玉木雄一郎代表記者会見
2019年10月16日(水)13時34分~13時59分
発行/国民民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ozGqlDGmDd0
■冒頭発言
■質疑
- 台風19号災害 被災地視察・ボランティア活動について
- 菅原経産相「メロン等贈答」公選法違反疑惑について
- 共同会派として初の代表質問・予算委質疑を終えて
- 菅元首相のツイッター発信について
- 質問通告をめぐる議論について
- 高知県知事選挙について
- 八ッ場ダムについて
- 「桜を見る会」例年比3倍の予算要求について
- 一票の格差「違憲状態」高松高裁判決について
- 憲法論議 党憲法調査会について
■冒頭発言
○台風19号災害 早期の補正予算編成の必要性について
【代表】
まず、今般の台風被害についてであります。
亡くなられた方がもう70人を現時点で超えているということですし、行方不明者も多数に及んでいるということです。甚大な被害をもたらした台風だと思いますので、我が党としても全力で、被災された方の支援、また復旧・復興に当たっていきたいと思います。
その意味で、補正予算の編成を急ぐべきだと思います。今、幾つかの役所から話を聞いていますが、今計上されている予算、予備費も含めても足りないという声が既に出ております。中小企業の関連の支援予算も、どんなにかき集めても足りないという、そういった見立ても出ておりますので、この国会を延長してでも年内に補正予算を編成し成立させる。このことに我々としても全面的に協力したいと思いますので、政府には速やかな対応を要請したいと思います。
まだ会期末まで2ヵ月弱ありますから、1ヵ月くらいあれば災害認定して一定程度の規模の補正を組むことは可能だと思います。森山国対委員長はどうやら来年の通常国会の冒頭でという話もあるようですが、悠長なことは言っていられませんので、ぜひ与野党協力して今国会での補正予算の成立ということを強く働きかけていきたいと思っております。
なお、私自身もあす、一番死者の多かった福島県に入りましてボランティア活動をしたいと思っております。泉健太政調会長と一緒に現地に入って、まずできることをやっていきたいと思っております。
○日米貿易協定 日本車関税に関する首脳会談議事録と附属書訳文について
【代表】
次に、日米貿易協定であります。私が予算委員会で取り上げた問題でもありますが、間もなくこの協定について国会での承認手続が始まりますが、少なくとも二つのことを満たさないと審議に入るわけにはいかないと思っています。というか、実のある議論ができないと思っていますので、二つ改めて要求したい。
いわゆる追加関税を日本車にかけないということで合意をしたということになっていますが、国会の質問の中でも明らかにしましたが、合意文書の中では明確になっていません。あくまでその根拠は首脳間の会談であり合意だということでありますので、その約束をした首脳間の会談の議事録、これを提出を求めたい。それが前提の第1であるということです。
二つ目は、これはWTO協定違反にならないためにも、日本車にかかる関税が将来必ず撤廃されるという前提で92%の関税撤廃率(米国側)ということにしておりますが、この根拠も極めて不十分です。その根拠として挙げたのが附属書Ⅱ、英文のみが存在している文書でありますが、この正式な政府としての日本語訳を提出する。
この2点をしっかり満たしていただかないと、審議に応じるわけにはいかない、まともな審議ができないと思いますので、この2点を改めて強く政府に求めたいと思っております。
○豚コレラ対策のさらなる強化のための共同会派声明について
【代表】
最後に豚コレラ対策でありますが、この後、14時から我が党の平野博文幹事長を中心に、共同会派を組む各党・各会派で記者会見を行います。
我々としての、既に国民民主党としては法案も提出して豚コレラ対策に率先して取り組んできた自負がありますが、共同会派を組む野党全体としてしっかりと取り組んでいく。とりわけワクチン接種については都道府県任せにするのではなくて国が全面的に責任を持って取り組んでいくべしということも含めて、この後、発表いたしますので、野党一丸となって体制の見直しを求めていきたいと思っております。
■質疑
○台風19号災害 被災地視察・ボランティア活動について
【読売新聞・深澤記者】
あした福島県でボランティア活動をされるということだが、こちらでの国会活動の一環としての災害・復旧対応ということに加えて、みずからボランティア活動をされることの狙いと、具体的にどういうことを想定されているのか伺いたい。
【代表】
今、それは泉政調会長のもとで詳細を詰めていますが、やれることは全部やろうと。
あと、私が参加できるかどうかわかりませんが、自治体、市町村の首長さんとも会えれば現地の要望・要請ということもしっかり伺ってこようかなと思っております。
ボランティアセンターも立ち上がっているようですから、そういった現場で円滑にそういった態勢・対応がとれているのか、何か国としてご支援申し上げることがないか、現地の様子をよく見たいと思っています。
○菅原経産相「メロン等贈答」公選法違反疑惑について
【時事通信・近藤記者】
菅原経産大臣が地元有権者にメロンなどを贈ったとされる問題だが、国会答弁の中で大臣は贈答品のリストは見つからなかったなどと答弁している。大臣の答弁姿勢、内容などについて、現時点でのお考えと、今後どのように追及していく考えか伺いたい。
【代表】
私もテレビを見ていましたが、あの答弁に納得した人は果たしているのでしょうか。リストがないということなのでしょうけれども、そんなことあるんですかね。秘書さんがやったということにしているのでしょうけれども。
もう少し正直に真実を語っていただきたいなと思いますし、事実とすれば法律に触れる話ですから、引き続き必要な追及は続けていくことになるのかなと思います。
○共同会派として初の代表質問・予算委質疑を終えて
【東京新聞・大野記者】
共同会派になられてから初めての代表質問と予算委員会の質問を衆参で終えられた。大きな会派となったことで具体的にどのような手応えをお感じになったか、あるいは何か今後の課題をお感じになっていたら、それもあわせてお聞きしたい。
【代表】
衆議院・参議院それぞれ行いましたが、まず、しっかりと質問者の質問内容の調整も行われたので、かつて少し言われたような重複質問をしたりとか同じことを繰り返したりということがなかったと思いますし、また、前の質疑者が質問していて少しさらに突っ込んだほうがいいということは党が違っても後の質問者がそれをフォローしたりということで、共同会派の成果は非常に出たのかなと思っております。
どこかの新聞社がまとめておられましたが、我が党はどちらかというと外交・安全保障や憲法ということに力を入れてやったと思いますし、立憲民主党さんのほうは関電の話とか、そういったところを集中的にやっておられたと思いますから、ダブりなくうまくできたのかなと。
ただ、参議院になると今度は災害が発生していましたので、どうしても台風災害の対策・対応ということが中心になったので、そういう意味ではちょっと少し別の観点から評価が必要なのかなと思いますが、いずれにしても力を合わせて全体としてよい質問になったのかなと評価しております。
○菅元首相のツイッター発信について
【フリーランス・堀田記者】
浜野さんの件は解決したのですか。
【代表】
菅元総理の話ですね。正直、残念です、ああいう発言があることは。これは何らかの形で党としても申し入れをしたいと思いますし、けじめをつけなければならない問題だと思います。本当に、前申し上げたように、お遍路にも行ってもらいたいなと思うのです。無限に行ってもらいたいなというぐらいの私も少し思いがあるのですが。
参議院側からも発言がありましたが、そもそも院が違う、衆議院と参議院で違う。さらに、他の党の人事に口を挟むようなことは慎んでいただきたいというのは、これは強く代表としても思いますので、何らかの形のけじめをつけていただくために申し入れを含めて対応を考えたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
きのう16時半から立憲の山崎誠さんが主催した原発関係の集いがあり、そこに菅さんが来たのでいろいろと詰問したが、彼は正直言って全然反省していません。正義のツイッターには、そういったものがあるのかなんてことを言っているだけだ。要するに、これから仲良くやっていくということもあるし、経産委員会で彼が筆頭理事になってまだ別に何も発言とかやっていないわけで、そういったことに対して越権行為ではないかということを言ったが、全然それに対して答えはしなくて逃げている。
【代表】
これは厳しく対応したいと思いますので、今、どういう形で対応するのか党内で検討しております。
○質問通告をめぐる議論について
【共同通信・中田記者】
先ほど参議院のほうで、原口国対委員長、奥野代行、森裕子先生、舟山康江参議院国対委員長も含めて記者会見をされた。森裕子議員の質問通告が11日に遅れたと言われている件についてだが、この会見の中では資料が配られ、森先生の質問通告内容が事前に役人によって漏らされていたことがわかったということで、追及チームをつくって事の真相を追及していくというお話があった。まず、この事案についての代表のお考えと、代表は先日、「通告が遅れ、霞ヶ関の皆さんに遅くまで、待機、作業を強いているとの指摘をいただきました。事実であれば党の代表としてお詫び申し上げます」とツイートされているが、この質問通告が遅れたと言われている話に関する事実関係をどういうふうに確認されたか、今の時点でのご見解を伺いたい。
【代表】
まず前者の話については、ちょっと詳細を承知しておりませんので、コメントは差し控えたいと思います。
後段の話については、今、予算委員会もやっていますし災害対応を最優先していますので、少し落ち着いてから整理をしたいと思いますが、現時点で把握をしている、森議員本人からも話を聞きましたし霞が関の役所の現場の皆さんからも話を聞いた現時点での情報は、当日17時が申し合わせの締め切り期限だったということで、それまでには(参議院事務局)委員部には、こういった概要の質問をすると、通告大臣も含めて、それは委員部に届いていたということは確認しております。
一方で、受け手の側の霞が関の役所の関係の皆さんに事実確認をすると、実際に全て答弁が出そろって(待機が)解除になったのが22時とか23時という役所が多いということも事実。そこは今、詳細をさらに確認しているところですが、追加で幾つかの質問が、追加というよりも詳細な説明なのですかね、それが出てそろうのがそれなりに時間がかかったということで、結果として台風が接近する中なかなか帰れなかった人がいるというのもまた事実なので、その辺の因果関係がどうだったのかということについてはさらに明らかにしていきたいと思います。
ただ、結果として霞が関の方が夜遅くまで残ってしまったということについては、やはりこれは国会と行政の関係として考えていかなければならないと思いますし、広い意味での国会改革ということをきちんと進めていかなければならない。
根源をたどると、本来なら、以前の申し合わせで2日前までには出しましょうということなのですが、今回もそうなのですがそもそも予算委員会を開くこと自体が金曜日の午後にならないと決まらないということであれば、事実上その2日前ということが形骸化しているわけです。通年国会ではない中で、国会を開くか開かないかということ自体がなかなか決まらないという状況の中では、決まった後どんなに急いでもビジネスデイで言うと前日の夕方にしか質問が来なくて、そこからつくり始めてもどうしても日付を越えてしまう。
この根っこの仕組みから改めていかないと霞が関の「働き方改革」にもなりませんし、特に小さな子どもがいらっしゃって、夫婦共稼ぎで、夫婦ともに霞が関で働いているような同年代の夫婦がいる場合は大変生活も厳しくなるというのは、私自身も経験したことなので、そういったことも含めて政治の側として見直していくことは見直していかなければならないと思っています。
【朝日新聞・小林記者】
関連だが、先ほどの森さんの会見では、国対側としてはこのように事前に質問内容が漏れるようであれば質問通告自体をもっと簡略化しなければいけないという危機感をあらわにされていたが、そういった質問通告のやり方についてはどう考えか。
【代表】
私も質問通告は大きな項目しかしません。なぜなら、もう小さな話は事前に役人に聞けばいいし、役人にレクを求めればいい話で、やはり国会という場は大きな天下国家の議論を政治家同士がやるべきであって、ある意味与党も野党も過度に官僚に依存したような議論しかできないことが実は問題ではないかと思います。
通告がないのであればないということで、政治家同士丁々発止、その実力と全人間性をかけて議論をし、それを国民の皆さんに見ていただき、その中で論戦力や能力や知識を評価していただくというような新しい国会のあり方ということも必要ではないかと私は思いますから、確かに詳細に通告をすることが果たして望ましい国会のあり方としていいのか、特に政治家同士の論戦の場としての国会のあり方として本当にいいのかということは、やはり根っこから考えていくべきなのかなと。
今回さまざま起こったことが、そういうことを考える一つのきっかけになればと思いますので、これを建設的な国会改革に結びつけることができればと思いますし、党内ではそういう方向での議論をしていきたいと思っています。
○高知県知事選挙について
【朝日新聞・小林記者】
高知県知事選だが、県の組織レベルでは共産党系の方を擁立するということで合意されたようだが、これについて玉木代表、国民民主党としての対応を教えていただきたい。
【代表】
(任期満了にともない)尾崎知事がやめて、本人は高知2区の衆議院選挙に出るという意向を表明され、後任で総務省の役人の方が出ると伺っています。
野党側として誰を出すのかということで、引き続き選定中だと私は理解しております。まだその共産党の候補を県連レベルで野党がそろって応援するという報告は受けていないので、今の段階ではコメントを差し控えたいと思いますが、ただ、いずれにしても、埼玉県知事選挙もそうですし岩手県知事選挙もそうですし、知事選挙をこの間、野党側が勝利をおさめてきたので、ぜひ勝てる候補を立てて高知県もかち取りたいなと思いますが、今現時点においてはそうしたいい候補を選定中だという理解でおりますので、改めて現状については確認をしたいと思っています。
○八ッ場ダムについて
【毎日新聞・東久保記者】
きょうの予算委で政府は、八ッ場ダムに関して民主党の「コンクリートから人へ」を批判しているが、それについて代表の受けとめをお願いしたい。
【代表】
八ッ場ダム(の建設計画)を復活したのも民主党政権なのですね。当時いろいろなご批判がありましたが、確かに大型公共事業をやめようということでマニフェストに書いて、そのことについて一定の評価も得て政権をとったのですが、その後さまざまな見直し、検証作業をした結果、八ッ場ダムは必要なんだということで、当時非常に批判されましたが、ある意味その必要性を改めて認めて必要な見直しを加えて再開したのも民主党政権だと思っています。
全く八ッ場ダムを否定していたという認識ではなくて、もちろん「コンクリートから人へ」というのは大きな一つの方向性をわかりやすく伝えるコンセプトとしては今も意味があると私は思いますが、公共事業というのは非常に大きな事業ですし多年度にわたるのでしっかりとした効果を検証していくということが非常に大事だと思いますし、それを検証した結果、現在の姿があると思っています。
公共事業が何でも悪いというふうに決めつけていたやり方はやはり反省をしなければならないと思っていますし、今、私は防災関係の公共事業と教育・科学技術については20年間で300兆円ぐらいを国債を発行してでもやれという立場ですから、公共事業の必要性も認めておりますが、やはり反省すべきところは反省した上で、真に必要な事業に選択と集中でしっかりと予算づけしていくのが大事だと思っています。
○「桜を見る会」例年比3倍の予算要求について
【時事通信・近藤記者】
首相主催の「桜を見る会」について、来年度の予算の概算要求で例年の3倍要求されているということだが、これについてお考えをお聞きしたい。
【代表】
皆で桜をめでることができたらいいと思うのですが、時としてあれが選挙目的に使われたりとか、あるいは、ある意味権力に国民を引きつける手段として使われたりするようなことがあってはならないと思うので、その規模であるとか内容についてはよくよく吟味をしていかなければならないと思いますので、なぜ3倍なのか、そもそもこれまでふえてきたと思いますが、どうしてふえたのか、こういった検証をしっかりやるべきだと思います。
○一票の格差「違憲状態」高松高裁判決について
【共同通信・中田記者】
本日、7月の参院選の一票の格差訴訟に関して高松高裁が「違憲状態」という判断を示した。今回の参院選は前回から定数6増の改正公選法で格差が3.00倍にちょっとだけ縮小したが、これに関して「違憲状態」という判断が下されたことに関しての見解を伺いたい。
【代表】
「違憲状態」ということで違憲ではないということだと思いますので、従来の判決の範囲内かなとは思いますが、ただ、一票の格差ということについては不断の注視・見直しが必要だと思います。
一方で、いわゆる合区の問題です。これは何度も申し上げておりますが、人口のみを捉えて、人口が減ったからといって隣の県とくっつけるということをこれからもどんどん続けていって本当にいいのかというのは、これは地方選出の議員の一人としても思いますし、かえって同じ選挙期間の中で街宣カーを含めて選挙の情報に接する機会に差があるという、また新たな格差・差別を生む可能性もあるので、合区の問題については憲法上どうするかも含めて根本的な見直し、検討を行うべきだと思っていますので、これから党内で憲法調査会も動き始めますので、古川元久会長にお願いをしております。きょうの総務会で正式に決まると思いますが、憲法調査会の中でもこの合区のあり方については取り上げていきたいと思いますし、我が党の高知県・徳島県、鳥取県・島根県、四つの県連からも憲法または法律で合区の解消についての具体的な方向性を出してほしいという要望もいただいていますので、それに応える意味でも党内での議論を活発化させていきたいと思います。
○憲法論議 党憲法調査会について
【NHK・米津記者】
憲法調査会長に古川衆議院議員が内定しているということで、期待されることと、先ほどの合区の話も含めてどのように議論していきたいか、代表の思いを伺いたい。
【代表】
(古川代表代行は)中山太郎先生の時代から、憲法審査会の前の憲法調査会のときから非常に長い期間この憲法の問題にも携わってきた知見があります。そういった中で与野党に広い人脈があって、やはり憲法というのは与野党の丁寧な合意が必要ですから、そういう意味でも、古川さんの憲法・法律に関する見識と与野党に広い人脈ということを生かして、いい憲法の議論を仕上げていく、また、我が党内でも我が党らしい憲法議論を進めていく、キーパーソンとして活躍されることを期待しております。