玉木雄一郎代表記者会見

2019年10月30日(水)14時09分~14時27分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/1x9ojd_Hs8s


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○萩生田大臣「身の丈」発言について

【代表】
 まず、萩生田文科大臣の「身の丈」発言についてでありますが、改めて申し上げたいと思います。
 全ての子どもたちが同じスタートラインに立って、それぞれの夢に向かって努力をしていく。子どもたちが夢を描けない社会というのは、そんな社会には未来がないと思います。これが私の考えであり、国民民主党の考えでありますから、今回の「身の丈」発言の件については、撤回したとはいえ、これは大問題だと思っております。
 萩生田大臣の発言は、その意味では私たちの考えとは真逆であって、子どもたちの、そして子どもたちが紡ぐこの国の未来に対して責任を持つ政治家として、許しがたい発言だと私は思っております。官房長官は「適材適所」と発言しておりますが、総理も同じように考えているのであれば、それは任命権者たる総理の、ある意味、総理の資質にも疑問を抱かざるを得ないと思います。

○英語民間試験導入延期法案を提出

【代表】
 また、萩生田大臣が進めるこの大学入試(改革)、特に英語の民間試験の導入についてですが、きょう文科委員会で我が党所属の城井崇衆議院議員からもこの延期を強く求めたわけでありますが、やはり経済的な格差、そして地理的な格差、また、問題をつくる業者とその講座とか参考書をつくる会社が同じだというのはやはり運営の公正性・公平性に疑義が生じるという、さまざまな問題が解消されておりませんし、まさに要は、都会のお金のある家庭の子どもはたぶん何の問題もないのでしょうが、地方に住む所得の低いご家庭の子どもたちが一番影響を受ける。受験機会そのものに大きな格差が生じるということは、その子どもたちの将来の格差を生じさせ、そういった格差をまた容認するということになります。
 今回私たちは延期法案(「独立行政法人大学入試センター法の一部を改正する法律案」)を提出しておりますが、今国会最大の課題としてこの問題に取り組んでいきたいと思いますし、この英語民間試験の導入については一旦立ちどまって、延期をして再検討することを強く求めていきたいと思っております。


■質疑

○共同会派結成から1ヵ月(1)

【朝日新聞・寺本記者】
 小沢一郎議員がきのう「ニコニコ動画」で統一会派について言及され、一つの党にしたい、年内に新党をつくりたい、そうすれば選挙に勝てると。一方で、一つの大きな党になれないならば野党はもう望みがないという発言をされた。代表として受けとめをいただきたい。

【代表】
 去年から私も、やはり野党を大きな固まりをつくらなければいけないということで、自由党さんや、あるいは立憲民主党を初めとした他党・他会派と、共同会派、あるいは政党の中には合流ということをした政党もあります。国民から見てばらばらであることは、選択肢としても非常に弱い存在であるということから、できるだけ大きくまとまっていこうということで進めてまいりました。
 ただ、それぞれの党がありますから、合流をするのか、あるいは会派、つまり国会で一枚岩になって戦う態勢をつくる、選挙において一枚岩となって戦う態勢をつくるということについてはほぼ合意していますが、組織形態まで含めてどうするのかについては、まだ議論がそこまでいっていませんし、まずはこの共同会派でしっかりと連携を強化していく、そこで実績を上げていくということが今やるべきことかなと思っております。
 国会もさまざまな委員会が始まっていますので、会派を組んだ仲間と一緒にまずはしっかりと国会で向き合っていきたいと思っています。

【日経新聞・島本記者】
 共同会派を組んで1ヵ月となったが、現状の取り組みの評価と今後の課題等あれば伺いたい。

【代表】
 よかったのではないですか。質問なども非常に、例えば衆議院の予算委員会などは事前にもう何回も集まって質問内容のすり合わせをしたり、あるいは十分に閣僚が答えられない問題を党派を超えて再び追及したり、そういった連携ができるようになったことは大きいと思います。また、ヒアリングなども共同して行うものも出てきていますので、役所の皆さんの負担も含めて減ってきているし、いろいろな効率化が進んできたのかなと、そして国会運営が効果的になってきたのかなと思っています。

○英語民間試験導入 萩生田大臣「身の丈」発言について

【共同通信・中田記者】
 民間試験の問題に関連して。萩生田大臣の辞任を求めるとか、そういったお考えはあるか伺いたい。

【代表】
 国対でいろいろ対応を今検討されていると思いますが、きょうの答弁の中身などもよく精査して、今後、大臣についてどう向き合っていくかというのは共同会派全体で考えていきたいと思います。

○共同会派結成から1ヵ月(2)

【西日本新聞・鶴記者】
 先ほどの共同会派を組んで1ヵ月、参院のほうではまだ代議士会がばらばらで行われている状況だが、その参院の状況というのはどのように見ていらっしゃるか。

【代表】
 少しずつ前に進んでいると思います。いろいろ、菅さんの発言とかあってどうなのかなという感じがありましたが、謝罪があったし、ツイッターを消していただきたいのですが、まだ消えていないようなので、そういうところが一つ一つ前に進んでいけば、大人ですからしっかりと協力して、特に今は野党全体として、やはり攻めるべきところは攻める、おかしなところはおかしいと言うところだと思いますし、重要な局面だと思いますので、協力をして進めていきたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 菅さんが謝罪したというが、これは誰に謝罪したのですか。舟山さんなんかは怒っていますよ、徳永さんなんかも。要するに原口さんが安住さんと同行してこっちに来たということぐらいで、全く昔の55年体制でやっている。何もやっていませんよ、本当に。誰に謝罪するんですか、本当は浜野さんでしょう。全然言っていないじゃないですか、きちんとやってくださいよ。

【代表】
 いつも貴重なご意見、ありがとうございます。

○消費税に関する勉強会について

【毎日新聞・東久保記者】
 きょう馬淵議員とれいわの山本太郎代表が減税に関する勉強会を開く。代表はかねてから減税に理解を示しているが、この勉強会についてどういうふうにごらんになっているか。

【代表】
 議員も、議員ではない人も含めて、さまざまな勉強会をやっていくことはよろしいのではないですか。私も近いうちに山本太郎さんと会って、税の話も含めて率直に意見交換したいと思っています。

○相次ぐ閣僚の不祥事について

【NHK・宮里記者】
 萩生田大臣の関係だが、萩生田大臣にかかわらず、河野大臣の「雨男」発言とか、あるいは先週辞任した菅原大臣の件など、政権の今の失言というか、続いているような状況全体について、代表としてどのように捉えているか伺いたい。

【代表】
 また一部閣僚に疑惑が出ているということで週刊誌報道もなされると聞いておりますので、まずは一つ一つ事実関係をしっかり確認をして、また大臣や政治家としての説明責任をしっかりと果たしていただきたいと思っています。そういった発言もよく精査をしながら、これからさらに我々としてどういう国会運営をしていくのか考えていきたいと思います。厳しく見定めていきたいと思っています。

○質問通告をめぐる議論について

【フリーランス・安積記者】
 本日の衆議院内閣委員会で、このたびの官僚から出たイントラネットの画面の情報について、これは国家公務員法100条の秘密に当たるのかどうかという質問が出たが、代表はこれは秘密に当たるとお考えか。

【代表】
 秘密の定義によるのでしょうが、私も役人時代は、当時まだ紙だったので紙でこうやって書いていましたが、漏らすと処罰の対象になる秘密かどうかというところは微妙かなというのは正直私は思いますが、今、政府がどのような解釈をしているのかということについては正式なものは改めて確認したいと思います。いわゆる通告のバッター表、整理表なので、広くある程度役所の皆さんは見ているものだと思いますが、今回の件がどうなのかについては確認していないのでコメントは差し控えたいと思います。

○東京五輪 マラソン・競歩の札幌開催案について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 マラソンの札幌への変更という話は、国民民主党あるいは玉木先生個人としてはどういうふうにごらんなっているか。夏の甲子園なども本気で大人が考えて、そういう時代になったのではないか、いい機会ではないかとある意味で思うが、その辺はどうごらんになっているのか伺いたい。

【代表】
 もともと言うと、何で夏の暑いときにオリンピックするのかなというのが、ずっと私、提起してきた問題です。前回は10月10日、特異日で晴れるからということもあったし、日本の気候としてもいいということなのですが、やはり世界的な放映権の問題とか商業ベースでいろいろ考えたときに夏がいいということで決まったということであれば、そもそも根っこからアスリートファーストになっていないと思います。
 私自身もアスリートでしたから、やはりアスリートファーストで物事を考えていくということは一番大事だと思っていまして、その中で、ただ、決まってしまった以上、健康とかけがのリスクということを考えると、それを最小に抑えるために札幌ということはアスリートの観点からするとあり得るのかなと思います。
 ただ、新国立競技場をつくったので、やはり一番盛り上がるオリンピックの種目であるマラソンと、実は競歩は、私は競歩もよく見ているのですが、日本が金メダルをとれる数少ないトラック・アンド・フィールドの種目ですから、最後そこが新国立に入ってきて、そこで日の丸に包まれるというのは、見てみたいなという気がします。
 アスリートの体が最優先ですから、その中で札幌開催ということを決めるということであれば、それは一つの選択肢かなと思いますが、ただ、開催地の東京都の知事も知らされないで物事が決まっていくという、この意思決定の仕組みについては果たしてこれでいいのかという気持ちはありますので、そういった検証もきちんとやるべきかなと思います。
 何度も申し上げているように、オリンピックの経費はそもそも幾らかかるのか誰も把握してないという状況については何ら改善がないので、組織委員会と都と国と大きくこの三つがありますが一体どのような分担で何をするのか、それとIOCの関係がどう規定されるのか、こういうことが曖昧なまま進んでいるからこういうことが起こるので、この責任関係というか責任・役割分担、こういったものを今からでもきちんとやらないと、終わった後に「思った以上のお金がかかりました。レガシーもめちゃくちゃ」ということにならないように、もう一度これを機会にさまざまな体制を再点検すべきだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ついでに、夏の甲子園はどうですか。

【代表】
 夏の甲子園は、もうそろそろ甲子園での開催を見直すべきときに来ているのではないかと私は思います。確かに夏の暑いときに各地域の代表者がああやって争うということについて、非常に私自身感動を覚えますが、これもアスリートファーストで考えれば、あの暑いピークに、本当にやることがあれしかないのかということは考えたほうがいいと思いますし、あと電力需要とかも考えると、あそこにピークが来るのですね。それに合わせて発電所の整備をするとか、そういうことも含めて広く考える時代・時期に来ているのではないかというのが個人的な考えです。

○かんぽ不正販売・NHK報道介入問題について

【フリーランス・堀田記者】
 評判の悪いPTのことで伺いたい。今、「かんぽNHK」なんてやっているが、本来であればNHKがスクープしたかんぽ関係の悪いものがあったらすぐにPTを開くべきだ。それがすごく鈍いというか、つまりこれは、かんぽの場合は安倍ちゃんが絡んでいないから。それで毎日新聞がNHKのことをスクープしたら「かんぽNHK」でやっている。これは別問題だ。それから、私は前から言っているが、PTが終わった後に我々も質問があるから質問させてくれと言うと議員は逃げてしまう。例えば今の「かんぽNHK」でかんぽの人間を誰を呼んでいるか。長門、来ていないでしょう。あれは要するに日本生命がやったことではない、つまり半官半民だ。だからPTを開くに値する。ところがNHKと「東洋経済」がスクープした後に全然やらないで、NHKがちょっと圧力に屈したということで「かんぽNHK」とやっている。全然PTを開く意味がない。それが鈍いのですよ、野党の諸君は。

【代表】
 貴重なご意見だと思います。第1回放送時にやっておくべきだったという指摘はそのとおりかもしれません。その意味では、そういった動きに敏感に対応できるようにこれからも注意していきたいと思います。アドバイスありがとうございます。