で玉木代表は、野党全体の獲得議席、1人区に関して11も無理な数字ではないかというような質問に対して、割と肯定的なお答えをされていたと思う。野党全体として1人区の獲得議席は前回を超えそうかとか、そういった手応えみたいなものはあるか伺いたい。

【代表】
 まず、相当厳しいと私は思います。単に候補者を1人にしたからといって勝てるほど自民党は甘くないと思います。ですから、特に激戦になるところは、各党がいろいろなしがらみを乗り越えて自分の党の候補者なんだと思って全力を傾けないと、そう簡単には勝てないと思っています。逆に言うと、力を結集すればかなりいい線を行くと思いますので、とにかく全力をみんなが傾けて力を結集することが不可欠だと思います。
 野党全体の獲得議席あるいは目標については、これは野党第1党の枝野代表にお任せしたいと思います。第2党の我々から何か目標を言うべきものではないと思いますので、これは第1党にお任せしたいと思います。

○参院選 野党連携について(2)

【日本経済新聞・島本記者】
 あす、立憲民主党の枝野代表が(玉木代表の)地元の香川に入り、一緒に応援をやられると思うが、一方で立憲民主党とは複数区では競合ということもある。改めてだが、立憲民主党との共闘についてコメントをお願いしたい。

【代表】
 党が別ですから、それぞれ切磋琢磨しながら、複数区や比例ではお互い頑張る。ただ、1人区については協力してやろうということで一本化をしたわけですから、1人に絞ったところは各党がそれぞれ自分の党の候補者だと思って全力を傾けて勝利をかち取るということが重要だと思っています。

○参院選 外交・安全保障政策について

【フリーランス・横田記者】
 参院選の争点・対立軸についてだが、イージス・アショアを含む米国製兵器爆買いの米国言いなりの安倍政権、対、ちゃんと米国に物を言う野党、という構図と考えてよろしいか。原口一博国対委員長は野党合同ヒアリングで、イージス・アショアと爆買い問題をセットで捉えるべきだとおっしゃっていたが、代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 それは一つの争点だと思います。
 加えて言うと、やはり沖縄のことも考えますと、日米地位協定の改定をするという我々のポジションと、そして、今のまま一字一句変えないという、ある意味極めて主権の制限されたこの状況をこれからも存続させていくのか。これは一つの大きな争点だと思います。
 我々、先ほど申し上げたように、日米同盟は非常に大事だと思いますし、地域と世界の安定の基軸だと思っていますが、一方で、この過度に主権の制限された、特に何か事件が起こっても捜査することも、あるいは裁判管轄権についても大きな制約を受けている今の状況が、果たして基地負担の軽減という観点からも放置していいのかということについては、大きな争点として訴えていきたいと思います。

○参院選 野党連携について(3)

【読売新聞・深澤記者】
 先ほど、野党全体の獲得議席で、現段階ではなかなか厳しいかもしれない、逆に野党が力を結集して自分の候補だと思えばさらに伸ばせるかもしれないという趣旨のご発言があったが、自分の党の候補者だと思って戦う、この野党の態勢の現状はどのような状況にあるとお考えか。

【代表】
 地域ごとでさまざまだと思います。これまで4者、5者、擁立の時点からさまざまな協議体をつくってやってきていますが、その中でかなり緊密に力合わせあるいは心合わせができているところと、単に形式的に1人にしているところと、まばらだと思います。
 だから、そこをやはり力合わせ心合わせをこれから1ヵ月でどれだけできるのかということだと思いますし、参議院選挙は、私も経験がありますが、17日間のその中でも情勢が上がったり下がったりしますから、やはり気を抜くことなく最後までやり切るということができるかどうかが問われると思います。
 国会も終わりましたから、私も具体的にいろいろな激戦区には特に入って、そういった態勢のチェックも含めて行っていきたいと思います。

○参院選 年金問題について

【朝日新聞・河合記者】
 先ほどの総理会見で総理は年金問題について、年金の信頼性は着実に強固なものとなっているというような表現をされた。また、通常国会では予算委員会で100時間以上議論をしたと、かなり審議に応じたというような主張をされたが、この点についてどのように捉えられるか伺いたい。

【代表】
 これはこの前の党首討論で申し上げましたが、「100年安心」とか「着実に強固」と総理はおっしゃるのですが、一体その根拠は何なんですかということなのです。それが5年前の財政検証をもとにしているのであれば、それは全く当たらないと思います。経済状況も当時の前提から比べれば随分悪化していますし、その意味では、「着実に強固」になっていると言うのであれば最新の財政検証を速やかに出してもらいたい。それを出さずに年金が安心ですと幾ら言われても、信じる材料がありません。
 ですから、今回の参議院選挙は、ぜひ選挙の前に出してもらいたいのですが、出さないまま参議院選挙をもし迎えるのであれば、一つの争点は、これだけ出すものを出さない、財政検証だけではなくて年金の運用の成績も出していませんし、例の金融庁の報告書は結局受け取らないままですよね。それでも「100年安心」だと信じる方は、自民党・安倍政権に。やはりちょっとおかしいなと、ちゃんと情報を出して現状を明らかにして改善すべきところがあれば改善してほしいという方は、今回は国民民主党あるいは野党の候補者に入れてもらいたい。これがまず明確な一つ争点ではないでしょうか。
 総理はおっしゃいますが、私自身、着実に強固に安心・安定性が高まっていると思える根拠が手元にありません。だから、これが一つ争点になっていくのではないかと思いますし、私たちとしては争点にしていきたい。こういった政権の態度も含めて問題にしていきたいと思っています。

○参院選 首相の争点設定について

【共同通信・中田記者】
 総理会見の関係だが、先ほど総理が会見で、「参議院選挙の最大の争点は、安定した政治のもとで新時代への改革を前に進めるか、混迷の時代に逆戻りするか。9年前の選挙で惨敗して国会でねじれが生じ、あの民主党政権が誕生し、不安定な政治のもとで経済が低迷した」と言っており、「悪夢」に続いて民主党をやゆするような発言ともとれるが、この発言についての受けとめと、こうした「新しい時代か、混迷の時代へ逆戻りか」という争点設定に関するご所感を伺いたい。

【代表】
 いつまでそういうことをおっしゃるのかな、という印象です。トンデモ本を25冊ずつ自民党の所属議員に配っているようですが、私も友人の自民党議員からもらいましたが、あんなものを配る自民党になったのかなと思ったのですが、よく考えたらトップがそういうことを言っているんだなと、さもありなんと思いました。
 民主党政権3年3ヵ月、私は1年生でしたが、確かに反省するところは反省しなければいけないと思います。多くの皆さん、国民の皆さんに期待をいただいて政権をとったのに、3年3ヵ月で終わってしまったこと。これは本当に私も含めて国民の皆さんに頭を下げなければならないと思います。
 ただ、もうその期間の倍以上政権を担っておられるので、いつまでも昔のことと比べてどうだということではなく、ご自身が言っていたことが実現できないことにやはり真摯に向き合っていただきたい。このG20で日露で平和条約を締結するのではなかったのですか。少なくともそういう期待を抱かせたのではないでしょうか。そういったことはできていないと思いますし、GDP600兆円も、とても来年ぐらいには達成できそうにないと思います。何より、2%物価目標というのは、そもそも今でも目標なのかどうなのかもよくわからなくなっているという状況です。前の政権の悪口を言う前に、自分が定めた目標が実現できているかどうか、そのことにやはり真摯に向き合っていただきたいなと思います。
 よく総理は民主党政権の悪口を言いますが、そういう政治から早く脱却しなければいけないのではないでしょうか。

○参院選 「家計第一の経済政策」について

【日本テレビ・右松記者】
 今の質問に関連するが、安倍総理は最大の争点として、安定した政治か再び混迷かと、「最大の争点」ということを主語にした上でこういった表現をした。国民民主党としては、この参議院選挙もさまざまな争点はあると思うが、一番訴えていきたいこと、「最大の争点」と聞かれた場合にはどのようにお答えになるか。

【代表】
 やはり経済政策です。一部の人だけが豊かになる、一部の企業だけが、一部の地域だけが豊かになる、そんな経済政策では普通の多くの国民にはいつまでたっても恩恵は届きません。だから私たちは、とにかく真面目に頑張る多くの人たちが報われる「家計第一の経済政策」を掲げて、消費を軸とした好循環が回っていくような、そんな豊かさと幸せを実感できる経済政策に変えていく。ここをやはり大きな争点にしていきたいと思います。
 その意味では、政権・権力の安定ではなく国民生活の安定を私たち政治家は求めるべきであって、何かみずからの権力の安定を求めるのは、まさに森友・加計学園でも批判されましたが、権力の私物化の一形態ではないか。せっかく歴代最長になろうとする総理ですから、権力の安定よりも国民生活の安定をぜひ語っていただきたいと思いますし、私たちは権力の安定ではなく国民生活の安定を目指すのだと、このことを選挙戦でも訴えていきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 先ほどお話が出た、フェイク本。新潟の塚田一郎さんの集会にきのう取材に行ったらただで配っていたが、この中に、アベノミクスは成功だ、実質賃金がマイナスでもアベノミクスの効果と言えるという、まさにとんでもない記述があったが、これについてどうお考えになっているかということと、その席上で櫻井よしこさんが応援演説に駆けつけ、野党の選挙協力について批判的な意見を述べられていた。それは共産党の天皇制・自衛隊に対する政策とほかの野党は大分違うのではないか、国民民主党に聞いてみたいと。これもよく言われた批判だとは思うが、その点についてどうお考えか。反論をぜひ伺いたい。

【代表】
 実質賃金が下がって成功という感覚が、よくわかりません。アベノミクスの最大の弱点であり限界は、実質賃金が上がらず、よってもって消費がマイナスになっていること。これに尽きると思います。
 総理にも予算委員会でパネルもお見せして議論したのですが、安倍政権になってから実質賃金指数は下がっています。しかも長期的に下がっていて、1996年の平成8年がピークで、それからずっと下がってきて、先進国の中で賃金水準が落ちているのは日本だけなのですね。このことにやはり正面から向き合うべきであって、日本がどんどんどんどん国力を落として、そして一言で言えば、日本人が貧しくなってきているのです。この流れをとめたい。豊かな国民生活、豊かな家計ということをもう一度取り戻すために、私たちは経済政策の転換を訴えていきたい。そう思っています。
 それと、トンデモ本も含めて、いろいろ野党のご批判もいただきますが、野党の批判をして何か自分を相対的に持ち上げるような、そういうことはそろそろやめられたほうが歴史に残る総理になるのではないか。今のままだと、野党の悪口ばっかり言っていた総理としか記憶されないのではないかと思いますから、ぜひ、令和の時代、未来に向かって、人の悪口ではなくて、何をするんだという未来の展望、希望、夢をもっと語る総理になっていただきたい。それができないのだったら、かわっていただきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 自衛隊の政策の食い違いについては、共産党は将来的には国民合意の上で解体ということを言っているが、目の前の課題としては、米国兵器爆買いでトイレットペーパー自腹で買うような自衛隊よりも、この点を変えていくというところで一致していると考えてよろしいか。

【代表】
 共産党さんの主張を詳しくは存じ上げていないのですが、直ちに自衛隊をなくせというようなことを今はおっしゃっていないというふうに理解していますし、天皇制についてもかつてとは違って、印象的だったのは、新天皇が即位されたときに本会議で祝詞を決議したのですが、それにも賛成されているので、憲法1条に書いてある天皇・天皇制については護憲の政党としてそれを尊重しておられるのかなと思いましたので、天皇制についても著しく異なるという意見ではないと理解しています。

【フリーランス・堀田記者】
 最低賃金等のことについて伺いたい。これを要求している人たちは、かつてはエキタスの人たちが時給1500円ということを言っていたが、これははっきり言って、連合に入っている人たちではない。この人たちが1350円から1500円を要求した場合、これは払うのは町のおやじだ。神津さんではない。その点はどう考えるか。つまり、これを今やって、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はものすごい苦境に陥っている。最低賃金とかそういったことについて、はっきり言って連合はほおかぶりしている。

【代表】
 最低賃金の議論は極めて重要だと思っています。私たちも1000円に上げていこうという目標を長く掲げてやってきましたが、「家計第一の経済政策」というのは最低賃金を先に上げる政策ではありません。最低賃金の引き上げができる環境を整える政策が「家計第一の経済政策」です。
 どういうことかというと、まず家計を温めるということを一番初めにやらなければいけません。そのためには、消費税は凍結するし、教育や住居費の負担を抑えて可処分所得をふやしていく。その結果、消費ができる力、消費力が高まっていって、そうすれば企業が物をつくれば売れるようになります。企業業績が上がって初めて賃金を上げられる体力が中小企業にもついていく。そのことによって最低賃金が引き上がっていくということで、この順番を間違ってはいけないので、消費を軸とする好循環をつくるということはそういう意味です。
 おっしゃったとおり、文在寅政権のように、とにかく名目の最低賃金を上げるということを経済の波及効果も考えずにやってしまうと、かえって企業業績が悪化したり、賃金を上げる状況が訪れない、阻害してしまう可能性もあるので、いろいろな政策を進めていく上で順番とか優先順位に十分配慮してやっていかないと、結果として最低賃金を上げられないということになる。
 大切なことは、最低賃金をやはり1000円以上に上げていけるような環境、経済環境をいかにつくっていくのかということが大事だと思いますので、そういう観点から、私たちは「家計第一の経済政策」をしっかりと進めていきたいと思っています。

○総合選対本部について

【時事通信・島矢記者】
 参院選だが、5月に小沢一郎さんが合流された。小沢さんと、この参院選においてどういう役割分担、また小沢さんにはどういうことを期待するのか伺いたい。

【代表】
 既に(総合選対本部長の)小沢相談役には、主に1人区での支援者固めや調整ということを担っていただいております。きょうは長崎におられると思いますし、あしたはたぶん愛媛のほうに行かれると認識しております。私は代表として、ある意味さまざまな表に出る活動を中心にやりますが、小沢さんにはそうした水面下でのさまざまな調整や支援者固め、支援団体固めというものをお願いしてあります。
 選挙期間中あるいはその前後においては一緒に何か活動できることもやりたいなと思っていますので、今、それは調整中であります。
 とにかく力を合わせて、小沢さんに限らず、それぞれの役職者・議員が当選に向けて全力で働くということで臨みたいと思います。

○参院選 候補者擁立について

【日本テレビ・右松記者】
 先ほど、立憲民主党の全国比例候補として、元「モーニング娘。」の市井紗耶香さんが立候補を表明した。立憲民主党はそれ以外にも、RAGFAIRの元メンバーの奥村さんや、筆談ホステスの斉藤さん、須藤元気さん、こういった著名人候補の擁立が相次いでいる。他党の候補ではあるが、こういった擁立などについて何かご所感があればお願いしたい。

【代表】
 他党の候補者についてはコメントは差し控えたいと思いますが、我が党は、この東京選挙区で出馬予定の水野素子さんを初め、それぞれプロフェッショナルな分野で実績を積んでこられた方、水野さんであればJAXAで国際宇宙ステーションの関係の仕事であるとか、そういったプロとして活躍された即戦力の人材、とりわけ女性候補を擁立しておりますので、ぜひそういったところを国民の皆様に訴えて支持を広げていきたいと思っています。

○参院選 野党連携について(4)

【フリーランス・堀田記者】
 3年前は岡田民進・小沢自由・志位共産・吉田社民がまとまっていた。その1年前から安保法制でまとまっていた。しかし、今は近親憎悪の骨肉相食む立憲民主と国民民主がいる。私ははっきり言って玉木さんよりたくさん選挙区を回っているが、例えばあなたが代表選のときに一番初めに行った静岡。榛葉さんは何と言ったか。あいつらはもう2人目を立てる余裕がないんだよと、牧野聖修さんたちを罵倒していた。つまり、まだ近親憎悪がものすごい。これを早く解かないと1人区で11勝なんてできない。例えば滋賀であれば、前は三日月大造さんが味方してくれたが、彼は再戦の前にきちんと安倍さんと大津プリンスホテルで握手をして、自民党と一緒にやりますと言って2期目を勝ったから、この三日月さんの支持者の票が嘉田さんに行くとは思えない。そういうところをあなたは調整してください。1人区では3勝か4勝だと思う。よろしくお願いします。

【代表】
 もっと勝ちたいと思います。