玉木雄一郎代表記者会見

2019年9月5日(木)17時30分~18時14分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=VqQm4jLd0_g&feature=youtu.be



■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○日露首脳会談について

【代表】
 冒頭、私から1点申し上げます。日露首脳会談についてでございます。
 日露首脳会談が行われたと報じられておりますし、中身について多少情報が出てきておりますが、何の成果もないということだと思います。
 特に、きょう色丹島で大規模な水産加工場のオープニングの式典が行われたと承知をしておりますが、日露の首脳会談が行われる日にこうした式典を行うことは極めて遺憾でありますし、外交的にも非礼ではないかと思います。これに対して安倍総理から明確な抗議をしたのかどうかまだ確認しておりませんが、色丹島というのはいわゆる2島返還といった場合の一つに含まれております。(安倍総理は)4島の帰属を確認して平和条約を締結するという従来の方針を変更していると思いますが、まず2島をと、シンガポールでの合意に基づいて話を進めていくことにしておりますが、そもそも色丹島でこういったことが行われるということについては、2島についても返す気がない、引き渡す気はないと言わざるを得ませんので、大変残念に思います。
 その意味で、安倍総理にはぜひ、今のような交渉や、あるいは共同経済活動も含めて、今のようなパッケージが一体どのように平和条約に結びつくのか、ひいては島の返還や引き渡しに結びついていくのか、これは国民に対して、元島民の皆さんに対しても、しっかり説明をすべき段階に来ているのではないかと思っております。
 いたずらに首脳会談を重ねても、その先が見えなくなるどころか、(2019年版の)外交青書で固有の領土だという趣旨を外したり、むしろ、かえって我が国の国益がどんどん損なわれていくようになることはこれ以上続けるべきではないと思いますので、やはり一体どういう方針で、あるいはどういう見込みの中で交渉を継続していくのか、しているのか、しっかりと国会と国民への説明を求めたいと思います。


■質疑

○日韓関係について

【フリーランス・横田記者】
 日韓関係悪化について。枝野代表はラジオ番組で、河野外務大臣辞任が日韓関係改善に必要だという趣旨の発言をされているが、一方で岡田克也元外務大臣は質問主意書を出して、経産省の7月初めの貿易規制強化のほうが問題だと。世耕大臣が会見で明らかに報復・対抗措置と見られる発言をして、安倍総理も同じ趣旨のことをしているということがある。河野大臣と世耕大臣、どちらが辞任するべきだとお考えか。あるいは両方辞任するほど日韓関係悪化に責任があるとお考えか。

【代表】
 責任があるのは韓国だと思います。
 1965年の日韓請求権協定は、14年の月日を経て、当時半島に残された日本の資産の処理も含めて、長年の交渉を我々の両国の先輩方がやってようやくたどり着いた合意が1965年の請求権協定であります。いろいろなことがありましたが、そこから未来に向けて両国関係をつくっていこうということで戦後の日韓関係がつくられてきましたので、そこを何か変更したり過去を変えたりするようなことがあったとしたら、それは戦後の日韓関係そのものを土台から崩すことになりますので、まずこれは韓国政府に、1965年の日韓請求権協定については、いろいろあるが、ここは歴代の政権が守ってきたようにしっかり守るんだということをやっていただきたいと思います。
 その上で、これは安倍総理に選挙期間中にも直接私は申し上げましたが、ホワイト国から外すということについては、私はこの日本国政府の対応については是としております。それはやはり安全保障の観点というのは国際社会の一員として果たさなければならない我が国としての責務でありますから、軍事転用の可能性が疑われるような物資が例えば北朝鮮あるいはそれ以外の第三国に流れているという不適切な事案が韓国側にあるとすれば、それに対して手続を厳格化することは我が国として当然やるべき措置だし、WTO上も認められる措置だと思っております。
 ただ、この措置はあくまで安全保障の観点から行われるものであり、純粋に貿易管理の観点から行われるべきものであって、請求権協定のいわゆる徴用工の問題であるとか、あるいは慰安婦の問題に絡めて、その報復として行われるべきものであってはならないと思います。
 ですから、ここは明確に峻別する必要があるし、これをごちゃまぜにしてやっていると、ホワイト国から外したという日本国の主張そのものが非常に弱くなってしまうので、場合によってはWTOなどで負けてしまう可能性もあるので、そこはきちんと峻別した上で、法と証拠に基づいてしかるべき対応を行っていくべきだし、韓国側にも、もし反論するのであれば、しっかりとした貿易管理が行われるという証拠を示して、我が国の当局に対してきちんと説明することを求めていきたいと思っております。
 ですから、河野大臣あるいは世耕大臣がやめたからといってこの問題が解決するわけではないので、それぞれがそれぞれの責務をしっかり果たすことによって、この問題を解決につなげていくことが大事だと認識しております。

【フリーランス・横田記者】
 今おっしゃったホワイト国は8月に入っての報復第2弾と韓国側が見ている話で、その前段の7月初めの貿易管理強化について、参院選に実質的に入った期間で安倍総理も番組で報復的措置だというふうな発言をして、世耕大臣も会見やツイッターで同じことを言っている。それが韓国側に、まさに今おっしゃった徴用工問題の政治問題を貿易問題に飛び火させたということで韓国側の怒りを買い、日韓関係悪化で観光業・製造業にも影響が出ている。この責任が世耕大臣にはあるのではないか、その結果責任をとるべきではないかということをお聞きした。
 あわせて、実際に被害が出ている現場、観光地、九州・北海道等を視察・ヒアリング調査するお考えはあるのかどうかもお伺いしたい。

【代表】
 このことについては問題であるということを安倍総理自身に、私は選挙期間中にフジテレビの番組でも直接申し上げました。そこは、正直、最初の説明は貿易管理の問題と徴用工や慰安婦の問題、信頼関係が失われたということを理由にしていましたから、二つの目的を混ぜてしゃべっていました。「総理、これはやめたほうがいいですよ」ということは私は明確に申し上げたので、世耕さんがどうこうというよりも安倍総理自身の発言にそもそも問題があったという認識です。ですから、そのことは明確に申し上げました。
 その上で、経済等に対する影響については、世耕大臣は当初、あまり大きな心配をしていないという発言もあったやに記憶しておりますが、私の地元・香川県にもゴルフ場がございまして、今、韓国資本がそれを持つようになって、ダイレクトフライトで韓国と高松空港が結ばれていますので、かなり多くのお客さんも来ていましたが、こうしたことが行われたことによって、月当たりだったと思いますが、もう既に1000万円近い損失が出ているという話を支配人からも伺いました。私が身近に聞いたところでもそういった影響が出ていますから、西日本中心に経済的な影響がかなり出ているのではないか。ここは政府としてもホワイト国から外すということから生じるネガティブな影響として客観的に正確に把握すべきだと思いますから、そこは政府としてもきちんと調査をして把握をしてもらいたいと思っています。

【フリーランス・横田記者】
 党としては動かないのか。あした原口さんが佐賀に行かれるが。

【代表】
 今、私自身がこうした地元の案件を把握しているとともに、各議員からも話を聞いておりますので、どこかで党としてもそういったものをまとめていきたいなとは思っています。

○消費税増税について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 消費増税まで1ヵ月を切ったが、もし10%に上げた場合、野党としては8%への減税を要求していくのか。あるいは、れいわ新選組が言うように5%まで下げることを目指していくべきか。ご見解を伺いたい。

【代表】
 我々、これは野党、維新も含めて共通していたと思いますが、参議院選挙においてはやはり10%に消費税は上げるべきではないということで野党各党そろっていたと思います。
 もし10月に10%に上がるのであれば、これまで言ってきた主張と整合性をとるのであれば、上がったものは少なくとも8%にまず戻さなければいけないという意味での減税ということは必要になってくるのではないかと思います。
 国対間でそういったことを検討すべきだと、各党持ち帰って検討するということを決めたので、我が党も含めて政調部門で検討を開始していくと思いますが、さらにそこから踏み込んでどうしていくのかということについては、もちろん安定的な税収を上げなければいけないというもう一つの必要性もあるわけですから、経済状況の変化ということも踏まえながら、さらにその先にということについては今後検討していく課題だと思っています。

【共同通信・中田記者】
 消費税の質問に関連して。維新も含めて共通していたというお話があった。れいわも、5%への消費税の減税、ないし廃止を訴えていらっしゃる。そうすると、減税法案ないし中止法案というのは維新やれいわにも共同提出を呼びかけるというお考えか。

【代表】
 今そこは国対(野党国対連絡会議)の中に入っていませんので、現時点ではたぶん対象には入っていないのかなと思います。
 ただ、これから経済状況の変化があったときにベストな税のあり方はどうなのかという議論の中で、もちろん今おっしゃったような他党との調整ということもないことはないと思いますが、現時点においては国対間でそれぞれの政調で検討しましょうということですから、今の国対で集まった枠組みの中でまずは考えていくということだと思います。

【日本テレビ・右松記者】
 ベストな税のあり方という話もあったが、財務省が2日に発表した法人企業統計の中で、内部留保が463兆円以上ということで前年度に比べて3.7%ふえたという統計がある。米中貿易摩擦による不透明化のリスクによってこういったことが行われているという見方もあるが、一方で消費の冷え込みや家計の冷え込みという指摘もある。国民民主党は「家計第一」を訴えているが、この現状をどのようにごらんになっているか。

【代表】
 内部留保そのものが悪いとは申しません。ただ、やはりこれまでと比べても相当な規模、多くの国の一国のGDPよりも多い額が内部留保として積み上がっているということについては、やはり何か考えていかないといけない段階なのかなと私は思います。
 特に「家計第一」の経済政策を申し上げたときに、経済は政府と企業と家計部門の三つでできていますが、今、圧倒的に三つのうち企業部門にお金が集中していることについては、経済全体を円滑に回していく上でも偏りがあり過ぎるのではないかと思います。ですから、この企業部門に余りにも偏って偏在しているお金の流れをどうやって経済全体に、とりわけ家計部門に回していくのかということは、これは重要な経済政策として考えなければならないと思っています。
 これ以上企業にどんどんどんどん内部留保がたまっていくことが本当にいいことなのか、経済全体としてもいいことなのかということは、これから我々としてもさらに深掘りして考えていきたいと思いますし、野党全体で経済政策を考えていくときの大きな一つの柱になるのかなと思っています。一方で労働分配率がどんどんどんどん低下していくということもありますので、その意味では参議院選挙で訴えた「家計第一」の経済政策をさらにブラッシュアップしていきたい。その中でこの内部留保の問題についても取り上げていきたいと思っています。

○日米関係について

【フリーランス・安積記者】
 アメリカが韓国に対して軍隊の在留経費の増額を求めていたが、日本に対しても近々かなりの増額を求めるのではないかと言われている。一方、メキシコとの間のフェンスの建設費用を在日米軍の費用から流用するというような報道があった。ということは、結局は日本政府が壁の建設費用を間接的に持たされるという感じになるが、この構造についてどういうふうにお感じになるか。

【代表】
 日本は既に他国に比べても駐留経費はしかるべき負担をしているという認識です。今、間接的に壁の建設に回されるということは承知しておりませんでしたが、やはり日本もアメリカに対してしっかり言うべきことは言うべきだと思います。
 そういう観点から言うと、先般の日米通商交渉についても非常に問題があると私は思います。これは単にトウモロコシを買えと言われたとかTPP水準の規模にとどまっているのかいないのかということよりも、一番問題なのは、完成車、つまり自動車の関税をゼロにするということをやらないのであれば、今、対米輸出の金額でいうと3割ぐらいが完成車の輸出ですから、それがないとどんなにほかのものを積み重ねても7割ぐらいの関税撤廃のレベルにしかならないわけです。それはWTO上は明確に許されない2国間協定になります。最恵国待遇という原則があって、その例外は実質ほぼ全ての物品について関税を撤廃するときに関税同盟という形で認められるので、特定の国に対して特定の物品だけ優遇措置をしたり、そういった措置を行うことはWTO違反です。
 ですから、もし今のまま今月末に両国間で合意をしようとすれば、WTO違反の協定を日本は結ぶことになります。もしこれをやってしまうと、今、RCEPとかいろいろなことを各国と貿易交渉していますが、他国に対して高い自由度を求めることが日本はできなくなります。だって、「アメリカに7割で認めたのだったら、うちもそんな譲らなくていいだろう」と言われますから。今後の日本の通商政策にも大きな影響を与えるので、こういうことはあってはならないと思います。
 ですから、ご質問でいただいたような、駐留経費をさらに負担を求められるということも、非合理な無理難題を押しつけられることをしっかりはねのけることが大事であって、WTO違反になるような協定を結ばされようとしているわけですから駐留経費についても無理難題を言ってくることが予想されるので、早く国会を開いて「そんなことは認めない」ということを、野党というよりも国会の声として安倍政権にしっかりと届けないと、知らないうちにとても受け入れられないような、納得できないような取り決めをアメリカとどんどんしてしまう可能性があるということで、とにかく早く国会を開いて、今ご質問いただいたような問題点も含めてしっかりと議論していきたいと思っています。

○上野前厚労政務官の口きき疑惑について

【TBS・小林記者】
 辞任した上野前政務官の件だが、きょう一部週刊誌報道で新しい音声データが出てきた。ブローカーと思われるような方と、口ききのような内容と受けとめられるものだ。上野前政務官はまだテレビカメラの前に出てきて説明をしていないが、説明する必要性、それから野党としてどう対応していくか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 当然、説明責任があると思います。次から次へと出ていることについて、厚生労働大臣政務官を辞任したとはいえ、これは政治家としても説明責任を問われる案件だと思いますから、しっかり説明をしてもらいたいと思います。
 あわせて、最近テレビを見ると、お隣の国の法務大臣就任予定者のスキャンダルは何時間もかけてやっているのですが、もう少し我が国の政府高官の口きき疑惑についてもメディアの皆さんにも頑張っていただきたいなと思います。

○臨時国会を開き議論すべき重要案件について

【日本農業新聞・岡記者】
 先ほど日米通商交渉の案件も含めて国会を早く開いてという話があった。国会がもし開かれたら明らかにすべきと思う点、具体的にはどの点か。

【代表】
 まず、やはり消費税の問題については、軽減税率、この期に及んで新しい事例集が出てきたり、現場は非常に混乱していますから、この消費税や軽減税率、あるいはポイント還元の問題、こういったものはやはりしっかり取り上げたいと思います。
 もう一つは、日米の問題。自動車、完成車に対して関税撤廃が実現できない中での協定であれば、それは明確にWTO違反だと私は思いますから、こういった点は明確に申し上げていきたいと思います。
 あわせて、農産物についてもTPP水準を守ったということが流布されていますが、そんな確約は全くありません。少なくとも牛肉については、税率と時期については仮にTPPと同じであったとしても、セーフガードが、もとの12ヵ国を前提としたセーフガードの適用基準であれば、要はスカスカなのでほとんど発動されない。何というか、空気のような壁ですから、あんなものは全く防御壁にならない。オーストラリアは一方で交渉に応じないと言っているわけですから、実質的にはTPP水準以上に譲っているということになります。これまでの国内・国会に対する説明と矛盾しますので、こういった点についても厳しく取り上げていきたいと思っています。

○2009年政権交代から10年に当たって

【朝日新聞・小林記者】
 民主党政権誕生10年について2点お尋ねしたい。過去の会見でも言及されたかもしれないが、民主党政権が生まれたことにより日本の政治が進んだこと、功績についてまずどう考えているか伺いたい。

【代表】
 まず一つは、本格的な政権交代ということを、国民が一票を投じたら政権が変わるんだということを示したという意味で、意味があったと私は思います。
 中身的にいえば、今も続いていますが、今まで必ずしも注目をされなかった子ども・子育て、こういったところに政策の大きな重点が移ってきたということは一つの成果だったかなと。さまざまなご批判をいただきましたが、例えば高校の無償化は安倍政権になっても、所得制限は入りましたが続いていますし、子ども手当についても、金額は減って所得制限が入りましたが、中学校3年生までということで、これまでの児童手当が大幅に拡充されましたので、子どもや教育政策については非常に大きく進んだと思います。いわゆる就学前教育の無償化についても、もともと民進党が言い始めたことでありますので、その意味では子ども・子育て、教育政策に対して非常に税金や予算が使われるようになった大きなきっかけをつくったという意味では、民主党政権の一つの成果だったのではないかと評価しております。

【朝日新聞・小林記者】
 一方で、民主党政権時代から分裂が始まって、今、立憲と国民に分裂して、また統一会派の動きがあるが、この10年間で得られた教訓というのはどんなところにあると思われるか。

【代表】
 いろいろな考え方の人がいます。もちろん、今、国民自体が非常に多様化していますから、それを代弁する国会議員や政党も非常に多様化してきているということなのだと思います。ただ、その中で、多様な意見を前提としながら、それを一つの考えに押し固めていくのではなくて、多様性を前提としながらその中で合意を丁寧に形成していくことがやはり政治の世界は非常に重要だなと思いました。
 今でも国民の皆さんから一番厳しく言われるのは、やはり党内がばらばらになってしまったこと。このことについては今も非常に批判されますし、政策以前に、違いを超えてまとまる、あるいはいろいろな意見をまとめ上げていく力がなければ政権運営はできない。つまり、野党の中もまとめることができなければ、とても多様な政権の運営ということはできないので、やはりいろいろな違いがあっても議論をしながら一つの考えにまとめ上げ、一旦決まったらみんながそれに従うという、そういったことを徹底していくことが大事だし、それができなければ政権につく資格はないということを思い知らされた10年でもあったと思います。
 そういった反省をしっかり胸に刻んで、次につなげていきたいと思っています。

○消費税増税について(2)

【フリーランス・堀田記者】
 10月1日から10%に上がる、それをきちんと声明して参議院選挙で安倍さんは勝ったわけだが、国民民主党の調査では、この10%に上げるのは反対の人が多いのか、それとも賛成の人が多いのか。

【代表】
 各社の調査も見ていますが、反対のほうが多いなと。いろいろ支持政党とか所得階層によっても分かれますが、やはり反対のほうが多いという認識です。

【フリーランス・堀田記者】
 毎日自動車を買うわけでもない、家を買うわけでもない。8から10に上がっても大したことない。私はあしたの朝飯を帰りのコンビニあたりで買うが、108円のコッペパンを買うか、125円のを買うか、それはセレクトできるが、10%に上がると一番困るのはレジ関係の中小の人だと思う。これは上がっちゃうからしようがないので、そっちのほうだけきちんとケアをしてあげてください。下げることはできないと思う。この前、NHKさんなども砂町銀座のことをずっとリポートしていたが、やはり困るのは売る側だ。
 それと、これに便乗しての値上げというのは多くなる。例えば今、イエローハットはタイヤは10月1日から上がりますというが、もうちょっと小さいタイヤを売っているところでは、もう値上げしていますと。ブリヂストンがもう値上げしちゃっている。そういったことがないように、便乗値上げというのを。もうこれ戻ろうとしても、できませんから。
 要するに一般の国民というのはセレクトできるから、一番迷惑をこうむっている中小の売り手側のケアをよりお願いします。レジ屋さんとか、これでもうかっているところもありますが。

【代表】
 8から10、こたえる人もいる。8から10というのは、2%上がるというか、率にして25%上がりますから、セレクトできるのは確かにそうですが、セレクトできないもの、つまり生活必需品を買わざるを得ない人に対してはやはり厳しくのしかかる税であるということも事実だと思います。
 ただ、おっしゃるとおり買う側に対しての影響と同時に事業者側の影響ということをきちんと考える必要があると思っていまして、その意味でいえば、実は税率を上げることよりも、今回、複数税率を導入し、そのためにインボイスの制度を導入することが事業者にとってものすごく大きな影響を与えることを心配しているのです。特に売上1000万円以下の免税事業者。今、消費税の納付を免除されている事業者については、インボイスを発行できませんから、そうすると売上の仕入れ税額控除ができないので「そんなところとはつき合えない」ということでどんどん取引から排除されるか、課税事業者になるか、どちらかなので、それこそ「そんなことであったら、もうやめましょう」ということで廃業促進税制になってしまうことを非常におそれるのです。
 いずれにしても、これは上げる必要がないし、特にこのインボイスを導入することで免税事業者を取引から排除するようなことはあってはならないと私は思っていますから反対をし続けますが、消費者と同時に事業者に対する配慮をしっかりしていくということはおっしゃるとおりだと思っていますので、そういう観点から問題点については引き続き厳しく指摘をしていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 きちんと選択できる権利は持っている。それに対して、例えばメーカー、例えばセブンイレブンなどが安いパンをつくったり、そういったことをやってくれている。そういったことに感謝している。

【代表】
 私も感謝したいと思います。

○立憲民主党との統一会派について(1)

【NHK・米津記者】
 統一会派について伺いたい。立憲民主党の参議院会派の会長選挙がきょう告示され、長浜元環境大臣が立候補を届け出た。そのまま無投票で当選される可能性があるが、会派が統一された後も長浜元大臣が会長でよいと国民民主党としてお考えか。

【代表】
 他党のことについてコメントは控えたいと思いますが、参議院選挙のときは我々としても応援をさせていただきました。大変人格者で、皇位継承問題について私も一緒にさまざまな議論させていただいたので、非常に性格も温厚な方だし、立派な方だと思っております。なられるかどうかは、我々としては今後の推移を見守りたいと思っております。

【NHK・米津記者】
 実際になられた場合に、会派が統一されたら国民民主党にかなり大きくかかわってくることかと思うが、その点についてはいかがか。

【代表】
 選出されたときにまたコメントしたいと思います。

○領土問題 日本の防空識別圏について

【J-CAST・工藤記者】
 日本のADIZ(防空識別圏)に竹島と北方領土を含めるべきだと、先日ツイッターでお書きになっていた。それをすると日本の領土問題に対する毅然とした姿勢を示すことができる一方で、日本側からすると現状を変えることになるので、おそらく韓国とロシアは極めて強く反発すると思う。このあたり含めて、竹島と北方領土を含めるべきだと、その狙いについて伺いたい。

【代表】
 2012年だったと思いますが、当時野党だった自民党の宇都参議院議員も当時の森本防衛大臣に対して同じような質問をしています。当時野党だった自民党がそういうご主張をするのであれば、今、与党になったので、なぜやらないのかなと思います。
 現状を変更するとおっしゃいましたが、現状を変更したのは韓国側であって、歴史的にも国際法的にも竹島は我が国固有の領土でありますから、何か現状を変更するというのは間違った認識ではないかと私は思います。

○立憲民主党との統一会派について(2)

【時事通信・御船記者】
 会派の話に戻るが、今後の会長がどうなるかというところも一つの焦点だと思うが、会長含めて人事について、どのような姿勢で協議を立憲に対して求めていくかということと、人事で国民と立憲が対等であるというところを確保すべきではないかという声もあるが、その点についてどういうふうにお考えか伺いたい。

【代表】
 幹事長に任せています。

○「たまきチャンネル」について

【フリーランス・安積記者】
 最近の「たまきチャンネル」について伺いたい。先日、熱海で収録されたみたいだが、熱海駅前の「維新」というラーメン屋で温泉つけ麺を召し上がったときに、「いただきます」を真剣にされたが、お箸を間に挟んでやった行為が行儀が悪いのではないかという意見があるが、これについて。

【代表】
 ちょっと食べ急いでしまいました。すみません。今度はちゃんとお箸を置いて「いただきます」したいと思います。
 うまかったのですよ。

【安積】
 「維新」という名前に気を引かれたのか。

【代表】
 特段こだわりはありません。

○消費税増税について(3)

【フリーランス・横田記者】
 山本太郎代表と立憲民主党の若手議員がマレーシアを視察し、消費税をゼロにした国ということなのだが、マレーシアに対する見方と、この動きは次期衆院選に向けた野党の統一的な消費税に関する政策づくりの第一歩になるのではないかと思うが、先ほどおっしゃった法人税の問題は、山本太郎代表も消費税ゼロにしたときの代替財源として法人税を上げるべきだとおっしゃっている。大体方向性は同じと考えてよろしいか。

【代表】
 立憲民主党の高井崇志議員が一緒に行ったので、彼がフェイスブックに書いているものを全て読ませていただきました。非常に興味深かったです。
 私も、消費税をやめたらどうなるのかなと。その分景気が回復して自然増収が上がってということになるのかなということで非常に興味深かったのですが、各当局の人と話をした中で非常に興味深かったのは、法人税を上げろという主張の方はたしかいなかったと思うのですね。その一方で、SST、セールス・アンド・サービス・タックスをかわりに復活導入することで税収減を補ったということなのですが、十分まだ補い切れていないということで、単に消費税をやめたらその分景気がよくなって税収が上がるものでもないのかなと。
 ただ、研究はしてみる価値があると思っていますので、今回行かれた中谷一馬さんとか高井崇志さんとか、山本太郎さんとか、行った方々の報告を聞いて私も勉強したいなと思っています。
 一つ思うのは、どのような課税のあり方を目指すかというのは、さまざまな方策があるのかなと。いわゆる付加価値にかけていくような、今の多段階で課税していく消費税もあれば、あるいは企業の小売売上というある種の外形標準を課税標準として課税していくということもあり得るし、売上税的にすればたぶん第2法人税的な位置づけにもなる。私は問題意識としてあるのは、消費を減退させないような課税のあり方というのは何か模索できないのかなと。それでいて一定の安定財源があるようなことがもしできたらベストですが、行かれた方の話もよく聞いて研究してみたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 今度10%に上がる前に駆け込みの買い入れなどがないということで上げないほうがいいというのは間違いであって、駆け込みの購入などがないのは、日本はある意味豊かであって、もう買うものがない。前回や前々回と違って。そういうふうに私は解釈している。
 それよりももっといけないのは、メーカーとして、高かろうがとにかく欲しいものをつくれと。そういった努力が足りないと思う。

【代表】
 私は欲しいものがいっぱいあるのですが。
 それと年収200万円以下の方が今ふえていますので、そういった方々はやはり所得がふえればふえるほど消費しますし、やはり生活必需品を中心に、今回、軽減税率で生活必需品は安くすると言いますが、例えば公共料金の水道代とか、あるいはトイレットペーパーとか、生理用品とか、そういったものは10%のままなので、一律生活必需品を安くしていますよと言っても実際そうはなっていない。やはり苦しい方は苦しいし、消費税というのは影響がやはりありますよ。
 前回5から8のときはかなり、リーマンショック以上に消費が落ちこんでいるので、8から10もあまり甘く見ないほうがいいなと。

【フリーランス・堀田記者】
 どれくらい落ち込んでいるのですか、その期限というのは。

【代表】
 かなりドンと落ち込んでいますよ。それはもちろん回復をだんだんしていきますが、ただ、自動車販売などを見ますと、一旦落ち込んだのがなかなかもとに戻らない。

【フリーランス・堀田記者】
 それは若者が車なんか興味がなくなったから。

【代表】
 そういうふうに上の方は言うのだけれども、若者の何とか離れの多くの原因は、やはり余裕がないからですよ。若者が車離れしたりとか、若者が旅行離れとか、外国に行かないと言っている、その多くの理由の一つは、やはり昔に比べて所得が上がらなくなっていて買う余裕がないからですよ。

【フリーランス・堀田記者】
 それはスマホの流行で、小さな世界しかつくらない。スマホを売っているやつが一番悪い。

【代表】
 そこはちょっと認識の差があるのでコメントはしませんが。
 やはり、今、若い人が置かれている非常に厳しい所得環境というのは、我々政治家は常に真摯に向き合わなければいけないと思っています。

○横浜へのカジノ誘致案について

【フリーランス・堀田記者】
 横浜へのカジノ誘致について伺いたい。ハマのドンと言われている藤木幸夫会長は、安倍政権はアメリカの言いなり、腰巾着だと。背後にいるトランプ大統領の大口献金者のラスベガス・サンズのアデルソン会長の意向を受けて横浜に進出して、米国カジノ業者との対決のような構図になっているが、横浜へのカジノ誘致について一言お願いしたい。

【代表】
 まず、依存症対策について万全が期されているのかということが心配ですし、何より地元の納得と合意がなければ、やはり生活環境にも大きな影響を与えますから、地元の方が反対する中で無理やり押し切ってもうまくいかないと思います。そこは法律に定められたさまざまな手続もありますが、それ以上にやはりきちんと地域住民の理解と納得を得るということが不可欠ではないかと思います。藤木会長が心配されていることもよくわかりますから、少なくとも強引に進めていくような話ではないと思っております。