省庁再編

  • 現在、税金は税務署に、年金や医療の保険料は年金事務所に、雇用保険の保険料は厚生労働省の出先機関に納めなくてはなりません。どれも政府に対して納めているのに、納める場所がバラバラで時間や手間がかかります。このような不便を解消するために、税金、医療・年金の保険料、雇用保険の保険料をまとめて扱う歳入庁を設置し、ワンストップで全ての保険料の納付や相談ができるようにします。また税や保険料の徴収担当の職員を歳入庁に集中させ、人員の効果的な配置や情報の共有化を進め、不当に税金や保険料を払っていない人への対応を強化します。これらを実現するため、「歳入庁設置法」の制定を目指します。

  • また、統計不正問題の再発防止のため、統計作成事務を独立性の高い「統計庁」に一元化するなど、省庁の大規模な再編を進めます。また、「経済財政等将来推計委員会」を国会の下に設置し、我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を政府から独立して実施させるとともに、国が行う統計などについてチェックする機能を持たせます。

地域主権型社会(地域主権改革)

  • 地域主権型社会の構築にあたって、「権限・財源・人間」の東京一極集中を脱して、地域の創意工夫による自立を可能とする社会を構築します。ものごとの決定や自治の活動などをできるだけ小さな単位で行い、そこで行えないことをより大きな行政単位が補う「補完性の原理」と、最も住民に身近な自治体が優先的に執行する「近接性の原理」に基づく原則を重視します。

  • 基礎自治体である市町村は、住民に一番身近な地方自治行政の基本単位であり、市町村間連携、広域連携、市町村と都道府県間の連携を通じ、地域住民の自主的な選択によって、多様性を認めつつ効率的・効果的な行政運営を行える仕組みを検討します。

  • 国から地方への権限移譲は、自治体からの自発的な発意を重視しながら、住民に最も近い行政主体である基礎自治体への移譲を基本として、受け入れ能力に配意しつつ推進します。

  • 基礎自治体の強化を図りつつ、道州制への移行を目指します。その際、それぞれの地域の選択を尊重します。

  • 国の出先機関は、原則廃止を目標として整理し、ガバナンスの確保や国と地方を通じた行政組織・運営の最適化、事務の集約化・スリム化を図ります。

  • 各府省の「ひも付き補助金」を見直し、地域の自主的な取り組みに対応して柔軟に予算配分を行う「一括交付金」を拡充して復活させます。これにより、現行のひも付き補助による事業内容の縛りを廃し、地域自ら考え、住民とともに知恵と創意を生かし、より効果的な財源活用を目指します。

  • 道府県から独立した特別市や、政令市内の区への大幅な分権等、住民や関係機関等との合意を前提として、新たな自治のあり方を選択できる仕組みを創設します。

  • 自治体間格差を是正し、臨時財政対策債に依存しない形で地方財政を充実させるため、一括交付金の復活・拡充、地方の自主財源の確保を進めた上で、将来的には、地方交付税制度と一括交付金制度を整理し、財源調整と財源保障の機能を強化した予見可能性のある安定した地方財政制度の構築を目指します。現行の地方財政計画や地方交付税の算定にあたっては、「国と地方の協議の場」を活用し、決定過程の透明化を図ります。

  • 地域の発想に基づく規制改革を推進します。

  • 地方自治体の適切な予算執行のため、競争性のない随意契約の削減、議会主導・市民公開の事務事業レビューの実施を推進します。

  • 地方自治体の非正規職員の法的位置付けを明確にし、非正規職員の雇用の継続と正規職員との均等待遇を実現します。

ICT(情報通信技術)政策

  • 世界中の全てのものがインターネットにつながるIoT時代を迎え、成長戦略の柱に「ICT(情報通信技術)」を位置付け、製造業や金融業のICT化を実現します。また、産・官・学・民の強力な連携体制により、国民生活のあらゆる分野で課題解決型の先進的なICTサービスの提供と質の高い雇用の創出を実現し、国民の暮らしを豊かにしていきます。フィンテックの推進により、東京(大手町)をニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)に並ぶ世界の金融拠点とします。

  • ブロックチェーン技術を使った「地域仮想通貨(暗号資産)」は、低コスト・高セキュリティで、マーケティング等にも応用でき、地域内からお金が流出しにくくなるなど地域経済活性化に資するため、発行(自治体ICO)を可能とします。

  • ICTを最大限活用し、情報の収集・選択・活用能力を培う学習者本位の教育を行い、地域の特性を活かした専門的な高等教育と連携し、地域活性化の核となる人材を育成します。教育クラウドを推進することで、限界集落や離島などをはじめとする住民に対して都市と遜色のない主体的な学習活動を支援します。小・中・特別支援学校へのネットワーク基盤環境の整備、デジタル教科書の普及、インクルーシブ(ともに生きともに学ぶ)教育、支援技術の研究・開発・普及体制を強化します。

  • 遠隔医療診療の普及などICTの積極的な利活用によって、遠隔地での生活上の不安の解消など資源の偏在に対処し、各地域と専門家との相互連携の拡大を目指します。

  • ICTの恩恵を受ける人と受けない人との間に生ずる格差(デジタルディバイド)を解消するため、誰もがICTを利用できるよう、基盤整備や支援を進めます。

  • どこでもギガを気にせずネットを楽しめるよう、全国の駅前や飲食店など、人が集まる場所の無料Wi-Fiスポットの設置を支援します。

  • 情報セキュリティ対策の向上を図りつつ、政府情報システムや地方自治体の情報システムについて、クラウド化を推進します。国・地方通じた行政における情報通信システムについて、運用コスト削減とその加速化を目指します。

  • 頻発するサイバー攻撃やマイナンバー導入による個人情報漏洩を防ぐため、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の権限を拡大し、地方自治体のネットワークや重要インフラ施設(原子力発電所等)も直接監視できるようにします。

マイナンバー制度

  • マイナンバー制度が確実に運用され定着するよう、国民全体への周知や事業者への指導・助言等の体制整備を推進するとともに、個人情報の保護やなりすまし防止等、制度に対する国民の不安の払拭を進めます。

  • 現行のマイナンバー法で定められた社会保障・税・災害対策の3分野以外の利用の際は、国民への丁寧な説明と合意形成を図ることを前提に、安全性の確保、行政の効率性、国民生活の利便性の向上が認められる項目のみを検討対象とします。

  • 行政のICT化を強力に推進するとともに、個人情報の保護に留意しつつ、マイナンバー制度を積極的に利活用することにより、徹底した行政のスリム化とコスト削減を図ります。

  • 行政手続きを原則として電子申請に統一し、手続きをネットで完結できるようにし、行政手続きにおける添付書類の削減、または廃止を可能にする「デジタルファースト法」を制定しました。IT技術等の進展にも留意しつつ、国民の利便性向上と行政の効率化に向けて、政府全体で取り組んでいきます。

  • マイナンバーカードについては、国民が利便性を実感でき、情報漏洩に心配ない普及方法を検討します。

通信・放送政策

  • 通信・放送行政を総務省から切り離し、放送免許の付与・更新や番組規制などを行う規制監督部門を独立性の高い独立行政委員会として設置する通信・放送委員会(日本版FCC)に移し、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入の排除を進めます。

  • 通信と放送の融合の時代に見合うよう、放送法の改正を検討します。

  • 放送については、地域社会・文化の振興、ユーザーである視聴者の利便性向上、わが国経済の成長への寄与を目指し、スマートテレビ等の放送サービスの高度化、デジタル放送日本方式(ISDB-T)の海外普及の促進、コンテンツの海外展開の強化等の施策を推進します。地上デジタル放送については、難視聴対策、字幕放送、解説放送の拡大などを進めます。また、インターネットを介した放送番組の流通など、コンテンツの2次利用の促進を図ります。

  • 電波オークション(電波利用権限の入札による取得)の導入などを通じて、国民の財産である電波の公平・公正な利活用を図ります。また、電波利用料の引き下げを検討します。

郵政事業

  • 平成24年(2012年)に成立した改正郵政民営化法に基づき、国民利用者の利便性を高めるとともに、郵政事業の保障するユニバーサルサービスの維持・提供を進めます。

  • 郵便貯金銀行、郵便保険会社の資金については、政府の株価対策に利用されることのないよう、郵政民営化法の趣旨に沿った持続可能性のある適切な運用が行われることを推進します。

  • 郵政事業に係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス確保の観点から、さらなる検討を進めます。

  • ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の限度額については、利用者の利便性向上の観点から、撤廃を目指します。その際には政府出資の解消など、民間会社との公平・公正な競争条件を確保します。

地域防災力の強化

  • 地域防災や広報を担う消防団員、自主防災組織の処遇改善、防災資機材の整備を推進します。