玉木雄一郎代表記者会見

2019年8月21日(水)17時40分~18時18分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/HoDwb9aP7so


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○統一会派結成について立憲民主党枝野代表と合意

【代表】
 先ほどの執行役員会、そして総務会で、先般立憲民主党と合意いたしました統一会派の結成について報告し、了解をいただきました。
 合意文書にあるように、今後、会派の協議会を速やかに設置して詳細を詰めていきたいと思います。
 あわせて、野田元総理の社保の会派がありますが、そことも早いうちにお話をして、連携強化について具体化させていきたいと思っております。
 いずれにしても、我々は国民の皆様に自民党にかわるもう一つの選択肢を示していく、そのために大きな固まりをつくっていこうというのは、昨年から一貫して申し上げてまいりました。さまざまな調整の困難がありましたし、自由党のときもそうでしたが、そうした大きな目標に向かって着実に一歩二歩と踏み出せたかなと思っておりますので、初心を忘れずに、緊張感のある政治をつくり上げるためにこれからも進めていきたいと思っております。


■質疑

○立憲民主党との統一会派について(1)

【NHK・宮里記者】
 きょうの総務会などで報告された内容について、大きい方向性は共有されたのだと思うが、その上で代表に対する注文とか、こういうふうに今後協議を進めてくれとか、どういった意見があって、特に代表としてはそれをどう受けとめてこれからの立憲さんとの協議に臨まれるか伺いたい。

【代表】
 文書に書いてあるとおりで、「今後の政府提出法案への対応、会派の意思決定手続き、運営方法等は、各党派の代表者からなる会派運営協議会を速やかに設置し、検討を始める」となっていますので、その中で重要な事項についてはしっかりと我が党の意見も申し上げて合意を得て進めていってほしいという話がありました。

【読売新聞・深澤記者】
 会派協議会について、スケジュール感でお伺いしたい。人事等、またその意思決定の仕方等を決めていく場になると思うが、臨時国会も10月と言われている中で、いつぐらいまでにこの結論を出すべきとお考えか。

【代表】
 かなり詰めることが多岐にわたると思うので、できるだけ早く始めることが大事かと思っておりますが、ただ、これは相手もあるし、先ほど申し上げた社会保障を立て直す国民会議とはまだやっていませんので、できるだけ早く行っていきたいと考えております。

【日本テレビ・右松記者】
 きのうの合意文書の中にある会派名についてお伺いしたい。衆議院では「立憲民主党・国民フォーラム」、参議院では「立憲民主党・国民・希望の会」を中心に検討するというような書き方になっている。党内では「立憲民主党」という名前が先に出ていて「国民フォーラム」となると「国民」の存在感が少し薄まるのではないかといった意見も聞こえてくるが、代表としては、ここから少し変更なり含めてどのような会派名が望ましいとお考えか。

【代表】
 これはあくまで例示ということで、党首会議の中でも私から申し上げているし、実際あの文言上もそう読めますから、適切な名称、これも協議の対象です。
 きょう意見が出たのは、我々国民民主党という党名を「国民」と単に参議院選挙の票に書いたときにN国さんと一部案分になったという話も聞いておりますので、単に「国民」というだけでいいのかどうか。そういった多少法的・技術的なことも含めて名前を決めていく必要があると思いますし、会派の略称をどうするのかということもイメージしながら正式名称を決めていくことも必要だと思います。
 いずれにしても、これはあくまでも一つの例示ということで、今申し上げた幾つかの観点も考えながら、合意できる会派名で合意していきたいと思っています。

【東京新聞・大野記者】
 先日も同様の質問があったかと思うが、憲法について、これまで立民では憲法審査会の開催そのものに慎重な立場、国民民主は議論そのものは積極的にという姿勢があり、おのおのその違いを大事にされてきたのだと思うが、会派を同じくするに当たって国民民主としてはどんな点に気を使い、また、どんな点で国民民主党らしさというのを憲法論議で出していくか。そのあたりのお考えを伺いたい。

【代表】
 まず、事実関係で申し上げれば、たぶん最初に議論になるのが国民投票法だと思います。前の前の国会からずっと積み残している案件ですから。これに関しては、我が党は対案を出しています。立憲民主党さんは出していません。ですから、既に提出している議員立法については対応に差があるわけですね。ただ、枝野代表は選挙中の党首討論などでも我が党の法案にも言及しながらCM・広告規制については必要だという立場を明言されています。法案を出している我々、出していない立憲民主党という差があり、同時に、CM・広告規制は必要だという共通点もあります。
 こういうことについてどう扱っていくのかというのは今後の協議の対象だとは思いますが、我々としては法案まで用意して、やはり今の国民投票法では不十分だという立場ですから、これは国会の中で、憲法審査会の中で、しっかりと主張していきたいと思います。ただ、その前提として、やはり与野党がしっかりと合意をして、静かな環境の中で議論できるということが重要だと思いますので、それは引き続き求めていきたい。これは与野党両方の努力が必要だと思いますが、やはりきちんとした議論を我々は進めていく、この方針はこれまでと変わらず主張していきたいと思います。

【TBS・小林記者】
 政策について伺いたい。立憲民主党は、会派結成に当たって原発政策や夫婦別姓や憲法の考えに対して理解をしてくれと。それに対して玉木さんの回答の文書では、「主張を理解し、相互に協力していくことを確認する」となっているが、この解釈について、立憲側の一部には、これはもう政策をのんだということだという声もある。玉木代表としては、立憲の政策をのむ、賛成するという立ち位置なのか、それとも主張を理解したが実際の法案の賛否や立ち位置については今後運営協議会で協議していくものだという考えなのか伺いたい。

【代表】
 あの文書のとおりでありまして、正確に申し上げれば、「8月5日付の呼びかけに示された主張を理解し、相互に協力していくことを確認する」ということを申し上げております。主張について我々は理解はしますということは申し上げております。
 それを踏まえて、合意文書の中に「それぞれが異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」ということもあわせて明確に、これは両党として確認しておりますので、その範囲の中で考えていくということになろうかと思います。

【フリーランス・安積記者】
 そうすると、一般的な理解だが、当初枝野さんは8月5日の書面を渡して、これをのめということと、衆参別に、衆議院では統一会派で参議院ではやらないという、そういう申し出をのむかのまないか突きつけたと私は解釈しているが、最終的に合意したというのは、立憲民主が出した内容について丸のみするわけではないということなのか確認したい。

【代表】
 まず、「丸のみ」という言葉がどうかはありますが、丸のみであれば衆だけですよね。

【フリーランス・安積記者】
 いや、政策の内容。

【代表】
 政策については先ほど申し上げたように「理解し、相互に協力していく」ということで、かつ、先ほど申し上げたように今後の政府提出法案への対応については会派運営協議会で検討するということですし、「それぞれが異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」ことも確認しておりますので、それぞれの立場に配慮するということだと思います。

【フリーランス・安積記者】
 ということは、話し合いによってあの8月5日の内容から、立憲民主のほうが国民民主との話し合いでお互いに譲歩する余地もあるというふうに解釈してよろしいか。

【代表】
 「それぞれが異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」ということを確認しておりますので、それぞれの立場に配慮するということだと思います。それは片務的な話ではなくて、互いの行動について両代表で確認したということです。

【朝日新聞・河合記者】
 今の政策の面だが、「配慮しあう」ということは、つまり統一会派を組んだとしても、それぞれの政党でそれぞれの政党に属する議員が同じ賛否をとらないということがあってもいいと。それがつまり「配慮」ということなのかという質問が一つと、今の総務会あるいは役員会の中で、こうした政策に関する意見はあったのか伺いたい。

【代表】
 意見というよりも確認がありまして、8月15日に我々から明確に示した、それは両院議員総会で我が党として正式に承認を得た範囲の中で今回の合意に至っているということをご説明申し上げました。
 あわせて、先ほど申し上げたように「それぞれが異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」ことも両代表間で明確に確認しておりますので、そういった趣旨の中でご質問に答えさせていただきました。

○れいわ新選組について

【「フランス10」・及川記者】
 選挙後の会見で、山本太郎代表のれいわ新選組と接触を試みたいということだったが、その後れいわとの関係はどうなっているのかということと、れいわ新選組は今4党1会派でやっている野党共闘の枠組みに入るのか伺いたい。

【代表】
 これからの話だと思います。
 政策的には、「家計第一の経済政策」と私はずっと主張してきましたが、とにかく家計を温めて消費を軸とした好循環をつくっていこうということについては、大きな方向では同じだと私は思っています。少し余裕のある高所得者の方にはご負担をいただいたり金融所得課税を強化したり再分配を強化したりということについては一致しているし、そもそも、もともと同じ会派でやっておられたので、その同じ会派にいた山本太郎さんがあのように党を立ち上げて一定の成果を上げられたことについては評価もしているし、歓迎もしたいと思っていますので、何らかの形で接触してコミュニケーションをとっていきたいと思っています。

○立憲民主党との統一会派について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ポイントはやはり会派運営協議会なのだろう、その人選も含めて。運営協議会だから、たくさん決めることがあるとおっしゃったが、別に政策を詰めるようなものなのか。与党の出方論ではないが、どういうふうに国会で国民に対して大きな構えを見せていくか、まずそこから始まらないと、政策協議をしていたら、昔と同じことをやるんじゃないかと。たくさん決めることがあると先ほどおっしゃったが、大きな構えをつくるだけだったら別に、原発くらいはしっかりやってほしいと思うが、その辺は枝野さんとの考えのすり合わせはどんなふうになっているか。

【代表】
 枝野代表との間ではいろいろな話をしています。
 ここには幾つか例示がありますが、大事なことは、単なる民主党の先祖返りにならないことだと思います。しっかりと大きな固まりをつくるということで、今の政権に対峙していくということはもちろん大事なのですが、この選挙を通じて感じたことは、やはり経済政策であり、あるいは社会保障政策であり、国民が将来に不安を感じているものがたくさんあると思うのですね。そういったところに対して我々としての「新しい答え」、新しい考え方を国会の中でもしっかりぶつけていくことが大事だし、信頼できる政治集団としてみなされるような新しい展開をしていかなければいけないと思っていますので、どういうテーマで、どういう構えで、この秋の臨時国会から向き合っていくのか。そういった大きな戦略方針、こういったことをしっかりと定めていくことが大事だと思っていますので、それはしっかり頭に入れて、早々に検討・協議に入りたいと思っています。

○埼玉県知事選挙について

【東京新聞・清水記者】
 今週末、埼玉県知事選が投開票になる。ちょうど立民と国民で会派を合流させようという話もある中で、先週には枝野代表と一緒に大野候補の応援にも入られたが、日曜日の知事選が野党共闘におけるどういう意味を持つか。ちょうど国会では会派を一緒にしようという中でどういう結果を得たいか。あと数日だが、どういうふうに臨んでいきたいか。知事選への意気込みをお聞きしたい。

【代表】
 先般、枝野代表と私、一緒になって大宮駅で演説をさせていただきました。たくさんの方、暑い中お集まりいただいて、本当に勇気をいただきました。何とか勝利をおさめて、あるいは今回の統一会派の動きがプラスに働くようにぜひしていきたいと思いますし、そのことをまた大野候補の勝利につなげたい、勝利にプラスに寄与させていきたいと思っていますので、残された時間はもう限られていますが、両党で何が協力してできるのかしっかり考えて、協力・努力をしていきたいと思っています。

○次期衆議院選挙について

【時事通信・島矢記者】
 次期衆院選の対応について伺いたい。立憲との統一会派をきっかけにして、代表がこれまで主張されてきた立憲などとの共同選対や統一名簿について、どのように今後働きかけていくお考えか。

【代表】
 会派運営協議会は国会の中の運営について協議をする場ですが、やはり次に大事になってくるのは選挙における調整と協議だと思います。早ければ年内に衆議院の解散・総選挙はあるという前提で、それこそ強力な構えを選挙態勢においても構築していかなければいけませんので、共同選対という言葉を私はずっと使ってきましたが、言葉はともかく、両党間で、あるいは野田総理の社会保障を立て直す国民会議に所属している衆議院議員の先生方も含めて、衆議院選挙を戦える態勢、調整、あるいは候補者擁立、こういったことに急ぎ着手していきたいと思っています。

○立憲民主党との統一会派について(3)

【朝日新聞・斉藤記者】
 二つお願いしたい。
 まず、会派のポストが会長なり代表なり幹事長なり国対委員長なりあると思うが、それは国民もどれかを押さえたいのか、それとも全部立憲で一気通貫でいいですよという話なのかというのが一つ。
 もう一つが、先ほど民主党に先祖返りするのでは意味がないという趣旨の話があり、なるほどなと思ったが、今訴えている「家計第一」も「国民の生活が第一」とかなり重なるし、家計を温めるような政策は前からやっていたわけだが、この先祖返りしないというのは何なのかというのをもう一言いただければと思う。

【代表】
 まず、人事についてはまさにこれからの協議事項ですから、何か予断をもってコメントすることは差し控えたいと思います。
 民主党に先祖返りしないというのは、単に昔のメンバーが集まったということでは国民の皆さんがなかなか期待が持てないと思いますから、やはり国民が期待しようと思う政策、こういったことが大事だと思います。
 「家計第一の経済政策」は、これは家計を温めていくという意味で、消費税はやはり上げるべきではないということを明確に申し上げていますから、その意味では民主党政権下で消費税を上げることを決めたこととは違うということになろうかと思います。特に、今、私が非常に心配しているのは、国際経済も国内経済も不況の入り口に立っているのではないかと。しかも、リーマンショック以来の大規模なショックが来る前夜かもしれないという認識が必要で、その中で10月から消費税を上げることはあってはならないと私は思っていますので、とにかく家計を温め、消費を軸とした好循環をつくっていくというのは、今「生活が第一」という言葉を出されましたが、言葉は似ていますが、その背景にある理論や、あるいは中身においても、かつて言っていたものとは質的にも中身的にも大きく違うものだと思っています。
 特に消費税については、私は従来から申し上げているように、本当にリーマンショックあるいはそれを超えるようなショックが来るときには消費税についても減税を排除せず検討すべき。政策メニューとして、経済政策として検討すべきだと思っていますので、「家計第一」、こういった経済政策について、会派を組んでも、あるいは会派を組んだからこそ、磨きをかけていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 もともと一緒だったという、「もともと」は、2009年の民主党が政権をとったときのことなのか、それとも民進党のことなのか。それを決めてください。先ほど山本さんの件が出ていたが、もともと一緒にやっていたと。「もともと」というのは何だと。はっきり言って逃げ口上に聞こえる。それをきちんと決めてください。

【代表】
 国民の皆さんがどう受けとめるかということが大事なのだと思います。国民の皆さんが民主党時代とか民進党時代とかおっしゃるときに、それは何をイメージして誰をイメージしているのかということが大事だと思うので、そういった一つ一つの意見にしっかりと耳を傾けたいと思います。
 ただ、一方で、今の1期生・2期生、3期生以下は、もう2009年の民主党政権・与党時代を経験していない議員も多数当選するようになっています、若い人たちは。私自身も2009年初当選組ですが、政府にも入っていません、1年生議員でしたから。その意味では、民主党政権の運営と言われても正直ピンとこないところが私自身にもあります。
 ただ、我々は法的な継承政党ですから、そのいろいろな批判から逃げないで、反省すべきところは反省して、検証すべきところはやはり検証していかなければいけない。その反省の中に立って、やはりもう一度国民の皆さんから期待されるような新しい枠組みをしっかりつくっていかなければいけないし、単なる野党という立場、政権から転落して野党として模索を続けてきた数年間でしたが、そろそろこの政権から転落した野党という位置づけから、次世代与党、あるいはその準備期間に入ったんだという、やはり意識を変えて政策を練り上げていかなければならないと思っています。
 そういった観点から新しい打ち出しをしっかり発信していくことが大事だと思っていますので、これから会派の協議が進んでいきますが、まずは我が党として、そういった新しい政策や国会に向かう立ち位置、こういったものを明確に発信していきたいと思っています。

【日本経済新聞・島本記者】
 きょうは代表のほうから会派の合意について報告したということだが、政策面、特にエネルギー政策についてはどのように説明されたのか。何かそれについて話があれば教えていただきたい。

【代表】
 エネルギー政策について特出しして説明はしておりません。政策全般について、先ほど来あったように、合意した内容そのもの、あるいは我々が相手方、立憲民主党に説明してきた、その事実を正確にご説明を申し上げました。

【日本テレビ・右松記者】
 ちょっと気の早い話で恐縮だが、先ほどの代表の発言の中で、年内にも衆院選の可能性もあると言及された。その上で、今回の会派の結成に向けて今後協議を進めていくということになるが、中長期的に、また選挙をにらんで、党の合流について、ある議員からは、共同選対や統一名簿といったことよりも合流すればそういったこともなくリーズナブルにどんどんどんどん前進していくのではないかという、合流に対する期待感も党内からある。こういったことについて、その選択肢を排除しないというお考えなのか。このあたりはいかがか。

【代表】
 党と党の合流については、今おっしゃったような意見が党内にあることも事実ですが、一方で、やはり国民民主党としてのアイデンティティー、改革中道政党で来たこと、対決もするけれども解決策を提示していくという我々のやり方というのはしっかり党として維持していくべきだという意見もありますので、今の段階で党と党の合流については考えておりません。
 これから、まずは会派としての、統一会派についての取り決めもまだ正式にできていないというか、今後協議することがたくさんある中で、その先の党の合流については、あまり言っていると鬼が笑うので、まずはこの足元の、決まった会派運営協議会を設置して検討を始めるところから丁寧にやっていきたいと思っています。

○2009年政権交代から10年に当たって

【「フランス10」・及川記者】
 先ほどの堀田さんの質問とも関連するが、今月末で政権交代の選挙からちょうど10年、玉木さんが初当選してからも10年だが、それに関して感慨やご見解はあるか伺いたい。

【代表】
 そうですね、10年たったわけですね、政権交代から。
 平成を振り返ると、平成5年に政権交代して、平成21年に政権交代して、15年ごとぐらいに政権交代しているのですね、日本は。そうすると、10年たったわけですから、少なくとも5年以内にはもう一回政権交代を起こさなければいけないと思っていますし、今の経済・社会の状況を考えると、そんなに悠長にも考えられない。ですから、もう一度我々の目指す社会像、今の政策・政治で進んでいる「今だけ、金だけ、自分だけ」というような政治を変えていくもう一つの軸を国民は求めていると思うので、それをしっかり打ち出して、その上でしっかり信頼される政治的な枠組みをつくっていかなければいけないと思っていますので、今回の会派というのをその一歩につなげていきたいし、あわせて、単なる民主党への先祖返りではなくて、反省すべきところは反省し、見直すべきところは見直しながら、次の信頼できる枠組みに、そして政権交代につなげていきたい。そう思っています。

○立憲民主党との統一会派について(4)

【共同通信・鈴木記者】
 先ほど、エネルギー政策について特出しして説明はされていないというご説明だったが、一応確認だが、立憲の原発ゼロ法案について、例えば今回の合意文書にもあるが、理解はしたが法案そのものについて受け入れたわけではないとか、そういった説明は総務会ないし役員会では特段されなかったのか。

【代表】
 そういう法案を提出していることは、我々理解をまさにしています。その上で、「それぞれが異なる政党であることを踏まえて、それぞれの立場に配慮しあう」ことも確認しているので、その範囲の中で今後の対応を決めていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 8月15日午後2時からの会談においては、はっきり言って玉木さんが出したものは枝野さんはけんもほろろに断って15分ぐらいで終わった。それで、この短い期間に、なぜこのように、ある意味で玉木さん側の主張が取り入れられたのか。答えられる範囲でいいですが。
 それから、重要な党首会談をやるというときの連絡が45分前ごろにあった。私たちフリーの人間とか、大手メディアでないのは、はっきり言ってあまり熱心ではないので間に合わなかった。なぜこんなに急がねばいけなかったのか。例えば会派のことを事務局に出して、国会が始まっているとかいうことであればいいが。そのところを、できる限りで結構ですから、支障のない範囲で説明していただけないか。

【代表】
 調整力の高さということに尽きるのではないですかね、相互の。
 それと、何でこんな早くするのかということなのですが、今、10月4日ぐらいには臨時国会というふうに言われていますね。そうすると、この間、立憲民主党と2党で合意をしましたが、まだ社保の会や、あるいは社民党さんが参議院では残っていますので、それを調整していると最終的な合意に至るのが今月じゅうぐらいかなと。そこから会派協議会、人事も含めて決めてやっていると、早くて9月の始めか、場合によってはもっと遅くなるかもしれない。そうすると、臨時国会が始まるまでにもう1ヵ月ない中で、さまざまなこと、会派を一緒にするのだったら例えば委員会の配置とか、誰を何委員会の筆頭にするのかしないのかとか、全部決めていくとそれは1ヵ月は最低でもかかることから逆算すれば、実はそう時間がないという認識の中で、この間、両代表同じようなタイムスケジュールを頭に置きながら調整してきたという経緯です。
 最後に、堀田さんに連絡が遅れたことは本当に申しわけございません。そこはフリーの皆さんも含めてきちんと連絡するということが筋だと思っていますし、我々はそういう立場でこれまでもやってきたつもりなのですが、事が事だったので、実は党内にも叱られるぐらいある種情報管理しながらやってきた経緯もあります。いつもご愛顧いただいている堀田さんに連絡が遅れたことは改めてお詫びを申し上げたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 私だけではない。

【代表】
 はい。フリーの皆さんに遅れたことは本当に申しわけありません。以後気をつけます。

【フリーランス・堀田記者】
 それから確認だが、先祖返りだが、今、民主党とおっしゃった。民進党ではないのですね。

【代表】
 政権を担っていたのは民主党なので。

【フリーランス・堀田記者】
 先祖返りですよね。つまり民進党だと、維新にいた人たちが入ってきた。初鹿さんたちですね。

【代表】
 初鹿さんは民主党のときもいましたから。維新に行って。

【フリーランス・堀田記者】
 民進党か、民主党か、決めてください。民主党と言いましたよね。それでいいわけですよね。

【代表】
 難しい質問ですね。
 民主・民進党に単に戻るということではない形で、国民の皆さんの期待を集めることができるような新しい展開にしていきたい。このように申し上げたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 古賀之士さんと話したときに、民進党に戻るのですかと言った。だから民進党でいいのですかと言ったら、民進党ですと。ですから先祖返りということを彼も使ったので、先祖は民主党か民進党かはっきりさせろと、ここでお願いしているのです。

【代表】
 いずれにせよ先祖は大事にしながら、ご先祖様を大事にしながら、ただ、反省すべきところは反省しなければいけないと思います。やはり国民の期待を裏切ってしまったので。そういった反省の中で、やはり自民党は野党のときに反省したのですよ、名前も変えないで。ああいうところはちゃんと見習いながら、我々はやはり過去はなかったものにするのではなくて、正直に向き合って、反省すべきところは反省して次につなげていくことでしか有権者の本当の信頼を回復することはできないと思っていますので、逃げることなく受けとめながら、次につなげていきたい。そう思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この5日間に何があったかというのはすごく関心がある。それは取材すればいいと思うが。この統一会派、1年8ヵ月ぐらい前からずっとやって、できなかった。僕は今回もできないと思っていた。だから、ある意味で山が動いたというか、歯車がだいぶ進んだと。本当に国民にそう言えるような、本家返りとかではなく、大きな固まりというか大きな構えをつくるという意味では、これはやはり少し山が動いたと、野党の中の。そういうふうに期待していい、そういう5日間だったと見てよろしいか。

【代表】
 期待につなげていきたいと思います。私はこの間、いろいろなことをやってきて、いろいろなことを言われていますが、終始変わらないことを申し上げて、その方向に向けて一歩一歩近づけていっているという自負はあります。その都度いろいろなご評価も、厳しい記事にもなったりしますが、やはりもう一回政権を担いたいという思いは変わらない中で調整の努力をしてきておりますので、今は何を言われてものみ込んで、大きな目標に何としてもたどり着きたい。その思いは忘れずに、ぶれずに進んでいきたいと思っております。