玉木雄一郎代表記者会見
2020年3月18日(水)17時10分~17時28分
発行/国民民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/wxa5on-DUro
■冒頭発言
■質疑
- 「家計第一」の緊急経済対策について
- 衆院静岡4区補選 候補の一本化について
- 森友学園問題について(1)
- 原口国対委員長の安倍政権評について
- 憲法論議について
- 「五輪開催見通し」「静岡4区補選」について
- 森友学園問題について(2)
- 新型肺炎 特措法改正案の対応について
- <告知>新型肺炎に関するご意見・ご要望の窓口を設置
■冒頭発言
○「家計第一」の緊急経済対策を取りまとめ
【代表】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって日本経済そして世界経済に大きな影響が出ています。こうした経済の悪化を踏まえて、国民民主党として本日正式に我が党の緊急経済対策、「家計第一」の緊急経済対策をまとめさせていただきました。
ここにパネルをつくってまいりましたが、総額30兆円の緊急経済対策であります。まず、リーマンショックを超える経済危機が発生しつつある、3.11の東日本大震災を超える経済危機が発生しつつあるという認識のもとに立って、年率換算で5.5%マイナスの成長になる、そのことを予備的・予防的に防ぐという観点から30兆円規模の対策が必要だということで今回取りまとめさせていただきました。
柱は三つです。
まず、緊急に急ぐ対策として、個人の生活保障。非常に、学校の休校などで会社を休まなければいけない、あるいはお客様が来なくて働く時間が短くなっている、さまざまな理由で生活が非常に苦しくなっている方がいらっしゃいます。また、消費が非常に縮んでいるという中で、迅速かつシンプルに消費の減少そして所得の補償に応えるために、国民一人当たり10万円の給付を速やかに行う。約10兆円規模の給付措置を行うというのがまず一つ目の柱であります。
二つ目は、今回の特に学校の休業や、あるいは大規模イベントの自粛依頼によって、大きな影響を受けているイベント関係、旅行関係、そして飲食、こういったさまざまに経済的な影響を受けているところに対する減収補償ということを行っていきたいと思います。例えば農業の分野では過去の収入の平均値から減収した分の9割を補填するというスキームがありますが、そういったものを参考に、中小・小規模事業者を中心に減収補償を行っていく。これが二つ目の柱です。
三つ目は、家計の減税を行って家計消費を下支えしていきたいということで、私たちは消費税率現在の10%を約1年間程度半分の5%に引き下げることによって家計所得の減少をサポートしたいと思っております。
そして、この三つの柱に加えて、最も急ぐ対策として、ちょうど年度末を迎えますので、各種税金の支払い、消費税を含めた納付期限が迫っていますので、その税金や、あるいは社会保険料、公共料金、そして金融機関への債務、こういったさまざまな支払いの期限が来ますが、これを原則全て半年猶予するということをあわせて実現をし、家計を助けていきたいと思っております。
総額30兆円規模ということですが、日本の予算規模が大体103兆円ですから、1年間の予算規模の29%ぐらいになろうかと思います。昨夜アメリカで発表された1兆ドルの緊急経済対策はアメリカの予算規模でいうと20%強ぐらいですから、我々としても同じようなタイミングで大規模な経済対策を行っていきたいと思います。アメリカも2500億ドルの小切手を配るという政策もそこに入っておりますので、1000ドルと言われていますから約10万円強ということなので、我々としても、日米が連携して徹底して消費刺激をしていくんだと、家計消費の刺激をしていくんだというメッセージを同時に出すことによって、この世界同時不況、コロナ不況を悪化する前に防ぐことができるということでも意味のある政策だと思っております。
きょう我が党としてこの案をまとめましたので、共同会派を組んでいる他党にもこれを働きかけまして、できれば我々としてのこの案を共同会派としてもまとめて、政府に申し入れをしていきたいと思っております。
■質疑
○「家計第一」の緊急経済対策について
【フリーランス・宮崎記者】
与野党の協議体ができ、二階幹事長がやはり経済対策の話になるというふうなことがあったが、党として与野党の協議体のほうに先に投げるということはあり得るか。
【代表】
政調会長がメンバーとして参加されるので、どのような形で各党の意見を表明するようなルールになるのかちょっとわかりませんが、その場が持たれる前に速やかに共同会派の他党にもこの案を働きかけて、我が党としての案を聞かれればもう用意していますからこれを答えますが、共同会派にも働きかけて、できればこの案で共同会派全体の案として政府に働きかけていきたいと思っています。
【フリーランス・安積記者】
一人当たり10万円支給の件だが、将来の生活が不安なので、貯蓄のほうに行かずに消費になるべく多く回すには、現金ではなく違うような支給というか、そういう方法があると思うが、そういうところの具体策はお考えか。
【代表】
政調を中心に具体的な給付の方法については考えていきたいと思います。やはり現金が一番早くて便利というところがあるのですが、おっしゃるとおり貯蓄に回ってしまう可能性も高いので、その点については、例えば期限つきの金券を新たに政府から発行するとか、あるいは期限つきの電子マネーやポイントとして給付するということも考えていきたいと思っています。
具体的なことについては今詰めておりますが、ただ、とにかく急ぎ、速やかに簡潔に支払えるような方法でやっていくことが大事だと思っていますし、アメリカも2週間以内に配るということで言っていますから、我がほうとしてもやはり年度内とか、できるだけ早く、困っている国民のもとに届くような方法で給付していきたいと思っています。
○衆院静岡4区補選 候補の一本化について
【日本経済新聞・島本記者】
昨日、静岡4区補選の統一候補が決まったと思うが、どのように選挙戦に臨むか、改めてコメントをお願いしたい。
【代表】
各党の努力によって一本化が図られたことはよかったと思います。いい候補者ですので、もう残された期間は短いのですが、しかもコロナ対策によって通常の大規模集会とか握手とかが非常に難しい中で、ネットなども活用しながら、みんなで力を合わせて勝利に向けて頑張っていきたいと思っています。
○森友学園問題について(1)
【共同通信・中田記者】
森友学園問題の関連で伺いたい。本日発売の「週刊文春」に、近畿財務局の職員の方の遺書や手記が公開された。佐川元理財局長とか、そういった方々の答弁とは割と違う内容が書かれていて、野党のほうでも検証チームを立ち上げるということだ。代表が読まれたかどうかわからないが、この事案等々に関するご所見を伺いたい。
【代表】
私もこの問題は国会でも取り上げたことがありますが、まず亡くなられた職員の方に改めてお悔やみを申し上げたいと思いますし、ご遺族の方も今なお消えない心の傷を負っていると思いますのでお悔やみを申し上げたいと思います。
その上で、財務省・大蔵省という役所は、私もいたからわかるのですが、組織が人を守った役所だったのです。時には仕事で無理を強いることも多いので、そのかわり組織が人を守るから、だから思い切って突っ込んでこいということが伝統としてあった役所でありました。上司は何かあったら責任をとるし、特にノンキャリアの方の能力を評価し大切にしてきた組織だったのです。でも今回起こっていることは逆で、下に責任を押しつけて上が責任をとっていない。「上」というのは大臣も含めてですよ。こんなことを続けていたら優秀な人は絶対集まらないし、組織は死にます。
今回やるべきは、改めて、「国会から言われるから」「ほかから言われるから」ではなくて、財務省みずからがもう一度再調査を徹底的にやって、本当に一体何が起こったのか、本当に忖度(そんたく)があったのかなかったかも含めて厳しく再検証すべきだと思います。そうでなければ、財政規律とか、増税とか、あるいはいろいろなことを言えるような組織ではなくなりますから。ですから、改めてここは厳しくみずからを律して再検証して、政権や総理や大臣にも忖度することなくしっかりと客観的に再調査をすべきだと思います。
○原口国対委員長の安倍政権評について
【フジテレビ・髙橋記者】
原口国対委員長がきょうの午後の国対役員・筆頭理事合同会議で、安倍内閣について、コクピットに乗った日光さる軍団の猿というような趣旨の発言をされた。この発言に対する代表のご認識を伺いたい。
【代表】
直接発言を聞いていないので、すみません、あまり的確なコメントができませんが、もちろん与野党厳しく、私も時には熱くなって国会での論戦をしますが、そこは一定の礼節を持って接することが大事だと思いますので、私も含めて言葉には気をつけたいと思います。
○憲法論議について
【日本経済新聞・島本記者】
自民党が昨日の両院総会で運動方針を決めたが、憲法改正について、「国会発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」と盛り込んでいる。現状コロナ対策とか与野党を挙げてやっている中で、憲法の議論についてはどのような認識を持たれているか。
【代表】
議論を進められればいいと思うのですが、ちょっと優先順位が、今はコロナ対策に全力を挙げるべきだと思いますし、私は前も総理に申し上げましたが、あまりやる気を感じませんね。審査会でしっかり議論すればいいと思いますが、安倍総理自身、自民党さん自身、どれだけ憲法改正に本当に力を入れておられるのか、入れようとしているのか、私は疑問を感じています。
○「五輪開催見通し」「静岡4区補選」について
【フリーランス・横田記者】
五輪開催の見通しについて、官邸で極秘で検討していることを含めて国会に報告するべきかどうかということと、静岡補選で消費税5%を入れる可能性があるのかどうか、あと実効的な避難計画イコール実質的な再稼働反対という認識でいいのか伺いたい。
【代表】
まずオリンピックについては、相当これは厳しいと思います。代表選考会が日本だけではなくて世界で開かれないので、仮に日本がおさまったとしてもヨーロッパ・アメリカが相当厳しい状況だと思いますから、大事なことは、もう延期をするならするで早く表明をして、それに対する対策をとったほうがいいと思います。今回の30兆円の景気対策にはオリンピックが延期または中止になった場合の約8兆円の減収も見込んだ対策を組んでおりますので、その意味では4月に出すと言われる政府の対策もオリンピックがあるかないかで全然違いますから、景気対策を組むのであればオリンピックがあるのかないのかを明確にした上で組まないと、なくなったらもう一回補正ですかという話になるので、それでは間に合いませんから。だから、早めに、やめるならやめる、中止するなら中止する、延期なら延期、これを早く国民と世界にお示しするのが責任ではないかと思います。
消費税に関しては、たしか13項目の中には消費税についての言及もあるのですが、5%とは必ずしも明確に書いていなかったので、そこはこれからの協議になろうかと思います。我々は今回緊急対策としては5%ということを言っていますが、先ほど申し上げたように、他の会派にもこれから諮っていかなければなりませんので、合意すれば5%で戦うということも一つの案になろうかなと思いますが、現時点では5%ということで合意したことではないと思います。
原発についても、これは書いてあるとおりで、やはり地元の合意がしっかりとれているとか、そういった要件を満たさないと再稼働は認められないということでは一致していると思いますので、そういったこれまで言ってきたことを踏まえてやっていきたいと思っています。
○森友学園問題について(2)
【NHK・米津記者】
森友学園の関連で伺いたい。先ほど、財務省が調査するべきだというお話があったが、国会での追及、証人喚問も含めて、そのあたりのお考えをお聞きしたい。
【代表】
それは先ほど国対のほうで再調査のチームをつくりました。であれば、そこでしっかりと話を聞くべきだと思いますし、あとはやはり特別委員会を設けてきちんと、何というか、あまりスキャンダルというよりも事実を厳格・厳密にしっかりと明らかにすることが必要だと思います。いまだに値下げの理由自体もよくわかっていませんから、会計検査院も含めてしっかりとした徹底的な真相の解明ということをこの際やるべきだと思いますから、できれば国会では特別委員会を設置して専門で集中して議論を深めていけばいいと思っています。
○新型肺炎 特措法改正案の対応について
【フリーランス・堀田記者】
コロナの特措法の本会議において、国民民主党は守ったが、立憲のほうで2人、それから1人退席した。かつて補正のときに枝野さんは、羽田さんと増子さんが協定破りをしたということで、けじめをつけてくれと言ったが、この大事なことで立憲が約束を守れなかった。けじめをつけてくれと言うべきか。
【代表】
他党のことについてはコメントは差し控えたいと思います。
○〈告知〉新型肺炎に関するご意見・ご要望の窓口を設置
【代表】
政府・与野党連絡協議会ができたことを踏まえて、いろいろな声を政府により届けやすくなったと思いますので、本日、ホームページ等でも、我々として新型コロナ対策についてのご意見・ご要望を受けつける正式な窓口をつくりましたので、それを踏まえて全国からどしどしご意見をお寄せいただいて、我々の政策や国会の論戦にも反映させますが、これから開かれる政府・与野党連絡協議会にも反映させていきたいと思いますので、しっかりとそういった声も窓口をつくって受けとめる体制を強化していきたいと思います。