玉木雄一郎代表記者会見

2019年10月23日(水)14時01分~14時39分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/YSxxYetYtqQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○即位の礼に当たって

【代表】
 昨日は即位礼正殿の儀に私も参列をしてまいりました。改めて天皇陛下のご即位を心からお慶びを申し上げたいと思います。あわせて、陛下のおことばにもありました「国民の幸せと世界の平和」が実現できるように、我々としても全力を挙げていきたいと思います。国民の一人としても、政治家としても、新しい御代が国民の幸せと世界の平和に包まれた、そういう時代となるよう努力をしていきたいと思います。
 あわせて、昨日の式で思いましたのは、女性皇族の方が多かったですね。もちろん成年皇族として参列される方が限定されていたと思いますが、逆に言うと男性皇族が非常に減っているなという正直な危機感を感じました。今、秋篠宮殿下、そして悠仁様、また常陸宮様ということで、継承権のある方が3名ということですが、年齢的なことを考えると事実上悠仁様に大きな負担と期待がかかるという状況でありますので、やはり女性宮家の創設、あるいは皇籍を離脱される女性にいかなる役割を引き続き担っていただくのか。こういった公務の負担の問題、そして安定的な継承のために、できることを一つからでもやっていかなければいけないということを強い危機感のもとで感じました。お祝いすることはいいのですが、そのお祝いの対象である皇室・皇統の継続性ということに対する危機感を与野党関係なく政治家はしっかりと胸に刻まなければいけないというのがきのうの印象です。
 国民民主党は6月に皇位検討委員会の中間報告をまとめております。また、これを踏まえて参議院選挙では、女性宮家の創設、また男系の女性天皇については法制上可能にするようにということをお示ししておりますので、今後我が党の考え方を各党にも理解を求めながら、皇位の安定的な継承に関してできることを一つからでも速やかにやっていきたいと思っております。

○台風19号災害 国民民主党の活動について

【代表】
 次に災害関係でありますが、台風19号の被害ですが、本日の10時過ぎの時点で84名の死亡、9名の行方不明、71の河川で(堤防)決壊ということになっており、甚大な被害が広がっております。
 先週17日は私と泉健太政調会長が福島に入りました。その後も18日・金曜日には新宿駅で募金活動、20日には栃木にボランティア派遣、21日の月曜日には災害対策本部・古川元久本部長を筆頭に長野県に入っております。今週末も長野、そして茨城にボランティア派遣を予定しており、私も今週末、長野県にボランティアで入りたいと思っております。
 私自身の福島の視察、また本部の長野の視察で、さまざまな現場の状況あるいは支援のニーズを把握してまいりましたので、こういったものも踏まえて提言をまとめていきたいし、我々としても政府に直接働きかけをしていきたいと思っております。

○日米貿易協定 日本車関税に関する首脳会談議事録と附属書訳文について

【代表】
 最後に日米貿易協定でありますが、今国会の一番大きな目玉の一つでありますが、私が予算委員会で追及したとおり、追加関税を回避できたという説明はほとんど根拠はないと思いますので、やはり日米の首脳間の会談内容、この議事録、そして日本車にかかっている関税の撤廃についての約束が本当になされているのかどうか、これはなされていないと思いますが、そのための附属書Ⅱの和訳をしっかり出していただきたい。こういったことを審議に入っていく前提としてしっかり求めていきたいと思いますので、引き続きこの問題については党を挙げて取り組んでいきたいと思っております。


■質疑

○安定的皇位継承「議論先送り」政府方針について(1)

【共同通信・友江記者】
 冒頭おっしゃった安定的な皇位継承の議論についてお聞きしたい。政府が年内に予定していた議論入りを来春以降に先送りする見通しになったが、まずこの点について、天皇陛下の退位特例法の附帯決議で速やかな議論に入ると書き込んでいるが、この辺の整合性からの見解と、あわせて、有識者会議の設置も見送るのではないかという報道があるが、この点について伺いたい。

【代表】
 非常に残念だと思っています。おっしゃるとおり、皇位退位特例法の附則付帯決議には議論すべきということが明記されているし、そのときの与野党の合意はそうだったと思います。
 これは事の案件上、与党・野党で対立するべきものであってはならないと思いますので、どう考えても今申し上げたとおり、皇位の安定的な継承が非常に危機的な状況に陥っているということを国民の皆さんとも共有したいし、ましてや同僚の国会議員の皆様にはその協力をいただいて、特に責任を負っている政府・与党においては先送りすることなく速やかに議論を開始すべきだと思います。ですから、我々野党としても国民民主党としても、私たちの考えはしっかり出していきたいと思います。
 憲法1条は天皇のことを書いていますね。憲法の議論をしていくということも大事なのですが、皇室典範、そして皇位の安定的な継承というのは、憲法の議論と同じぐらいかそれ以上に重要な問題だと思いますから、先送りは絶対に許されない。憲法審査会の議論を先送りしてはならないというのであれば、この皇位の安定的な継承についての議論も先送りすることなくやっていただくことを政府・与党側には強く求めたいと思います。

○教職員給与特別措置法改正案について

【日本経済新聞・島本記者】
 政府は18日に教職員給与特別措置法改正案について閣議決定した。変形労働時間制の導入などが柱になっているが、一方で長時間労働を助長するという意見もある。これについての受けとめをお願いしたい。

【代表】
 給特法については、我々は大変関心を持って見ています。今、学校の先生方を取り巻く環境というのは非常に困難な状況になっていて、子どもたちの教育の充実のためには先生方が働く環境をいかに整えるのかということも重要だと思います。もちろん学校現場、子どもを相手にしたりすると通常のサラリーマンのようには全ていかないところがあるのも確かですから、何らかの特例的な扱いが必要になってくるところはあるとは思いますが、ただ、「働き方改革」の観点からも、学校現場の悲鳴のようなことも非常に聞こえてきますので、ここは国会の中で私たちはしっかりこれは議論をさせていただきたいと思いますし、改めるべきところは改めるということを国会の中でも主張していきたいと思っています。

○日米貿易協定について

【読売新聞・深澤記者】
 日米貿易協定について、承認案があした審議入りする予定だ。先ほど関税のところをご説明されたが、協定の問題点と、今後国会審議でそれぞれどのように対応されるのか、追及していく方針、改めて伺いたい。

【代表】
 まず一つは、ウイン・ウインになっていないということです。「ウイン・ウインだ」と言っているのですが、日本だけが一方的に譲る内容になっているというところをやはり明らかにしなければいけませんし、政府にもそこは認めていただきたい。その観点から、やはり試算をきちんと出すべきだと思います。TPPのときは、非常に問題があったとはいえ、「農業でこれくらい被害を受けます。そのかわり、対米の自動車輸出がこれだけふえます」と一定のものがありましたが、今回、自動車関税については撤廃されないわけですから、本当に日本にとってメリットがある内容になっているかどうかということをきちんと示してもらわなければいけない。ウイン・ウインと総理がおっしゃっていることがうそなのではないかというのが論点の一つです。
 もう一つは、これは国会でも私は申し上げましたが、戦後日本が重視をしてきた自由貿易、もっと言うとWTOのルールそのものを非常に毀損する内容になっているのではないか。つまり、今回の合意内容がWTO協定違反で、今後の日本の通商戦略に多大なる禍根を残しマイナスの影響を与えるのではないかと。ここが実は今回の日米貿易協定の本質的な問題だと思います。
 ですから、政府は、ウイン・ウインであるとか、あるいは将来的な関税撤廃も含めて合意されているのだと言いますが、合意された文書だけを見ればとてもそれは読み取れないので、かえって自由貿易を阻害するようなことをアメリカと日本が結託してやっているという、歴史的に見ても非常にやってはならないことに手を染めているのではないかということを厳しく追及していかなければならない。これは日本のこれからの大きな対外戦略に影響を与える内容なので、しっかりと国会で議論していきたいと思います。

○安定的皇位継承「議論先送り」政府方針について(2)

【共同通信・友江記者】
 先ほど質問した安定的な皇位継承の議論の持ち方について、政府が有識者会議の設置を見送る方針だが、そういった議論の進め方について伺いたい。

【代表】
 全く問題だと思います、それは。せめて有識者会議を設置して今からさまざまな議論をしていかなければならないと思います。
 眞子様にしても佳子様にしても愛子様にしても、それぞれ年を重ねていき、いわゆる結婚する適齢の時期を、既に迎えておられるし、迎えていかれるわけで、そうすると今の制度上は結婚するたびに皇籍から離脱をし自動的にどんどん皇族方の数が減っていくという制度になっています。
 繰り返し申し上げますが、きのうも儀式においては女性の皇族方の役割が非常に大きいと思いましたが、裏を返せば男性が極めて少ない。そういう中で、今何もせずに放置して数千年続いたとされる皇統の継続性が絶えることは絶対あってはならないと思いますから、その意味では、不断の検討・吟味をしていくという意味で、有識者会議の設置を見送るということはあってはならないことだと思いますし、早急に設置すべきだと思います。

○政治塾での講演について

【J-CAST・工藤記者】
 きょうの夕方に、当選1回の皆さんの勉強会、政治塾で講師をされると思うが、テーマが「小選挙区で勝つために」ということで、1回生の皆さんはほとんど比例で受かっていると思うが、勝つためのノウハウとか、どういったことを伝授したいと思っていらっしゃるか。可能な範囲でお伺いしたい。

【代表】
 1年生の仕事は2年生になることですね。いろいろなことは、もちろん政策とか、私自身も初当選したときにやりたいと思って国会に来ましたが、やはりずっと当選し続けないと思う政策もかなわないし、国会での発言を続けることもできないので、やはり安定的な政治基盤をきちんとつくるということが、いい政策、いい政治をしていく上でも不可欠だと思っていますので、自分自身がこれまでやってきたこととか選挙に向き合う姿勢といったものを1年生に少しでもお伝えできればなと思っております。
 天下国家は逃げないので、まずは足元をしっかり固める。そうすると、その時々の政局に左右されず、自分の思った道を歩むことができる。とにかく選挙に強くなれということをしっかりお伝えしていきたいと思っています。

○質問通告をめぐる議論について(1)

【フリーランス・安積記者】
 選挙に強いためには、それ以外にやはり所属政党の国民からの信頼が必要だと思うが、このたびの森裕子議員の質問通告の問題についてはもう党としては解決されたのか。代表が森さんに事情を聞いていろいろ調査するとおっしゃったが、党内での調査は、たぶん原口さんたちとは違うルートになると思うが、こういうのはされたのか。

【代表】
 私も、私の事務所としても、役所や関係のところにヒアリングいたしました。
 確かに森議員も言っているとおり、概要のものは当時17時の申し合わせまでに届いていたのは事実ですから、その意味では約束を果たしているのだと思います。
 一方で、結果としては役所の皆さんが遅くまで残ってしまったということもこれまた事実ということで、これ18日の会見(ぶら下がり取材)でも森議員自身が「もし事実だとしたら、私は本当に早く帰っていただきたいという思いでいた。早く帰りたかっただろうなと思うし、それができなかったことは大変残念だ」とおっしゃっていますし、同席した奥野総一郎議員も、「いろいろなボタンのかけ違いがあって、待機がかかりっぱなしになっていたとすれば非常に遺憾だ。深夜まで働いてもらうことは本意ではないし、結果としてそうなったとすればおわびしたい」ということを18日の時点で言っています。
 私も役所で働いた経験があるので、やはり国会と霞が関の関係をもう一回整理し直さなければいけないのかなと。例えば今回申し合わせが17時でしたが、17時に来ても、難しい案件で各省合議が必要なものはたぶん日付変更線ぐらいまでかかると思うのです。仮に守ったとしても、その日、台風が近づいてきたら帰れない。ということであれば、やはり通年国会も含め、委員会の開催自体の予測可能性をもっと高めないと、結局、会議が開かれるかどうかということがまずなかなか決まらない、決まってどんなに急いでも前日の夕方に質問が明らかになって、つくり始めても深夜と。このサイクルを、これは与野党を超えて国会改革の中で改めていかなければいけないなというのは今回非常に強く感じました。
 今回二つのことがまざっていて、質問通告が遅れましたという話と、その情報が漏えいしたということで、もう一つの論点として今いろいろな調査を継続していますが、この後者については与党側も一部問題にしているということで、与野党でそこはどういう総括をして対応していくのかということで、きょう確認したら、まだそこは決まっていないということでしたので、そこは少し国対における調査を見守りたいと思います。ただ、いずれにしても、霞が関の働き方ということに関して言えば、これはやはり与野党を超えて国会改革として、立法府として、また我が党として、改善すべきところは改善していきたいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 場外乱闘という感じになっていると思う、今回は。情報漏えいということで憲法51条と国家公務員法の秘密保持違反と主張されているわけだが、憲法51条がこれに該当するのかといったら、読んでみたら全然思わないし、国家公務員法の秘密には該当するものでも、形式的にも実質的にもなかなか難しい話であって、これはそういうものなのかということで、余りにも下品な方向に議論が流れているという感じがする。もちろん質問要旨を事前にバラしておもしろおかしく話すということは品位がない話であって、これに対しては追及すべきだと思うが、それはそれで終わる話であって、議員の質問権がどうだこうだという話ではないような感じがする。これは早くおさめたほうが、単なる場外乱闘の話だけではなく国民民主党の信頼にもかかわる話だと思うが、このあたりはどうなのか。

【代表】
 ご指摘をありがとうございます。
 国会も12月の頭までですので、予算委員会が終わって各委員が動き始めていますから、先ほど申し上げたような日米通商交渉とか、やはり中身のことでもっときちんと追及すべきところが山のようにあるので、そういったところをしっかり力を入れていくためにも、今おっしゃったように、ある程度出口を見据えてやっていきたいと思っています。

○大学共通入試への英語民間試験導入 延期法案の提出方針について

【NHK・米津記者】
 英語の民間試験について、共同会派で延期法案を提出するということで話が進んでいるようだが、これについて国民民主党としては党内の何か決定をするのかということと、そういった法案を提出してどのように今後進めていきたいか伺いたい。

【代表】
 先週金曜日にも都内の高校生が私のところに来てくれまして、「やはりこれは何とかしてほしい」と、仲間の声も含めて一緒に届けてくれました。
 私もこれずっと取り上げていますが、やはりまだまだ問題が多いです。ですから、一旦ここは、廃止というよりも、4技能をしっかり英語なりで試験の中で見ていくというのは理解できますが、余りにも準備不足。萩生田文科大臣が言うように、1年目はとにかく精度を高めるためにやるんだとおっしゃっていますが、あらあらのものをちょっといいのかどうか試すために1年目やるとなったら、1年目の子は実験台、モルモットみたいになってしまいますので、それはやはり人生をかける試験においてはあってはならないと思いますから、先ほどの役員会でも、この延期法案、大きく二つの要素ですが、当面延期する。その間に、やはり経済的な格差、地理的な格差、あるいは運営の公平性が担保されているのか等々についてもう一回検証をかけてみる。そういった内容の延期法案を野党で一緒に出そうということで役員会においては了承されましたので、我々としてもこれは急ぎ対応したい。
 遅れていくと、あまり直前になってまた延期となると、今度それもまた混乱を生じますから、今月中ぐらいがやはり判断のリミットかなと思いますので、そういった法案を提出した上で、やはり子どもたち、親御さんの声を聞いて、政府にも再考を促すような運動につなげていきたいと思います。

○質問通告をめぐる議論について(2)

【フリーランス・堀田記者】
 森さんの件に鑑みて思うが、例えば森さんが時間がなくて憲法やりたかったなんてアピールするとか、そういったことで、玉木さんも役人だったときがあるが、旧民主党の人たちは役人なんていうのは使えばいいという根性だ。だからPTにおいても役人に、何で答えられないのかと、そういった非常に乱暴な言葉を吐く元総理もいる。関電問題で、こんなのがわからないのかとか、何しているんだとか。彼らだって人間だ。そういったことを改めないと今回の森さんの問題は解決しない。
 亀井さんが政調会長のときに公共工事をぶった切ったときに、国土交通省の役人にどういう仕事をさせたのか。谷津義男さんに命じて、昼間は寝ておけ、夜になってこうこうと明かりをつけて仕事をしているふりをしろ、だけど終電までには帰らせると、そういった心優しいことをやった。
 政治家は、政治家だけでは仕事はできない。役人がいて。そういったことを国民民主党の所属する議員に言ってやってください。国民にしろ立憲にしろ、とにかく役人を使えばいいと思っている。それはわかるでしょう。

【代表】
 私はそこは十分わかっていますから、これまでもるる申し上げてきております。立場が違うし、役職は違うのだけれども、お互い人間として敬意をもって接していかないとこの政官の関係というのはうまくいかないし、そこがうまく回せないと政権はとれないし、とる資格がないということは何度も申し上げております。ですから、時に私も役所の皆さんにも厳しく当たることはありますが、やはり最低限のリスペクトを持って互いに接していく。相手にも人生があり、プライドがあり、家族があり、そういったことに思いをはせながら、適度な緊張感の中で政官の関係を築き上げていくことが大事だと思いますし、それができる政治家・政党でありたいと思っています。

○憲法審査会での議論について

【時事通信・近藤記者】
 本日「あいちトリエンナーレ」のほうに憲法審の野党の議員が行っているが、表現の自由に関する議論を国民投票法改正案の審議の前にすべきという条件づけをすべきなのかどうかというところについて代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 そういう条件つきになっているのでしたか。ちょっと現場の状況を私は把握していないのですが。
 いろいろなテーマを議論したらいいと思いますが、与野党がしっかり合意をして、静かな環境の中で議論できる場を通じて深めていければなと思っています。
 「あいちトリエンナーレ」の表現の不自由展のことだけではなくて、閉会中に審査会のメンバーで海外を視察していますよね。その報告もしっかりやっていただくことは必要だと思いますので、我々としては全然審議を拒否するものでもなく、遅らせたり邪魔したりする気は全くありませんので、しっかりと与野党合意して憲法にかかわる議論をぜひ深めていってもらいたいと思っています。

○台風19号災害 現地視察・ボランティア活動について

【共同通信・友江議員】
 冒頭おっしゃった今週末の台風19号に関する現地視察だが、今言える範囲で、もう少し具体的に、いつ行かれて、ボランティアのほかにどういった方々と会うかとか、あるいは視察の狙いを教えていただきたい。

【代表】
 今週末の26日に私は長野に行きまして、党としては、それ以外に茨城にも行くのですかね。
 ボランティアをしたり、視察をしたりということを予定しております。

○質問通告をめぐる議論について(3)

【フリーランス・安積記者】
 森裕子議員の件だが、会見で、調査チームをつくって犯人探しをするというふうなことをおっしゃっていたが、国民民主党として今回の情報漏えいについて誰がどうやって漏らしたのかというところまで追及されるおつもりか。

【代表】
 いや、内閣府の担当者から原座長代理に文書が行っていたということは既にそのヒアリングの中で明らかになっているので、漏らしたというか情報伝達の経路はある意味明らかになったのだと思います。その原代理から、さらにメールに添付していろいろなところに送信されているということまでわかっていますので、ですから漏えいというかそういった情報の伝達のルートは明らかになったということだと思います。
 今議論になっているのは、仄聞しているのは、ワーキングのメンバーには守秘義務のようなものが国家公務員と同じレベルでかかっていないので、何らかの重要な情報を取り扱うときには規制が必要ではないのかというような議論が出ているやに聞いています。ただ、その情報の質・内容がどのようなものなのかということがきちんと判別しませんと、いたずらに規制をかけていいいというわけでもないし、これは単に国会の質問に関することだけではなくて広く一般的なルールの話なので、そこは少しこれとは切り離して一般論として議論を深めていかなければいけませんし、仮に与党側も問題視しているのであれば野党だけの問題ではなくて与野党で政官の関係の一つとして整理していくべきものだと思います。

【フリーランス・安積記者】
 整理すると、与野党ともに共通認識なのは、公務員の「働き方改革」、これまでの通告の後に答弁をつくるのが深夜作業まで及ぶということについては「働き方改革」をするということと、あとは通告を出したときにその相手にどういうふうに秘密保持をかけるかということであって、今回ツイッターでいろいろな匿名アカウントが出たわけだが、この匿名アカウントについての犯人探しということは全然関係ないということか。

【代表】
 もともと、その情報を参考人なりに出すときに明確なルールがあれば、そこから先に行きませんから、ツイッターどうこうという以前の問題ですから、そこをきちんとやればかなりの問題が解決するのではないかと思います。
 前段の「働き方改革」の問題は、これは本当に深刻な問題だと私は思っていて、先ほど言ったように、仮に申し合わせの時間に届いていたとしても深夜にしか帰れないという、この事実。私の知り合い、今、同期が各省の秘書課長とか人事課長をやっているので、まさに人事を見ているのですが、聞く話は悲惨で、志を持って入ってきたけれども、この余りにも劣悪な労働環境の中で早くやめるとか、あるいは内定者が、一生懸命何とか公務員になって志高くやろうと思ったけれども、もう周りからやめろと言われてやめたとか、そういう話が枚挙にいとまがないわけです。
 やはりある程度優秀な人材が行政・霞が関に来て働いてもらいたいし、働くべき価値のある職場だと私は思いますから、そういったことを時代に応じて職場環境を改善していく。その中で立法府との関係も見直していくということは不可欠だと思います。ママパパ議連からもいろいろな提案が出ていますので、超党派でこういったことにはしっかりと取り組んでいきたいし、前向きにつなげていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 霞が関に優秀な人間が集まらなくなったのは旧民主党からだ。あなたの先輩である武藤敏郎さんが嘆いていた。とにかく公務員バッシングが激しいと、来てくれないと。ですから、旧民主党の菅さんなどを先頭とする人たちは本当に反省しなければいけない。国家の財産が失われていっているのですよ。それを武藤さんと話したことありますか。ないでしょうね、まだ話せなかった時代ですから。彼からよく嘆きの言葉を聞かされましたよ、私は。

【代表】
 話すと長くなりますが、民主党政権というよりも、ここ数年間の官僚と政治との関係の大きな変化というのはあると思います。私が(大蔵省に)入ったころも、むしろ天下国家を動かすには役人になったほうが天下国家を動かせると思って役所の扉をたたく人も多かったし、当時私もそんな思いで役所に入ったことを覚えています。
 ただ、政と官の大きな関係の変化の中で、今、職場の役所の皆さんがいま一つ充実感を感じられないのは、ある種、結果ありきでトップダウンでおりてきて、そこに沿うようなことをやってくれというのが役所の仕事になっていて、もっと言うと、決まったことのパワーポイントを上手につくるのが課長補佐や時には課長の仕事になっていて、その根っこの方向性とか方針を決めるところに仕事の面白さがあるところを中途半端に全部それを政治にとられているというところが、霞が関の魅力を下げている一つの原因にもなっているのかなと思います。やはり大きな方向性を決める政治の役割と、プロフェッショナルとしての判断をつくり提示していくという官僚の役割と、そこは互いに尊重しながら、尊敬し合いながら、よりよい国の形をつくっていくという発想が双方に必要なんだなということを感じます。
 ですから、単にバッシング、バッシングは役所の人はなれているのです。私もそうでしたが、嵐が過ぎ去るまで黙って「すいません」と下を向いているのはできるのだけれども、一番大事なのは、そのやりがいを霞が関に提供できていないことが問題だと思いますから、そこも含めて政と官の関係についての抜本的な見直しを与野党でしっかりと進めていきたいし、その意味でも国会改革をもう一回再起動していかなければならないと思っていますので、古川代表代行・泉政調会長には我が党としてしっかり考え方をもう一度整理してまとめてほしいということを既に指示をしましたので、我が党としての政と官の関係の新しいあり方の提示、国会改革、お示しをしていきたいと思います。