玉木雄一郎代表(オンライン)記者会見

2020年5月1日(金)15時02分~16時01分
発行/国民民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/TMyOBSxmmaQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【代表】
 それでは、ただいまから代表記者会見を始めたいと思います。きょうは私が全部、司会も何から何までやりますので、よろしくお願いします。

○天皇・皇后両陛下のご即位から1年に当たって

【代表】
 まず冒頭、本日5月1日をもって天皇・皇后両陛下のご即位から丸1年となりました。まず、改めてこの1年間を振り返って、ご即位から1年ということについてお喜びを申し上げますとともに、両陛下のますますのご健勝と皇室の弥栄(いやさか)を心からお祈り申し上げたいと思います。
 一方で、今、この(新型)コロナという非常に難しい状況にありますが、皇室典範特例法の附帯決議で定められた安定的な皇位継承の問題についてはやはりしっかりと議論をしていかなければならないと思っていますので、我が党でも津村啓介さんのもとでこの議論をしておりますが、やはり女性天皇、女性宮家、あるいは旧皇族の復帰の問題等々、さまざまな論点から議論していかなければなりませんが、我が党としては一定の考え方をまとめておりますので、ぜひ政府におかれても速やかな検討・議論を始めてもらいたいと思っています。

○「消毒液代替品の酒税免除」「希望する妊婦の休業対応等の義務づけ」が実現

【代表】
 次に、きょう5月1日に幾つかの新しいことが決まりました。我が党の議員が積極的に取り組んできたことを特に二つ。
 まず一つは、消毒液に使うお酒についての酒税の税率が引き下げられることが決まりました。これは我が党の古川元久議員、あるいは泉健太議員を初めとした、あと大西健介議員もそうですが、國酒議連の人たちが中心となって働きかけて、きょう5月1日にそれが認められることになりまして、その意味では政策が一つ実現したなと思って、大変うれしく思っています。
 もう一つは、これは矢田わか子議員が中心となって取り組んでまいりましたが、妊婦さんのコロナウイルスの感染予防対策でありますが、本日、加藤厚生労働大臣が、妊婦さんが申し出た場合には在宅勤務を義務づけるということが大きな方針として出されましたので、これも全国の妊婦さんからの要望をしっかりと受けとめて矢田わか子議員中心に我が党として取り組んできた政策が実現したと思っています。
 この5月1日、二つの大きな進展があったことは喜ばしいし、報告をさせていただきたいと思います。

○「学生支援法案」「9月入学・9月新学期」の提言について

【代表】
 次に、二つ、特に教育関係でこれから取り組んでいきたいことについて報告、ご説明を申し上げたいと思います。
 一つは、これはまた野党としてまとまって法案を出していきたいと思いますが、今、新型コロナの影響でバイトが激減したり、授業が受けられないのに学費の請求が来たりということで、非常に学生さんも困窮している。そんな中で、大学を超えて学費を半額にしてほしいという署名活動も行われ、先般、文部科学省にも副大臣のところに陳情に行ったということも聞いております。その上で、困窮学生支援法というか、学生を支援するための法案を連休明けにも提出をしていきたいと思います。
 柱は大きく二つです。
 一つは、上限を設けた上で学費を半額にしていきたいということであります。そのためには、一義的には各大学が行いますが、その大学の行った学費の半減・免除について、上限を設けた上で国が100%、その学費免除の資金を国が負担する。現在も運営費交付金や私学の補助金ということでそういった仕組みがありますが、この補正予算には7億円という少ない額しか積まれていません。2000人ちょっとの対象者しかその対象にならないので、これを大幅に拡充していきたいと思っています。
 二つ目の柱は、アルバイトなどで生活、そして学費の支払いを行っていた学生さん。50%以上そういった収入が減少するような場合については特別な一時金を学生さんに給付したい。20万円という額を考えておりますが、持続化給付金が中小企業等に対してあるのと同じように、収入の減少した学生さんに対して特別学生給付金といったような種類の定額の給付金を交付したい。
 この大きな二つを柱とした法案を出していきたいと思います。
 財源的にいうと、おおむね1兆円強、1兆円から1兆3000億円ぐらいの規模のものになろうかと思います。今、第1次補正では7億円ですが、それをはるかに上回る、大きな、1兆円規模の支援策。それを支える法案として提出をしていきたい。7日に共同会派の部会が行われて、11日の週ぐらいには提出にこぎつけたいと思います。これも家賃に次ぐ大きな柱として、学費というのは学生にとってはある種の固定費ですよね、それを払わないと学業は続けられないということでありますから、学生にとってのある種の固定費の部分を、生活していく上での固定費をしっかりと、影響を受けた分については見ていく。そのことを法案の形としてしっかりと出していきたいと思っております。
 もう一つは、「9月入学」についてでありますが、これは我が党がいち早く4月27日にワーキングを設置して第1回の会合を開いて、本日午前中に第2回のワーキングチームの会合を開催し、いわゆるメリット・デメリットということを取りまとめ、現時点での論点整理、提言を私と政調会長に対して、ワーキングチームの座長である城井崇議員からその提言を本日受け取りました。
 大切なことは、子どもの学びの機会をしっかりと保障していこうということであります。国会でも申し上げましたが、今、さまざまな理由で子どもの学びに穴があいていて、それをしっかり埋めていくということが大事ですし、とりわけオンライン教育については地域差あるいは所得による差によって格差が生じているということで、ある意味、学びの仕切り直し、これをしっかり行っていく必要があるだろうと。学事日程を後ろ倒しすることによって、いわゆる教育格差の是正とか公平な教育機会を確保するということを目指していく、その一つの方策が「9月入学・9月新学期」ということになろうかと思います。
 我が党の検討状況ですが、きょうこうして提言をもらいましたので、今後は共同会派全体の議論になっていくと思います。いずれにしても、今申し上げたような教育格差の是正とか、学びに穴があいているところをいかに埋めていくか、キャッチアップしていくかという、子どもたちの観点からの議論ということをしっかりやっていきたいと思います。ただ、一方で、会計年度とずれがあるとか、こういう時期に急いでやるのはどうかという、そういったご意見もいただいておりますので、さらに議論を詰めていきたいと思いますが、とりあえず9月までにオンライン教育の環境は全ての子どもたちにいずれにせよ整えていかなければいけないと思いますし、本格的に9月入学あるいは新学期ということであれば現実的には来年度からの本格スタートということが現実的な選択肢ではないかと思っております。いずれにしても、さらに我が党の案を踏まえて会派全体としても議論を深めていきたいと思っております。政府からも議論が行われていくということですが、しっかりと我々としても論点を整理しておかないとそういったもののチェックもできませんので、早急に、我々としても速やかに会派全体としても考え方をまとめていきたいと思っております。
 きょうの提言については後ほど配布したいと思います。
 特に気をつけなければいけないのは、ある意味、第二の氷河期世代をつくらないということが大事だと思います。入試のことをすごく心配されている学生さんもいますし、就職のことを心配されている学生さんもいるので、特に推薦入学とか英語入試をする子どもたちは、もう本当だったら受けておくべき英検の試験とか、あるいは場合によってはインターハイで一定の成績をおさめて体育の分野での推薦という、そういったことも期待していた子どもたちがその機会を奪われるのではないのかということもありますので、入学や就職ということに影響が及ばないような、そのことに特に重点を置いて取り組んでまいりたいと思っております。
 以上、学費の免除等に関する法案と、そして9月入学、入試に関する、二つの大きな政策についてこれまでの取り組みと今後の方針ということについて話をさせていただきました。


■質疑

○「9月入学・9月新学期」の提言について(1)

【「ニュースソクラ」・土屋記者】
 9月入試の件、大きな趣旨では大変いいことだと思うが、例えば私立大学などで、9月になることで半年間期間がずれると、その間の授業料が入ってこないことになるのではないか。全国の大学生で授業料を換算すると1兆5000億円ぐらいになるが、それは誰が負担すればよろしいとお考えか。

【代表】
 このこともきょうの提言の中の検討すべき課題の中に入っておりまして、学事暦が変更された場合に延長された分の追加的な教育費の支援をいずれにしても十二分に行う必要があるということになっていますので、公的な支援も含めてそこは埋めていかなければならないと思っています。ただ、誰がどれだけ負担するのか、その負担の割合等についてはこれから検討していかなければなりませんが、おっしゃるとおり、延びた分の追加の教育費の支援については当然重要な論点として考えていかなければならないと思っています。

○学生支援法案について(1)

【朝日新聞・山下記者】
 学生支援の法案について何点か伺いたい。
 代表が先ほどおっしゃった内容は、立国社の共同会派として骨子としてほぼ固まったものだという理解でよろしいか。まだ調整の余地があるところ、変わったりするところはあるか伺いたい。

【代表】
 あらあら固まっています。連休中により詳細な要綱をつくりますので、大きな方向性としてはこういう方向でいきたいと思っております。

【朝日新聞・山下記者】
 中身を何点か、付随して伺いたい。学費を半額ということだが、上限ありとおっしゃった。上限はどのぐらいの水準で考えておられるか。

【代表】
 そこがこれから詰めていくところなのですが、例えば一つは私立大学の理系の学部の平均、大体111万円と言われていますが、その半額を上限とする。つまり55万円ということになりますので、原則半額・半減なのですが、比較的高いとされる私立の理系の平均授業料111万円の半額を上限とするということで一つ考えています。これだと大体1兆円強の予算ということになります。もともと1年間の全ての授業料でそれを半減させるということになると1兆4000億円ぐらい要るのですが、新制度で一部授業料免除になりますから、そこは2500億円ぐらい既に予算計上されていますので、それを除くと1兆円強というようなイメージです。

【朝日新聞・山下記者】
 今、補正には7億円積まれていて、大幅拡充と代表は先ほどおっしゃったが、これはやり方としては私学助成とか国立大学の運営費交付金を積みますというか広げていくことになるか。

【代表】
 そうですね、そういうイメージになると思います。減免するために必要な財源を国から大学に支援する、そういう仕組みになります。国立大学の場合は運営費交付金ですし、私立大学の場合は私学の経常費の補助ということでやることになろうかと思います。

【朝日新聞・山下記者】
 最後、関連で一点。学生さんの中には奨学金の返済で負担を抱えている方もいらっしゃると思うが、奨学金のところで何か支援策というか、どういう方法があるか。

【代表】
 奨学金については、新制度で給付型の奨学金ということで新たにこの4月から返さなくていい奨学金が始まっていますが、現役の方はまさに受けているのですぐに返さなくていいのですが、あわせて考えていかなければいけないのが、最近まで学生だった人ですね。つまり、学業を終えて卒業されて、さあ奨学金の支払いだというときに、彼らも非常に、20代から30代にかけての若い元学生の方々の奨学金債務をどうするのか。これは2月か1月に前原誠司議員が予算委員会でも提起した問題ですが、ここについても我々は対応していきたいと思っています。現役の学生さんと、元学生さんというか、奨学金の返済に困っておられる、社会人として頑張っておられる若者。ここに対する支援もあわせて考えていきたいと思います。

【朝日新聞・山下記者】
 それは今回の法案というよりは、今後のさらなる検討というか、そういうイメージか。

【代表】
 ぜひこれも入れていきたいと思うのですが、法律事項にするのか予算措置でいけるのか、そういったことも含めて調整したいと思います。いずれにしても既存の奨学金債務についても軽減することが不可欠だと思いますし、学生支援機構などでも既にそういった債務の支払い延期といったものが定められていますが、所得に応じて、つまり支払い能力に応じて支払う額が変わっていくような仕組みもしっかりと拡充していかなければならないと思っていますので、場合によっては法律事項が必要であればあわせて法改正にも盛り込んでいきたいと思います。

○オンライン学習の環境整備について

【日本テレビ・伏屋記者】
 先ほどオンライン学習を9月までに環境整備とおっしゃったことについて伺いたい。今現在、私立学校や私塾などではオンライン授業が盛んに行われている一方で、公立学校ではオンラインを利用した学習の取り組みがほとんど行われていないと言われている。代表は別の機会でも日本のオンライン学習の環境整備について各国の例などを挙げておっしゃっているが、家庭ごとの環境や所得の差、あるいは自治体ごとの体力の差などもある中で、目下どういう策があり得るとお考えか。もう少し具体的に、中長期的な目線も含めて伺いたい。

【代表】
 これはこの前、国会でも取り上げましたが、明らかに地域差、あるいは公立学校と私立学校の差とか、あるいはもっと言うと親の所得によっても、子どもたちが受けているオンライン教育には大きな差異が出てきています。時間がたてばたつほどこれは格差が広がっていくと思いますから、早急に対応することが必要だと思います。ですから、まずそのためにも、9月1日からはもう完全な状態で始められるように、ある種期限を切ってやらなければいけないという観点から、9月からの新しいスタートと再スタートが切れるように5・6・7・8のこの4ヵ月間は徹底的に、オンライン教育に日本の教育を変えていく集中期間として取り組まなければならない。
 既にギガスクールの構想などで前倒しでやるようにはなっていますが、まだまだ遅いし、うちの地元の香川県でもそうなのですが、先生のそういったスキルとかWi‐Fi環境によっては、もうやらないと宣言しているところもあったりして、それではちょっと子どもたちがかわいそうなので、ここは国・県・市町村それぞれ連携してもう一度その計画の前倒しであるとか、あるいは双方向の授業にサーバーとか機器のスペックが耐えられないという話も聞こえてきていますので、必要であれば今回の予備費を使って新たにそういった適応したハイスペックの機器を通信環境も含めて早急に整備をしていく。あともう一つ、急ぐのであれば、高校生などではもう既にスマホの保有率とかも高いですから、いわゆるブリング・ユア・オウン・デバイス、BYODと言われる、個別に自分が持っている機器を使って早急にそういった環境を整えていく。まだ持っていない人はその中でも数%いますから、そこに対する貸与とか、あるいはそういったものを買い与えるとか、とにかく早く進むような方策を早急に打っていくということが大事だと思います。

○「会期延長論」「追加経済対策の必要性」について

【共同通信・中田記者】
 代表、誕生日おめでとうございます。

【代表】
 ありがとうございます。

【共同通信・中田記者】
 話が変わって恐縮だが、国会の会期について。代表はきのう経済対策、第1次補正の不十分性と追加の対策の必要性を指摘されていたが、今、国会の中でも会期延長論を唱える方も出てきている。経済対策の追加の必要性も踏まえ、代表はこの会期延長論についてどのようにお考えか。

【代表】
 まず、今、年金のこととか検察官の定年延長の法案とか出ていますが、そういうコロナ以外の不要不急の法案はもう取り下げて、まず、我々が提案しているような家賃の支払いを支援するような法案であるとか、これから出していく学生の学費を軽減するような法案とか、本当に急ぐものを先にやって、急がないものはそういったものが終わった後に延長してでもやればいいと思います。
 もちろん会期内に全ての閣法を成立させたいというのが政府の方針かもしれませんが、もう有事ですから。我々だって今、厚生労働大臣にコロナ以外の質問をしたくないですよ、はっきり言って。だから、そこは政府側にもきちんと判断を求めたいと思いますが、逆に延長して重要性の低いものについてはその延長の枠の中でやるとか、そういうことを政府がむしろきちんと整理をした上で我々野党にも説明をすべきではないですか。であれば我々も、そういうことであれば延長を受け入れますと合意できると思いますから。
 延長するかどうかではなくて、まず優先順位の高い法案等を先にやって、優先順位の低いものは後回しにして、それがどうしても延長が必要であるということであれば、そこは与野党でしっかり話し合って決めていけばいいと思います。

【共同通信・中田記者】
 代表はきのう追加の経済対策についても必要性を指摘されていたが、そういったものを策定していく上での延長の必要性についてはどうお考えか。

【代表】
 この1次補正が25兆円規模で決まりましたから、当面はその執行を急がなければいけないと思いますが、延長を決めるのであれば、特に総理は「持久戦」になるという言葉まで使っておられますが、ただ、持久戦に入るのに武器も弾薬も食料も兵站も何もないんですよ。5月6日までの、ある種この延長の幅の中での1次補正だったと思いますから、それが延長されるのであれば、その延長という新しい状況を踏まえた補正予算の編成は速やかに、経済対策の編成は速やかに行わなければなりませんし、それに応じて(会期)延長が必要であれば延長していくことも必要ではないかと思います。
 先日申し上げましたが、きょうちょうど民間の4月-6月のGDPの成長予想の平均値が出ました。マイナス21%の年率換算です。GDPが550兆円としたらマイナス21%といったら120兆円マイナスですから、今回は25兆円の財政出動をしましたが、「Go To キャンペーン」のようにすぐには出ていかないお金もありますので、実質20兆円としても100兆円足りません。通常のGDPの水準を維持するためにも最低でも真水で100兆円必要ですから、私が申し上げているような100兆円規模の財政出動を、100年国債である「コロナ国債」を発行して万全の生活保障と休業補償をやるんだという、それとセットで延長を言わないと、もう国民の心が折れて、本当に今月から失業と倒産と廃業と自殺者が増大すると思います。そんなことを絶対やってはいけないので、最低でも100兆円規模の十分な経済対策を講じるべきだと思います。

○財政政策について

【フリーランス・宮崎記者】
 まず、代表、誕生日おめでとうございます。国債と長期金利に関して伺いたい。28兆円追加で特例公債や建設公債、いわゆる赤字国債の追加発行が決まったわけだが、長期金利はさほど変化していない。長年財務省などが国債を大量に発行すると長期金利が高騰してしまうということを言ってきたが、ちょっと違うなと。日銀が買ってくれるからということだが、その点に関して代表のほうで感想はどのようにお考えか。

【代表】
 金利というのは、ある種のお金の値段です。お金に対しての需要が高まると金利は上がっていきます、民間であれ政府であれ。ただ、今、世界的に需要が落ち込むような状況では、世界的に資金に対する需要が下がっているというか上がらないという状況ですから、今は金利上昇についてさほど心配するような状況ではないということです。ですから、もちろんバックアップ機能として日銀が上限なく購入するというのは一つの安心感ですが、仮にそれがなくても今は金利が上がるような状況ではありませんので、むしろこの世界的にも資金需要が低迷している、あるいは低金利の環境を生かして、長期で固定の低利の資金調達をして、それを潤沢に必要なコロナ対策、特に生活の保障と休業補償に充てていくということが、今、政策としては一番適切だと思いますので、金利の上昇については心配していません。

【フリーランス・宮崎記者】
 財務省主計局が、やはりちょっと財源を気にしたのかなというところでの、一律10万円だとか住民税非課税で20万円だとかいう混乱のもとになったのではないかと思う。古巣というか、まだ先輩が多いかと思うが、財務省主計局は大胆に気にしないでやってもらいたいと思われるか。

【代表】
 財務省は、もうそんな力ないですよ。この前、産経新聞の記事か何かで、財務省が抵抗したとありましたが、もう7年以上政権を持って、しかも内閣人事局があって気に入らない人は飛ばしまくっているわけだから、それは最後、全部政治の責任ですよ。麻生さんなのか官邸なのか誰かわかりませんが、踏み込めない責任は役人にあるのではなくて政治にあります。だから、財務省悪玉論ということにいつまでもとらわれないで、政治が、政権が決断できないということについてもっと光を当てるべきであって、今の自民党政権の判断の遅さと、余りにも出し渋る、何をやるにしても判断が遅いというのは全て政治の責任、安倍政権の判断ミスだと思いますので、それではだめなんだという対案をしっかりと発信していきたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 今のお話の中で、政治家だが、麻生財務大臣が財務省にいい顔をしたいというか、そういったところと、岸田政調会長がどうしても麻生派会長でもある麻生財務大臣にやや頭が上がらない点もあるのではないか。全て推測の世界で恐縮だが、その麻生財務大臣が今回ある程度抵抗したということで、スピードが1週間以上遅れた。1週間どころではなく、諸外国に比べれば2ヵ月遅れくらいのスピードだが、スピードを阻害していると見られているか。

【代表】
 日本ぐらいなんですよね、個別の大臣のキャラクターで政策がどうなるかこうなるかというのは。でも、財務大臣の任命権限も全て総理の責任ですから、そういうことで抵抗される財務大臣を置いていることも含めて安倍総理の責任ですから、全て政権の責任ということだと思いますので、個々の大臣あるいは政治家がどうこうということには興味ありません。これは安倍政権の責任です。

○追加経済対策の必要性について(2)

【J-CAST・工藤記者】
 けさ自民党の若手のグループが「国民を守るための『真水100兆円』」といった提言について記者会見した。国民民主党さんも100兆円ということで近いことをおっしゃっていると思うが、これについての受けとめ、あるいはこの案が自民党の中で合意が得られて法案として出てきたときには歩み寄る余地があるかどうか、そのあたりについて伺いたい。

【代表】
 ぜひ自民党の中のそういった100兆円規模でやろうという方々には党内で頑張っていただきたいと思いますし、ぜひ党の政策にしていただきたいなと。もしできないのだったら集団離党してでも我々と連携してやりませんかと呼びかけたいです。それぐらいの政治的な覚悟と判断を持って決断していただきたいと思います。幾らでも連携します。

○学生支援法案について(2)

【フリーランス・安積記者】
 まず、おめでとうございます。51歳、まだまだ見た目も若いので頑張ってください。
 先ほどの、アルバイト学生に20万円支給という件だが、前年度の給与というかアルバイトの金額と比較して50%以上減った場合ということだが、これは個人事業主100万円・中小企業200万円の例の支給の基準と同じように12ヵ月のうちの1ヵ月で50%以上減った場合に12ヵ月分掛けて20万円上限とするのか、それとも1ヵ月に20万円にするのか。
 それと、前年度との比較だと、ことしから入学予定でアルバイトを予定していた人たちもやはり生活苦になるわけだが、この人たちについてはどうされるご予定か。

【代表】
 今、そこをまさに詳細詰めています。
 基本的にはアルバイトなどの収入が前年の同月と比べて50%以上減少している大学院生・大学生・専門学校生ということを考えているのですが、おっしゃるとおり1年生は前の年は高校生あるいは浪人生だったりするので収入所得がありませんから、そこについてどうするのかということについては、同じバイトをしていても例えば4月と5月を比べて4月より5月が激減しているとか、前の月と比べるというようなことも含めて、1年生については少し特例的な所得の減少把握のやり方を検討しております。前の年の収入がある方についてはいずれにしろ大きく減少したことの証明が必要なので、大きく減少している、前年度がある人はそれでいきたいと思いますが、前年度が必ずしもない方については任意の、減少の変化がはかれればいいので、前の月とかそういったことで判断をしていきたいと思っています。零細事業者で帳簿がなかったりして、走り書きであるとかちょっとしたメモとかで収入減少がわかれば、そこは柔軟に認めるということ(と同様の対応)でやっていきたいと思っています。

○憲法論議について

【時事通信・近藤記者】
 2点伺いたい。
 一点が、憲法記念日を前に憲法改正に対する考え方など、今この状況で緊急事態条項などで憲法議論を求める声が上がっているが、この議論のタイミングについてが一つ。
 もう一つが、この連休中の代表の過ごし方。ステイホームなのか、都内にとどまるのか伺いたい。

【代表】
 まず、憲法の議論については、間もなく憲法記念日を迎えますが、我々としては変わらず、国民民主党は憲法については積極的に議論していこうという立場です。ただ、このコロナのことが起こって、特に緊急事態条項についての議論を急ごうとする、そういう動きについては私は必ずしも賛同できません
 もしこのコロナに対する緊急事態的な対応を検討するのであれば、国会で私が示した特措法の改正についての建設的な議論にぜひ乗ってきていただきたいと思います。私権の制限と、そして、こういった感染症をいかに防止していくのかということで、いろいろな権利がせめぎ合うわけですが、それは憲法にいかないまでも現在の特措法が果たして十分なのかという議論を具体的にしたほうがよほど感染症の封じ込めには役立つ議論なので、何かちょっといきなり憲法にいく前に、特措法の議論も十分にされないのにいきなり憲法にいくのはためにする議論というか、改憲のための議論にしか聞こえないので、少しそこは落ち着いて、やはり特措法の議論を深めていきましょうというのが私たちの考えです。
 憲法の議論に関していうと、やはりこのコロナが落ち着いた中で、静かな環境で進めていけばいいと思います。その際には、これまで言われているような9条であるとか解散権の制約とか、こういった議論に加えて、やはり食料安全保障はどうあるべきなのかとか、つまりこれだけグローバリズムについての一つの警鐘という形でコロナの問題が出てきたわけですから、各国が輸出制限を食料についてかけるという現状の中で、我々が自国で一体どれだけの食料を確保する必要があるのかという食料安保の問題であるとか、あるいは東京一極集中についても疑問が呈されたわけですから、地方の権限や財源をどうするのか、国・地方の関係、8章の地方自治の本旨、こういったものを、このコロナから学んださまざまな教訓を踏まえたポストコロナの憲法論をしっかり行っていくことが必要だと思います。

○緊急事態宣言の延長方針について

【NHK・米津記者】
 「緊急事態宣言」の延長について、改めて代表のお立場、お考えを伺いたい。

【代表】
 まだ正式に発表はなされていませんが、専門家の意見をしっかりと聞いて決めることが大事だと思います。ただ、よくわからない理由で延長されてしまうと、国民の皆さんも「じゃあ一体どういう条件が満たされたら解除されるのか」ということで不安になりますし、何より予測可能性が国民の皆さんに提供されないので、その意味では、例えば再生産数、一人が何人にうつすという数字が安定的に1以下に下がるとか、陽性比率が7%以下に下がるとか、あるいは医療の逼迫した体制がなくなって、サージカルマスクやガウンやさまざまな医療機材も十分に行き届くようになっているとか、3次救急について受け入れが十分に確保されているとか、そういった幾つかの客観的な指標が満たされる(必要性)、あるいは逆に満たされていないから今はやるんだということを、明確な科学的根拠に基づいた基準を示した上で延長するということを、この際しっかりと示すべきだと思います。
 もう一つは、先ほど言ったように、持久戦に入っていくということであれば、それに応じた十分な武器・弾薬・食料・兵站、つまり万全の生活保障と休業補償を財源も含めて明確に示した上で、国民の皆さんに「これで安心してください。だから休んでください」という、その十分な経済対策とセットでやらないと結局国民が不安になるだけだし、自粛要請ももう耐えられなくなって守ってくれないと思います。
 ですから、明確な基準を示した上で延長することと、十分な追加経済対策とセットで延長するということが大切だと思います。

○「9月入学・9月新学期」の提言について(2)

【NHK・米津記者】
 「9月入学」について、代表は冒頭、現実的には来年度からのスタートというのが現実的な選択肢ではないかとおっしゃった。一方で、9月までにオンライン教育の環境を整えなければならないと。改めて、ことし9月なのか、来年9月なのか、代表はどちらかがいいとお考えか。また、党のワーキングチームの中では9月を含めた入学時期の後ろ倒しという提言だったが、例えば来年4月に後ろ倒しになった場合は将来的な秋入学を実現すべきだとお考えか伺いたい。

【代表】
 先ほど申し上げたように、とにかく子どもの学びに穴があいているのと、それとやはりいろいろな格差がついていますから、一旦仕切り直しをすることが不可欠だと思うのです。その仕切り直しを一体いつからするのかというときに、丸々1年全部遅らせるというのも一つの考えかもしれませんが、やはりずっとこの空白で、かつ、できる人はできるけれどもできない人はできないようなまだら模様の教育環境をいつまでも続けることはやはりよくないと思います。ですから、やはり一つの区切りとして9月からは、コロナがおさまっていようがおさまっていまいが、新しい環境のもとで等しく全ての子どもたちが教育にアクセスできる環境はいずれにせよ整えなければならないと思います。
 その上で、9月に再スタートを今年度切るということであれば、それを恒久的な制度として、いわゆる「9月入学・9月新学期」ということを制度としてそうしていくのかということは次の判断基準になっていくと思うのですが、それはさまざまな他の制度や会計年度ともかかわるので、本格的に根っこから変えるのであれば現実的にはそれは来年9月からのスタートというのが現実的ではないかと思います。ただ、そのためにも、この9月から最低限の教育環境のまだら模様というのは整えた上で再スタートが切れるようにしておかなければならないし、少なくともオンライン教育を受ける環境は全ての子どもたちに、この4ヶ月かけて、もう突貫工事で、何が何でも整備をするということに取り組むことがまず第一歩だと思います。

【NHK・米津記者】
 再スタートの時期が来年4月になった場合は、将来的に恒久的に秋入学にすべきかどうかは、お考えはいかがか。

【代表】
 来年4月まで遅らせることはあり得ないと思います。どんなに遅れても4ヵ月です。ですから、とにかく9月から、この2020年度の再スタートはやはり9月に切るべきであって、全員に1年間留年してもらうというようなことは、それもまた現実的ではないと思いますから、9月からもう一回整え直してスタートを切ることは不可欠だと思います。その上で、本格的にそれを恒久的な制度とするかどうかについてはまさに議論をしていかなければなりませんし、やるのであればやはり来年9月からというのが最も現実的ではないか。従来から言われてきた国際化の流れに対する整合性をとっていく、留学生の受け入れや留学する学生が円滑に間を置かずにできるということはもうこれからの国際時代には不可欠だと思いますから、いずれにせよ9月の入学・新学期ということについては前向きに導入を検討していかなければいけないと思いますが、時期についてはやはりさまざまな他の制度とのかかわりもありますから、来年9月ということが現実的ではないか。繰り返しになるのですが、そのためにもオンライン教育をしっかり整えるのはこの9月までにしっかりとやっていかないと、来年9月にも間に合わないと思います。

○追加経済対策の必要性について(3)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 全国民一律10万円というのは玉木さんの提案で実現はしたが、このお金の性格をどう考えるかということだが、これは困窮者向けの対策ではない。しかも、経済対策でもない。一体何なんだろうと思うと、やはりこれはある種の危機下のベーシックインカムなのだろうと。むしろそういう理念があれば誰もこれを返す必要はないわけで、設計として財務省がちゃんと雑所得にしないで所得税をかけてとしておかないと2回、3回と配れないと思う。ご自身がこれを提案したわけだが、ここでも財務省はサボタージュしているのではないかと思うが、こういうベーシックインカムみたいなことをやるときには最低でも富裕者からはしっかり税金をとってそれを循環させるようなことをしないと、財政拡大して国が滅ぶと思う。100兆円、いいと思うが、やはりその設計については厳密性が必要と思うが、いかがか。

【代表】
 これは今だから申し上げますが、最初の30兆円の緊急経済対策をつくったときの一番最初の一律10万円というところには、実はベーシックインカムという言葉を使って30兆円の政策を打ち出すのが3月上旬の当初の案でした。ベーシックインカムはなかなか言葉がカタカナでわかりにくいなということで役員会でとった経緯がありまして、もともとの私どもの発想は、これはベーシックインカム的に、3ヵ月のベーシックインカムだということで給付をするという政策理念のもとに発信したものです。ですから、そこは我々ぶれがなくて、政府は低所得者向けだと言いながら、低所得者向けじゃない、みんなに配るとなって、政策目的が右往左往したのですが、我々はもともとベーシックインカム的なことを考えていましたので、この考えをやはり貫くべき。なので、(提言において)課税対象にしているということもそのとおりです。
 100兆円というのは、実は月当たり7万円から8万円の額を全ての国民に配るときの年間の所要額が100兆円です。よくベーシックインカムの議論が出てくるときに「財源は幾ら要るんだ」「100兆円もかかるぞ」言うのですが、今回の経済対策で必要な額がまさに100兆円なので、私はむしろ、この働かない働けないという状況で最低限の生活保障を図る仕組みとして今回ある意味ベーシックインカム的な政策を試してみる大事な局面でもあるのかなと思いますので、そういう理念に基づいて第2弾・第3弾のこういう特別給付ということも考えていきたいし、これからの対策に盛り込みたいと思います。

○緊急事態宣言の解除要件について

【朝日新聞・山下記者】
 「緊急事態宣言」の関連だが、きょう津村啓介さんが「緊急事態宣言解除の5要件(案)」というものを上げ、代表も引用してツイートされているが、この案は津村さんの私案というイメージなのか、党としてのたたき台の案なのか、位置づけを確認させていただきたい。

【代表】
 これはあくまで津村議員が科学技術特別委員長として役所の皆さんからお話を聞いてつくったものだと理解していますが、ただ、私これを見させていただいて非常にいいと思います。わかりやすい5原則、定量的な「新規感染者が減少していること」、14日間新規感染者が減少傾向が続く、陽性率が7%以下におさまっている、実効再生産数が1未満におさまっているという3原則と、定性的な「医療崩壊が起きていないこと」、陽性患者の自宅待機が解消されている、そして術前及び入院前のPCR検査や妊婦さんの受け入れ前のPCR検査が十分に行われているという2原則。こういうことが実効的に担保されているということは解除する上では非常に大事だと思いますので、これは現時点においては津村議員の私案ということですが、党全体の判断基準としてもぜひ採用していきたいと思っていますので、これから速やかに党内で承認の議論をしていきたい。これを認める、党全体の一つの判断とできるように党内手続を進めたいと思います。

○連休中の過ごし方について

【代表】
 最後に、文書でいただいているもので、読売の天野記者から。
 新型コロナウイルスの影響で、ことしは例年とは異なるゴールデンウィークになっています。先ほどの近藤さんとちょっと重なりますね。玉木代表は連休中どこでどのようなことを意識して過ごされるのでしょうか。また、党所属の衆参の国会議員もそれぞれ地元での活動が難しい状況かと思います。コロナによる制約がかかる連休中に、提言政党の代表として党所属議員にどのような行動を期待しますか。

【代表】
 これは明確です。やはりステイホーム、ステイアット東京ということなので、本当は地元に帰りたいのですが、ことしの連休は東京にいようと思います。その上で何をするかなのですが、今、国民民主党は、党所属の国会議員が自分の選挙区に登録されている企業に往復はがきを出して、その往復はがきが返ってきています。何かというと、コロナに関しての何か困りごと、あるいはこういうことを改善してほしいということが、往復はがきで聞いたものが今どんどん返ってきていまして、私のところでも例えば3000出したら300ぐらい返ってきているのですね。全体でも10%ぐらい返ってきていますから、泉健太さんが「日曜討論」で言いましたが、1万件ぐらいそういった声を聞くような状況になっていますので、そういった往復はがきが戻ってきたところに対して電話をかけてさらに実情を詳しく聞いたり、それに対する対応策や、あるいは補正が通ったので10万円の給付であるとか持続化給付金とかさまざまな制度が動き始めますから、ただ、一般の人にとってはあれは手続が難し過ぎて、そういった手続の少しサポートをしてあげたり、こういったことで有権者・国民の声を改めて聞くのと同時に、そういった手続のサポートも含めて、一つでもお役に立てるようなことを地元に帰らなくても党を挙げてやっていきたいと思っています。
 よろしいですか。時間がまいりましたので、きょうはここで終わりたいと思います。ちょっと実験的な最初の取り組みでしたが、ちょっとお聞き苦しいところもありましたが、これからもこういったことをやっていきたいと思いますので、ご協力お願いします。ありがとうございました。