玉木雄一郎代表記者会見

2019年10月2日(水)14時00分~14時46分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/tiRp9bKGy3c


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○共同会派の結成に当たって

【代表】
 今週の月曜日、我が党そして立憲民主党などによる共同会派の届け出を衆参両院で行いました。衆議院で120名、参議院で61名の会派でありまして、衆議院で見れば2009年の政権交代前の民主党の会派規模をしのいでおります。
 きょう各委員会の理事の集まりがありましたが、久しぶりに見た顔も多くて、非常に壮観な感じがしましたし、懐かしい感じがしました。戦闘力を高めて、この臨時国会から臨んでいきたいと思っています。まさに政権交代を目指す環境づくりが一歩前進したと考えております。
 ただ単に大きな会派をつくっただけでは国民の信頼を得ることはできません。この大きな構えをいかに国民にとって意味あるものにしていくのか、やはり国会での論戦力が問われると思いますので、先日ありました消費税の問題、また、いまだに正式な文書が確定していない日米貿易協定の問題など、しっかりと国民の期待に応えることができる論戦を展開していきたいと思っています。

○豚コレラ対策について

【代表】
 次に、国会でも論戦していきたいと思いますが、豚コレラについてであります。
 我々、1年以上前からワクチンの使用を提案してきましたし、どの党よりも先駆けて積極的に豚コレラ対策には取り組んできました。前の農水大臣にも私自身いち早く面会を申し入れて会談をしましたし、水際対策といって、空港に行って現地の犬を使った探知の現場、こういったものも視察をさせていただきました。
 我々としては、従来から提案をしていたワクチン接種がようやく農水省によって行われるという方針が示されましたが、遅きに失したと思っております。また、ワクチン接種をするようになっていますが、都道府県に基本的にその責任を任すという仕組みになっています。国家防疫として国が責任を持って対応するということが必要だと思いますので、引き続き提案・提言をしていきたいと思っています。
 今、心配しているのは、(有効な)ワクチンのないアフリカ豚コレラがお隣の韓国を初め近隣国で発生しておりまして、これが入ってくると大変なことになります。やはり国内に持ち込ませない水際対策を強化していかなければいけませんので、我々が提出をしている豚コレラ関連2法案(「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案」「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」)の成立に向けて臨時国会でも仲間とともに頑張っていきたいと思います。

○SNSの発信強化について

【代表】
 最後に、会派を国会の中で組むことになりましたが、国会の外の活動が極めて重要だと思っております。
 特に二つ、これから我々は党として重視をしていきたいのは、SNSの対策であります。これまでコミュニケーション戦略本部をつくってコミュニケーション全般についての対策を講じてきましたが、このたび改めて、コミュニケーション戦略本部はいったん解散をした上で、代表直属でSNSに特化したチームをつくって、より効果的な発信を心がけていきたいと思っています。一部既に運用を始めておりますが、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ユーチューブ、こういったものを効果的に使う。このことに党全体として取り組んでいきたいと思います。

○街頭活動「全国ツアー」の開始について

【代表】
 もう一つは、国会外の活動でありますが、私、「全国ツアー」を始めたいと思います。全国を回って、「家計第一の経済政策」ということを参議院選挙では訴えましたが、その基礎となる考え方やデータということを必ずしも国民の皆様に正しく正確に詳しくお伝えすることができなかったと思いますので、音響・映像機器を積んで全国を回る「全国ツアー」に出ようかなと思っています。それぞれの地域でまたいろいろな人と触れ合って、私たちの考え方、国民民主党の理念・政策を伝えていく「全国ツアー」を始めたいと思っております。ツアーの名前はまだ決めていませんが、とにかく私たちの思いを現場で伝えるということをやっていきたいと思っております。
 また、来週7日には、国会も始まりますので、秋葉原で街頭演説をしたいと思っております。


■質疑

○消費税について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 消費税がきのう上がったことで、日本共産党がれいわ新選組に呼応して消費税5%への減税を主張するようになった。国民民主党としては消費税減税は8%なのか5%なのか、どちらなのか伺いたい。

【代表】
 消費税については、何度もお答えしているように、景気の動向なども勘案しながら、税率を下げたり上げたりすることは柔軟に考えたらいいと思います。私自身は消費税のさらなる減税ということも一案として考えておりますが、これも既にお答え申し上げていますが、国対で、この消費税が上がった後にどうするのか、法案をどうするのかについては各党持ち帰って検討するということになっていて、今、党内でも検討途上でありますから、しっかりと経済動向も見定めながら、我が党としてどうしていくのかということは最終的に決めたいと思います。
 私は、非常に消費が弱含んでいて、しかも大企業・製造業については非常に悪い数字が日銀からも出ましたので、この状態で消費にマイナスである消費税を上げるということについては非常に日本経済そして世界経済にも悪影響を及ぼす可能性があると思っていますので、減税も含めて柔軟に検討すべきだという立場ですが、いずれにしても党内での議論を進めているところでありますので、そこでの結論を得ていきたいと思っております。

○SNS発信の強化について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 SNS対策だが、玉木代表が兜をかぶって撮られた動画が300万以上再生されたわけだが、それが支持や人気につながらなかった。その点、どのように今後対応していくおつもりか。

【代表】
 SNS対策ですが、再生回数ということも大事なのですが、やはりきちんと政策、考え方をわかりやすくお伝えすることが大事だなというのは一つの反省でありまして、認知は進んでも、それが共感を呼び投票行動につながるというところまで至らなかったということが反省ですので、正面からしっかりと政策を訴えたいと思っています。
 最近、私、消費税の問題とかさまざまな政策的なものをかなり長い時間かけて「たまきチャンネル」でしゃべっているのですが、それなりにビュー数がある。やはり本業は政策、政策屋さんなので、ちゃんと政策をしゃべったほうが奇をてらうよりいいかなということも最近ユーチューブをやってみて感じるのです。本物の議論を国民は求めているのかなと思いますので、もちろんキャッチーなものをつくることも大事なのですが、やはり本業の政策をしっかり訴えていくということにも力を入れていきたいと思っています。

○小泉環境相について

【日本経済新聞・島本記者】
 環境大臣になられた小泉さんについて伺いたい。これまでご本人をめぐって、「セクシー」発言とか物議を醸した発言もあったが、この臨時国会とかでご本人の資質を質していくようなお考えはあるか。

【代表】
 資質というか、これはぜひお伺いしたいと思っているのは、やはり日本は世界の中で脱炭素・脱石炭においては明らかに劣等生です。2050年までの目標を達成できるのか。フランスやイギリスなどではもうかなり早い段階で石炭火力発電所から卒業するという方針が示されていますが、日本はまだ約40の新増設の計画が石炭火力発電所の中にありますね。ですから、経済産業省が言っている主張と環境省が言っている主張、あるいは環境大臣が言っていることと経産大臣が言っていることがしばし矛盾することがこれまでも言われてきましたが、リーダーシップを発揮するということで発言された小泉大臣は、果たして経済産業省・菅原一秀大臣を抑えてきちんとそうした日本としての政策が出せるのか。言葉尻ではなくて、その本質的な問題点について議論させてもらいたいと思っています。

○憲法論議(1) 憲法審での議論について

【読売新聞・深澤記者】
 共同会派の中での委員が決まり、代表は憲法審に就かれることになると思うが、個人としてもこの臨時国会における憲法論議にどのように臨んでいきたいか伺いたい。

【代表】
 憲法審は非常に重要だと思っていますし、我が党は憲法をしっかり議論していこうという立場であることはこれまでも申し上げてきたとおりでありますので、国民投票法を初めとした憲法議論についてはしっかり進めていくということで私も含めてメンバーが選定されておりますので、いい議論をしていきたいと思っています。

○憲法論議(2) 同性婚をめぐる議論について

【朝日新聞・小林記者】
 先日、自民党の総務会で、憲法24条、いわゆる同性婚については慎重論が出たという報道もあった。憲法改正は9条に焦点が当たりがちだが、同性婚についてはどのような議論をされていきたいか、その辺のお考えを伺いたい。

【代表】
 自民党は憲法改正に反対なんですね。
 私は少なくともリベラルな立場から、「両性の合意」と書いてあるところについては、もちろん今の憲法は同性婚を否定していないというのが通説ですし、そうだと思いますが、できるだけ解釈改憲がないほうがいい。それは9条においても24条においても同じく、やはり憲法の規範性ということを重視するのであれば、できるだけ書いてあることが現実に近いほうが規範性がきちんと保たれると思いますので、その意味では「両性」と書いていることを「両者」と明確に書けばもちろん異性婚も同性婚も憲法上認められるということが条文上も明確になりますので、そういった議論も憲法の議論としてはあり得るかなと思います。
 どうも自民党さんはそういう観点での憲法改正には反対、逆に24条は護憲派なのかなと。9条は改憲派ですが24条は護憲なのかなということですから、そういうことも含めて国会の中でしっかり議論すればいいのではないでしょうか。都合のいいところだけ改憲ということではなくて、やはりリベラルの観点から見て改憲したほうがいいという人がいれば、そういった声にも柔軟に耳を傾けることを自民党にも求めたいし、自民党は野党に対して自分たちが変えたいところは理解を求めるわけですから、改正すべき点はそれぞれの党それぞれあると思いますから、24条についても柔軟に与野党が胸襟を開いて議論すればいいのではないかと思います。
 国民民主党としては、同性婚をどうするのかということについての議論は、まだ党内議論で決着したものはありません。ただ、私個人的には同性婚は賛成です。多様な生き方、多様なパートナーのあり方があればいいと思いますので、そういったことを法律上明確にするということであれば、そういった議論も十分あり得ると思いますので、いずれにしても党内での議論をしっかり積み重ねていきたいと思っています。

○桜井議員の離党表明について

【河北新報・吉江記者】
 桜井充参院議員が離党届を提出された。党代表としての受けとめと今後の対応を伺いたい。また、自民党入りも選択肢の一つと明言されているが、それについての考えもお聞きしたい。

【代表】
 前からそういうことをおっしゃっていたので特段驚きはないのですが、ただ、一緒に仕事をしてきた非常に優秀な政治家ですので、会派には残られるということで当面言われていますから、一緒にできればと思います。
 ただ、これはいろいろな方がこれまでもいましたが、最終的には政治家の判断ですから、政治家として進退をかけて決断したことは、それは政治家の判断だということで受けとめたいと思います。

○消費税について(2)

【日本テレビ・右松記者】
 先ほど消費税に関連して、党内議論は検討途上だということだが、この減税法案などの対応について、いつまでにという期限的にはどのあたりか。

【代表】
 各党の足並みを揃えなければいけないと思うので、具体的な期限というのは切っておりませんが、ちょっと国対委員長に確認します。期限を定めて検討することにしたのか、期限がない中で検討が始まっているのか。すみません、ちょっとそこは把握していないので確認させていただきたいと思います。

○大嘗祭社殿に関する議論について

【フリーランス・安積記者】
 今月、即位の礼が行われ、来月、大嘗祭の儀式が行われるが、その儀式の会場というか祭壇になるようなところが板ぶきの建物が建てられるということだが、これまで1300年以上ずっとかやぶきで、平成のときもそうで、明治以降かなり簡素化されたとは言われているが、かやぶきは残った。これは天皇が即位する上での必須の要件と言われているが、これについて変更を加えることについてはどういうふうにお考えか。

【代表】
 私は伝統文化を重んじる立場として、あるいは皇室・皇統の継続性というのは変わらないことそのものに意味があると思っていますから、従来かやぶきでやってきたということであれば、それが変わることは残念です。あるいは、変えるのであれば相応の説明が求められると思います。
 例えばパレードのコースにしても、前回の即位のときから変えているのであれば、自民党の本部前を通るということにしたのであれば、何でそうしたのかということはやはりきちんと説明しなければいけない。
 長い伝統が維持されていく中で、時の権力や政権の何か判断とか影響で、長年にわたって変えずに続けてきたものが変わるということは基本的にはあってはならないと思っています。そこに何らかの政治的恣意性が入ることを防ぐという意味でも原則変えないということが基本になると思いますので、かやぶきを板ぶきに変えるということについては伝統が変わるという意味で残念です。変えるべきではないと私は思います。

【フリーランス・安積記者】
 関連で。大嘗祭は極めて宗教的な色彩の強いところで、神事と言われている。かやぶきであるとか黒木造りであるとか、それは神事のうちの一部だと思うが、これを行政が変えるというのは政教分離に反するのではないかと思うが、これについては。

【代表】
 先ほど申し上げたように、そういった非常にセンシティブな判断を伴うものであるがゆえに、正当な理由なく何かを変えることによって政治的な意図がそこに紛れ込むということにもなりかねないので、相応の理由がない限り従来の伝統を変えるべきではないと思います。

【フリーランス・安積記者】
 相応な理由というのは、例えば、終わったら壊すので何十億もかけるのはもったいないと、これは相応な理由のうちに入ると思われるか。

【代表】
 今上陛下が、例の8月8日の「おことば」の中で、即位、諸行事についてはできるだけ簡素なものにしてほしいということも、そういった趣旨をおっしゃっていたと思いますので、国民の税金を使って華美になることは厳に慎んでくれという趣旨を体現したものであれば納得はいくと思いますが、板ぶきにしたからといってどれだけ安くなるのかというかコストがかからなくなるのかというのはよくわかりません。
 ただ、政教分離ということに反しているのではないかという疑いを持たれないためにも、あまりこれまでの伝統を変えるべきではないと私は思います。

○北朝鮮の弾道ミサイル発射について(1)

【産経新聞・千葉記者】
 けさ、北朝鮮が弾道ミサイル発射した。より即応性が高い、秘匿性が高いSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)ではないかという分析もあるが、受けとめをお願いしたい。

【代表】
 まず、厳しく非難したいと思います。もちろんアメリカに届くようなICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験は控えておりますが、短距離・中距離ミサイルについてはある意味自由自在にやっているわけで、我が国に届く可能性のある近距離・中距離ミサイルというのは非常に脅威でありますから、こういった実験をすることについては強く北朝鮮に対して抗議をしたいと思います。
 その上で、まずアメリカに対して。トランプさんの発言の中で明確に出てきますが、近距離ミサイルまたは中距離ミサイルを何か容認するような姿勢になっていることについては、これはアメリカ側にこの態度を厳しく改めてもらいたいと思います。同盟国である我が国が危機にさらされるという意味では、大陸間弾道弾に加えて近距離・中距離についても北朝鮮の開発を国際社会全体として封じ込めていかなければいけないと思いますので、アメリカに対してもぜひ強くこれは申し上げたいと思います。
 韓国に対しても、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を来月破棄ということでスケジュールが進んでいるということですが、やはり日米韓の連携が極めて重要ですので、改めてこのGSOMIA破棄の方針は撤回していただきたい。その上で、安全保障における日米韓の連携をいま一度締め直す。これを、いろいろな障害を乗り越えて3国がしっかりやっていくことが必要だと思います。
 最後に、SLBMを開発するということは、どこから発射するかわからなくなるということも含めて、対応が極めて難しくなります。これまでの地上発射型で移動式のTELのようなものとは格段に我が国に対する脅威が高まると思います。SLBMがかなり完成に近づいているということであれば、我が国に対する脅威は格段に高まっているということですから、やはりその意味でも日米韓の連携ということを改めて重要視して、さまざまな困難を乗り越えて、今のぎくしゃくした関係を正していかなければいけませんし、政府にはそのことを強く求めたいと思います。

○臨時国会における重要テーマについて

【産経新聞・千葉記者】
 先ほど、今回の国会の論戦に臨むに当たって代表は消費税や日米貿易の問題を特出ししておっしゃったが、枝野代表は、例えば関電の問題が最大であるとか、「あいちトリエンナーレ」の問題やNHKの問題を優先順位として挙げている。そういったところで優先順位のつけ方に若干温度差があるのではないかと思われるが、その辺はどうお考えか。

【代表】
 党がそれぞれ違うし、その違うカラーがある党が一つの会派を組んでいますから、枝野代表・立憲民主党さんはそういった三つの分野を中心にやられるというのだったら、それはそれでいいと私は思います。逆に、そこからはカバーされないような消費税の問題とか、日本経済や世界経済の不況の入り口にあると私は申し上げていますが、やはり景気経済の問題。そして、WTO協定に明確に違反していると私は思います、この日米通商合意の問題。こういったものはむしろ我が党がしっかりと取り組んでいきたいと思いますし、政権のおかしなところは厳しく切り込みたいと思っています。

【時事通信・御船記者】
 4日から臨時国会が始まるが、これまで国民民主党が掲げてきた「つくろう、新しい答え。」や「対決より解決」といったいわゆる提案路線を、立憲民主党などと組んだ新会派の中でどのように出していこうとお考えか伺いたい。

【代表】
 これまでどおりやります。もちろんおかしなところはいっぱいありますから厳しく徹底追及もしますが、例えば軽減税率はだめだというのであれば、その対案として給付付き税額控除とか、そのためのマイナンバーをしっかり使って所得把握をきちんとやって本当に真に助けが必要な人に助けが及ぶような仕組みを提案したり、これは参議院選挙のときにあまり皆さんに伝わらなくてちょっと残念だったのですが、例の福祉的給付金。
 低年金者に対して月最大5000円、年間最大6万円というのがあったのですが、あれは今、通知がどんどん行っていますが、たぶんそれで初めて国民の皆さん気づいたと思います。あの最大5000円、我々は最低5000円と言っていて、「何が違うんだ」と言われたのですが、たぶん届いてびっくりですよ。本当に助けが必要な人が1000円だったりとか1000円未満だったりするのが、今、続出していますから。
 いわゆる最低保障機能、最低限生きていくのに必要な給付をどうするのかというのは、我々は最低でも月5000円、最低でも年6万円ということを提案してきましたが、たぶんこれからまさに「あれ、国民民主党の言っていたのがよかったな」という感じになってくると思うので、そういった非常に苦しい生活を余儀なくされている高齢者に対する対案というものも改めて国会の中で提案していきたいと思っています。

○北朝鮮の弾道ミサイル発射について(2)

【西日本新聞・鶴記者】
 これまでの発射については代表おっしゃったようにアメリカ側の反応が薄いところがあったと思う。日本側としても日米で足並みをそろえることが難しかったような面があると思うが、北朝鮮ミサイル問題について日本政府に求めたい対応についてお考えを伺いたい。

【代表】
 先ほど申し上げましたが、日米間の連携は非常に強固なものと総理は言いますが、ただ、近距離・中距離ミサイルについては明らかに日米の利益がずれています。
 うがった見方をしますと、近距離ミサイルまでやめてしまうとイージス・アショアが要らなくなるので売れなくなるということにもなるので、アメリカに飛んでくるミサイルはしっかりと金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対しても厳しく言っているが、近距離・中距離については容認している、むしろそれがアメリカの利益にいろいろな意味でつながるという判断になっている可能性があって、ただ、そのことは日本の利益には全くならない。
 この日米の利益が相反しがちな近距離・中距離ミサイルについても日米でしっかり連携をして北朝鮮に対して開発をやめさせるんだという強いプレッシャーを両国が一致協力してかけていくことを、日本政府はアメリカ政府・トランプ政権に対してしっかり伝え申し入れるべきだということを改めて国会の中でも総理に申し上げたいと思っています。

○街頭活動「全国ツアー」について

【日本テレビ・右松記者】
 冒頭に、全国ツアーを始めたいという話をされた。音響や映像機器を積んで全国を回りたいということだが、このことをやっているれいわ新選組は、北海道を皮切りに、きのうは東京の新宿でも行った。まさに音響と映像を使ってやっているところでもあるが、代表がイメージされている全国ツアーというのは、れいわ新選組の山本代表のようなものなのか、もうちょっと異質なものなのか、具体的に伺いたい。

【代表】
 今、詳細は考えているところなのですが、ゲリラライブみたいにやりたいなと思ってね。機器を積んでいって、どこでもね。ある程度、私が予算委員会でやっているようなパネルとか、映像で出してもいいのですが。
 私たちの考え方というのはきちんとデータや実績に基づいてある程度丁寧に説明しなければいけないなと思っていて、我々は職業柄何度も街頭演説するのですが、いろいろな人が通っていきますが、みんな理由があってそこを歩いていて、つまり別に我々のために歩いているわけではないので、ぱっと見たときに、例えば予算委員会もそうなのですがテレビをつけたら何やっているんだとパネルを見ればわかるということなので、その前を通り過ぎるわずかな数秒間であっても、何をやっているのか、どこがやっているのかということが、ビジュアルでもわかりやすいような情報の伝え方をしていかなければいけないのかなと。
 こういうキャンペーンのイノベーションが必要かなというのは山本太郎さんを見ていても思いましたので、全くパクるつもりはないのですが、参考にさせていただいて、やはりより伝わりやすい街頭演説のイノベーションというか、そういったものも少し考えながら、これまでにない情報発信あるいはキャンペーンということができればなと思っています。
 今、詳細を最終的に詰めていますので、とにかく何かおもしろそうなものにしたいなと思っています。

【日本テレビ・右松記者】
 今月中には1回目はやりたいと思っているか。

【代表】
 何とか今月、10月にはやりたいなと思っています。

○自治体議員選挙の公認料について

【フリーランス・安積記者】
 福岡のほうだが、統一地方選の後に離党したが会派には入っている地方議員、県議だが、これについて国民民主党の福岡県連から選挙のときに出した300万を返還しろという話が出ている。もし返還しなければ会派から出ていけということで、今ちょっとトラブルがあるみたいだが、一回選挙の準備のために公認料を含めて選挙資金として出された300万ぐらいのお金、これを後で返せということはあり得る話なのか。正当なことだとお考えか。

【代表】
 具体的にどういう誓約書と、どういう権利と義務だったのかということを、必ずしも詳細を承知していないので、福岡県連からよく話を聞きたいと思っています。そういった話があることは承知しております。

○普天間基地移設問題について

【フリーランス・堀田記者】
 街宣をやるとしたら十分に宣伝しないと人は集まらない。きのう山本太郎さんが新宿西口でやったのは十分に宣伝していたが、その前に荻窪のタウンセブンでゲリラ的にやったときは20人ぐらいしかいなかった。1週間後に高田馬場でやったときには25人ぐらいしかいなかった。足をとめている人は全然いなかった。参議院選挙のときに誰もいなかったという悲哀を浴びたでしょう、そういうことのないように十分宣伝してやってください。きのうも大手テレビは右松さんのところの日本テレビと三つくらいしかいなくて、それでオンエアしていませんからね。私はちゃんと数を数えにいきましたので。
 本題だが、沖縄の宜野湾市議会で、普天間基地に関して、辺野古を早くやってくれということが可決された。それを河野防衛大臣も言っている。確かに県民投票においては宜野湾市民も移設反対が多かったが、これは宜野湾市民の優しさであって、私たちの希望をかなえさせるためにほかに迷惑をかけることはできないということだが、市議会がきちんと決定して、松川市長までがこれをやってくれということを訴えている。これについてどう思われるか。

【代表】
 まず前段の、街宣ウォッチャー堀田さんのアドバイスもしっかり受けとめてやりたいと思います。私はあまりいないところでやるのもなれているのですが、そういうことになれないように、しっかり宣伝してやりたいなと思っております。
 普天間基地の問題は、結局、普天間基地の問題イコール基地負担の軽減をどうするのかということで、辺野古崎に新しい基地・飛行場ができなければ結局普天間が固定化されてしまうのではないかという地域住民の皆さんの非常に切なる声というのは我々はしっかり耳を傾けなければいけないと思います。
 軟弱地盤が見つかったということであれば、どんなに急いでやっても今から15年ぐらいかかって、2兆円ぐらいさらにお金もかかるのではないかと言われていますから、逆に言うと、その間はどんなに急いでも、我々反対していますが仮に辺野古の基地ができたとしても、あと十数年は普天間の皆さんには負担を強いることになる。その意味では速やかに基地負担の軽減を進めていくことをあわせてやっていかなければいけません。そのためにも日米地位協定の改定とか、あるいは普天間第二小学校や保育園の上に飛行機が飛ばないような、そういったことも含めて基地負担の軽減に速やかに取り組んでいかなければならない。そのことは忘れてはならないと思います。

○関西電力金品受領問題について(1)

【共同通信・中田記者】
 関西電力の問題について伺いたい。今、大阪市で岩根社長や八木会長が記者会見、再会見を14時からやっている。きょう関電が社内調査の報告書を発表し処分も発表した。社内調査の報告書だと今まで金品を受領していた金額が3億円以上という調査になり、八木会長や岩根社長などの幹部に対しては役員報酬の月額を2割返上する等々の処分が発表されている。今までいろいろな疑惑が持ち上がったわけだが、改めて関西電力問題に関するご見解と、今後関電に疑惑解明について期待されることなど、お考えを伺いたい。

【代表】
 もともとこのお金は、めぐりめぐれば国民の皆さんの電気料金ですから、こういうことについてやはり納得できないと思います。まだ記者会見の詳細を見ていませんが、報酬の2割返上で済むような話なのですかね。ちょっと感覚がずれていると思います。
 まずやってもらいたいのは、全容の解明です。前回の記者会見のときも、これで全容を全て明らかにしますと言って、そう遠くないうちにまたやっているということであれば、また記者会見をする可能性もあるわけですよね。本当に全容解明されているのかどうか。非常に調査自体にも不信感が募ります。
 あとは、どういう全体像であったのか。他の会社、あるいは行政、言われている元助役の方、そういった関係を全て明らかにしてもらいたいし、その3億円超と言われるのも、金品ですかね、「金」はどういう金だったのか、「品」はどういう品だったのかということは一切示されていませんよね。

【共同通信・中田記者】
 岩根社長は、金貨をもらったと。

【代表】
 金貨。それも、誰に、どれだけ、どういうものが、いつ渡っているという、一覧表もないですよね。

【共同通信・中田記者】
 今のところそこまでは。ただ、今、3億円のうち現金が1億4500万円くらいと。

【代表】
 いずれにしても、全容をしっかり明らかにしてもらいたい。こういうことがちゃんと明らかにならないと、やはり原子力事業や電力事業に対する信頼が損なわれてしまうことを何よりも私は恐れます。
 多くの社員の皆さんは、誇りを持って社会的インフラとして電力事業や原子力事業に携わっている方がほとんどだと思いますよ。それが、こういうお金のやりとりで、真面目に頑張っている人たちも含めてそういった不信感が高まることは非常に残念なことでありますので、やはり経営の責任者としてしっかりと全容を明らかにして、不信の払拭、しかるべき責任をとるということを示してもらいたいと思います。

○SNS発信の強化について(2)

【朝日新聞・小林記者】
 冒頭あったSNSの取り組みについて、代表直属でということだが、もう少し詳しいお話を伺いたいのと、代表は以前よりN国とかれいわのワンイシュー的な訴えかけを評価されているが、一方、自民党だとか共産党だとか立憲だとか既成政党に比べて国民民主党のネット戦略の現状認識を伺いたい。

【代表】
 前にも申し上げましたが、この夏の参議院選挙というのはネットの力がリアルな議席や政治勢力に影響を与えた初めての国政選挙だったのではないかという認識です。その中で我々がうまく使えたかというと、反省すべき形が多いなというのが率直なところですから、そこは何か大きな組織を使って大きなお金をかけるということよりも、即応性というか、タイムリーに国民に届く情報をいかに出していけるのかということが大事だと思います。普段そういったSNSをやっていない人が発信しても、何かこうぎくしゃくした感じがあるので、餅は餅屋に任せようということで、実は事務局も、やる人もかなり若手、若手というのは本当に20代中心でやっていきたいなと思っています。
 既成政党と比べて。自民党はお金を使っているからいいなと、うらやましいなと思うのと、共産党さんも立憲民主党さんもそれぞれやられていますし、我々ももっと頑張らないといけないなと。
 あと、やはり相互フォローというか、同僚議員とか地方議員とかもやって、それをお互いリツイートするとかフォローし合うようなことがまず大事かなと思います。遠くにある支援者を求めるよりも、近くの人がもう少しお互いにリツイートし合うとか、そういったことを確実にやっていくという、結構地道なことも大事かなと思っていますので、そういったところはまず確実にやっていきたいなと思っております。

【NHK・米津記者】
 その代表直轄の組織というのは、もう立ち上がったということでよろしいのか。

【代表】
 まだ正式には承認されていないのですが、もうほぼ動いています。

【NHK・米津記者】
 それは総務会とかで。

【代表】
 総務会にかけるような、報告ぐらいする話なので、何か承認が要るものではないので。正式にはまもなく発足ということで、試運転中です。

○臨時国会における重要テーマについて(2)

【フリーランス・堀田記者】
 かんぽは、やらないのですか。

【代表】
 やります。

○関西電力金品受領問題について(2)

【フリーランス・堀田記者】
 関電に関して、藤原正司さんはお亡くなりになったから呼ぶことはできないが、要するにもう1人重要な人がいますよね、国民民主党には。矢田さんに言ってもしょうがないのだけれども、要するに労働組合が労働組合としてきちんとやっていたかということに関して、もう1人重要な人から聞く必要性があるのではないか。

【代表】
 もう1人というか、もう2人重要な方がいらっしゃって、お話はしています。
 やはり労働組合あるいはその出身者としても、今回の問題はきちんと明らかにしてしっかりと責任関係を明確にしないと、本当に真面目に働いている多くの社員・職員の皆さんにとってもよくない話なので、やはりここは徹底的にうみを出し切るということは労使関係なくやっていかなければならない。そうしないと、電力事業や原子力事業に対する信頼というのも絶対戻りませんから。ここは、だからといってかばうとかいうことではなくて、出身産別の議員の仲間もここはしっかりと真相究明しようということでは一致しています。

【フリーランス・堀田記者】
 つまり、労使一体で原発推進していたことは確かだ。

【代表】
 ただ、今回の件は、原発事業にはかかわっていますが、そこは少し分けて考える必要はあると私は思っていて、これは一つの事件ですから、この事件性のあるものをきちんと全容解明していくと。原子力事業をやっているところは全部同じような構造で同じことをやっているかというよりも、ある種のこの会社の特性とか地域の特性とか、いろいろなことで生じたものではないかと思っていますから、とにかくこの全容を明らかにするということが今一番やるべきことだと思いますし、そのことを私どもとしても強く求めていきたいと思っています。