玉木雄一郎代表記者会見(年頭会見)2019年1月4日(土)

玉木雄一郎代表記者会見(年頭会見)

2020年1月4日(土)
発行/国民民主党役員室


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○新年にあたり 伊勢神宮を参拝

【代表】
 きょうは、古川元久代表代行とともに、また、三重県連の皆さんとともに、伊勢神宮を参拝させていただきました。
 令和初めての伊勢神宮の参拝ということで、私自身、大変すがすがしい気持ちで参拝させていだきました。国家の安寧と、国民の幸福を祈ってまいりました。また、あわせて天皇家の弥栄(いやさか)もお祈りさせていただきました。
 令和初めての参拝ということでしたが、たくさんの方々が参拝されていて、非常に賑わいのある伊勢神宮でありました。ことし一年が、災害のない、幸せで平和な、そんな一年になることを祈念させていただきました。


■質疑

○立憲民主党との政党合流協議について(1)

【記者】
 今、こういった政治状況で、野党の合流・結集が国民から求められているところではあると思うが、昨年に幹事長会談があり、党首会談がいつになるか皆さん気にされているところであると思うが、そのあたりの進展はいかがか。前向きにやるのかどうか、そのあたりのことに関しても伺いたい。

【代表】
 安倍政権も8年目に入って、さすがに長期政権のおごりや緩みが目立ってきています。
 特に昨年の「桜を見る会」の問題というのは権力や税金の私物化の典型だと思いますし、また、森友・加計学園でもそうでしたが、都合の悪い文書を隠したり改ざんしたり出さなかったりということが広く行われるようになってきて、公文書の管理ということからしても重大な問題が出てきていると思います。行政が行った文書をきちんと管理・公開しないということは民主主義の根幹にかかわる大問題だと思っているので、こういった問題をしっかりと国会の中でも取り上げていかなければいけない。
 また、年末にはカジノをめぐる贈収賄の疑いで現職の自民党国会議員が逮捕される深刻な事態が発生し、また、広がりを今見せているので、こういった問題もただしていかなければならないと思っています。
 消費税増税後の経済についても非常に心配ですし、また、イランの問題は私たちとしても非常に深刻な安全保障上の問題だと捉えています。
 こういったさまざまな問題を、しっかりと野党が力を合わせて向き合っていかないといけない。その意味では、ずっと申し上げてきた、大きな固まりをしっかりとつくって安倍政権にかわる選択肢を示していくことが必要だと思っています。
 その意味で、昨年の臨時国会から共同会派を形成できたのは大きな一歩だと思っています。これを進めて政党の合流という話が、12月6日、枝野代表から我が党や社民党さんに対してあって、これまで幹事長間で協議を進めてきたということでありますが、ただ、政党間の合流ですから、例えば党名をどうするのか、基本政策・理念はどうなるのか、あるいは人事はどうなるのか、こういった重要な問題については幹事長間でも決まらず、それが代表間の協議に委ねられたという理解ですから、これから枝野代表とそう遠くないうちに会って、そういった残された重要課題についての話し合いを重ねていきたいと思っています。
 ただ、繰り返し申し上げているように、衆参一体で対応していかなければいけないということ。そして、お互い独立した公党、それぞれ政策・理念を持った公党ですから、対等な立場で協議をしていくこと。そして、衆議院に比べてどうしても、昨年夏、参議院選挙があったので、参議院の中ではまだまだ信頼醸成が十分ではないので、参議院における信頼醸成を図っていこうと。こうした原則に基づきながらこれまでも協議を重ねてきたと思っていますので、代表間でも真摯な話し合いをしていきたいと思っています。

【記者】
 まだ課題が残っているので、例えばきょう立憲さんと一緒に参拝することができなかったということか。

【代表】
 去年もそうだったのですが、一緒にやりたい、一緒に参拝したいということは調整はしたと聞いているのですが、結果として調整がつかなかったということです。同じ日に参拝できたのでそれはよかったかなと思いますが、一旦調整は試みたと聞いています。私もその意向だったので。ただ、結果として一緒にはならなかったと承知しています。

【記者】
 合流の件だが、先ほど玉木代表は、そう遠くないうちに枝野代表と話し合うというお話だった。1月20日に通常国会が予定されているが、それまでの間、具体的にどういう時期に枝野さんとお会いされる見通しか。

【代表】
 相手もある話ですので、両代表、あるいは幹事長も加わるのであれば、その日程を調整しなければいけませんので、そういった日程調整が幹事長間で行われると承知していますので、そう遠くないうちに党首会談が行われるのではないかと思います。

【記者】
 確認だが、党首会談の前には国民民主党の中で両院議員懇談会なり両院議員総会なりを開くお考えはあるか。

【代表】
 党首会談の前は開く予定はありません。今、交渉に入ること、そして今申し上げたような三つの原則で交渉していくことについては両院議員総会の承認を得ていますから、その範囲の中で何かを進めていくに当たっては特段両院議員総会を開くことは考えていません。ですから、しっかりと対等な立場で話し合いを重ねていくということで、まずは党首会談を行いたい。幹事長も申し上げていますが、1回で終わると思っていませんので、何回か重ねていかなければならないと思っていますので、まずはそういった党首間の話し合いをスタートさせたいと思っています。

○三重県の政治情勢 党の取り組みについて

【記者】
 昨年の参議院選挙だが、三重県はもともとは野党が強い県とされていたわけだが、新人の芳野候補は自民党の候補に敗れた。県内は、岡田克也さんを中心に、野党をばらばらにしないということで「三重民主連合」という地域政党をつくったわけだが、結果的になかなかそれがわかりにくくて野党がばらばらという印象があったかと思う。参議院選で三重という本来強いところで負けてしまったということについてと、それから岡田さんのそういった地方での取り組みなりについてお考えがあれば伺いたい。

【代表】
 国民民主党の公認候補を出せなかったことは、私としては非常に残念です。
 ただ一方で、比例票の出方は三重県は非常に頑張ってくれました。県連の皆さんもしっかりした方々が多いですし、その意味では、公認候補を出せない中で非常に国民民主党の三重県連の方は結果を出していますし、よく頑張っていただいたと思っています。それが野党統一候補の選挙区での当選につながらなかったことは非常に残念だと思いますし、県連レベルでいろいろな調整が行われたとは聞いていますが、野党が選挙においては力を合わせていくことが大事だなということを改めて思いました。
 岡田先生についてですが、いろいろと経験を生かして野党間をまとめていこうということで、中央でも地方でも努力されていることは承知していますし、私も時々話をさせていただいております。何とか再び政権交代可能な政治体制をつくりたいという、熱い思いでやられておられますので、ぜひそういった岡田先生の思いが実現できるように、うまく私たちも進めていきたいと思っています。

【記者】
 県連は頑張ったということだが、確かに三重県の北部は民間の労働組合の力があってそういう票の出方をしたと思うが、率直に申し上げれば、地元で取材をしていて、国民民主党の三重県連というのはほとんど姿が見えない。我々の前で何かアピールをされることもないし、きょうも県議の方が一人もいらっしゃらないし、事務所が1カ所あるのは存じ上げているが、それ以上はほとんど何をされているかもよくわからない状況で、かなり厳しいのかなという感じがする。まだまだアピールが足りない県もあるかと思うが、そのあたりの現状認識と、今後こうされていくというお考えはあるか。

【代表】
 先ほど申し上げたように、参議院選挙の比例票の出方は公認候補がいない割には非常に出ていて、よく頑張ってくれたなという評価です。むしろ、もっと頑張らなければいけない県連がいっぱいあるなと思っていて、そこは各地域差もあると思いますが、それぞれの取り組みを着実に進めていくしかないなと思っています。

○立憲民主党との政党合流協議について(2)

【記者】
 合流について伺いたい。1月1日に小沢一郎議員が、合流のスケジュール感について、20日から国会と言われているが、合併・結集の手続から言っても今月半ばまでには、さらに詰めて言えば6日の週には合意を得て手続をすることにしなくてはいけないと発言している。こうしたスケジュール感について代表はどのようにお考えになるか。

【代表】
 これまで幹事長間で詰めてきていますし、先ほど申し上げたように、他方で積み残された大きな課題もあるので、まずはしっかりと党首間協議を重ねていきたい、真摯に話し合いを重ねていきたいと思っています。

【記者】
 そうすると、1月20日の通常国会の開会というのは一つのポイントになり得るものか。

【代表】
 共同会派を既に結成しているので、国会において一枚岩でやっていく態勢は既にできていますから、国会における共闘態勢を組むということにおいては既にできているので、そこは特段、もちろん意識はしますが、何か期限として考えていくというよりも皆が納得できる合意を得ることがやはり大事だと思っています。
 私が「大きな固まり」と言ってきたのは、そこにこぼれることなくたくさんの方が結集して力を合わせて頑張ろうという、そのプラットフォームをどうつくるかということが大事なので、誰かがそこに入れないとか、排除されるとか、そういうことがあるような形でなってしまうと目指す大きな固まりの形ができないので、やはりそこは皆が納得できるような形のものにいかに近づけられるのかということが大事だと思いますので、そちらを優先して進めていきたい。かえって今の野党の協力態勢にひびが入るようなことがあっては本末転倒なので、そこも考えながら進めていきたいと思っています。

【記者】
 玉木代表は、大きな課題が積み残されているとおっしゃっている。党名のほかに、政策や理念のところで、国民民主党の政策や理念を守るためには立憲民主党とどのように折り合うかということが焦点になると思うが、これについてのお考えがあれば伺いたい。

【代表】
 これは申し上げているとおり、お互い公党としてそれぞれの政策・理念を持っていますから、協議の中で皆が納得できるような合意点を探っていくことが必要だと思います。ですから、どちらの考え方にどちらが寄せていくということでは皆が納得できるような形にならないと思うので、要は吸収合併ということはあり得ないということだと思っています。
 しっかり協議をした上で、どういう形態になるかは別として、新党をつくっていく。その中で、国民の皆さんに期待感を持ってもらえるような新しい枠組み、プラットフォームをつくっていく。それを皆で協議して考えていこうということであれば、たくさんの勢力を結集することができると思いますので、そういう話し合いをぜひ重ねていければと思っています。

○贈収賄疑惑「自民・秋元議員逮捕」「前防衛大臣ら事情聴取」について

【記者】
 秋元司衆議院議員が逮捕されたIR事件をめぐり、岩屋元防衛大臣ら5人の衆議院議員に任意で東京地検特捜部が事情聴取をしている。玉木代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 深刻な事態だと思います。特に、現職の自民党国会議員が逮捕され、さらに報道によれば5名、自民党議員が4名、そして維新の現職議員も1名、そういった対象になっているということを聞いていますので、これは一日も早く国会を開いて明らかにすべき話だと思います。
 もちろん司法の手続ということが進んでいますが、IR法案という立法にかかわる問題ですから、一体そもそも立法過程自体が正当なものだったのか、何かそういったお金の力でゆがめられて立法手続がおかしなことになっていたのではないかということは、早急に検証すべきだと思います。
 今、野党ではこのIR法の執行を停止する法案の検討をしていますが、その前に、この法律を通した立法府の責任として、20日を待たずに、速やかに、少なくとも内閣委員会を開いて、事の経緯はどうだったのか、そういった外部の圧力によって立法作業がゆがめられたのではないかということは、立法府の責任としてみずから明らかにして公開すべきだと思いますから、速やかな内閣委員会の開催を求めたいと思います。

【記者】
 関連だが、IR法そのものについてはどのように思われるか。

【代表】
 我々は党としては反対したわけですが、ただ、成立をして、それに期待して今動いている自治体とか民間事業者もありますから、彼らの予測可能性と法的安定性ということももちろん配慮しなければいけません。
 ただ、これだけの贈収賄事件が起こって、逮捕者まで出ている。現職の議員ですよ。そうであれば、法律の中身とか成立過程自体が本当に正しいものだったのか、公正なものだったのか、やはり一からチェックし直さないと、このまま法律を施行することはやはり多くの国民の納得を得られないと思います。それは法律をつくって通した立法府の責任としてみずから検証すべきだと思いますので、その意味で20日を待たず速やかな内閣委員会の開催を求めたいと思います。

○立憲民主党との政党合流協議について(3)

【記者】
 合流の問題に戻るが、立憲の枝野さんは、年内解散、2月に選挙ということをおっしゃっているが、その辺はどういうふうに見られているか。

【代表】
 我々は、もちろん野党としては速やかな解散・総選挙を求めたいと思いますし、早ければ1月末解散、2月(投開票)ということも一番早いスケジュールとしては考えながら進めています。
 既に野党間の選挙区調整は水面下で進んでいますし、かつ、重複する選挙区が幾つかあるということを言われますが、それは調整すればよい話で、一番の問題は、たくさんの空白区があるところをどの党も埋め切れていないということが一番問題だと思っていますので、候補者の発掘・擁立を速やかに行っていく。ここは各党協力して行っていくことが一番大事だと思っています。過半数をとれないと政権交代はあり得ないので、その意味では、十分な候補者を立てずに政権交代を幾ら訴えても、これはもう絵に描いた餅ですから、まずは候補者をしっかりと、空白選挙区を埋めていく。この作業を野党協力して早急に行いたいと思っています。

○ゴーン被告の無断出国について

【記者】
 日産の前会長のカルロス・ゴーン氏が保釈中にレバノンに行った。この件について受けとめをお願いしたい。

【代表】
 これは国家の主権ということについて極めて深刻な疑問を投げかける問題だと思います。日本の出入国管理は一体どうなっているんだと、司法のあり方はどうなっているんだということの根本に疑問を投げかける重大な事案だと思いますし、レバノンとの間では犯罪人引き渡し協定がないので、このままになってしまうと、外交上解決ができるのか。内政・外交にかかわる、もっと言うと我が国の主権にかかわる重大な問題だと認識しています。
 これについても、積極的な政府からの発信や説明が全くないのは納得できません。ですから、これに関しても1月20日を待たずに速やかに国会を開いて、一体何が行われたのか、何が問題だったのか、こういったことを明らかにする必要が立法府としてもあると思いますから、法務委員会を中心に事実関係をまず明らかにしていくことになると思いますが、これも含めて1月20日を待たずに速やかに国会を開けと、これは政府に対して求めたいと思います。

○伊勢神宮参拝について

【記者】
 伊勢神宮を参拝されたご感想と、昨年との違いがあったら伺いたい。

【代表】
 感想というと、本当にすがすがしい気分になりました。長い歴史と伝統を感じますし、心穏やかに手を合わせて参拝するということで、自分自身の心も非常にすっきりと整理される気がします。
 去年に引き続いて来ましたが、おととしも来ましたが、非常に参拝客がふえているなという感じがしますし、若い人が多いなと思います。御代がわりがありましたので、上皇陛下も参られているので、その意味では非常に関心も高まっているなということで、冒頭申し上げましたが、国家の安寧と、国民の幸福と、そして天皇家の弥栄を私もお祈りさせていただきましたので、これからも参拝を続けたいと思っています。

○イラン情勢について

【記者】
 イラン情勢について伺いたい。アメリカがイラン革命防衛隊の司令官を殺害し、中東に米兵3000人を増派すると報じられるなど、イラン情勢が非常に緊迫している。代表のイラン情勢に関する見解と、日本としてとるべき方策についてのお考えを伺いたい。

【代表】
 極めて深刻な事態だと捉えています。日本ではあまり報道がないと思いますが、CNNを朝から見ていましたが、第三次世界大戦につながりかねない大きな国際紛争に発展する可能性を秘めた重大事案が発生したと思っています。
 イラン側の報復がどうなるのか、慎重に見極めなければなりませんが、事態の推移によっては世界を巻き込む大きな紛争になりかねない。その中で、日本が一体いかなる役割を果たすのか、果たさないのか、国会の中で早急に議論しなければならないと思っています。
 閣議決定だけで、しかも調査・研究という法律上の根拠に基づいて自衛隊を派遣するようなことが年末ばたばたと決まりましたが、こういう事態が発生した以上、国あるいは国に準ずる組織との武力衝突の可能性が否定できなくなっていますから、調査・研究というあいまいな法的根拠のもとで自衛隊を派遣することに私は反対です。
 特に、日本はイランとは歴史的にも非常に友好的な関係を維持してきましたし、イランに限らず中東諸国と日本は外交資産ともいえる重要な関係を築いてきたわけです。それを単にアメリカに追随するという形で失うことはあってはなりませんし、いわゆる集団的自衛権の行使が一部認められることに安倍政権のもとでなりましたが、今回のような事態に集団的自衛権が必要だといって参画することが本当に許されるのかどうか、あるいはあり得るのかどうか、早急にこれも国会で議論しなければいけませんから、のんきに国会を休んでいる場合ではなくて、閉会中審査でもいいですから、これは早急に国会を開いて議論すべきだと思います。
 先ほど来ずっと申し上げていますが、IRの問題についても、あるいはカルロス・ゴーンさんの出国の問題についても、あるいは今のイランの問題についても、早急に議論すべき課題が山積していますので、政府におかれては、1月20日に開くと言っていますが、閉会中審査も含めて早急に国会を開けということを強く求めていきたいと思います。