玉木雄一郎代表記者会見
2019年8月1日(木)18時11分~18時37分
発行/国民民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/dTEkpUj6ANs
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○臨時国会召集に当たって
【代表】
本日、臨時国会が召集されました。
元号が令和に変わって初めての開会式でありましたが、新たに即位された新天皇をお迎えしての開会式、いつにも増して厳粛な、新たな気持ちで国会の開会を迎えました。仲間とともに気を引き締めて国会に臨みたい。そう思っております。
そして、今回新しく当選された仲間が、きょう両院議員総会でも顔をそろえました。特に岩手県選挙区で当選をされた横澤高徳さんは、ご自身がハンディキャップを負っていて、バンクーバーパラリンピックに出場したパラリンピアンでもありますので、車椅子での国会活動となりますが、他党にも重度の障がいをお持ちの方がきょうは登院されました。その意味では、今回の参議院選挙の結果、ハンディキャップを持つ方の国会活動がこれまで以上に注目をされることになると思いますし、日本の障がい者政策を進めていく上でも大変意義のあることだと思っております。
ですから、私たちとしては、横澤さんや、また他党の障がいをお持ちの方の国会活動をしっかりとサポートしていきたいと思いますし、議員にとどまらず、見学に来られるような方々に対しても、国会全体のバリアフリー化、あるいは社会全体のユニバーサル化ということをしっかりと進めていきたいと思います。そして、参議院だけではなくて、衆議院においてもそういった対応をあわせて進めていくことを我々としても後押しをしていきたいと思っております。
また、今回、れいわ新選組のお二人の方については、いわば経済活動中の介護の費用支援について、これは告示を変えればできると、法改正までは必要ないというふうに聞いておりますので、広く、国会議員に限らず経済活動・仕事をしている重度障がい者の方の支援のあり方ということも見直していくべきだと思いますので、我々としては告示の改正ということについても働きかけていきたいと思っております。
○全国幹事会を開催
【代表】
先ほどまで、全国幹事会・選挙責任者・自治体議員団等役員合同会議を行いました。さまざまなご意見を全国から賜りました。
こうした意見と、そしてあす行われる衆参の議員からの選挙に関しての意見聴取ということを行った上で、速やかに総括をし、来るべき衆議院選挙とつなげていきたいと考えております。
○韓日議会外交フォーラム訪日団と面談
【代表】
本日、韓日議会外交フォーラム訪日団の訪問を受けました。当初、二階自民党幹事長と会うということで、こちらの日程を再調整すると聞いておったので、特に対外的に発表していなかったのですが、二階幹事長との面会がまた急遽キャンセルになったということで、来られることが確定したのでお目にかかりました。
日韓関係、大変厳しい状況にあります。ですが、議員間の交流というのはどういう状態にあっても続けるべきだというのが、国を問わず、私どもの考えですから、きょうはお目にかかりました。
その上で、2点、私から申し上げました。
一つは、いわゆる徴用工問題についての、1965年の日韓請求権協定については両国間の関係樹立のベースなので、これは絶対に守ってくれと。ここを何か変えてしまったり、これまでと違う対応をしてしまうと、根底から両国関係が崩れてしまうので、1951年から14年間かけて、いろいろなことを乗り越えながら、先人たちが1965年、あそこで両国関係をピンどめし新たな発展の礎をつくったわけですから、ここだけは絶対に守ってほしいということを、ここは強く申し上げました。
その上で、先方からは、ホワイト国からの除外はやめてほしいということがありましたが、これは徴用工問題とは別に安全保障にかかわる問題として、貴国、つまり韓国の貿易管理の問題が問われているので、我々としても北朝鮮問題等、非常に安全保障環境が厳しくなっていく中で、ここはしっかりと管理をしてほしい。また、管理をしているということを日本国政府に対してもしっかり説明してもらいたいということをあわせて要請いたしました。
両国間でまずしっかりとコミュニケーションをとってほしいということをお願いし、主にこの2点、こちらからは要請をし、ぜひ対応をするように、与野党の議員からも文在寅(ムン・ジェイン)政権に対して働きかけをしてほしい、そして戦略的な両国関係の発展にぜひ寄与してほしいと、こういったことを私からは申し上げました。
○かんぽ生命問題について
【代表】
最後に、かんぽ生命の問題が出てきております。
幾つか問題がありますが、私自身、金融当局にいた観点からすると、株式の売却をする前に会社の幹部がこういった事実を知りながら株を売却していたとしたら、これは市場の信頼性を揺るがす大問題であって、許されないことです。こういうことをやっているのであれば、そもそも上場している資格はないと思います。ですから、これは厳しく、これから金融庁、場合によっては証券取引等監視委員会で調べてもらいたいと思いますし、国会でもこの問題は取り上げていきたいと思います。
そしてもう一つは、こういった無理な販売が行われていたとすれば、職場においてパワハラのようなことが行われていた可能性もありますので、そういった観点からも、この問題については重大な課題として国会の中でも取り上げていきたいと思っております。
また、選挙が終わって急にこういうことが噴出しているということですが、官邸を初めとして政権幹部もいつこういったことを知ったのか。こういったことについてもあわせて国会の中で議論をしていきたいと思っております。
■質疑
○憲法論議について(1)
【フリーランス・横田記者】
先月末の囲みでお聞きしたときに、安倍総理からの憲法改正の秋波を受けて国民民主党内のベテランの声として自民党との連立がありだという時事通信の記事が出て、これを確認していただけるという答えをいただいが、それに対するご回答と、あわせて、同じような趣旨の記事が日経にも出て、統一会派構想を参院側が維新に打診したと。大塚耕平代表代行は事実無根だとおっしゃっているようだが。こういう国民民主党の一定部分の人たちが安倍改憲に協力的、前向きだという印象を与えている記事が相次いでいるが、それを含めて玉木代表のお考えをお伺いしたい。
【代表】
まず、私はこれまでの国会の中で何度も申し上げているように、いわゆる安倍政権の改憲4項目、とりわけ一番問題になる9条改憲案については反対です。何度も何度も申し上げていますが、改めて申し上げますが、安倍総理のおっしゃる自衛隊明記論、これについては私としても我が党としても反対であります。このことは参議院選挙の政策集の中にも書いていると認識をしております。
連立構想を言う幹部がいるという話については、私は知りません。確認ができておりません。
維新と会派を組むという話については、確かに日経新聞さんが報じておりましたが、きょうから国会が始まりましたが結果はもう明確だと思います。組んでおりません。
○日韓関係について(1)
【北海道新聞・古田記者】
日韓関係について伺いたい。きょう札幌市で開幕したカーリングの国際大会で、出場予定だった韓国の女子2チームが急遽参加を取りやめた。韓国のメディアは日韓関係の冷え込みが理由と伝えているが、日韓関係の悪化が国際スポーツの世界にも影響を広げているわけだが、このことの受けとめをお願いしたい。
【代表】
政府と政府の間が悪くなったとしても、青少年の交流であったり、文化交流、あるいは芸能人に対してのいろいろなあこがれとか、いろいろなことを両国の若い人が持っている。こういうことはやはり育んでいくべきだと思いますし、極力影響を受けないように両国政府は知恵を絞るべきだと思っています。特にスポーツなどは若い人もかかわるものですから、こういった交流はしっかり続けていくことが重要だと思います。
【北海道新聞・古田記者】
関連で、冒頭にも出てきたが、きのうから訪問している超党派の韓国議連が、きのう日韓議連と会合を持って、そのときに子どもの交流やスポーツ分野などで影響を及ぼさないようにという申し合わせはしたようだが、きょうこういう事態になった。今後、どう議員レベルで改善を図っていくべきか、お考えを伺いたい。
【代表】
政府と政府はなかなか厳しいところがあるのは事実ですが、きょう韓国の議員の皆さんにも申し上げたのですが、やはり国内に向かって正しい情報を出してほしいし、あおるようなことはお互い慎みましょうと。やはり政治家はそこは、あおるのは簡単だけれども、そういった民間の交流、あるいは経済活動、こういったことには影響が出ないように努力するのも双方の議員の役割の一つではないかということで話はしましたし、要請はいたしました。
【フリーランス・安積記者】
日韓関係について伺いたい。本日、韓国の訪日団に対して、請求権協定が2国間のベースだということを固く強くおっしゃった。これについて先方はどういうふうにお答えになったのか。すなわち、日韓請求権協定というものについてどういうふうな認識でいたと思われるのか伺いたい。
【代表】
そこは、明確な、何か論理立てた反論はなかったと認識しています。中にはうなずいていた人もいたと私は思いますから、良識ある方は1965年の協定をやはり守らなければいけないというのは思っていると思います。
ただ、今こういうふうな非常に残念な状況になっていることについては、これは韓国側にやはり努力を求めたいと思いますし、ここをひっくり返すと、そもそもの戦後の日韓関係のベースが崩れてしまいますから、ここは何とか踏ん張っていただいて、1965年の協定だけはちゃんと守るように、改めてこれは要請したいと思います。
私の思いは伝わったとは思っています。
○憲法論議について(2)
【TBS・小林記者】
先ほどの会議のブリーフの中で、参加者の方から代表の憲法に関する発言でさまざま、真意は何なのかという質問が飛んだということだが、改めて代表のお言葉で、どういう説明をなさったのかご紹介をお願いしたい。
【代表】
前から申し上げているとおりのことを申し上げました。憲法に関しても幾つかご質問いただきましたが、前に枝野代表と会見をした後にぶら下がりでお話しさせていただいたとおりの説明を皆さんにもさせていただいて、ご理解いただいたと思っています。
○野党連携について
【読売新聞・深澤記者】
先ほどの全国幹事会の冒頭の代表の挨拶の中で、今後の野党連携のあり方について、本当に本気で考えないといけないと。連携しようとするとカラーが出にくい、逆にそのジレンマがあるというような趣旨だったと思うが、聞き方によっては従来の共産・立民等を含めた野党共闘の枠組みというものを必ずしも前提と考えずに、ゼロベースで今後の野党のあり方を考えようというふうにも伺えるが、真意について改めてお聞きしたい。
【代表】
きょうも会場からも両方の意見が出ました。やはり一体としてやっていくべきではないか。一方で、やはり国民民主党として単独でカラーを出していくべきではないか。これは選挙区事情もありますが両方の意見が出ましたが、きょう私が申し上げたのは、去年の党大会で決めた方針は、協力が得られる政党・会派とは連携を強化していく。それを申し出ていくということを去年決めて、その一環として自由党とまず会派を組んで合流したということがありましたから、この方針は今変わっていませんので、引き続き他の野党、協力が得られるであろう他の野党と会派に対しては働きかけをしていきたいと。
それでもだめだったときは、また状況の推移を見ながら考えなければいけませんが、現時点においてはその方針のとおり、やはり特に旧民主・民進系の他の野党や会派を中心に働きかけ、いわゆる大きな固まりをつくるための働きかけを続けていきたいと思っています。
○NHK受信料をめぐる政治家の発言について
【日本テレビ・右松記者】
今回の参議院選挙で1議席を獲得したNHKを国民から守る党の見解について伺いたい。立花氏は、NHKの受信料は支払わないという主張を繰り返していて、それに対して日本維新の会の松井代表も、議員がそういうふうな発言をするならばかばかしくて大阪市も払えないという発言をしている。このNHKの受信料の支払いをめぐって、にわかに党首レベルでもそういった発言が出ていることについて、今この状況をどのようにごらんになっているか。その危険性など、見解についてお伺いしたい。
【代表】
私も法律に定められている義務が果たされないで平気でいるのであれば、国民民主党としても払いたくないですね。
それは、やはり立法がなされて義務が決まっている以上は、公平性の観点から、きちんと払うものは払うというのが筋だと思います。フリーライダーのようなことを許してはなりませんし、まじめに払っている方がばからしくなるというのは、これは受信料にしても税にしても保険料にしても同じだと思いますから、やはり契約の締結の義務があり支払いの義務が発生した以上、払うものは払うように、むしろそれを進めていくのが立法府に身を置く者の責任ではないかと思います。
要は、正直者がばかを見ないような社会にしていかなければいけないなと思います。
○日韓関係について(2)
【NHK・鈴木記者】
韓日議員団の関係で事実関係の確認だが、きょう面談された場所、大体の時間帯や、具体的にどなたと面談されたのか教えていただきたい。
【代表】
午前ですね。党本部の6階でお目にかかって、会った人は、与党の方が1人で野党の方が3名ですね。
姜昌一(カン・チャンイル)さん。
趙培淑(チョ・ベスク)さん。
尹相現(ユン・サンヒョン)さん。これは外交統一委員会の委員長さん。
李貞味(イ・ジョンミ)さん。これは正義党の代表の方。
この与野党合わせた4名の方とお目にかかりました。
【フリーランス・横田記者】
韓国議員との面談について、二階さんと会う予定だった姜議員は、二階さんにもし会えたら何を伝えたかと聞いたら、ホワイト国除外を何としてもやめてほしいと強調したいとおっしゃっていたが、もしあした閣議決定されればさらなる日韓関係の悪化を招いて、不買運動が激しくなったり、訪日観光客がさらに減ることが予想されると思うが、ホワイト国除外をあしたにでもすることに対して玉木代表のお考えをお聞きしたい。日本の国益を損ねるおそれが十分に考えられる状態で、すぐにでも閣議決定する妥当性についてどうお考えか。
【代表】
これは韓国の皆様にも私は申し上げましたが、まず、徴用工あるいは慰安婦の基金の解散等々の日韓関係の悪化の話と、このホワイト国から除外するかどうかを、分けて考えてほしいと。この分けて考えてほしいというのは、私は安倍総理にもこれは申し上げました。分けなければいけないよと。
ホワイト国から除外するかどうかは、これはひとえに貿易管理の問題であって安全保障の問題なので、これは純粋に、韓国側が軍事転用できるような物資についてきちんとした貿易管理ができていないかどうかの証拠を、きちんと日本政府としても持つべきだし、そのことを説得力ある形で韓国側に説明しないと、場合によってはWTO等で負けてしまう可能性があるということですから、ここはしっかり論理立てて日本政府も説明する必要があるし、そういう疑いがかけられているのであれば韓国政府は日本政府に対してしっかりと証拠に基づいて説明をしなければいけない。
いずれにしても、両国政府間の中でしっかりとコミュニケーションをとってほしいということは申し上げました。
【フリーランス・横田記者】
一連の経過からすると、報復的措置だと受け取る韓国国民がいても当然ではないか。日本でもそう捉える人がいると思うが、分けろと言っても、これは無理なのではないか。
【代表】
当初、ホワイト国から外すときの話を、これは選挙期間中のテレビでの党首討論でも私は聞きましたが、何かこう徴用工の問題で日韓請求権協定を守らないことがその理由の一つのように語ってきたことは問題だと私は思います。
ですから、今政府がやっていることは政府がやっていることなので、今の時点で私はこれは正当なことが行われていると思って静観したいと思いますが、やった以上は、国際的にも負けないようにきちんとやってほしい。またWTOに持っていかれて負けるようなことが、この間、例えばクジラの、ICJ(国際司法裁判所)判決の捕鯨のことでも負け、水産物の韓国に対する輸出の問題でも負け、大丈夫ですよと言ったことがボロ負けしてきているので、やる以上はきちんと国際的にも勝てるような論理立てでやらないと、かえって日本の信頼や国益を毀損することになると思いますので、そこは余計な、変な報復的な要素を入れるのではなくて、純粋に安全保障の観点、貿易管理の観点から、しっかりと世界に対して説明がつくような形でやるということが大事だと思います。
【フリーランス・横田記者】
先送りも十分選択肢の一つとして検討するべきだと。あしたすぐ決定するのではなくて、報復的措置と誤解される危険性があるのであれば、冷却期間を置いて先送りするのも十分考えるべきではないかと。そういうお考えと理解してよろしいか。
【代表】
いや、ホワイト国から外すかどうかは法と証拠に基づいて客観的に判断すべきであって、何か請求権協定の報復なのかそうなのかという観点で判断すべきものではないと思います。