玉木雄一郎代表記者会見

2020年2月12日(水)13時30分~13時59分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/nl_OCMPdulM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○新型肺炎対策について

【代表】
 まず、新型コロナウイルスの感染拡大について申し上げます。
 政府は本日、入管法に基づく入国拒否の対象者を拡大して浙江省滞在の外国人等も追加をしました。入国拒否地域の拡大については我が党の後藤祐一議員が予算委員会でも早くからその必要性を申し上げてきたところでありますので、若干時間がかかり過ぎているきらいはありますが、今回の政府の対応については前向きにこれを評価したいと思います。
 ただ、一方で、既に日産が九州での工場の生産停止を決定しましたし、地方空港も13の空港で中国便が当面ゼロとなるなど、地域経済に大きな影響が出始めていると考えています。観光への影響も含めた経済対策、これを迅速に講じることを政府に求めていきたいと思います。
 また、私も地元に帰って感じましたが、東京・関東圏周辺だけではなくて地方でもドラッグストアに行くとマスクが品切れになっています。小熊室長にも聞いたら、福島でもそうだということで、全国でマスクが手に入らないという状況になっております。政府は、たしか1月28日だったと思いますが、国内の製造メーカーに対して増産の依頼ということをしたと思いますが、もう2週間たっていますので、それで町の店頭に並んでいないということは、果たしてその対策がうまくいっているのか。
 こういった身近な、国民の皆さんが不安を感じている問題も含めて、我々としては緊急提言を、第2弾ということを早急に取りまとめて、また政府に申し入れをしていきたいと思っております。


■質疑

○国会論戦 予算委審議について

【日本テレビ・河合記者】
 予算委員会できょうも集中審議が行われている。安倍政権の追及を会派で行われているが、きょうまでの予算委員会の評価を伺いたい。
 もう一点。合流という話が今実現していない中で、一部では、政権を目指すなら党が一つになったほうがいいという声もまだ根強くある。それに関連して、政権交代への意気込みや執念というのはどのようにお持ちなのか伺いたい。

【代表】
 予算委員会の評価は、まだ予算委員会を今やっていますので、皆さんそれぞれ得意分野で厳しく、行政監視機能を果たすという観点から公文書の問題であるとか政府の問題点を鋭く指摘していると思います。他方で、財政の問題であるとか、少子化の問題であるとか、きょうはポイント還元の問題などについても提案を含めて取り上げていく予定ですので、ある意味、行政監視機能をしっかり果たすという側面と、そして自民党にかわる社会像や考え方を示すという提案の側面と、両方がうまくかみ合って予算委員会の審議ができていると思っております。
 政権を目指す意気込みですが、我々はやはり、長期政権が続きさまざまな問題点が噴出している中で、国民の皆さんにもう一つの選択肢をしっかりと示していくということが、民主主義が正しく機能する上でも必要だと思っていますので、そのことには執念を持って取り組んでいきたい。というか、私たちが権力をとるためにやっているのではなくて、国民のための政治を実現するためにもう一つの選択肢をしっかりつくっていくことが私たちの責務なのだと、そんな思いでこれからも取り組んでいきたいと思っています。

【日本テレビ・右松記者】
 予算委員会の現在の評価についてだが、きょう集中審議が行われていて、代表も冒頭におっしゃったが新型コロナの社会不安が増大している状況で、インバウンドにも影響があったり、町のドラッグストアのマスクの品切れ問題もそうだが、一方でけさの野党側の質疑でいうと北村大臣の追及にかなり重きを置いている印象がある。国民のニーズというか関心と国会の関心がちょっとずれているのではないかという指摘もあるが、このあたりはどのようにお考えか。

【代表】
 さまざまな政策課題、問題がありますので、時のそれぞれの国民の皆さんが思っている、あるいは疑問だなと感じていることに的確に応えていくことが国会においては必要だと思っていますので、テレビでの取り上げ方はさまざまあるとは思いますが、幅広いテーマについて、それぞれが得意分野を生かしながら質問できていると思っています。

【共同通信・中田記者】
 予算委員会の関連で伺いたい。北村誠吾大臣についてだが、公文書管理法等の基本的な知識についての質問にたびたび言葉に詰まる場面があったりして、野党が退席するというような場面が続いている。代表は、北村大臣の資質や、そういった答弁に関して、どのようにお考えか。

【代表】
 国会をごらんになっているとおりだと思いますが、基本的なことについて十分お答えにならない、なれないということは、やはり大臣の資質としてどうかと思うところは、国民の皆さんもそう思っているのではないかと思います。貴重な国会の議論の時間ですので、これは答える側もしっかり質問の内容をよく理解して的確にお答えいただかないと建設的で実のある議論ができないと思いますので、そこに多くの時間をとられてしまうことは質問する野党側からとってみても非常に残念だと思います。ほかにもさまざまな課題がありますから。その意味では、北村大臣には担当大臣として責任ある的確な答弁を求めたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 参議院の件で、羽田雄一郎さんと増子さんのことについて、福山さんがけじめをつけてくれと言った。それがどうなっているかわからないが、そうしたら、玉木さんもおっしゃったように予算委員会は会派でやっているわけだが、安住さんがとった行動について玉木さんとしては立憲民主党にけじめをつけてくれと言う必要性があると思うが。

【代表】
 これは前回もたしかお答えさせていただいたと思いますが、新聞を張り出した話だと思いますが、私なりにそこは申し上げたつもりですし、あまり調子に乗っていると野党全体が国民から出禁を食らってしまうような、つまり、国民から厳しい評価をむしろ野党側が受けてしまう。そういうおそれがあることもしっかり踏まえて、野党といえども大きな権力ですから、そういったものを踏まえながら謙虚に対応していくことが必要だということは前回も申し上げたとおりでありますので、そこは会派全体の国対委員長として重い責任を担っておられるわけですから、ぜひそういったことを踏まえてこれからは対応していただくように求めたいと思いますし、そうしてくれるものと信じております。

【フリーランス・堀田記者】
 それに関連して、今度は原口国対委員長が、要するにこの6紙などを含めた古いマスコミはだめだと、ここのPTで中継しているIWJなどがよいマスコミだと言ったが、それは聞いていますか。

【代表】
 古いマスコミ、新しいマスコミということはよくわかりませんが、そういった話は、すみません、私は承知しておりません。
 いずれにしても、私も時々かちんとくることがありますが、ただ、厳しい評価をいただいているということで、謙虚に耳を傾けながら、国民の皆さんの声を代弁していただいているのが一つのマスコミの役割ではないかと思いますので、そういった声にも耳を傾けながら、みずからを省みながら仕事をしていかなければいけないと思っておりますので、厳しいご指摘も踏まえて対応していきたいと私自身も思っております。

○衆院静岡4区補選について

【産経新聞・千葉記者】
 先週も出た件で恐縮だが、静岡4区補選の対応について、国民民主党としては田中氏を支援して野党統一候補として他党にも呼びかけていくという立場ではないかと思うが、現在の調整状況を伺いたい。

【代表】
 野党統一にしていきたいと思っております。我が党としてはできるだけ早く支援の方向性を決めていきたいと思っておりまして、きょうが12日ですから、遅くとも今月中には我々としての支援の方向性は決めていきたい。今、一義的には静岡県連で最終的な調整・検討が行われていると聞いておりますので、それを待ちたいと思いますが、4月の選挙ですから、あまり時間をかけずに我々としての支援の方向性は決定していきたいと思っています。

○新型肺炎対策について(1)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 中国の感染爆発がこの数ヵ月で収束しない場合は、中国経済が大変なリセッション入りを行うだろうと。すると、リーマンとは言わないが、隣国を含めたアジア経済危機的なことだって考えられるような、経済的にはそういう状況ではないかと思う。観光がどうだとかいうようなレベルの問題ではないということは、どうごらんになっているか伺いたい。

【代表】
 相当深刻だという危機感を持っています。特に日本は国内的には昨年10月に消費税の増税をして、この新型コロナウイルスの感染の拡大がなくても相当経済には厳しい状況がある中で今回の新型コロナウイルスの感染拡大ですから、ある種、地方経済も含めて大きく頼っていたインバウンドも陰りが見えていますので、相当これは日本経済に対してマイナスインパクトを与える。その意味では、金融政策・財政政策を総動員して早急に緊急対策を打つべきだと思います。政府が今やっていることだけでは不十分だと私は思っていますので、特に消費の下支え、地域経済の下支えにとって必要なことを全てやり切る。早急にやり切る、予防的にやり切るということが大事だと思いますので、そこは国会の審議なども通じて強く政府に求めていきたいと思っています。

【NHK・米津記者】
 新型コロナの緊急提言を考えているということで、もう少し詳しく伺いたいが、きょうの集中審議の中で安倍総理大臣が、第1弾として予備費も活用して今週中に緊急に措置すべき対応策を取りまとめるなどと言っている。具体的に国民民主党として、今の段階で言える範囲で構わないが、先ほどの観光面だけに限らず国民民主党としての経済対策みたいなところも含まれるのか、それともコロナに関してのところだけに留まるのか、その場合はどういった内容になるのか伺いたい。

【代表】
 今現在、それも含めて検討中ですので、早急に取りまとめたいと思っております。
 現行法の中で強制的な措置に限界があるようなものがあれば、そこは法改正も必要だと思いますので、提案していきたいと思います。
 もともと私たちは「新感染症」というものに指定をして特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)でやれることは全部やれるようにということを求めてきましたが、現在の新型コロナウイルスはいわゆる法律に基づく「新感染症」には当たらないというか、当てはめることができないという政府の解釈ですので、本当にそれでいいのかということも含めて立法上の措置を講じなければいけないと思われるところもありますので、そこも含めて、今、検討しております。早急にまとめていきたいと思っています。

○共産党について

【朝日新聞・小林記者】
 先日、日曜日に小沢さんの政治塾に共産党の志位和夫委員長が招かれ講演を行った。その中で、共産党を含む野党連合政権について志位さんから各野党に対して改めてその合意を求める呼びかけがあったが、その上で志位さんとしては、自衛隊や日米安保についての共産党の考え方は政権に持ち込まないとか、閣外協力でも構わないといった、非常に柔軟なこともおっしゃっていた。改めて玉木代表として共産党との野党連合政権の合意についてはどのようにお考えか。

【代表】
 私も志位委員長とは話をさせていただきましたが、根本的なところで考え方が違うところはありますが、ただ、立憲主義をしっかり守っていく、つまり人治主義ではなくて憲法を最高法規とする法治主義というものをちゃんと貫くということ。世界的に広がっている格差の問題にしっかり対応していくこと。そして、多様性を認め合うこと。こういった大きな3点については合意をしましたので、というか考え方を共有しましたので、その中で、ともにできるところを模索していくことが大事だと思っていますし、いろいろな形で協力できるところはしていくと。選挙協力ですね。選挙区での調整ということは戦術的には行っていかなければなかなか1対1の構図はつくれませんから、そこはさまざまな話し合いをこれからも続けていきたいと思っています。

○新型肺炎対策について(2)

【「フランス10」・及川記者】
 横浜に停泊している豪華クルーズ船、収拾のめどはどうなると思うか、ご見解を伺いたい。

【代表】
 我々としても政府にその見通しについて求めているところでありますが、3000人を超える方が乗っておられ、そのうち高齢者が2000人ぐらいいるということなので、そのメンタルの部分も含めた乗船者のケアということに万全を尽くす必要があると思います。特に医療的なケアをしっかりやっていかなければいけないというのが大事だと思います。
 その中で、全員に対して検査することが難しいということなのですが、ただ、これはいずれにせよやらなければいけないと思うので、できないということではなくて、この乗船されている方に速やかな全員検査を行う体制を速やかに整えないと国内で広がった場合での対応もできないと思いますので、もちろんその検査キットとか医療従事者の確保の問題ということがあると思いますが、ここはまさに国を挙げて取り組むべき課題だと思います。
 これ以上長く、2週間ぐらい滞在してもらって問題なければ船を降りてもらうということも検討しているそうですが、一旦陰性だと、検査して、その後また陽性になっているようなケースもあるので、やはりしっかりと全ての方に対して万全の検査を行うことが不可欠だと私は思っていますし、そのための対応を国を挙げて行うべきだと思います。

○広島訪問 旧陸軍被服支廠の保存問題について

【中国新聞・河野記者】
 17日に玉木代表は広島を訪れて陸軍被服支廠を訪れ視察されると聞いている。この建物は、今、解体の是非が議論されているが、代表がどのようなお考えかお聞きしたい。

【代表】
 今質問のありました広島の旧陸軍の被服支廠の保存問題については、私も報道などを通じて存じ上げておりますし、関心を持ってきました。特に被爆地ということもありますし、去年の参議院選挙も選挙戦の最終日を私は広島で迎えましたので、その意味でも、我が国の平和の象徴として、広島の地については自分自身も思い入れがあります。今回、地元選出の森本参議院議員からお声がけもいただいたので、17日に広島を訪問したいと思っています。
 今、県が保有する3棟の建物については2棟が解体して1棟を保存するという方向で進めるというふうに聞いておりますが、世論調査をすると、地元の調査だと、これを見直してほしいという声が多いので、私としてもまずは現地を訪問して、しっかりと地元の皆さんの声も伺った上で考え方を整理していきたいと思っています。

【中国新聞・河野記者】
 知事とも面談されるか。

【代表】
 はい、知事とも直接会ってお話をしたいと考えています。

○「たまきチャンネル」について

【J-CAST・工藤記者】
 先日「たまきチャンネル」を拝見していたら、夜中に党内からLINEでだめ出しがたくさんあるといった話をされていた。非常に党首としては珍しいかなと思うが、もしよろしければ、どういった感じのだめ出しが、厳しいものがあったとか、特に合流協議のときはそういったメッセージがじゃんじゃん来たのかとか、そのあたりはいかがか。

【代表】
 党内部の話なので、あまり詳細は差し控えたいと思いますが、印象に残っているというのであれば、選挙期間中に秋葉原でアムロの格好をしたときに、あれは軍事アニメなのでよくないとか、ちょっとアムロはないだろうとか、そういうご意見をいただきまして、多少反省しました。

○教員間いじめ問題について

【フリーランス・堀田記者】
 かんぽの問題が全然解決されていない。ここのPTでは、NHKが屈してからかんぽをやって、全くとんちんかんなことをやっている。増田さんにかわってからもとにかくだめですから、かんぽ・NHKではなく、かんぽ問題としてここでPTをやってください。それは国民のためですから。
 それから、私は東須磨小学校の問題に関してPTをやれと言った。そうしたら、立憲の兵庫の水岡さんたちはだめ、それから那谷屋さんもだめ。城井さんは、とにかくやりたいと。2、3日前に自殺した方がいらっしゃった。とにかく、神戸方式がどうのこうのというよりも、教員の重労働の問題もあるからやれと言うが、水岡さんも那谷屋さんもやってくれない。城井さんは前向きで、やりましょうと言うが、力の関係で開かなかった。こういうの、どう思いますか。本当に国民が気にしていることをやらないで国会議員と言えるのか。

【代表】
 厳しいご指摘だと思います。私も東須磨の教員のいじめの問題については強い関心を今も持っていますし、おっしゃったような、先般関係者がみずから命を絶ったということは非常に痛ましいことだと思います。因果関係等については今後調査が必要だと思いますが、ただ、こうしたことは、本来子どもに対してお手本を示すべき先生が先生に対していじめをする、そういったことが人事権を背景に構造的な問題として存在しているということは、これはもう絶対に改めなければいけない問題だと思っています。今おっしゃったような背景があってPTなりヒアリングが開かれなかったかどうかについては私は承知しておりませんが、今回命を絶った方がいらっしゃるということを踏まえて、改めて背景がどうだったのか、そしてあの後どのような改善が行われているか、教育委員会も含めて、そこはしっかりと我々としても調査していきたいと思います。

○党大会について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今週の日曜日に「立憲フェス」があり、来週の土曜日に御社の党大会がある。この間まで合流協議をやっていたわけだから、党首クラスというのか、お互い挨拶するのかどうかわからないが、見に行くとか、そういうのはないのか。すると、これはやはりだめなんだという感じがしてならないが、この間まで協議したわけだから、最低でも党大会ぐらい訪ね合うとか、そういうのは両党にはないのか。

【代表】
 今どのようにそれぞれのイベントで党首なり幹部が出るかについてはちょっと把握しておりませんが、ただ、それぞれの党大会等で議決する活動方針については、引き続き門戸を閉ざさずに協議を行っていく旨の記述が双方にあるやに理解しておりますので、我が党としても粘り強く協議をしていきたいということは確認をしたいと思っております。

○地方経済政策について

【フリーランス・田中記者】
 消費税で地方の経済が瀕死状態になっていて、四国の徳島で商売をやっている友人に聞いたら、玉木代表のお膝元の香川はまだいいほうだと。もうシャッター街なんていうものではない、ゴーストタウンになっていると。私が実際見に行ってもそんな感じだった。もし玉木さんが政権をとったら、地方経済をどう立て直していくおつもりか。

【代表】
 まず、地方の現状ですが、四国について言及いただきましたが、簡単な状況ではないです。特に四国の中で言うと、瀬戸内海側の香川・愛媛はまだいいと言われていて、徳島・高知、このあたりはより厳しいと。人口減少も他の2県に比べても激しいということですから、その意味での地方経済の疲弊感というのを私も身をもって感じております。
 やはりお金の流れを変えていかなければいけないと思っていて、今、どうしても大きいところ、大都会、大企業ばかりにお金が集まるという構造に税制も含めてなっているので、地方にもっと権限や財源や、そういったものがより柔軟に渡るような仕組みに変えていかなければいけないと思っています。
 あと、地域においては何といっても第一次産業や、それに伴う食品関連産業というのが極めて大事なのですが、今どちらかというと、農業にしても漁業にしても輸出を中心に考えようということになっていますが、やはり地域の経済の中でお金を回していく。あるいは、そこに近くに消費者・需要者もいるわけですから、そういった地域でお金が回るような仕組みや、その中で重要な役割を果たす第一次産業をしっかりと強化していく、支援していくということが地方経済にとっては大事だと思っています。